JPS6234665B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は内周に紙管がないトイレツトペーパ
ロールの製造法に関する。

＜従来の技術＞ 本特許出願人は特願昭57−83200号（特開昭58
−200719号公報）で多角形又は歯車形の巻軸上に
広幅のトイレツトペーパを所要長さ巻き取り、次
いで巻軸を引抜き、所定軸に輪切りに切断して内
周が円筒形ではないトイレツトペーパロールを製
造することを提案した。これにより中心部に紙管
が無くても所定幅に輪切りに切断する際にトイレ
ツトペーパロールの内周が潰れず、ホルダーに装
着する軸が通せると共に、トイレツトペーパ紙層
の内層に皺が生じ、この皺が、トイレツトペーパ
が使用末期にあることを知らせる製品を得ること
ができる様になつた。

一般にトイレツトペーパロールは、巻軸１に直
接回転動力を伝える中心駆動式（第１図）か、或
いは巻軸を平行に配列した対のローラ２，２の間
隔上に配置するか（第２図）、Ｖ字形やＸ字形に
交錯させて調節した二組の無端ベルト３……，３
……で形成される谷４の谷底に巻軸を谷底沿いに
配置し（第３図）、ローラ２，２やベルト３，３
を矢印方向に回転又は走行させてその接触摩擦で
巻軸を回転駆動する表面駆動式のトイレツトペー
パ巻取機によつて広幅のトイレツトペーパを巻軸
に巻き取る。そのいずれの場合も広幅のトイレツ
トペーパＰを巻軸上に所要の巻固さで巻き取るた
めに巻軸上にはライデイングローラ５が乗り、自
重、そのほかに重錘やピストンを併用することも
あるが、巻軸を加圧する。このライデイングロー
ラは当初は巻軸に上から直接接触しているが、巻
軸がトイレツトペーパを一巻きでも巻き取ると巻
き取つたトイレツトペーパを介して接触し、次第
に押し上げられる。

＜発明が解決しようとする問題点＞ この場合、巻軸が前述の様に多角形或いは歯車
形断面形状で、多角形の角や、歯車の歯が巻軸の
軸心に平行であると、巻軸が外周上に或る程度の
厚さトイレツトペーパを巻き取り、外形がほゞ円
筒形になる迄は巻軸の円筒形ではない外形により
ライデイングローラは巻軸上で跳ね動き、又、表
面駆動式の場合はライデイングローラの他に巻軸
自身もローラ２，２やベルト３，３上で跳ね動
き、巻き取つたトイレツトペーパロールの巻固さ
が所望の通りにならなかつたり、巻軸が中心から
変位し、巻軸を引抜くと内周が偏心したり、場合
によつては巻取中にトイレツトペーパを幅方向に
千切り、無駄を生じることがある。

＜問題点を解決するための手段＞ そこで本発明は巻軸の多角形の角や歯車形の歯
を螺旋状にし、ライデイングローラや巻軸自身の
跳ね動きを極力防止したのであつて、広幅のトイ
レツトペーパを、断面形状が多角形又は歯車形
で、多角形の角（かど）又は歯車形の歯が螺旋状
に形成された巻軸上に巻き取ることによりトイレ
ツトペーパ紙層の内層に上記巻軸の外周の角（か
ど）に做つて折り目を付け、次いで巻軸を抜取る
ことにより上記折り目の隣接間隔でトイレツトペ
ーパ紙層の内層を内向きに膨らみ出させ、内周に
空間を確保することを特徴とする。

＜実施例＞ 第４，５図は本発明による多角形断面の巻軸の
一例で、６は広幅のトイレツトペーパをその上に
巻き取る所要長さの巻取部で、その長さは広幅の
トイレツトペーパロールの幅に応じてそれよりも
長く定めるが、通常は約２ｍ程度である。巻取部
６の両端からは円筒形外面の端部７，７が突出
し、中心駆動式の場合は巻取機の軸受に軸部の一
方或いは双方を着脱可能にセツトして回転動力を
伝え、表面駆動式の場合は巻き取りが進むにつれ
ローラ２，２或いはベルト３，３から上に離れて
行ける様に巻取機にセツトするが、軸部７，７の
一方或いは双方は巻取機に対して着脱可能であ
る。この様に軸部の一方又は双方を巻取機に着脱
可能にするのは、巻き取り後に紙層を巻取部から
軸方向に抜くためである。

巻取部６の断面形状は第４，５図では正六角形
で、その各角（かど）８の位置は巻取部の一端６
ａと他端６ｂとでは90゜の位相があり、つまり各
角８は1/4ピツチの螺旋状に形成してある。螺旋
のピツチは巻取部の全長に対し1/4に限定される
ものではなく、角数ｎに応じ360゜／ｎを基準に
し、ライデイングローラが常に角（かど）のどれ
か一つの一部の上に載り、表面駆動式巻取機の場
合はそのほかに巻軸自身も常に角（かど）のどれ
か一つの一部でローラ２，２やベルト３，３に接
触する様に定めるのが好ましく、例えば正六角形
であれば60゜つまり1/6ピツチとするが、勿論、
それ以下、例えば正八角形の場合で45゜、つまり
1/8ピツチにしても角が軸心と平行な従来のもの
に較べると跳ね動く量は大幅に減少するのでそれ
でもよい。

このことは巻取部が歯車形断面形状をした第
６，７図の巻軸の場合も同様で、こゝでは円周方
向に等間隔に12ある歯（ないし溝）９を360゜／
12＝30゜＝1/12ピツチの２倍、1/6ピツチで螺旋
状に形成してある。

そして最も好ましいのは上述の様に360゜／ｎ
の２倍或いは３倍のピツチとし、ライデイングロ
ーラが常に複数の角（かど）や歯の一部宛に接触
し、外面が円筒形をした巻軸と同様に巻き取りを
行い、ライデイングローラを跳ね動かしたり、表
面駆動式の場合はその他に自身も跳ね動かない様
にすることである。

こうして巻始めの当初からライデイングローラ
や自身の跳ね動きを極力防止して、或いは全く跳
ね動かずに広幅のトイレツトペーパの巻き取りを
行うので前述の欠点が除かれ、且つトイレツトペ
ーパ紙層の内層に角か歯の通りに螺旋状に折り目
を付け、巻き取り後に巻軸を抜取ることによつて
角や歯で付けた折り目の間を内向きに膨らみ出さ
せ、その後、軸方向に所定の軸で切断して製品と
しても内周に空間を維持することができる。

第８図は第４，５図の巻軸によつて製造したト
イレツトペーパの端面図、第９図は第６，７図の
巻軸よつて製造したトイレツトペーパの端面図
で、いずれもａは角８や、歯９によつてトイレツ
トペーパ紙層の内層に形成した折り目、ｂは上記
折り目の間隔で内向きに膨らみ出た膨らみを示
す。

尚、巻軸を抜くには角や歯に付けてある螺旋に
従つて回しながら抜くことが必要である。このた
め螺旋のピツチをどの程度にするかは抜く際に回
す量を考慮して定めるべきで、引抜きの容易さか
ら考えると精々２〜３回回す程度、好ましくは一
回転以内、つまり１ピツチ以内がよい。

＜発明の効果＞ 本発明によれば、先行提案と同様にトイレツト
ペーパ紙層の内層に、巻軸外周の角（かど）で折
り目を付け、巻き取り後に巻軸を引抜くとその折
り目の間が内向きに膨らんだ内周を有し、所定幅
に輪切りに切断する際に内周の空間が潰れず、且
つ内層には折り目によつて皺が生じ、ホルダーに
装着しての使用中に、その皺がそろそろ紙が盡き
ることを知らせる製品を、紙の無駄を防止して製
造できる。そして、製造された製品に内周が偏心
したり、巻固さが所望の通りならないものは生ぜ
ず、良質の、均一な製品が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は中心駆動式巻取機の要部の概略側面
図、第２図と第３図は夫々異つた表面駆動式巻取
機の要部の側面図、第４図は本発明に使用できる
巻軸の一例の端面図、第５図は同上の平面図、第
６図は同じく巻軸の他の一例の端面図、第７図は
同上の平面図、第８図は第４，５図の巻軸で製造
したトイレツトペーパロールの一部拡大端面図、
第９図は第６，７図の巻軸で製造したトイレツト
ペーパロールの一部拡大端面図で； 図中、１は巻軸、８は螺旋形の角、９は同じく
歯を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 広幅のトイレツトペーパを巻軸に接触させて
   巻き取り、次いで巻軸を抜取つて所定幅に輪切り
   に切断するトイレツトペーパロールの製造法にお
   いて； 上記広幅のトイレツトペーパを、断面形状が多
   角形又は歯車形で、多角形の角（かど）又は歯車
   形の歯が螺旋状に形成された巻軸上に巻き取るこ
   とによりトイレツトペーパ紙層の内層に上記巻軸
   の外周の角（かど）に做つて折り目を付け、次い
   で巻軸を抜取ることにより上記折り目の隣接間隔
   でトイレツトペーパ紙層の内層を内向きに膨らみ
   出させ、内周に空間を確保することを特徴とする
   トイレツトペーパの製造法。