JPS6230972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えばカセツトテープ類などを収納
するアタツシユケース型の固定された箱型をして
いる箱形手提鞄に関するものである。

従来、この種の箱形手提鞄においては、本体及
び蓋体の各覆板（底板及び蓋板）と直交する外側
板の隅端部外面に、レザーなど外貼材の継目部隠
蔽を兼ねて俗にビニールラインまたは２ラインな
どと呼ばれるプラスチツク製装飾巻帯体が夫々巻
付け接着されているものであるが、この装飾巻帯
体は夫々外側板の外面より外方に突出しているた
めに使用時に手で引掛けて剥離させ易いものであ
ると共に、平担部にエンドレスに巻付けるもので
あるため、作業工程上、真直ぐに正確に巻装する
ことがむつかしく、製作上からもスマートな優良
品の製造が困難で、かつ作業性が悪いなどの大き
な欠点があつた。また従来、本体及び蓋体の上記
覆板外面に、厚紙，スポンジなどの芯材を内包し
てレザーなどの外貼材で被覆した当板を、接着し
て装飾性，商品価値の向上をはかつているが、平
凡で安つぽい粗製感は免れず、手造による品質の
優秀性，重量感，荘重感などを与えることができ
なかつたものである。

この考案は上記に鑑み、以下説明するような箱
形手提鞄を提供して従来の諸欠点を解消する目的
に出たものである。

次にこの考案の箱形手提鞄を図面実施例につい
て詳しく説明すると、１は本体で、２は該本体１
に蝶番２０によつて開閉自在に枢着された蓋体で
ある。そして上記本体１及び蓋体２は、夫々ベニ
ヤ合板などの木材でなる覆板４（底板及び蓋板）
と、それに夫々直交する同上材料の外側板３とで
夫々方形箱形に構成されており、夫々図示の如く
内面には内貼材６がまた外面には覆板４部の外貼
材７ｂ，外側板３部の外貼材７ａが夫々貼付され
ている。しかしてこの考案では先ず上記本体１及
び蓋体２の各覆板４と直交する外側板３隅端部に
段付切込部５を夫々設け、該各段付切込部５内に
おいて装飾巻帯体８を、夫々その外端面が外側板
３外面とほぼ同一面となるように接着剤にて巻設
するものである。なお図面実施例では、装飾巻帯
体８として図示の如く、中央帯部１０を挟んで両
側縁に半円形の突条部９ａ，９ａを夫々形成した
ビニール樹脂構成で、かつ該両側突条部９ａ外表
面に夫々銀色の装飾被膜１１を形成した構成のも
のが使用されている。そして上記装飾巻帯体８は
図示のように夫々段付切込部５内において外貼材
７ａ，７ｂの継目部を隠蔽するように巻装されて
いる。また１２は厚紙１３及びスポンジ芯材１４
を外貼材１５にて内包被覆して周縁部にミシンス
テツチ１６を施して一体構成してなる当板で、該
当板１２を前記各覆板４外面に、夫々周縁部４ａ
を残して夫々接着１７してなるものである。なお
外貼材７ａ，７ｂ，１５としては夫々人工皮革，
レザーなどが、また内貼材６としては例えばビロ
ードなど比較的厚手の生地素材などが使用されて
いるものである。また図面中１８は手提用の把
手，１９は開閉用の止金である。なお図面実施例
では、当板１２が接着されている覆板４外面の周
縁部４ａが面取り傾斜面に構成された場合が例示
されているが、この周縁部４ａは当板１２の接着
されている覆板４外面と同一平面の平担面であつ
てもよいものである。

この考案の箱形手提鞄は叙上のように、先ず本
体１及び蓋体２の各覆板４と直交する外側板３隅
端部に段付切込部５を夫々設け、該各段付切込部
５内において装飾巻帯体８を、夫々その外端面が
外側面３外面とほぼ同一面となるように巻設した
ものであるから、この箱形鞄を、内容物の出し入
れのため開閉したり、持ち運び携行するなど使用
する際に、手や外物などが装飾巻帯体８に引つ掛
つたりすることが少く、たとえ引つ掛つたとして
も段付切込部５内に嵌り込んだ状態となつている
ため、巻装されている装飾巻帯体８は妄りにずれ
動いたり剥脱したりすることがないものであると
共に段付切込部５内に巻付けるものであるため、
装飾巻帯体８の巻付け作業が容易で、作業性が良
く、殊に作業工程上、真直ぐに狂いなく安定的に
確固たる巻付けが行え、外観的にもスマートな装
飾美の横溢した優良な製品を能率的容易に製造で
きるなどの卓抜した効果がある。

また厚紙１３及びスポンジ芯地１４を外貼材１
５にて内包被覆して周縁部にミシンステツチ１６
を施した当板１２を各覆板４外面に夫々接着した
ものであるから、当板１２周縁部に施したミシン
ステツチ１６がこの箱形鞄自体に従来のものに見
られない貴重な手作りの感じを出させることがで
きて商品価値を著しく向上でき、かつ鞄体に重厚
なボリユウム感をかもし出すことができる優れた
効果がある。さらに上記周縁部のミシンステツチ
１６によつて予め当板１２を構成してから、該当
板１２を覆板４外面に接着するものであるから、
作業工程が容易で簡素化され、かつミシンステツ
チ１６の長期安定維持が保証され、ミシンステツ
チ１６のほつれなどを生ぜしめないなどの大きな
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案箱形手提鞄の実施例を示すもの
で、第１図は一部を欠截した側面図、第２図は同
上正面図、第３図は要部の拡大縦断面図である。 １……本体、２……蓋体、３……外側板、４…
…覆板、４ａ……周縁部、５……段付切込部、６
……内貼材、７ａ，７ｂ……外貼材、８……装飾
巻帯体、９ａ……突条部、１０……中央帯部、１
１……装飾被膜、１２……当板、１３……厚紙、
１４……スポンジ芯材、１５……外貼材、１６…
…ミシンステツチ、１７……縫着、１８……把
手、１９……止金、２０……蝶番。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１及び蓋体２の各覆板４と直交する外側板
   ３隅端部に段付切込部５を夫々設け、該各段付切
   込部５内において、装飾巻帯体８を、夫々その外
   端面が外側板３外面とほぼ同一面となるように巻
   設し、かつ厚紙１３及びスポンジ芯材１４を外貼
   材１５にて内包被覆して周縁部にミシンステツチ
   １６を施した当板１２を前記各覆板４外面に夫々
   接着してなる箱形手提鞄。