JPS6233483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は保護継電装置に係り、特に高信頼度を
維持するため自動監視を採用した保護継電装置の
改良に関する。

保護継電装置、特にトランジスタ等の半導体部
品からなる静止形継電器により構成された保護継
電装置は近年、高速動作、高感度および信頼性向
上等の要望される中で系統および機器等への適用
頻度が急増している。そこで上記静止形継電器は
構成部品が多いことから、その部品の不良に伴う
誤動作、誤不動作を防止するため、種々の手段に
より自動監視方式が導入され高信頼度対策に供し
ている。

通常、上記保護継電装置は保護機能の多様性へ
の対応およびフエイルセーフのため異なる動作原
理の継電器が多種組み合わされており、しかも保
護機能の類似別に単一構成され標準化が図られて
いる。このようにして保護継電装置の標準化が行
われれば、製造、試験および保守面等の省力化、
ならびに誤操作等の減少に寄与するとともに品質
等の安定した装置を得ることができる。

ところが、上述の標準化された保護継電装置を
運用するに当り、標準化のために付加され実際に
は使用しない回路等が組み込まれている場合、ま
た将来新たな機能を付加して前記装置のグレード
アツプを図ることが予測し得るときは当初から新
たな機能の一部または全部を組み込んでおく場合
などがある。これらの場合、もし継電器が前記装
置に実装されなければ、自動監視系にその継電器
の点検指令を与えても継電器点検が空歩進される
虞れがある。このことはまた常時監視の結果、不
良と判定された継電器を取り除いておく場合にも
起り得る。このため、装置を構成する継電器中の
未実装継電器については自動監視の対象から除外
する必要がある。

本考案は上記実情に鑑み、自動監視系に少くと
も一部の未実装継電器があれば、継電器点検指令
の与えられた場合でも、その未実装継電器を確実
に自動監視の対象から除外することのできる保護
継電装置を提供することを目的とする。

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案の一実施例につき自動鑑視回路
の構成例を示すブロツク線図である。図は簡単の
ため２つの継電器により構成される保護継電装置
について例示するものである（以下第２，３図も
同様）。図示のＡ，Ｂは継電器である。この継電
器Ａ，Ｂについて次のような自動鑑視回路を構成
する。

１Ａおよび１Ｂは継電器ＡおよびＢを点検する
ための点検指令であつて図示されていない点検指
令発生部から順次第１ステツプ用および第２ステ
ツプ用として出力され、自動監視回路に与えられ
る。２Ａおよび２Ｂは継電器ＡおよびＢに対応し
て設けられ、各継電器の未実装時にポジシヨン選
択信号を形成し得るポジシヨン選択部の操作回路
（以下ポジシヨン選択回路と称す）である。

ポジシヨン選択回路２Ａの出力と点検指令１Ａ
はアンド回路３Ａに与えられ、このアンド回路３
Ａの出力はオア回路６の一方の入力端に与えられ
る。一方、ポジシヨン選択回路２Ｂの出力と点検
指令１Ｂはアンド回路３Ｂに与えられ、このアン
ド回路３Ｂの出力が前記オア回路６の他の入力端
に与えられる。オア回路６の出力は継電器点検の
空歩進を制御する制御入力であり、空歩進制御部
７に与えられる。この空歩進制御部７は前記オア
回路６の出力に応じて制御信号を形成する。即
ち、オア回路６の出力があるとき（論理値１）は
点検指令の与えられている継電器の点検ステツプ
を空歩進し、当該継電器が正しく動作した場合と
等価な制御信号（論理値１）を出力し、オア回路
の出力がないとき（論理値０）は前記点検ステツ
プの空歩進は行わず従つて制御信号は論理値０を
出力する。この制御信号をオア回路１０の一方の
入力端に与える。このオア回路１０の出力端には
保護継電装置全体の動作状態について良否を判定
する継電装置全体点検結果判定部１１が接続され
ている。つまりこの継電装置全体点検結果判定部
１１は、各継電器Ａ，Ｂの点検ステツプ毎に点検
結果の良否を判定し、全ての継電器の点検が終了
した段階で、保護継電装置全体としての動作状態
の良否を判定する。

前記ポジシヨン選択回路２Ａの出力と前記点検
指令１Ａはまた他のアンド回路４Ａに与えられ
る。ただし、このアンド回路４Ａは前記ポジシヨ
ン選択回路２Ａの出力を禁止入力として取り入れ
る。このアンド回路４Ａの出力は継電器Ａの点検
指令であり、点検入力印加制御部５Ａに与えられ
る。これにより前記制御部５Ａは点検入力を形成
し、この点検入力が継電器Ａに印加される。この
継電器Ａの点検出力は継電器Ａの点検結果判定部
８Ａに与えられその良否が判定されたのち、その
判定出力となつてオア回路９の一方の入力端に与
えられる。

一方、前記ポジシヨン選択回路２Ｂの出力と前
記点検指令１Ｂはまた他のアンド回路４Ｂに与え
られる。このアンド回路４Ｂはアンド回路４Ａと
同様に前記ポジシヨン選択回路２Ｂの出力を禁止
入力として取り入れるものである。継電器Ｂの点
検は継電器Ａと同様に前記アンド回路４Ｂからの
点検指令により点検入力印加制御部５Ｂを介して
点検入力が印加され、点検結果判定部８Ｂにより
良否判定を行つたのち、その判定出力が前記オア
回路９の他の入力となる。このオア回路９の出力
はさらに前記オア回路１０の他の入力となる。こ
れにより前記継電装置全体点検結果判定部１１は
前記オア回路１０の出力に応じた保護継電装置全
体の良否判定を行う。

さらに継電器ＡおよびＢの各自動監視系には、
一方の入力端に継電器Ａの点検出力を取り入れ、
他の入力端にポジシヨン選択回路２Ａの出力を禁
止入力として取り入れるアンド回路１２Ａ、およ
び一方の入力端に継電器Ｂの点検出力を取り入
れ、他の入力端にポジシヨン選択回路２Ｂの出力
を禁止入力として取り入れるアンド回路１２Ｂが
設けられている。各アンド回路１２Ａおよび１２
Ｂの出力はオア回路１３に与えられる。このオア
回路１３の出力により常時監視不良判定回路１４
は監視動作を行い、前記継電器ＡおよびＢの誤動
作状態等の監視結果を判定する。

ここで、継電器ＡおよびＢに対応するポジシヨ
ン選択回路２Ａおよび２Ｂは、どちらの継電器が
未実装であつても該当する継電器を自動監視の対
象から除外させ得るような操作回路として構成さ
れるものである。このポジシヨン選択回路２Ａ，
２Ｂでは各対応する継電器の未実装時にポジシヨ
ン選択信号を形成する方法として次のような方法
が挙げられる。それは配線を浮かした箇所にテー
ピング等により処置する方法、実際には一部の配
線を行わず、継電器が実装された際にその配線の
一部を追加する方法、あるいは回路中に端子台等
を設け、この端子間に渡り線等を用いて処置する
方法などである。これらの方法によりポジシヨン
選択回路を操作すれば、その出力に未実装継電器
を自動監視の対象から除外するためのポジシヨン
選択信号を得ることができる。

次に、以上のように構成された自動監視回路の
動作を説明する。簡単のため継電器Ａは未実装、
継電器Ｂが実装の場合についてのみ説明する。

先ず、継電器Ａの未実装時について考察する。
この場合未実装継電器Ａに対応したポジシヨン選
択回路２Ａを操作し、その出力として論理１のポ
ジシヨン選択信号を得る。この論理信号１はアン
ド回路３Ａおよび４Ａの一方の入力端に与えられ
る。アンド回路３Ａは動作可能となる。アンド回
路４Ａは前記論理信号１を禁止入力として取り入
れることによりロツクされるから、点検入力印加
制御部５Ａもロツクされる。このとき対象継電器
Ａの点検指令１Ａが前記アンド回路３Ａの他の入
力端に与えられると、ポジシヨン選択回路２Ａの
前記ポジシヨン選択信号とによりアンド回路３Ａ
の出力条件が成立する。このアンド回路３Ａの出
力はオア回路６を介して空歩進制御部７の制御入
力となる。空歩進制御部７はこの制御入力がある
と（論理値１）継電器Ａについての点検ステツプ
の空歩進制御を行い、当該継電器Ａが正しく動作
した場合と等価な制御信号をオア回路１０を介し
て継電装置全体点検結果判定部１１に与える。こ
の判定部１１は未実装継電器Ａの出力側モードに
拘わらず、空歩進制御を行つた保護継電装置の点
検結果を「良」と判定する。よつて未実装継電器
Ａには点検入力は印加されず、自動監視の対象か
ら除外することができる。また仮りに未実装継電
器Ａは、その対応するポジシヨン選択回路２Ａを
操作してポジシヨン選択信号を得たのにも拘わら
ず、出力側が実装時の動作出力と同一モードにな
つた場合でも、アンド回路１２Ａがポジシヨン選
択信号の禁止入力を取り入れることからロツクさ
れ、常時監視不良判定回路１４をロツクすること
ができる。

一方、実装継電器Ｂについては、対応するポジ
シヨン選択回路２Ｂは操作せず、点検指令１Ｂの
みその自動監視系に与える。すなわち、アンド回
路３Ｂをロツクし、この場合の空歩進制御部７を
不用にする。アンド回路４Ｂは、一方の入力端に
点検指令１Ｂを取り入れ、他の入力端にポジシヨ
ン選択回路２Ｂからの禁止入力を取り入れること
により出力条件が成立する。このアンド回路４Ｂ
の出力は点検入力印加制御部５Ｂを介して継電器
Ｂに点検入力を印加し、この継電器Ｂを動作させ
る。これにより継電器Ｂの点検結果判定部８Ｂが
継電器Ｂの点検出力を取り入れ、異常の有無等の
良否を判定する。この判定部８Ｂの判定出力はオ
ア回路９、そしてオア回路１０を介して継電装置
全体点検結果判定部１１に与えられる。この結果
継電装置全体点検結果判定部１１は点検ステツプ
１で継電器Ａの点検結果の良否を、点検ステツプ
２で継電器Ｂの点検結果の良否をそれぞれ判定
し、継電装置全体としての良否を判定する。

さらに継電器Ｂが動作すれば、アンド回路１２
Ｂはその点検出力とポジシヨン選択回路２Ｂから
の禁止入力を取り入れるため、その出力により常
時監視不良判定回路１４が動作し、通常の自動監
視が行われる。

したがつて、未実装継電器Ａは、対応するポジ
シヨン選択回路２Ａを操作してポジシヨン選択信
号を得れば、アンド回路４Ａおよびアンド回路１
２Ａがロツクされるから、自動監視系統からは除
外され、且つ空歩進制御を行うことができる。

上述の実施例において、ポジシヨン選択回路は
配線変更等を伴う方法によりポジシヨン選択信号
を形成する旨説明したが、同様にポジシヨン選択
信号を形成することのできる具体例を第２図に示
す。

第２図ａは接続ピンの挿入端子１５Ａおよび１
５Ｂを各ポジシヨン選択回路２Ａおよび２Ｂの回
路中に設けた場合、第２図ｂは同様に切替スイツ
チ１６Ａおよび１６Ｂを設けた場合である。何れ
の場合にも対応する継電器Ａ，Ｂの未実装時にお
いて、前記挿入端子１５Ａ，１５Ｂに図示しない
接続ピンの挿入または前記切替スイツチ１６Ａ，
１６Ｂを投入し、ポジシヨン選択回路２Ａ，２Ｂ
を閉路することにより容易にポジシヨン選択信号
を得ることができる。

また、第１図に示した自動監視回路において、
未実装継電器を自動的に検出し、且つ未実装継電
器に応じたポジシヨン選択信号を形成することの
できるポジシヨン選択回路の他の実施例を第３図
に示す。図において、ポジシヨン選択回路２Ａお
よび２Ｂは継電器収納スペース１７Ａおよび１７
Ｂと、この収納スペース１７Ａおよび１７Ｂに収
納し得る継電器ＡおよびＢの実装未実装に連動し
て開閉する接点１８Ａおよび１８Ｂとから構成さ
れている。

例えば図示のように、継電器収納スペース１７
Ａには鎖線で示す継電器Ａが未実装で、継電器収
納スペース１７Ｂには継電器Ｂを実装するものと
する。接点１８Ａは継電器Ａが未実装のため閉成
するから、ポジシヨン選択回路２Ａは与えられた
論理１の信号を出力することができる。これによ
り自動監視回路は継電器Ａを自動監視対象から除
外し、この継電器Ａについての空歩進制御を行
う。一方、継電器Ｂの実装により接点１８Ｂは開
き、ポジシヨン選択回路２Ｂはロツクされてその
出力が得られないから、空歩進制御は行われず、
継電器Ｂにおける通常の自動監視が実施される。

自動検出用の前記接点は、前記収納ケース内で
の継電器の有無が自動的に検出し得るものであれ
ば良く、図示の実施例に限定されるものではな
い。

上述した実施例は、何れも継電器Ａが未実装、
継電器Ｂを実装する場合についてのみ説明した
が、これとは反対に継電器Ａを実装し、継電器Ｂ
が未実装の場合、または継電器ＡおよびＢが未実
装の場合においても、前述と同様にしてそれぞれ
未実装継電器の自動監視をその対象から除外する
ことができる。

さらに、上述の実施例では、何れも２つの継電
器から構成される保護継電装置について説明した
が、ｎ個の継電器を組み込んで構成する保護継電
装置の場合はそれぞれの継電器に対応してｎ個の
ポジシヨン選択回路を設ければ良く、組み込まれ
る継電器数の多少に拘わらず、自動監視回路の動
作を制御することができる。

本考案は以上のように、多重化された継電器の
自動監視系に、配線の変更またはスイツチの切替
え等により容易に操作し得る前記継電器に対応し
た個別のポジシヨン選択回路を設け、各継電器に
供給し得る点検指令と、前記ポジシヨン選択回路
からのポジシヨン選択信号とを前記自動監視系の
入力とし、継電器点検時の空歩進制御を行い得る
自動監視回路を備えた保護継電装置を構成したた
め、前記継電器の何れかが未実装である場合、前
記自動監視回路は対応する前記ポジシヨン選択回
路からの前記ポジシヨン選択信号とともに前記点
検指令を取り入れることにより空歩進制御を行つ
て、未実装継電器の自動監視系にかかる回路をロ
ツクし、確実に前記未実装継電器を自動監視対象
から除外することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す自動監視回路
のブロツク線図、第２図は第１図のポジシヨン選
択回路の実施例を示す回路図、第３図は第２図の
他の実施例を示す回路図である。 Ａ，Ｂ……継電器、１Ａ，１Ｂ……点検指令、
２Ａ，２Ｂ……ポジシヨン選択回路、３Ａ，３
Ｂ，４Ａ，４Ｂ，１２Ａ，１２Ｂ……AND回
路、５Ａ，５Ｂ……点検入力印加制御部、６，
９，１０，１３……OR回路、７……空歩進制御
部、８Ａ，８Ｂ……各継電器の点検結果判定回
路、１１……自動点検判定部、１４……不良監視
（常時監視）判定回路、１５Ａ，１５Ｂ……接続
ピン挿入端子、１６Ａ，１６Ｂ……切替スイツ
チ、１７Ａ，１７Ｂ……継電器スペース、１８
Ａ，１８Ｂ……補助接点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 少くとも一部に未実装継電器を含む複数の継
   電器と、これら継電器の各々に設けられた点検
   装置と、前記各継電器の出力信号をそれぞれ得
   て判定を行う複数の継電器点検結果判定部と、
   操作により前記継電器中の未実装継電器に対応
   したポジシヨン選択信号を形成するポジシヨン
   選択部と、前記各継電器の点検入力部に点検指
   令を与える点検指令発生部と、前記各継電器中
   の何れかに前記ポジシヨン選択信号が与えられ
   ないとき当該継電器の出力信号を出力する論理
   回路と、この論理回路の出力信号を入力し監視
   動作を行う常時監視不良判定回路と、前記複数
   の継電器中の何れかに前記点検指令および前記
   ポジシヨン選択信号が与えられたとき、当該継
   電器についての点検ステツプの空歩進制御を行
   い、当該継電器が正しく動作した場合と等価な
   信号を出力する空歩進制御部と、この空歩進制
   御部の出力信号および前記複数の継電器点検結
   果判定部の出力信号を入力する継電装置全体点
   検結果判定部とを備えた保護継電装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
   おいて、ポジシヨン選択部は接続ピンの挿入端
   子または切替スイツチ等により構成され、前記
   挿入端子に接続ピンの挿入または前記切替スイ
   ツチの投入等により操作しポジシヨン選択信号
   を形成し得るようにしたことを特徴とする保護
   継電装置。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
   おいて、ポジシヨン選択部は継電器との連動接
   点等が設けられこの継電器の未実装時に閉路し
   該未実装継電器を自動的に検出し得る検出回路
   を具備してなる保護継電装置。