JPS6234734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ペレタイジング装置のストランドダ
イに関するものである。

従来のペレタイジング装置のストランドダイ
は、横一列又は千鳥状に配置されたダイ穴を有す
るダイをダイアダプタに取付けることにより構成
されていた。このため、中央部付近のダイ穴と両
端部付近のダイ穴とではダイ穴に到るダイアダプ
タ内における流路長さが異なるため、各ダイ穴に
おける圧力損失は相違していた。このため各ダイ
穴からの樹脂の吐出速度が相違し、ストランド径
が一定とならないため、ペレツト形状にばらつき
を生じていた。この不具合に対処するために、ダ
イアダプタに圧力調整バルブを設けて圧力を均衡
させるようにした従来のペレタイジング装置のス
トランドダイもあるが、圧力の調整可能範囲には
限界があり、ペレツト形状のばらつきを十分に小
さくすることはできなかつた。また、滞留、樹脂
焼け等を発生しやすい材料には適用することがで
きなかつた。

本考案は、従来のペレタイジング装置のストラ
ンドダイにおける上記のような問題点に着目して
なされたものであり、ダイアダプタ内径部にダイ
と一体の流路調整部を設けることにより、上記問
題点を解決する。すなわち、ダイはダイアダプタ
内径部側に突出する流路調整部を有しており、こ
れによりダイアダプタ内径部と流路調整部との間
にすきまが形成される。このすきまが樹脂通路と
なるが、これの断面形状は、ダイアダプタ内径部
入口中心からダイ穴までの距離が遠いダイ穴に対
応する位置ほどこの距離に応じてすきま寸法を大
きくしてある。こうすることによつて、樹脂通路
の圧力損失が各ダイ穴について均等となり、ペレ
ツト形状が均一化される。

なお、本考案は、ダイアダプタ内径部入口中心
から各ダイ穴までの距離が一様でないものに適用
されるものであるから、例えばダイ穴が円周状に
配置されて上記距離がもともと等しいストランド
ダイは本考案の対象外である。

以下、本考案をその実施例を示す添付図面の第
１〜３図に基づいて説明する。

まず、構成について説明する。

樹脂通路穴２を有するダイホルダ４の先端部に
ダイアダプタ６がボルト８によつて取り付けられ
ている。ダイアダプタ６は略直方体状であり、内
部に樹脂通路となる内径部１０を有している。内
径部１０のダイホルダ４側（第１図中で左端面）
の開口は小さく、下流側（第１図中で右端面）の
開口は大きく（すなわち、第２図中で左右方向に
長く）してある。ダイアダプタ６の内径部１０の
下流側開口部にダイ１２がボルト１４によつて取
り付けられている。ダイ１２は多数のダイ穴１６
を有しているが、これらのダイ穴１６は第２図に
示すように（平行２列、ただし、２列の左、右端
同志は所定の半径で滑らかに接続してある）配置
されている。ダイ１２のダイ穴１６によつて囲ま
れた部分はダイアダプタ６の内径部１０の上流側
（第１図中で左方向に）に向つて伸びる流路調整
部１８としてある。流量調整部１８は、第１図に
示すように上流側から下流側へ向つて次第に厚く
なつている。また、流量調整部１８は、第３図に
示すように、中央部は厚く、両端部にいくに従つ
て薄くしてある。すなわち、ダイアダプタ６の内
径部１０と流量調整部１８との間に形成される樹
脂通路の流路面積は中央部では小さく端部側では
大きくなつている。上記流路面積の変化の比率
は、流路面積の変化がないとした場合の圧力損失
に比例させてある。すなわち、圧力損失が大きい
部分の流路面積を大きくすると共に圧力損失が小
さい部分の流路面積を小さくすることにより、各
部の圧力損失が均一になるようにしてある。ダイ
アダプタ６の外周には加熱用ヒータ２０が設けて
ある（なお、加熱装置は、ジヤケツトに加熱流体
を通すようにしたものでもよい）。

次に、作用について説明する。

図示しない押出機によつて押出された溶融樹脂
は、ダイホルダ４の樹脂通路穴２からダイアダプ
タ６の内径部１０に流入し、流量調整部１８によ
つて狭められた流路を通つてダイ穴１６に達し、
ダイ穴１６から例えば水中に押出され冷却後カツ
タによつて切断され、ペレタイズ化される。内径
部１０と流量調整部１８との間の樹脂が樹脂通路
を通過する際には各部における圧力損失が均等で
あるから流れに乱れがなく、各ダイ穴１６を通る
樹脂量は一定となる。従つて、ストランド径は一
定となりペレツト形状は均一化される。

以上説明してきたように、本考案によると、ダ
イにダイアダプタ内径部側に突出する流路調整部
を設け、ダイアダプタ内径部と流路調整部との間
のすきまにより形成される樹脂通路の断面形状
を、ダイアダプタ内径部入口中心からダイ穴まで
の距離が遠いダイ穴に対応する位置ほどこの距離
に応じてすきま寸法が大きくなる形状としたの
で、樹脂通路の圧力損失が各ダイ穴について均等
となり、ペレツト形状が均一化されるという効果
が得られる。また、樹脂が円滑に流れるため、従
来は滞留、樹脂焼け等を発生していた材料につい
ても本考案によるストランドダイを適用すること
ができる。しかも、このストランドダイの構造は
簡単であり、運転中に圧力調整をする必要もな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるストランドダイの断面
図、第２図は第１図に示すストランドダイを矢印
方向に見た図、第３図は第１図の−線に沿
う断面図である。 ２……樹脂通路穴、４……ダイホルダ、６……
ダイアダプタ、８……ボルト、１０……内径部、
１２……ダイ、１４……ボルト、１６……ダイ
穴、１８……流量調整部、２０……加熱用ヒー
タ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 樹脂通路となる内径部を有するダイアダプタ
   と、ダイアダプタ内径部出口に取り付けられた多
   数のダイ穴を備えたダイとを有するペレタイジン
   グ装置のストランドダイであつて、ダイアダプタ
   内径部入口中心から各ダイ穴までの距離が一様で
   ないものにおいて、 ダイはダイアダプタ内径部側に突出する流路調
   整部を有しており、ダイアダプタ内径部と流路調
   整部との間のすきまにより樹脂通路が形成されて
   おり、樹脂通路の断面形状は、ダイアダプタ内径
   部入口中心からダイ穴までの距離が遠いダイ穴に
   対応する位置ほどこの距離に応じてすきま寸法が
   大きくされていることを特徴とするペレタイジン
   グ装置のストランドダイ。