JPS6231992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気湯沸かし器等に内蔵するスペー
スヒーターに関するものである。

従来のこの種のスペースヒーターは、一般に１
対の半円形状の巻芯マイカにニクロム線などの発
熱線を巻装し、その発熱線の両端部をそれぞれ前
記１対の巻芯マイカの中央に引き出してそれらを
リード線とし、その２本のリード線の引出線部分
と前記１対の巻芯マイカにそれぞれ巻装した発熱
線との間にリードスペースマイカを介在させたも
のである。そして、前記スペースヒーターの上下
に絶縁マイカを積層し、このスペースヒーターを
電気湯沸かし器等の底部に固定し、スペースヒー
ターのリード線を差込プラグのコードに接続して
電気湯沸かし器等に内蔵する。しかしながら、従
来のスペースヒーターは、電気湯沸かし器等が空
焚きの状態にあつて、スペースヒーターの発熱線
とリード線とが過熱してそれらの間に介在したリ
ードスペースマイカが破壊され、発熱線とリード
線とが短絡しても、一方の巻芯マイカに巻装した
発熱線の一のリード線との短絡点と、他方の巻芯
マイカに巻装した発熱線の他のリード線との短絡
点との間、またはその２短絡点の内の一方の短絡
点と他の残りのリード線との間に過電流が流れる
ため、電気湯沸かし器等の空焚き状態が続き、電
気湯沸かし器等が過熱される。このため、電気湯
沸かし器等がある温度以上に過熱すると電源が切
れるように過熱防止用の温度ヒユーズを前記スペ
ースヒーターに接続する必要がある。ところが、
前記の温度ヒユーズが切れるまでにはある程度の
時間を必要とするため、その間に加熱した電気湯
沸かし器等の附近に燃え易い物があれば、その物
が燃え出して火災に発展する危険性がある。

本考案者は、上記の諸点に鑑み、スペースヒー
ターのリードスペースマイカが破壊して発熱線と
リード線とが短絡すると、瞬時に電源が切れるよ
うに構成し、以て前述の火災の発生を未然に防ぐ
ことができるスペースヒーター（実公昭54−
42277号）を先に考案した。

このスペースヒーターは、略々半円形状に形成
した１対の巻芯マイカにニクロム線等の発熱線を
巻装み、その発熱線の両端部を前記１対の巻芯マ
イカのうち一方に巻装した発熱線上を交差するよ
うに前記１対の巻芯マイカの中央に引き出してそ
れらをリード線とし、その２本のリード線と前記
発熱線との間にリードスペースマイカを介在させ
てなるものである。

本考案は、上述のスペースヒーターの改良に関
するものであつて、リードスペースマイカが破壊
して発熱線とリード線とが短絡した際に、さらに
完全にかつ確実に電源が切れるようにしたスペー
スヒーターを提供せんとするものである。

本考案者は、上述のスペースヒーターにおいて
種々の条件（供給電圧を変えたりする。）下で空
焚きの試験を行つた結果、一方の巻芯マイカに巻
装した発熱線に一のリード線（一方の巻芯マイカ
に巻装した発熱線の端部をその一方の発熱線上を
交差するように引き出してなるリード線）のみが
短絡する場合があることを究明した。このような
場合には、一方の発熱線と一のリード線との短絡
点と、他のリード線（他方の巻芯マイカに巻装し
た発熱線の端部を一方の発熱線上を交差するよう
に引き出してなるリード線）との間に過電流が流
れ、空焚きの状態が続き危険である。

そこで、本考案は、上述のスペースヒーターの
構造に鑑み、１対の巻芯マイカに巻装した発熱線
と、その発熱線の両端部のリード線とを互い違い
に交差させる構成、すなわち１対の巻芯マイカの
内の一方の巻芯マイカに巻装した発熱線の端部を
他方の巻芯マイカに巻装した発熱線上を交差する
ように引き出してリード線とし、他方の巻芯マイ
カに巻装した発熱線の端部を一方の巻芯マイカに
巻装した発熱線上を交差するように引き出してリ
ード線とすると言つた構成にすれば、一方の発熱
線と他のリード線または他方の発熱線と一のリー
ド線の内の何れか一方（または両方）が短絡する
と、その短絡点（または一方の短絡点）と、その
短絡点側のリード線と反対側のリード線との間に
過大電流が流れて電源が瞬時に切れることを考案
した。

以下、本考案に係るスペースヒーターの一実施
例を添付図面を参照して説明する。

図中、１１および１２はマイカを略々半円形状
に形成した巻芯マイカであつて、この１対のマイ
カ１１および１２を組み合わせて円形形状にす
る。この１対の巻芯マイカ１１および１２に１本
のニクロム線等の発熱線２１および２２ご巻装
し、１対の巻芯マイカ１１および１２の内の一方
の巻芯マイカ１１側に巻装した発熱線２１の端部
３１を他方の巻芯マイカ１２側に巻装した発熱線
２２上を交差するように略中央まで引き出してリ
ード線とし、他方の巻芯マイカ１２側に巻装した
発熱線２２の端部３２を一方の巻芯マイカ１１側
に巻装した発熱線２１上を交差するように略中央
まで引き出してリード線とし、この２本のリード
線３１および３２の引出線部分と１対の巻芯マイ
カ１１および１２に巻装した発熱線２１および２
２との間にリードスペースマイカ４を介在させ
る。

そして、前記のスペースヒーターの上下に絶縁
マイカー５１および５２を積層すると共に、前記
１対の巻芯マイカ１１および１２の略中央まで引
き出した２本のリード線３１および３２を上絶縁
マイカ５１より上方に引き出してなる。

かくしてなるスペースヒーターを電気湯沸かし
器（図示せず）の底部に固定し、２本のリード線
３１および３２を電気湯沸かし器等の差込プラグ
のコードに接続して電気湯沸かし器等に内蔵す
る。

本考案のスペースヒーターは、上記の如き構成
よりなるから、本考案のスペースヒーターを内蔵
した電気湯沸かし器等が空焚きの状態で所定温度
以上に加熱されると、発熱線２１および２２とリ
ード線３１および３２とが高温になつてそれらの
間に介在したリードスペースマイカ４が破壊さ
れ、一方の発熱線２１と他のリード線３２または
他方の発熱線２２と一のリード線３１の内の何れ
か一方が短絡すると、その短絡点６１（または６
２）と、その短絡点６１（または６２）側のリー
ド線３２（または３１）と反対側のリード線３１
（または３２）との間に過大電流が流れるため、
電源が完全に確実に切れて電気湯沸かし器がそれ
以上加熱される、火災などの発生を未然に防ぐこ
とができる。

また、一方の発熱線２１と他のリード線３２お
よび他方の発熱線２２と一のリード線３１が両方
同時に短絡しても、上述と同様に一方の短絡点６
１（または６２）と他のリード線３２（または３
１）との間に過大電流が流れて電源が完全にかつ
確実に切れる。

以上の実施例からも明らかなように、本考案の
スペースヒーターは、１対の巻芯マイカに巻装し
た発熱線と、その発熱線の両端部のリード線とを
互い違いに交差させてなるものであるから、電気
湯沸かし器等が空焚きの状態で加熱され、リード
スペースマイカが破壊されて発熱線とリード線と
が短絡すると、一方の短絡点と他方のリード線と
の間に過大電流が流れて電源が完全にかつ確実に
切れ、従つて従来のスペースヒーターのように温
度ヒユーズを必要とせず、しかも瞬時に電源が切
れるため、加熱した電気湯沸かし器等の附近の物
が燃え出すようなことがなく、火災の発生を未然
に防ぐことができ、スペースヒーターとして誠に
有益である。

なお、当然のことながら本考案のスペースヒー
ターは、上述の実施例にのみ限定されるものでは
ない。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案に係るスペースヒーターの実
施例を示し、第１図は本考案のスペースヒーター
の平面図、第２図は第１図における−線断面
図である。 １１，１２……巻芯マイカ、２１，２２……発
熱線、３１，３２……リード線、４……リードス
ペースマイカ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略々半円形状の１対の巻芯マイカにニクロム線
   等の発熱線を巻装し、１対の巻芯マイカの内の一
   方の巻芯マイカに巻装した発熱線の端部を他方の
   巻芯マイカに巻装した発熱線上を交差するように
   引き出してリード線とし、他方の巻芯マイカに巻
   装した発熱線の端部を一方の巻芯マイカに巻装し
   た発熱線上を交差するように引き出してリード線
   とし、この２本のリード線の引出線部分と巻芯マ
   イカに巻装した発熱線との間にリードスペースマ
   イカを介在させたことを特徴とするスペースヒー
   ター。