JPS6232719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はベルトプレス型脱水機の圧搾装置に関
するものである。

第１図によつて従来一般に用いられているベル
トプレス型脱水機について説明すると、フイーダ
によつて下布１上に供給された汚泥は重力脱水
ゾーンZ₁において重力脱水され、次いで加圧脱水
ゾーンZ₂において、楔状に配置された加圧脱水ロ
ール群３に沿つて案内される上布２および下
布１によつて押圧されて加圧脱水が行なわれる。
その後プレスゾーンZ₃において、圧搾ロール５
ａ，５ｂ，５ｃ，６ａ，６ｂ，６ｃにより強い圧
搾力を受け脱水される。なお７は布緊張ロー
ル、８は駆動ロールである。

従来の圧搾ロール５ａ，５ｂ，５ｃの圧搾力は
各ロールごとにスプリングＳ、またはエアシリン
ダ等で行なうか、数本まとめて油圧力で力を加え
ていた。これらの手段の場合構造が複雑になると
か、調整に手間が掛る等の欠点があつた。

そこで、本出願人は先に実開昭57−60798号公
報記載のように、回動レバーによる圧搾装置を提
案した。ところが、対象汚泥によつては、その装
置によつても、未だ圧搾力が足りないことがあ
る。

したがつて、本考案の目的は、強力な圧搾力を
わずかな機器の付加で容易に得ることができるベ
ルトプレス型脱水機の圧搾装置を提供することに
ある。

以下本考案を第２図以下に示す実施例によつて
説明する。第２図以下において第１図と同様個所
は同一符号を付してある。

本考案ではまず圧搾部の慨要について説明する
と上部圧搾ロール６ａ，６ｂ，６ｃはその各ロー
ルを結ぶ面が平面となるように、上部架台１３′
に対して固定されており、排出側へ向つて昇り傾
斜配置となつている。上部圧搾ロール６ａ，６
ｂ，６ｃに対向して下部圧搾ロール５ａ，５ｂ，
５ｃが配され横断面下向コ字状の支持ブラケツト
９に固定されている。支持ブラケツト９はレバー
１０上に遊冠させるように配され、レバー１０に
固着されたピン１２によつて支承されている。レ
バー１０の一端は、下部架台１３に取付けた回動
駆動手段としてのエアーバネ１４に連結されてお
り、他端にはピン１１が前記ピン１２より出側位
置に設けられ、このピン１１が下部架台１３に立
設された軸承部１５に軸支されている。

いまエアーバネ１４に圧縮空気が送給され伸長
すると、レバー１０の一端が上昇し、ピン１１を
中心として回動するようになる。それに伴つてブ
ラケツト９がピン１２を介して上昇し、下部圧搾
ロール５ａ，５b.５ｃが上部圧搾ロール６ａ，６
ｂ，６ｃへ向つて接近し下布１を介して汚泥を
圧搾する。この圧搾時においては、ブラケツト９
がピン１２を中心として反時計方向に回動しなが
ら下布１を持ち上げるので、圧搾ロール５ａ，
６ａ間のクリアランスが最大で圧搾ロール５ｃ，
６ｃ間のクリアランスが最小となる。すなわち
徐々にクリアランスが小さくなる事と、一端を枢
着したレバー１０を介してブラケツト９に圧搾力
を作用させるので、テコの作用により強力な力が
働く。

他方、上部圧搾ロール６ａ，６ｂ，６ｃおよび
下部圧搾ロール５ａ，５ｂ，５ｃの配置は排出側
に向つて昇り傾斜配置となつているため、脱水さ
れた液は常に重力作用により入口側の圧搾ロー
ル側へ流れ、排出側の圧搾ロールからの液が脱
水ケーキへ接触することを防止できる。

以上の構成は、実開昭57−60798号公報記載の
ものと同一である。これに対して、本考案では、
下部架台１３の脚に他の押付け手段としてのエア
シリンダー１６をトラニオン方式で取付け、その
シリンダロツドを、前記ピン１１より出側位置に
おいて、支持ブラケツト９と一体化した張出片１
７に設けたピン１８と枢着しておく。

そして、レバー１０による圧搾に対して、エア
シリンダー１６による圧搾力をピン１１より出側
位置において付加する。いまエアシリンダーの力
をＦ_Aとし、ピン１２の中心線から圧搾ロール５
ｃの中心線迄の距離をl₁とすると、圧搾ロール５
ｃ，６ｃ間にはｌ／ｌ_１・Ｆ_Aの力が働く。即ち、第３ 圧搾ロール５ｃ，６ｃ間には第２圧搾ロール５
ｂ，６ｂ間に比べてｌ／ｌ_１・Ｆ_Aの力が加わるため、 より効果的な脱水が得られる。

通常パルプ排液等の汚泥の脱水の場合、圧搾圧
力は約30〜60Kg（ロール長さ１cm当り）であり、
これを従来の圧搾ロールへ直接スプリングまたは
エアシリンダーを付設する構造のもので満たそう
とすれば、かなり大きなスプリングまたはエアシ
リンダーが必要となるが、上述のようにレバー１
０を用いテコの力を利用用し、尚、かつブラケツ
ト９に連結しているエアシリンダー１６の力を加
えると、装置的に安価で、取り扱いやすく、大き
な圧搾力をもつ圧搾ロールが得られる。

以上の通り、本考案によれば、圧搾力伝達機構
としてレバーを使い、テコの力を利用し圧搾ロー
ル群を支持ブラケツトによつて一体化し、回動自
在にしたので、排出側に向つて圧搾ロール間のク
リアランスが除々に小さく強力な圧搾力を得るこ
とができるとともに、レバーの架台に対する枢着
点より、出側位置において、支持ブラケツトを押
付ける押付け手段を設けたので難脱水性物質であ
つても確実かつ強力な脱水を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のベルトプレス型脱水機の慨要正
面図、第２図は本考案のベルトプレス型脱水機の
慨要正面図、第３図は本考案の要部拡大図、第４
図は−線矢視断面図、第５図は−線矢視
断面図。 ６ａ，６ｂ，６ｃ……上部圧搾ロール、５ａ，
５ｂ，５ｃ……下部圧搾ロール、９……支持ブラ
ケツト、１０……レバー、１１……ピン、１２…
…ピン、１３……下部架台、１３′……上部架
台、１４……エアーバネ、１５……軸承部、１６
……エアシリンダー、１８……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上布及び下布間で被脱水材を脱水するベル
   トプレス型脱水機の圧搾機構であつて、各ロール
   表面を結ぶ面が平面となるよう配置された上部お
   よびまたは下部の圧搾ロール群を支持ブラケツト
   に一体化し、この支持ブラケツトとその内側に配
   された回動レバーとをピンにより軸着し、前記回
   動レバーの入側端に回動レバーの回動駆動手段を
   設け、前記ピンより出側位置において回動レバー
   を架台に対して枢着し、その回動レバーの架台に
   対する枢着点を中心とする前記回動駆動手段によ
   る回動によつて前記ピンを介して支持ブラケツト
   を布へ向つて押付けるようにした圧搾装置にお
   いて、前記支持ブラケツトにこれを布に向つて
   押付ける架台に固定された他の押付手段を前記枢
   着点より出側位置において連結したことを特徴と
   するベルトプレス型脱水機の圧搾装置。