JPS623405B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ホログラフイ装置付内視鏡の改良に
関する。

従来、ホログラフイ装置付内視鏡としては、第
１図で示すように構成されたものが知られてい
る。すなわち、内視鏡の接眼部１側にホログラフ
イ装置２を組み込むものであつて、レーザ光源３
からのレーザ光を分割用プリズム４によつて分割
し、一方の光束をレーザ光ガイド５を介して内視
鏡挿入部６の先端部７に導びき、被写体に照射す
るとともに、この反射光（物体光）をリレーレン
ズ８を介して外部のホログラム用感光体９に導び
くようになつている。さらに、分割用プリズム４
で分割した他方の光束（参照光）は、複数のミラ
ー１０………を介して上記ホログラム用感光体９
に照射することによりホログラフイ撮影を行なう
ものである。

しかして、上記従来の方式にあつては、内視鏡
挿入部６の先端部７における側面に一方向のみに
向つて開口する照明窓１１からレーザ光を照射す
る構造であるため、照射される被写体の範囲は狭
く限られてしまう。したがつて、ホログラフイに
よつて再生される像はその体腔内のほんの一部に
ついてのみであり、診断の際に病変部のオリエン
テーシヨンがつけにくい。また、多くの部位を記
録させようとすれば感光体の数をそれだけ多く必
要とし、かつその取扱いに多くの手間と時間がか
かり、患者に長時間苦痛を与えることになる。

さらに、従来のものは、レーザ光ガイド５とし
て光学繊維束が用いられているが、一方の光束の
みがそのレーザ光ガイド５内を通るので、干渉性
が悪く画質が不鮮明であつた。

また、被写体から反射する物体光をリレーレン
ズ８を用いて外部に導びくため、フアイバスコー
プなどの軟性内視鏡の適用は不可能であつた。

本発明は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは、体腔内の広い範囲を短
時間で撮影できるとともに、鮮明なホログラムが
得られるホログラフイ装置付内視鏡を提供すると
ころにある。

以下、本発明の各実施例を第２図ないし第１３
図にもとづいて説明する。

第２図は本発明の第１の実施例を示すもので、
同図中１２は内視鏡挿入部であり、これは湾曲自
在に形成されている。この内視鏡挿入部１２の先
端部１３にはホログラフイ装置１４と一般観察装
置１５が組み込まれている。上記ホログラフイ装
置１４は、一般観察装置１５より先端側に設置さ
れている。

すなわち、内視鏡挿入部１２内には、たとえば
可撓性の光学繊維束からなるレーザ光ガイド１６
が挿通されており、このレーザ光ガイド１６によ
つて内視鏡の手元側外部に設置するレーザ光源か
らレーザ光を先端部１３に導びくようになつてい
る。さらに、レーザ光ガイド１６の先端側前方に
は円錐状の反射面１７をもつ反射体１８が設置さ
れていて、レーザ光ガイド１６の射出端面１９か
ら射出するレーザ光の向きをほぼ直角方向に変
え、先端部１３の周方向に向けて放射状に反射す
るようになつている。つまり、反射体１８は、レ
ーザ光ガイド１６の射出光軸ｌに反射面１７の頂
点を合わせて同心的に配置されている。

また、先端部１３の周部にはその周方向に沿う
透明な円筒体からなるレーザ用照明窓２０が設け
られている。そして、このレーザ用照明窓２０を
通じて上記反射体１８により放射されたレーザ光
の一部を体腔内に照射するようになつている。

さらに、先端部１３の周部には、上記レーザ用
照明窓２０よりわずか後方に位置して周方向に沿
つて撮影窓２１が形成されていて、体腔内の被写
体Ａから反射する物体光を受け入れるようになつ
ている。また、撮影窓２１の内側には後述する感
光体を装填する撮影部位２３が設けられている。
そして、この撮影部位２３には、感光体として円
筒状のフイルム２４が装填されるようになつてい
る。さらに、レーザ用照明窓２０および撮影窓２
１の開口側には両者にわたつて円筒状のシヤツタ
２５が前後に摺動自在に設けられていて、このシ
ヤツタ２５を図示しない操作ワイヤによつて内視
鏡の手元側から遠隔的に進退操作させられるよう
になつている。すなわち、非撮影時においては、
シヤツタ２５を前進させておき、レーザ用照明窓
２０および撮影窓２１を閉塞するとともに、撮影
時においては、後方に退避させてレーザ用照明窓
２０および撮影窓２１を開放するものである。

一方、一般観察装置１５は、先端部１３の周面
に照明窓２６および観察窓２７を設け、上記照明
窓２６には光学繊維束からなるライトガイド２８
を連結し、上記観察窓２７には結像光学系２９を
介して光学繊維系からなるイメージガイド３０が
連結されてなり、ライトガイド３０および照明窓
２６を通じて体腔内に照明光を出射し、体腔内を
照明するとともに、観察窓２７、結像光学系２９
およびイメージガイド３０を通じて観察できるよ
うになつている。さらに、上記照明窓２６および
観察窓２７は上記シヤツタ２５を後退させたとき
そのシヤツタ２５によつて閉塞されるようになつ
ている。つまり、この一般観察装置１５を使用す
るときは、シヤツタ２５が前進し、ホログラフイ
装置１４のレーザ用照明窓２０および撮影窓２１
を閉じ、一方、ホログラフイ装置１４を使用する
ときは、一般観察装置１５の照明窓２６と観察窓
２７を閉じ、一般観察装置１５とホログラフイ装
置１５を択一的に使用するようになつている。

次に、上記実施例の使用方法を説明する。

まず、外部の一般観察用光源を点灯し、一般観
察装置１５を使用できる状態にして内視鏡挿入部
１２を体腔内に挿入する。そして、内視鏡挿入部
１２の先端部１３を目的部位に誘導したところ
で、シヤツタ２５を後方に引き、ホログラフイ装
置１４のレーザ用照明窓２０および観察窓２１を
開き、一方、一般観察装置１５の照明窓２６およ
び観察窓２７を閉じる。そこで、手元側外部に設
置したレーザ光源を点灯し、レーザ光ガイド１６
を通じてそのレーザ光を先端側に導びき、レーザ
光ガイド１６の射出端面１９から反射体１８に向
けて出射させる。しかして、反射体１８はその反
射面１７によつてレーザ光をほぼ直角方向に向け
て放射状に反射する。

この反射したレーザ光のうち一部の光束は、レ
ーザ用照明窓２０に向つてそのレーザ用照明窓２
０から外部に放射状に出射し、体腔内を照明す
る。そして、体腔内の被写体Ａから反射する物体
光は撮影窓２１を通してフイルム２４に達する。
一方、反射体１８で反射した一部の光束は直接上
記フイルム２４に向つて進み、そのフイルム２４
上に参照光として照射する。以上により円筒状の
フイルム２４上の全周においてホログラム記録が
行なわれる。つまり、先端部１３の全周方位の体
腔内面を一度に撮影することができる。

以下に、本発明の他実施例を示す。第３図で示
す実施例は反射体１８の反射面３１を凸状の球面
としたもので、上記実施例の反射体１８に比べ研
摩が容易で製作上都合がよい。また、球面とする
ことによりレーザ光を広い範囲に照射できるもの
である。

第４図で示す実施例は反射体１８の反射面３２
の２段の円錐状に形成することによりレーザ光を
レーザ用照明窓２０と撮影部位２３のフイルム２
４の各方向にそれぞれ分れて行くようにしたもの
である。したがつて、必要以外のところにレーザ
光が行つて熱をもつたり不必要にフイルム２４を
露光させたりすることがない。

第５図で示す実施例は、反射体１８の反射面３
３が凹状の球面に形成したものである。

第６図で示す実施例は反射体１８の反射面３４
を凹状の円錐状に形成したものである。

第７図で示す実施例は反射体１８の反射面３５
を凹状で２段の円錐形に形成したものである。

第８図および第９図で示す実施例は上記第３図
で示す実施例においてフイルム３６………を多数
用意し、これを円周状に配置したものであり、こ
のようにすればそのフイルム３６………は通常の
シート片状のものを使用できる。

第１０図および第１１図で示す実施例は感光体
としてのフイルムをそれぞれカセツト３７………
に収納し、円周状に配置したものである。

第１２図で示す実施例は、撮影窓３８………を
連続的に形成することなく、小さな開口３９……
…からそれぞれ形成したものである。

第１３図で示す実施例は、平板状の反射板４０
………を複数、たとえば６枚使用し角錐状に反射
体１８を構成したもので、これによれば各反射板
４０………を組み立てることでよいため、容易に
製作することができる。

本発明は以上説明したように内視鏡挿入部の先
端部において、レーザ光ガイドによつて導びかれ
てきたレーザ光を反射体によつて放射状に反射
し、この反射するレーザ光の一部を撮影部位の感
光体に照射し、他方のレーザ光を体腔内に照射
し、その物体光を撮影窓を通して感光体に受ける
ようにしたから、体腔内の全周を一度に撮影する
ことができる。つまり、体腔内の全体像が短時間
で得られる。したがつて、体腔内の全体像を得る
のに、多くの手間と時間がかからず患者に長時間
苦痛を与えることがない。また、体腔内全体像を
容易に得られることから、診断の際に病変部のオ
リエンテーシヨンがつけやすい。

さらに、内視鏡挿入部の先端部にホログラフイ
装置を組み込み、感光体をその内視鏡挿入部の先
端部内に装着し、そこで直接撮影するので、干渉
性に優れ鮮明な画像が得られる。しかも、物体光
を内視鏡の手元側に導びく必要がないので、従来
のようにリレーレンズ系を必要とせず、したがつ
て、内視鏡挿入部を可撓性のものとすることも自
由である。また、撮影部位に装填した感光体に対
してその一面には参照光、他面には物体光をそれ
ぞれ照射するようにしたからその撮影光学系の配
置構造を大巾にコンパクト化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のホログラフイ装置付内視鏡の概
略的構成図、第２図ないし第７図と第８図および
第１０図はそれぞれ本発明の異なる実施例を示す
内視鏡挿入部の先端部の側断面図、第９図は第８
図中−線に沿う断面図、第１１図は第１０図
中XI−XI線に沿う断面図、第１２図は他の実施例
の撮影窓部分を示す断面図、第１３図はさらに別
の実施例を示す反射体の斜視図である。 １２……内視鏡挿入部、１３……先端部、１４
……ホログラフイ装置、１６……レーザ光ガイ
ド、１８……反射体、２０……レーザ用照明窓、
２１……撮影窓、２３……撮影部位、２４……フ
イルム、３６……フイルム、３８……撮影窓。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内視鏡挿入部と、この内視鏡挿入部内に設け
   られレーザ光源からのレーザ光を上記内視鏡挿入
   部の先端内部に導くレーザ光ガイドと、上記内視
   鏡挿入部の先端部周面に設けられた照明窓および
   撮影窓と、上記内視鏡挿入部の先端内部に設けら
   れ上記レーザ光ガイドによつて導入されるレーザ
   光を反射し周囲の上記照明窓に向けて放射状に反
   射しその照明窓を通じて内視鏡挿入部の外部にあ
   る被写体に照射する光と参照光とに２分割する反
   射体と、上記内視鏡挿入部の先端内部に設置され
   上記反射体によつて分割された参照光の入射路側
   に一面を向け他面を上記撮影窓から入射する上記
   被写体からの反射光の入射路側に向けて感光体を
   装填する撮影部位とを具備してなることを特徴と
   するホログラフイ装置付内視鏡。