JPS6232933A - 平均血圧連続測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は生体の指を圧迫することにより発生する脈波に
基づいて平均血圧値を連続的に測定する平均血圧連続測
定装置に係り、特に平均血圧値の変化をきめ細かく測定
し得る装置に関するものである。

従来技術 運動時における生体の自律神経系反射機能を調べたり、
手術中の病態を知る際等において、血圧値のトレンド（
経時変化傾向）がバイタルサイン（生体情報）の一つと
して活用されている。そして、このような血圧値のトレ
ンドを得るための装置の一種に、生体の一部を圧迫する
圧迫圧力の変化に伴って変化する脈波の振幅が最大とな
った時の圧迫圧力を平均血圧値とし、圧迫圧力をその平
均血圧値付近において繰り返し昇降させつつ脈波を検出
することにより、その脈波の振幅が最大となった時の圧
迫圧力すなわち平均血圧値を連続的に測定するようにし
た平均血圧連続測定装置がある。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、かかる平均血圧連続測定装置においては
、一つの平均血圧値を測定するために少なくとも三つの
脈波を検出する必要があるため、血圧値の変化を必すし
もきめ細かく測定することはできなかった。また、平均
血圧値付近において圧迫圧力が周期的に昇降させられる
ため、被測定者に不快感を与えるという問題も含んでい
た。

問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために為されたものであ
り、その要旨とするところは、生体の指を圧迫すること
により発生する脈波に基づいて平均血圧値を連続的に測
定する装置であって、ｔａ＋前記生体の三本の指を第一
圧迫圧力、その第一圧迫圧力よりも高い第二圧迫圧力、
その第二圧迫圧力よりも高い第三圧迫圧力にてそれぞれ
圧迫する圧迫手段と、ｆｂ）その圧迫手段によって圧迫
されることにより前記三本の指にそれぞれ発生する三種
類の脈波をそれぞれ検出する脈波検出手段と、（Ｃ１前
記第二圧迫圧力にて圧迫される指に発生する脈波が他の
指に発生する脈波よりも大きくなるように前記第一圧迫
圧力、第二圧迫圧力、および第三圧迫圧力を相互の関係
を保持しつつずらす圧迫圧力調節手段と、（ｄｌ前記第
一圧迫圧力、第二圧迫圧力。

および第三圧迫圧力の少なくとも一つに基づいて平均血
圧値を決定する平均血圧決定手段とを含んで構成したこ
とにある。

作用および発明の効果 このような平均血圧連続測定装置においては、生体の任
意の三本の指が圧迫手段によってそれぞれ異なる第一圧
迫圧力、第二圧迫圧力、および第三圧迫圧力にて同時に
圧迫されるとともに、その圧迫によって三本の指にそれ
ぞれ発生する三種類の脈波が脈波検出手段によりそれぞ
れ検出される一方、第一圧迫圧力よりも高く且つ第三圧
迫圧力よりも低い第二圧迫圧力にて圧迫される指に発生
する脈波の振幅が他の二本の指に発生する脈波の振幅よ
りも大きくなるように、それら第一圧迫圧力、第二圧迫
圧力、および第三圧迫圧力が圧迫圧力調節手段によって
相互の関係を保持しつつずらされる。これにより、それ
ら三種類の圧迫圧力は、平均血圧値の変動に追従して調
節される。そして、平均血圧決定手段によりそれらの圧
迫圧力に基づいて平均血圧値が決定されることにより、
かかる平均血圧値が連続的に測定される。

すなわち、本発明は、生体の任意の三本の指における血
圧値には殆ど大差がないことに着目し、それら三本の指
をそれぞれ異なる圧迫圧力にて同時に圧迫することによ
り、−回の心臓の拍動に同期してそれら三本の指にそれ
ぞれ発生する三種類の脈波を同時に検出し、それに基づ
いて平均血圧値を決定するようにしたのであり、このよ
うにすれば、平均血圧値を脈波毎にきめ細かく測定する
ことができるのである。また、各市を圧迫する圧迫圧力
は、平均血圧値の変動に追従して調節されるのみである
ため、一つの平均血圧値を測定する毎に圧迫圧力がその
平均血圧値付近を昇降させられる従来の場合に比較して
、被測定者に与える不快感が大幅に軽減される。

なお、上記圧迫圧力調節手段は、結果として第二圧迫圧
力にて圧迫される指に発生する脈波が他の指に発生する
脈波よりも大きくなるように各圧迫圧力を調節すれば良
いのであり、例えば第二圧迫圧力が平均血圧決定手段に
て決定された平均血圧値と一致するように各圧迫圧力を
調節するようにしても差支えない。また、この時保持す
べき各圧迫圧力の相互の関係とは、少なくとも第一圧迫
圧力よりも第二圧迫圧力の方が大きく、且つその第二圧
迫圧力よりも第三圧迫圧力の方が大きいという関係を保
持しておればよいのである。

また、上記平均血圧決定手段としては、例えば上記三種
類の脈波の大きさとそれらの圧迫圧力とに基づいて按分
比例等の計算によって平均血圧値を求めたり、脈波の振
幅が最も大きい第二圧迫圧力をそのまま平均血圧値とし
たりするなど、種々の手段を採用できる。

実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図において、１０ａ、１０ｂ、および１０Ｃはそれ
ぞれ被測定者の薬指、中指、および人差指に巻回される
カフであり、それらのカフ１０ａ。

１０ｂ、ｌＯｃにはそれぞれ配管１２ａ、１２ｂ。

１２Ｃを介して共通のタンク１４が接続されている。タ
ンク１４は１０００ｃｃ程度の内容積を有するとともに
ポンプ１６に接続されて空気が供給されるようになって
いる一方、上記配管１２ａ、１２ｂ、１２Ｃにはそれぞ
れ空気供給用の電磁弁１８ａ、１８ｂ、１８ｃおよび空
気排出用の電磁弁２０ａ、２０ｂ、２０ｃが設けられて
おり、それらの電磁弁の開動作、閉動作によってカフ１
０ａ。

１０ｂ、１０ｃの圧迫圧力（以下、カフ圧という）がそ
れぞれ独立に調節され得るようになっている。なお、か
かる空気の供給、排出は何れも流量制限用の絞りを通し
て行われる。

上記配管１２ａ、１２ｂ、１２ｃにはまた、圧力センサ
２２　ａ、　　２２　ｂ、　　２２　ｃがそれぞれ接続
されている。圧力センサ２２ａ、２２ｂ、２２ｃは何れ
も増幅器を備えて構成され、それぞれカフ１０ａ、１０
ｂ、１０ｃ内の圧力を検出するとともに、その圧力を表
す圧力信号ＳＰａ、ＳＰｂ。

ＳＰｃをローパスフィルタ２４ａ、２４ｂ、２４Ｃおよ
びバンドパスフィルタ２６ａ、２６ｂ、２６Ｃに供給す
る。ローパスフィルタ２４ａは、圧力信号ＳＰａから人
体の脈拍に同期する脈波等の振動成分を除去し、カフ１
０ａの静的な圧力すなわちカフ圧Ｐａを表すカフ圧信号
ＳＫａをマルチプレクサ２８に供給する一方、バンドパ
スフィルタ２６ａは、ローパスフィルタ２４ａとは逆に
圧力信号ＳＰａ中から脈波成分のみを取り出した脈波信
号ＳＭａをマルチプレクサ２８に供給する。

また、ローパスフィルタ２４ｂおよび２４ｃ、バンドパ
スフィルタ２６ｂおよび２６Ｃは、それぞれローパスフ
ィルタ２４ａ、バンドパスフィルタ２６ａと全く同様な
作用を為す。

上記マルチプレクサ２８にはまた、前記タンク１４に接
続された圧力センサ３０から、そのタンク１４内のタン
ク圧Ｔを表すタンク圧信号ＳＰＴがローパスフィルタ３
２を経て供給されるようになっている。そして、このよ
うにしてマルチプレクサ２８に供給された各種の信号は
、Ｉ１０インターフェース回路３４から供給されるタイ
ミング信号ＳＴに従ってＡ／Ｄコンバータ３６に出力さ
れ、それぞれデジタル信号に変換された後１１０インタ
ーフェース回路３４に供給される。

Ｉ１０インターフェース回路３４は、データバスライン
を介してＣＰＬＪ３８．ＲＡＭ４０．ＲＯＭ４２に接続
されており、ＣＰＵ３　ＢはＲＡＭ４０の一時記憶機能
を利用しつつＲＯＭ４２に予め記憶されたプログラムに
従って信号の処理を行い、前記ポンプ１６．空気供給用
の電磁弁１８ａ、１８ｂ、１８ｃ、および空気排出用の
電磁弁２０ａ。

２０　ｂ、　　２０　ｃにそれぞれ駆動信号ＰＤ、Ｍｌ
ａ。

ＭＩｂ　、ＭＩｃ　、ＭＯａ　、Ｍｏｂ　、ＭＯｃを供
給する。また、表示装置４４には表示信号ＤＤを供給し
、平均血圧値をＬＥＤ等によって連続的に点灯表示させ
る。なお、Ｉ１０インターフェース回路３４には、起動
停止スイッチＳＷの閉成操作（ＯＮ操作）によって起動
停止信号ＳＳが供給されるようになっている。

次に、本実施例の作動を第２図のフローチャートに従っ
て説明する。

先ず、図示しない電源スィッチが投入されるとステップ
Ｓ１が実行され、起動停止スイッチＳＷが閉成操作され
たか否か、換言すれば起動停止信号ＳＳが供給されてい
るか否かが判断され、起動停止信号ＳＳが供給されると
、次にステップＳ２が実行される。ステップＳ２におい
ては、空気供給用の電磁弁１８ａ、１８ｂ、１８ｃおよ
び空気排出用の電磁弁２０　ａ、　　２０　ｂ、　　２
０　ｃが閉じられるとともにポンプ１６が駆動信号ＰＤ
に従って作動させられ、タンク圧信号ＳＰＴが表すタン
ク圧Ｔが予め定められた一定の設定圧力Ｔ０、例えば３
５０ｍｍＨｇ程度となるまでタンク１４内に空気が供給
される。

続いて、ステップＳ３が実行されて電磁弁１８ｂが開か
れ、カフ圧信号ＳＫｂが表すカフ圧ｐｂが予め定められ
た一定の設定圧力Ｐ。となるまで、タンク１４からカフ
１０ｂ内に空気が供給される。

この設定圧力Ｐ０は予想される被測定者の平均血圧値よ
り高い圧力で、例えば１２０ＩＩＩＩＨｇ程度に設定さ
れる。カフ圧ｐｂが設定圧力Ｐ。に達すると、次にステ
ップＳ４が実行され、電磁弁２０ｂを開いてカフ１０ｂ
内の空気を徐々に排出し、カフ圧ｐｂをゆっくりと降下
させるとともに、脈波信号ＳＭｂが表す脈波を連続的に
検出することにより、その脈波の大きさの変化に基づい
て平均血圧値Ｐｍを測定する。すなわち、脈波の振幅の
大きさとカフ圧（圧迫圧力）との関係は、一般に、第３
図のグラフに示されているように、カフ圧を徐々に減ら
していくと脈波の振幅は次第に大きくなり、やがてピー
クに達したのち次第に小さくなるのであり、そのピーク
に達した時のカフ圧を平均血圧値Ｐｍとして測定するの
である。したがって、上記設定圧力Ｐ。がその平均血圧
値Ｐｉより低い場合には平均血圧値ＰｍはＩ１１定され
得す、その平均血圧値Ｐｍが測定されたか否がが次のス
テップＳ５において判断される。

ステップＳ４において平均血圧値Ｐｍが測定され得なか
った場合には、ステップＳ５における判断はＮＯとなり
、続いてステップＳ６が実行される。ステップＳ６にお
いては、上記設定圧力Ｐ。

がそれよりΔＰ（例えば、１０〜４０ｍｍｌ（ｇ程度）
だけ高い圧力に変更され、その後再びステップＳ３およ
びＳ４が実行されて平均血圧値Ｐｍが測定し直される。

そして、ステップｓ５の判断がＹＥＳとなると、次にス
テップＳ７が実行され、電磁弁１８ａ、１８ｂ、１８ｃ
を開いてカフ１０ａ。

１０ｂ、１０ｃ内にタンク１４からそれぞれ空気を供給
することにより、カフ圧Ｐａは上記平均血圧値Ｐｍより
予め定められた一定の圧力（例えば、１１０ｍｍ１Ｉ程
度）だけ低い圧力となるように、カフ圧ｐｈは平均血圧
値Ｐｍと同じ圧力となるように、カフ圧Ｐｃは平均血圧
値Ｐｍより予め定められた一定の圧力（例えば、ＩＯｍ
ｌＨｇ程度）だけ高い圧力となるようにそれぞれ昇圧さ
れる。なお、カフ圧Ｐａとｐｂとの圧力差と、カフ圧Ｐ
ｈ、ｌ！：ＰＣとの圧力差とは、必ずしも同じにする必
要はない。本実施例では、このステップＳ７およびこれ
を実行するＣＰＵ３８．ＲＡＭ４０．ＲＯＭ４２、並び
にカフ１０ａ、１０ｂ、ｌｏｃ、電磁弁１８ａ、１８ｂ
、１８ｃ、タンク１４．ポンプ１６゜圧力センサ２２　
ａ、　　２２　ｂ、　　２２　ｃ、　　ｏ−パスフィル
タ２４　ａ、　　２４　ｂ、　　２４　ｃ等により圧迫
手段が構成されているのであり、にの時のカフ圧Ｐａ。

Ｐｂ、およびＰｃはそれぞれ第一圧迫圧力、第二圧迫圧
力、および第三圧迫圧力を意味している。

次に、ステップＳ８が実行されて、」二述した互いに異
なるカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃによって圧迫されることに
より一回の心臓の拍動に同期して薬指、中指２人差指に
それぞれ同時に発生する三種類の脈波を表す脈波信号Ｓ
　Ｍａ　、　　Ｓ　Ｍｂ　、　　Ｓ　Ｍｅがそれぞれ読
込まれ、その読込まれたデータに基づいてそれら三種類
の脈波が全て検出されたか否かが判断される。このステ
ップＳ７およびこれを実行するＣＰＴＪ’３８．ＲＡＭ
４０．ＲＯＭ４２、並びに圧力センサ２２ａ、２２ｂ、
２２Ｃ，バンドパスフィルタ２６ａ、２６ｂ、２６ｃ等
により脈波検出手段が構成されている。

ステップＳ８において上記三種類の脈波が全て検出され
ると、次にステップＳ９が実行され、それらの脈波の大
きさおよび各カフ圧Ｐａ、Ｐｂ。

Ｐｃに基づいて平均血圧値Ｐｍｘを算出するとともに、
表示信号ＤＤを出力して表示装置４４にその平均血圧値
Ｐｍｘを表示させる。この平均血圧値Ｐｍｘの算出に際
しては、第４図に示されているように、カフ圧Ｐａにて
圧迫された薬指の脈波の大きさすなわち振幅をＡａ、カ
フ圧ｐｂにて圧迫された中指の脈波の振幅をＡｂ、カフ
圧Ｐｃにて圧迫された人差指の脈波の振幅をＡｃとし、
且つ脈波の振幅の大きさは平均血圧値を中心として対称
的に変化しているものとすると、例えばカフ圧Ｐａとｐ
ｂとの圧力差がカフ圧ｐｂとＰｃとの圧力差に等しい場
合には、按分比例により、次式（１）：％式％） からＸｌを求め、このＸ、を平均血圧値Ｐｍｘとするこ
とができる。また、このＸｌとカフ圧Ｐｂとを比較して
、 ｘｔ　＞ｐｂの場合には次式（２）： ％式％） Ｘ□＜ｐｂの場合には次式（３）： Ｘ３　−　（Ｐｂ　　−Ｐａ　　）　　　・　Ａｂ　　
／　　（Ａａ　　−）Ａｂ　　）イーＰａ　　　　　・
・・（３） からＸ２或いはＸ３を求め、これらを平均血圧値Ｐｍｘ
としたり、更に、これらＸ２或いはＸ３と前記Ｘ、との
平均値を求めてそれを平均血圧値Ｐｍχとしたりするな
ど、種々の態様で算出できる。なお、このようにして求
めた平均血圧値Ｐｍｘは、必ずしも真の平均血圧値と正
確に一致するものではないが、平均血圧値のトレンドを
観察する」二においてば何等差支えないのである。また
、カフ圧ＰａとＰｂとの圧力差やカフ圧ｐｂとＰｃとの
圧力差を小さく設定すれば、平均血圧値Ｐｍｘはより正
確な値となる。このステップＳ９並びにこれを実行する
ＣＰＵ３８．ＲＡＭ４０．ＲＯＭ４２等により平均血圧
決定手段が構成されている。

ステップＳ９において平均血圧値ＰｍＸが算出されると
、次にステップＳＩＯが実行され、上記三種類の脈波の
振幅Ａａ、Ａｂ、Ａｃを比較し、それらの関係が次式（
４１，（５１： ％式％（４） を満たしているか否かが判断される。α、βは、それぞ
れカフ圧Ｐａ　とＰｂとの圧力差、カフ圧ＰｂとＰｃと
の圧力差に基づいて、換言すればそれらの圧力差に起因
する脈波の大きさの相違に基づいて、１以下の所定の範
囲内の値に予め定められるもので、それらの“圧力差が
同しであればαとβも略同じ値に設定される。そして、
振幅ＡａとＡｂとＡｃとの関係が」二記（４１，ｆ５１
式を共に満たしている場合にはステップＳｌｌが実行さ
れるが、そうでない場合にはステップＳ１２が実行され
てカフ圧Ｐａ　、　　Ｐｂ　、　　Ｐｃ、が調節された
後ステップＳ１１が実行される。すなわち、上記ステッ
プＳ１０は、平均血圧値の変化に伴って振幅ＡａとＡｂ
とＡｃとの関係が変化した場合に、平均血圧値に追従さ
せてカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃを調節すべきか否かを判断
するもので、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、ＰＣの圧力差との関係
においてα、βが大きい場合には大まかな調節が行なわ
れ、小さい場合にはきめ細かな調節が行なわれることと
なる。カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃの変動に伴う被測定者の
不快感を軽減する上においては、それらの調節は大まが
な方が好ましく、例えば、カフ圧Ｐａとｐｂとの圧力差
およびカフ圧ｐｂとＰｃとの圧力差が共に１０　＊＊　
Ｈｇ程度である場合には、上記α、βは０．７程度とす
ることが望ましい。

ステップＳ１２においては、空気供給用の電磁弁１８ａ
、１８ｂ、１８ｃ或いは空気排出用の電磁弁２０ａ、−
２０ｂ、２０ｃ゛を制御することにより、カフ圧Ｐａ、
Ｐｂ、およびＰｃの相互の関係、具体的にはそれらの間
の圧力差を一定に保持しつつ、カフ圧ｐｂが前記ステッ
プｓ８において算出された平均血圧値Ｐｎ＋ｘと一致す
るように、それらカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃをそれぞれ調
節する。この結果、各カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃは、平均
血圧値の変化に追従してカフ圧ｐｂがその平均血圧値と
略一致する圧力となるように全体的にずらされ、平均血
圧値の変動に拘らず、カフ圧ｐｂによって圧迫される中
指の脈波の振幅Ａｂが、他のカフ圧Ｐａ、Ｐｃによって
圧迫される薬指や人差指に発生する脈波の振幅ＡａやＡ
ｃよりも大きくなる状態が維持されるのである。このス
テップＳＬ２およびこれを実行するＣＰ０３Ｂ、ＲＡＭ
４０．ＲＯＭ４２、並びに空気供給用の電磁弁１８ａ、
１８ｂ、１８ｃ、空気排出用の電磁弁２０ａ、２０ｂ、
２０ｃ等により圧迫圧力調節手段が構成されている。

ステップＳｌｌにおいては、タンク圧信号ＳＰＴが表ず
タンク圧Ｔが予め定められた最低圧力Ｔ１より大きいか
否かが判断され、大きい場合にはステップ３１３が実行
されるが、小さい場合にはステップＳ１４が実行された
後ステップ３１３が実行される。最低圧力Ｔ１は前記設
定圧力Ｔ０より小さい圧力、例えば３３０＋ｎＨｇ稈度
に定められ、タンク１４からカフ１０ａ、１０ｂ、１０
ｃに空気が供給されることにより、タンク圧Ｔがその最
低圧力Ｔ１以下の圧力まで低下した場合には、ステップ
３１４においてポンプ１６が作動さゼられ、タンク圧Ｔ
が設定圧力Ｔ。に達するまで昇圧される。

ステップ３１３においては起動停止スイ・７チＳＷが再
操作（ＯＦＦ操作）されたか否かが判断され、ＯＦＦ操
作されて起動停止信号ＳＳが供給されていない場合には
、ステップ３１５が実行されて空気排出用の電磁弁２０
ａ、２０ｂ、２０ｃが開かれ、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃ
を降圧して血圧測定を終了する。しかし、この段階では
未だ充分なトレンドが得られていないため、通常は起動
停止スイッチＳＷのＯＦＦ操作は為されず、ステップ８
８以下の実行が繰り返されて、一つの脈波が検出される
毎に平均血圧値Ｐｍｘを連続的に算出し、それが表示装
置４４に表示される。

このように、本実施例の平均血圧連続測定装置においで
は、三本の指をそれぞれ異なるカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃ
にて同時に圧迫することにより、−・回の心臓の拍動に
同期してそれら三本の指にそれぞれ発生ずる三種類の脈
波を同時に検出し、それに基づいて平均血圧値Ｐｍｘを
算出するようになっているため、脈波の発生毎に測定さ
れたきめ細かな平均血圧値Ｐｍｘのトレンド′を得るこ
とができる。

また、各市を圧迫するカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃは、平均
血圧値の変動に追従して調節されるのみであるため、一
つの平均血圧値を測定するためにその平均血圧値付近に
おいて圧迫圧力を昇降させる従来の装置に比較して、被
測定者に与える不快感が大幅に軽減される。特に、本実
施例では、各脈波の振幅Ａａ、Ａｈ、Ａｃが（４）およ
び（５）式の関係を満たしている間は、平均血圧値が多
少変化してもカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃはそれぞれ同じ圧
力に維持されるようになっているため、被測定者の不快
感が一層軽減される利点がある。

さらに、本実施例では、上記カフ圧Ｐａ、Ｐｂ。

Ｐｃの調節やタンク圧Ｔの昇圧が脈波待ちの期間に行な
われるため、ステップＳ８における脈波の検出の際に、
空気の供給や排出あるいはポンプ１６の振動等に起因す
るカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃの変動がなく、脈波による圧
力振動を正確に検出し得る利点がある。

次に、本発明の他の実施例を説明する。

第５図に部分的に示すフローチャートは、前記実施例に
おける第２図のフローチャートのステップＳＩＯおよび
Ｓ１２に置き換えられるものであるが、この図において
ステップ３１６は、各脈波の振幅Ａａ、Ａｂ、Ａｃが前
記（４）および（５）式の関係を満たすか否かを判断し
、満たす場合には前記実施例と同様に前記ステップＳｌ
ｌが実行される。

しかし、振幅Ａａ、Ａｂ、Ａｃが（４）式を満たさない
場合、すなわち平均血圧値が下がってカフ圧Ｐａ、Ｐｂ
、Ｐｃがその平均血圧値に対して全体的に高圧側にずれ
、Ａａ／Ａｂがα以上となった場合には、次にステップ
Ｓ１７が実行され、空気排出用の電磁弁２０ａ’、２０
ｂ、２０ｃを開くことにより、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃ
を予め定められた一定の圧力だけ全体的に降圧させる。

また、振幅Ａａ、Ａｂ、Ａｃが（５）式を満たさない場
合、すなわち平均血圧値が上がってカフ圧Ｐａ、Ｐｂ。

Ｐｃがその平均血圧値に対して全体的に低圧側にずれ、
Ａｃ／Ａｂがβ以上となった場合には、次にステップ３
１８が実行され、空気供給用の電磁弁１８ａ、１８ｂ、
１８ｃを開くことにより、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃを予
め定められた一定の圧力だけ全体的に昇圧させる。これ
により、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃが平均血圧値の変化に
追従して調節されるのであり、この実施例では、これら
ステップＳ１６．Ｓｉ２，３１８およびこれらのステッ
プを実行するＣＰＵ３８等により圧迫圧力調節手段が構
成される。

なお、この場合には、平均血圧値がカフ圧ＰａとＰｃと
の間の圧力範囲内になくても、上記ステップＳ１７或い
は３１８が繰り返し実行されることにより、カフ圧Ｐａ
、Ｐｂ、Ｐｃが徐々に降圧或いは昇圧させられて、自動
的に平均血圧値を見つけ出すことができるため、平均血
圧値が急激に大きく変化してＡａ／ＡｂやＡｃ／Ａｈが
１以−ヒとなっても、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃをその平
均血圧値に追従させることができるのであり、また、前
記ステップＳ４のような平均血圧値を測定するステ、プ
を必すしも必要としないのである。

また、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃは振幅Ａａ、Ａｂ、Ａｃ
の関係のみによって調節されるところから、前記実施例
におけるステップＳ９のような平均血圧値Ｐｍｘを算出
するステップを設けることなく、それらカフ圧Ｐａ、Ｐ
ｂ、Ｐｃのうち脈波の振幅が最も大きいカフ圧ｐｂの値
をそのまま平均血圧値とすることもできる。その場合に
、各カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃ間の圧力差をできるだけ小
さく設定するとともに、ステップＳ１６におけるαおよ
びβをできるだけ小さい値として、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、
Ｐｃを平均血圧値の変化に対して精度良く追従させるよ
うにすれば、より正確な平均血圧値を測定することがで
きる。

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明した
が、本発明は他の態様で実施することもできる。

例えば、前記第２図のフローチャートにおいてはステッ
プＳＩＯが設けられ、振幅Ａａ　、　Ａｂ　。

Ａｃが一定の関係を満たしている間はカフ圧Ｐａ。

Ｐｂ、Ｐｃが調節され得ないようになっているが、かか
るステップＳＩＯを設けることなく、ステ・ンプＳ９に
おいて平均血圧値Ｐｍｘが算出される毎に、その平均血
圧値Ｐｍｘの変化に追従させて各カフ圧Ｐａ　、　　Ｐ
ｂ　、　　Ｐｃ、を連続的に調節させるようにすること
も可能である。

また、ステップＳＩ２．Ｓ１７．ＳＩ８においては、何
れもカフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐｃをそれらの間の圧力差を一
定に維持しつつ全体的にずらすようになっているが、少
なくともＰａ　＜　Ｐｂ　＜　Ｐｃの関係を保持しつつ
ずらせば良いのであり、例えば、平均血圧値の変化傾向
を求めて、その変化量が大きい場合にはカフ圧Ｐａ、Ｐ
ｂ、Ｐｃ間の圧力差も大きく、変化量が小さい場合には
圧力差も小さくするようにして、カフ圧Ｐａ、Ｐｂ、Ｐ
ｃをそれぞれ調節するようにすることもできる。

さらに、前記実施例では一つのタンク１４からカフ１０
ａ、１０ｂ、１０ｃにそれぞれ空気が供給されるように
なっているが、各カフ１０ａ、１０ｂ、１０ｃ毎にタン
クを設けて空気を供給するようにしても差支えないので
あり、また、このようなタンクを設けることなくポンプ
から空気を直接供給するようにすることもできる。

また、前記実施例では薬指、中指、および人差指の３本
の指から脈波を検出して平均血圧値を測定するようにな
っているが、親指や小指を用いてたり両方の手の指を用
いたりしてもよいことは勿論、４本以上の指から４種類
以上の脈波を検出することにより、更に精度の高い平均
血圧値を測定するようにすることもできる。

その他−々例示はしないが、本発明はその精神を逸脱す
ることなく当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を
加えた態様で実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である平均血圧連続測定装置
の構成を説明するブロック線図である。 第２図は第１図の実施例の作動を説明するフローチャー
トである。第３図はカフ圧と脈波の振幅との関係を示す
グラフである。第４図は第２図のフローチャートにおけ
るステップＳ９の算出方法を説明する図で、第３図にお
ける脈波のピーク付近を拡大して示すグラフである。第
５図は本発明の他の実施例におけるフローチャートの要
部を示す図である。 １０ａ、１０ｂ、ｌＯｃ：カフ １４：タンク　　　　　　１６：ポンプ１８ａ、１８ｂ
、１８ｃ：空気供給用電磁弁２０ａ、２０ｂ、２０ｃ・
：空気排出用電磁弁２２ａ、２２ｂ、２２Ｃ：圧力セン
サ ２４ａ、２４ｂ、２４ｃ：ローパスフィルタ２６ａ、２
６ｂ、２６ｃ：バンドパスフィルタ３８：ＣＰＵ　　　
　　　４０：ＲＡＭ４２　：　ＲＯＭ Ｐａ　：カフ圧（第一圧迫圧力） Ｐｂ　：カフ圧（第二圧迫圧力） Ｐｃ　：カフ圧（第三圧迫圧力） Ｐｍｘ：平均血圧値 ステップＳ７：圧迫手段 ステップＳ８：脈波検出手段 ステップＳ９：平均血圧決定手段 ステップＳ］２．Ｓ１６．Ｓ１７，３１８：圧迫圧力調
節手段 出願人　　株式会社　日本コーリン 第３図 第４図 カフ圧

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 生体の指を圧迫することにより発生する脈波に基づいて
   平均血圧値を連続的に測定する装置であって、 前記生体の三本の指を第一圧迫圧力、該第一圧迫圧力よ
   りも高い第二圧迫圧力、該第二圧迫圧力よりも高い第三
   圧迫圧力にてそれぞれ圧迫する圧迫手段と、 該圧迫手段によって圧迫されることにより前記三本の指
   にそれぞれ発生する三種類の脈波をそれぞれ検出する脈
   波検出手段と、 前記第二圧迫圧力にて圧迫される指に発生する脈波が他
   の指に発生する脈波よりも大きくなるように前記第一圧
   迫圧力、第二圧迫圧力、および第三圧迫圧力を相互の関
   係を保持しつつずらす圧迫圧力調節手段と、 前記第一圧迫圧力、第二圧迫圧力、および第三圧迫圧力
   の少なくとも一つに基づいて平均血圧値を決定する平均
   血圧決定手段と を含むことを特徴とする平均血圧連続測定装置。