JPS6231572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金庫又はローカー等の什器における
電気暗号鍵錠装置に関するものである。

一般にこの種の電気暗号鍵錠装置は、什器内に
設けた暗照番号設定装置に予め暗照番号を設定
し、この設定暗照番号と、什器の外側から入力し
た解錠番号とが一致したとき、什器の扉に対する
ロツクが外れて、什器の開口部を覆う扉を開ける
ことができるようにしたものである。

そして、この種の電気暗号鍵錠装置における電
源には、電池が使用されるが、従来、この電池
は、例えば特開昭53−31498号公報に記載されて
いるように、什器の外側面に取付く解錠番号入力
部に隣接した部位に設けることによつて、当該電
池の交換が自在にできるようにしているのが通例
であつた。

しかし、このように電気暗号鍵錠装置における
電源であるところの電池を、什器の外側面で、且
つ、解錠番号入力部に隣接した部位に設けること
は、電池取付け用のスペースを別に確保しなけれ
ばならないから、スペースの増大を招来すると共
に、什器のデザインが制約されることになり、し
かも、電池に対する着脱自在な蓋も別途に必要と
なつて、部品点数が多くなるから、製造コストが
嵩むことになる。

本考案は、電気暗号鍵錠装置に使用する電池
を、解錠番号入力部内に組み込むことによつて、
前記問題を解消するものである。

このため本考案は、金庫等の什器内に設けた暗
照番号設定装置に予め暗照番号を設定する一方、
什器の外側面に取付けた解錠番号入力器に入力の
解錠番号が、前記設定暗照番号に一致したとき、
前記什器の扉に対するロツクを解除するように構
成した電気暗号鍵錠装置において、前記解錠番号
入力器を、什器側に取付く基部と、複数のキース
イツチを備えたキースイツチ部とで構成し、前記
キースイツチ部を前記基部の前面に密接するよう
に配設する一方、前記基部の前面には前記キース
イツチ部にて隠れた部位に電池格納室を凹み形成
し、且つ、前記キースイツチ部を、基部に対して
前記電池格納室が露出する方向にずらし回動自在
に枢着した構成にしたものである。

以下本考案の実施例を、金庫に適用した場合の
図面について説明するに、第１図は扉２を金庫本
体１内側から見た図であつて、扉２の一側端は金
庫本体１に対し蝶番３で開閉自在に連結されてお
り、扉２の裏面（金庫本体内側）には、一対の長
手上下動杆４，４を、連結杆５を介して互に逆上
下動自在となるように設けると共に各上下動杆４
にはベルクランクレバー６を介して横方向閂杆７
を左右動自在に設け、さらに別のクランクレバー
８の一端を前記一方の上下動杆４の中途部にピン
９連結し、該クランクレバー８の中途部を扉２の
内外に挿通する回動支軸１０に固着し、扉２の外
側においてその回動支軸１０に取付く把手１１の
回動により、前記両上下動杆４，４及び横方向閂
杆７先端の各係合部１２が扉２側端面から出没し
て、金庫本体１に対し係脱できるように構成され
ている。

また、符号１３は前記把手１１が取付くクラン
クレバー８の他端にピン１４が連結され、且つ横
移動自在に軸支１５された係合片で、扉裏面に設
けられた電磁ソレノイドSOの閂部１６の突出に
より係合片１３の左右動を不能にするように構成
されている。

さらに前記一方の上下動杆４に取付く別途の係
合部１７は金庫扉２の表面側から解錠できるシリ
ンダ錠１８における閂部１９に出没により係脱で
きるように構成されている。

前記上下動杆４，４はばね２０付勢されて、両
上下動杆４，４先端及びベルクランクレバー６を
介して取付く横方向閂杆７先端の各係合部１２を
常時金庫本体１側に向つて突出するようにしてお
り、開扉時には前記上下動杆４及び横方向閂杆７
の各先端係合部１２，１２が扉２の側端面から没
した状態を保持できるように、扉２の裏面に突設
したブラケツト２１に掛金２２の中途部を扉裏面
に向つて前後回動自在にピン２３枢着すると共に
該掛金２２の後端を前記上下動杆４の前面側に向
つて回動するようねじりばね２４付勢する一方、
金庫本体１開口部には突起２５を設けて、開扉時
に突起２５が掛金２２先端前面を押圧して前記ば
ね２４力に抗して掛金２２の後端が上下動杆４の
前面から遠ざかるように構成する。

さらに前記上下動杆４の前面には、前記掛金２
２の後端が上下動杆４に向つて近づくときのみ該
掛金２２とが上下動杆４が係合して上下動杆４の
上下当を不能にする係合突片２６を設けるのであ
り、２７は前記掛金２２の支持ブラケツトであ
る。

本考案の金庫は、金庫内に設けた後述する暗照
番号設定装置２８に予め解錠すべき番号を設定し
ておきこの暗照番号と、扉２の外側から入力する
解錠番号とが一致すれば前記電磁ソレノイドSO
を駆動して解錠できるように構成されている。

本考案におけるこの電気暗号鍵錠装置の一方
は、扉２の表面側に設けられた解錠信号入力器２
９で、該解錠信号入力器２９の表面側には数値
“０”〜“９”及び“PW”，“OP”の各信号発生
させるキースイツチKSを備えており、“PW”の
キースイツチKSを押すことにより扉２裏側に設
けた電気回路に電源を供給すると共にその旨を表
示するランプPLを点灯する。

符号２８は電気暗号鍵錠装置における扉２裏面
に設けた電気回路部分のうちの暗照番号設定装置
で、その暗照番号設定表示部２８′は数字表示の
ロータリスイツチ等を並設してなり、扉２裏面の
カバー板４１に穿設された窓を通して設定された
暗照番号を確認できると同時に金庫の利用者はそ
の暗照番号を任意に変更することができるように
構成されている。

そして符号４２は金庫の扉２の開扉時には暗照
番号設定表示部２８′の前面を覆い、閉扉時には
該設定表示部２８′の前面から外れ移動する目隠
部材で、本実施例では上下動杆４の一方に目隠部
材４２を設けて、上下動杆４の上向き動により設
定表示部２８′を覆い隠すように構成している
が、前記横方向閂杆７又は係合片１３等に目隠部
材４２を設け、その目隠部材４２の左右動により
その近傍に設けた暗照番号設定表示部２８′を覆
つたり顕わにするように構成しても良い。

このように電気暗号鍵錠装置において、その電
源は交流、直流のいずれでも良いが、限られた電
気量を保有する電源例えば乾電池又は蓄電池を金
庫内に備えた場合、長期間使用しないための自然
放電等による電気量消耗により解錠不能となるか
ら、乾電池等の電源を金庫の外面に着脱自在に設
けている。例えば、第４図及び第６図に示すよう
に前記解錠番号入力器２９のキースイツチ部２
９′をその基部２９″に対し偏芯位置でピン３４枢
着し、基部２９″から突出したガイドピン３５に
キースイツチ部２９′裏面に穿設した円弧状案内
溝３６が嵌つてキースイツチ部２９′が適宜角度
回動できるようにすると共に基部２９″の表面側
には乾電池３８等の電池格納室３７を形成し、通
常は基部２９″の表面側にキースイツチ部２９′が
完全に重なつて、前記格納室３７を覆い、必要に
応じ、第６図二点鎖線のようにキースイツチ部２
９′をピン３４箇所を中心にずらし回動させるこ
とにより、電池格納室３７が顕われて乾電池３８
を取り替えできるように構成している。

ここで符号３９はキースイツチ部２９′におけ
る配線コードを基部２９″側に導く孔、４０はこ
れらコードを扉２裏面側の各電気回路で導くため
の貫通孔である。

なお、第７図及び第８図に示すように解錠信号
入力器２９には、キースイツチKSの表面側を全
体的に覆うカバー体３０を設け、該カバー体３０
には各キースイツチKSの前面箇所ごとに、円
形、角形、三角形、矢印等適宜複雑な形状の嵌合
孔３１を穿設し、該各嵌合孔３１に貫通し得る押
圧部３２を先端に備えたキーペン３３を用意し、
このキーペン３３にて所定の暗照番号通りの順序
でキースイツチKSを押圧するように構成すれ
ば、キースイツチKS部のデザインに変化を与え
ることができると同時に部外者には解錠に際し特
殊の器具又は工具の使用が必要であると思わせる
ことができる。

この構成により、キースイツチKSを押すこと
により入力した解錠番号と予め設定した例えば８
桁の暗照番号とが一致すれば電磁ソレノイドSO
を駆動してその閂部１６が没し、係合片１３は横
移動可能となるから、把手１１を第１図二点鎖線
で示すように回動することにより、係合部１２は
金庫本体１との係合が解除できる。

そしてこのとき、一方の上下動杆４は第３図に
示すように距離ｌだけ上昇すると共に扉２を開け
ば、金庫本体１における突起２５による掛金２２
の押圧が解除され掛金２２は第２図の二点鎖線に
示すようにばね２４力によつて回動し、上下動杆
４の下向き動を阻止する。したがつて、該上下動
杆４に取付く目隠部材４２を暗照番号設定表示部
２８′の前面を覆つた状態を保持することにより
扉２を開いた状態でも暗照番号を第三者に盗見ら
れるおそれがない。

また、前記解錠信号入力器２９におけるキース
イツチ部２９′を回動させることにより格納室３
７が顕われるから、乾電池池３８の電気量がなく
つておれば、電池３８を取り替えれば良く、夜間
等においては予め乾電池３８を取り外しておけ
ば、いたずら等によつて解錠される危険性もより
少なくなる。

以上の通り本考案は、什器の外側面における解
錠番号入力器を、什器側に取付く基部と、該基部
の前面に密接するように配設したキースイツチ部
とで構成し、前記基部の前面には、前面キースイ
ツチ部にて隠れた部位に電池格納室を凹み形成し
たことにより、電池を、什器の外側面に設けた解
錠番号入力器におけるキースイツチ部の裏側に隠
して設置できる一方、前記キースイツチ部を、基
部に対して前記電池格納室が露出する方向にずら
し回動自在に枢着したことにより、キースイツチ
部のずらし回動によつて、前記電池の交換を容易
に行うことができるのである。

従つて本考案によると、暗照番号設定装置に使
用する電池を什器の外側面に対して交換可能に設
ける場合におけるスペースの増大、及びデザイン
上の制約を解消できると共に、電池格納室に対す
るカバーを、解錠番号入力器におけるキースイツ
チ部で兼用できて、部品点数が少なくなるから、
製造コストを低減できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は金庫の
扉裏面側を示す一部切欠正面図、第２図は要部拡
大断面図、第３図は第２図の−線視図、第４
図は解錠信号入力器の側断面図、第５図は第４図
の−線正面図、第６図は第４図の操作説明
図、第７図は解錠信号入力器の別の実施例を示す
断面図、第８図は第７図の要部正面図、第９図は
キーペンの斜視図である。 １……金庫本体、２……扉、４，４……上下動
杆、１２……係合部、２８……暗照番号設定装
置、２９……解錠信号入力器、２９′……キース
イツチ部、２９″……基部、３４………ピン、３
５……ガイドピン、３６……円弧状案内溝、３７
……電池格納室、３８……乾電池。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金庫等の什器内に設けた暗照番号設定装置に予
   め暗照番号を設定する一方、什器の外側面に取付
   けた解錠番号入力器に入力の解錠番号が、前記設
   定暗照番号に一致したとき、前記什器の扉に対す
   るロツクを解除するように構成した電気暗号鍵錠
   装置において、前記解錠番号入力器を、什器側に
   取付く基部と、複数のキースイツチを備えたキー
   スイツチ部とで構成し、前記キースイツチ部を前
   記基部の前面に密接するように配設する一方、前
   記基部の前面には、前記キースイツチ部にて隠れ
   た部位に電池格納室を凹み形成し、且つ、前記キ
   ースイツチ部を、基部に対して前記電池格納室が
   露出する方向にずらし回動自在に枢着したことを
   特徴とする電気暗号鍵錠装置。