JPS6232810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は液状樹脂射出成形機用の同期弁に関
するものであり、特に、球状弁体、該弁体にＬ字
状に穿設されて、夫々樹脂管路と計量ポンプに連
通する樹脂通路、前記弁体に取付けられた回転操
作桿、前記弁体を樹脂管路中に支持する一対の環
状弁座から成る液状樹脂射出成形機用の同期弁に
係わるものである。

周知の如く、液状樹脂の射出成形においては複
数種類の樹脂を一定量ずつ混合装置、ノズルを介
して金型内に供給圧入するための計量ポンプが必
要である。該計量ポンプは樹脂供給源から所望の
液状樹脂を吸引導入し、しかる後、樹脂流路を切
換えて混合装置に対して加圧供給するものであ
る。かかる液状樹脂計量ポンプ系は通常第１図に
示すようなものが用いられている。図において、
１は計量ポンプ系であり、計量ポンプ２と２つの
同期弁３，４とから成つている。計量ポンプ２へ
の吸入行程においては、第一の同期弁３を開に、
第二の同期弁４を閉にして液状樹脂供給源５より
樹脂Ａを吸入する。次いで第一の同期弁３を閉
に、第二の同期弁４を開にした後、計量ポンプ２
によつて樹脂Ａを吐出し混合装置６に加圧供給す
る。他方の樹脂Ｂについても同様の動作によつて
混合装置６に供給されるものである。

かかる同期弁については一般に第２図に示すよ
うなものが用いられている。ここで７は樹脂通
路、８は弁座、９はチエツク・ボール、１０は駆
動桿、１１はシリンダー孔である。該同期弁にお
いては駆動桿１０を上下動させることによつてチ
エツク・ボール９を弁座８に当接離隔させて弁を
開閉するものである。

而して、上記従来例においては一種類の樹脂系
について２個ずつの同期弁が必要であり、必然的
に計量ポンプ系の構造が複雑となり、設備費もコ
スト高になるという欠点があり、加えて、同期弁
の洗浄等の保守が煩雑になるという難点があつ
た。

又、同期弁についても駆動桿の摺動部が樹脂通
路中に臨む構造であるため、該駆動桿の上下動に
伴つて該駆動桿もしくはシリンダー孔のどちらか
一方の摺動面が必ず樹脂に直接さらされることに
なり、該樹脂が駆動桿の運動によつて摺動部に引
き込まれてしまい、このため、樹脂中に含まれる
フイラーによつて該摺動部は摩耗し易くなり、駆
動桿の運動がスムースに行なわれないという欠点
があつた。

上記従来の同期弁の欠点を解消するために出願
人は第３図に示すような改良型の同期弁を提案し
た。即ち、駆動桿１０の先端部にポペツト１２を
装着し、該ポペツト１２と前記駆動桿１０の間に
ダイアフラム１３を挟持する構造とすることによ
つて駆動桿１０の摺動部を樹脂通路７と遮断し樹
脂が該摺動部に混入することを防止したものであ
る。

しかしながら、該改良型においても、ダイアフ
ラムが変位することによつて弁体近傍の容量が変
化し、計量誤差を生ずるという欠点があり、この
現象は、近年、要請の増している高圧射出成形に
おいて特に顕著となる。

射出成形機においては、しばしば100Kg／cm²程
度以上の高圧にまで昇圧する必要があるが、ダイ
アフラムはこのような高圧に耐えることができな
いという欠点がある。

この考案の目的は、上記従来技術に基づく同期
弁の構造上の制約による問題点に鑑み、樹脂管路
と計量ポンプの分岐点にこれらにそれぞれ連通す
るＬ字形の樹脂通路が穿設されたボールバルブを
配設することにより、前記欠点を除去し、難点を
解消し極めて円滑で確実な樹脂流路の切換えが行
なわれる優れた同期弁を提供せんとするものであ
る。

上記目的に沿うこの考案の構成は計量ポンプに
よる樹脂供給源からの樹脂の吸入に際し、該樹脂
供給源からの樹脂管路と計量ポンプの分岐点に設
けた唯一の弁によつて該樹脂管路を計量ポンプに
連通して一定量の樹脂を吸入し、しかる後、弁を
回動させることによつて計量ポンプを混合装置側
への樹脂管路に連通し、該計量ポンプに吸入した
一定量の樹脂を吐出し混合装置に加圧供給するこ
とができるようにしたことを要旨とするものであ
る。

次にこの考案の実施例を第４図以下の図面に基
づいて説明すれば以下の通りである。尚、各構成
要素は第１図において同一の符号が示す構成要素
と同一である。

第４図に示す実施例において、１４はこの考案
による計量ポンプ系であり、１５は同期弁であ
る。該同期弁１５は第５図に示すように球状弁体
１６を有し、該弁体１６には水平方向の第一樹脂
通路１７と該第一樹脂通路１７に対してＬ字状に
直交する垂直方向の第二樹脂通路１８が穿設され
ている。そして、該第二樹脂通路１８の開口端と
反対側他端には前記第二樹脂通路１８と同一軸線
上に回転操作桿１９が取付けられている。２０，
２１は一対の環状弁座で、前記弁体１６の球表面
と整合する球状の内表面形状を有し、上下から前
記弁体１６を密接支持する。

上記同期弁１５は樹脂管路中に第６図及び第７
図に示すように装着される。即ち、同期弁１５は
樹脂供給源５からの樹脂管路２２と混合装置６へ
の樹脂管路２３と計量ポンプ２との分岐点に配置
され、前記弁体１６の第一樹脂通路１７が上記樹
脂管路２２，２３と同一軸上に整合し、第二樹脂
通路１８が計量ポンプ２に連通するように装着さ
れる。尚、２４はモーターで前記回転操作桿１９
に連結される。

上記構成において、計量ポンプ２への吸入行程
に際しては第６図に示すように球状弁体１６の第
一樹脂通路１７を樹脂供給源５からの樹脂管路２
２に連通しておく。このとき混合装置６への樹脂
管路２３は前記弁体１６によつて閉鎖される。こ
の状態で計量ポンプ２による吸入工程が開始され
ると樹脂は樹脂供給源５から樹脂管路２２を経、
更に第一樹脂通路１７及び第二樹脂通路１８を経
て該計量ポンプ２内へ流入する。そして、一定量
の樹脂の吸入が完了した後、第７図に示すように
モーター２４によつて回転操作桿１９を介して弁
体１６を回転させ、該弁体１６の第一樹脂通路１
７を混合装置への樹脂管路２３に連通させる。こ
のとき、流入側の樹脂管路２２は弁体１６により
閉鎖される。この状態で計量ポンプ２による吐出
工程が開始されると、該計量ポンプ２内に吸入蓄
積された樹脂は第二樹脂通路１８及び第一樹脂通
路１７を経て樹脂管路２３に流入し、混合装置６
に加圧供給される。

以下、弁体１６を上記と反対方向に回転させて
第６図の状態に戻し、同様な動作を繰返すもので
ある。更には、樹脂Ｂの供給源５′からの樹脂管
路２２′と混合装置６への樹脂管路２３′と、計量
ポンプ２との分岐点に配置された同期弁１５′も
全く同様に作動するものである。

上記のようにこの考案によれば、樹脂管路と計
量ポンプとの分岐点に球状弁体と一対に環状弁座
とから成るボールバルブを配設し、該弁体に前記
樹脂管路と計量ポンプに連通するＬ字状の樹脂通
路を穿設する構成としたことにより、従来２つ必
要であつた同期弁を１つのみの同期弁で用をなす
ことができ、計量ポンプ系の構造を著しく簡素化
し設備費も低価格にすることができるという優れ
た効果がある。

又、構造もダイアフラム等を使用することなく
極めて簡単であり、且つ強固であるため十分な高
圧にも耐え得るものである。

更に、弁体の摺動部のうち樹脂に直接さらされ
る部分が僅少であるために、該摺動部への樹脂の
混入が極めて少ないという効果があり、該弁体の
摩耗も少なく且つその運動も円滑なものになる。

しかも、前記摺動部に万一樹脂が混入すること
があつても、上記弁体は樹脂流路の切換えに際し
反対方向に回転するために、一旦混入した樹脂も
摺動部全体に行きわたることなく、もとに押戻さ
れて吐出されてしまうという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の計量ポンプ系を示す概略図、第
２図は従来の同期弁の断面図、第３図はダイアフ
ラムを有する同期弁の断面図、第４図以下はこの
考案の実施例を示すものであり、第４図はこの考
案による計量ポンプ系の概略図、第５図は同期弁
の分解斜視図、第６図は吸入行程における同期弁
の断面図、第７図は吐出行程における同期弁の断
面図である。 ２……計量ポンプ、５……樹脂供給源、６……
混合装置、１５……同期弁、１６……球状弁体、
１７……第一樹脂通路、１８……第二樹脂通路、
１９……回転操作桿、２０，２１……環状弁座、
２２，２３……樹脂管路、２４……モーター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 球状弁体１６、該弁体に穿設され樹脂管路２
   ２，２３と連通する第一樹脂通路１７、同じく上
   記弁体に穿設され前記第一樹脂通路とＬ字状に直
   交し計量ポンプ２と連通する第二樹脂通路１８、
   上記弁体の前記第二樹脂通路と同一軸上の他端に
   取付けられた回転操作桿１９、前記弁体を支持し
   上記樹脂通路中に装着する一対の環状弁座２０，
   ２１から成ることを特徴とする液状樹脂射出成形
   機用の同期弁。