JPS6230816A - 耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法Info
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- JPS6230816A JPS6230816A JP60167508A JP16750885A JPS6230816A JP S6230816 A JPS6230816 A JP S6230816A JP 60167508 A JP60167508 A JP 60167508A JP 16750885 A JP16750885 A JP 16750885A JP S6230816 A JPS6230816 A JP S6230816A
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- stainless steel
- martensitic stainless
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- stress corrosion
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D6/00—Heat treatment of ferrous alloys
- C21D6/004—Heat treatment of ferrous alloys containing Cr and Ni
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は耐応力腐食割れ性に優れかつ耐食性や低温靭性
に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法に関
する。
に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法に関
する。
従来よりAST14A29B、 CABNM鋼に代表
されるようなCr−Niマルテンサイト系アンステンレ
ス鋼バルブやランナー用として強度と耐食性とを要求さ
れる製品に広く適用されている。近年、 CABNM鋼
およびこれの鍛造材は石油掘削機器にも使用される気運
にある。一方オーステナイト系ステンレス鋼は耐食性に
優れている反面、塩化物応力腐食割れ感受性が高いため
、応力腐食割れの恐れのある場合には、オーステナイト
系ステンレス鋼は使用できず、 Al5I410鋼や4
30鋼などのようなりロム系ステンレス鋼、あるいは高
Ni合金が通常使用されており、なかでも安価な410
鋼や430鋼が広く使用されている。
されるようなCr−Niマルテンサイト系アンステンレ
ス鋼バルブやランナー用として強度と耐食性とを要求さ
れる製品に広く適用されている。近年、 CABNM鋼
およびこれの鍛造材は石油掘削機器にも使用される気運
にある。一方オーステナイト系ステンレス鋼は耐食性に
優れている反面、塩化物応力腐食割れ感受性が高いため
、応力腐食割れの恐れのある場合には、オーステナイト
系ステンレス鋼は使用できず、 Al5I410鋼や4
30鋼などのようなりロム系ステンレス鋼、あるいは高
Ni合金が通常使用されており、なかでも安価な410
鋼や430鋼が広く使用されている。
しかし、これらの410鋼や430#4の耐食性は必ず
しも十分優れているとはいえず、それに加えて、低温靭
性が著しく劣っているという屯大な欠点を有ることも一
般に知られている。また430鋼はフェライト系ステン
レス鋼であるために、強度が要求される部材には使用で
きないという欠点もある。
しも十分優れているとはいえず、それに加えて、低温靭
性が著しく劣っているという屯大な欠点を有ることも一
般に知られている。また430鋼はフェライト系ステン
レス鋼であるために、強度が要求される部材には使用で
きないという欠点もある。
これにt、1.Niを数%含有するマルテンサイト系ス
テンレス鋼は若1−の成分調整と熱処理条件の変更によ
り、比較的広範囲に強度を変化させることが+可能であ
り、さらに低温靭性に極めて優れているという長所を有
する。またこの鋼に1%以下のMoを添加して強Jバ、
靭性および耐食性を改善することも一般に実施されてい
るが上記性能、すなわち強度、低温靭性、一般的耐食性
、を達成するのに主要な役;L;lを果しているのはN
iである。ステンレス鋼において、N1の添加は優れた
性質を与える反面、応力腐食113れ感受性を著しく高
めるという問題があり、このNiを含有するアルテンサ
イド系ステンレス鋼のそれはAl5I304鋼に匹敵す
る。
テンレス鋼は若1−の成分調整と熱処理条件の変更によ
り、比較的広範囲に強度を変化させることが+可能であ
り、さらに低温靭性に極めて優れているという長所を有
する。またこの鋼に1%以下のMoを添加して強Jバ、
靭性および耐食性を改善することも一般に実施されてい
るが上記性能、すなわち強度、低温靭性、一般的耐食性
、を達成するのに主要な役;L;lを果しているのはN
iである。ステンレス鋼において、N1の添加は優れた
性質を与える反面、応力腐食113れ感受性を著しく高
めるという問題があり、このNiを含有するアルテンサ
イド系ステンレス鋼のそれはAl5I304鋼に匹敵す
る。
このためこの鋼は強度、靭性や一般的耐食性の点で憧れ
ているにも拘らず、41(lや430鋼のように広範囲
な用途が開けない現状にある。
ているにも拘らず、41(lや430鋼のように広範囲
な用途が開けない現状にある。
1□述のように、従来のAl5I410鋼は耐応力腐食
、1.1れ性が良好なものの耐食性や低温靭性が劣り、
Al51430mは強度の調節ができず、従って強度が
要求される部材には使用できないという欠点がある。一
方N1を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼は低温
靭性に優れ、強度の調節も広範囲に可能であるものの、
耐応力腐食割れ性が著しく劣るという問題点がある。
、1.1れ性が良好なものの耐食性や低温靭性が劣り、
Al51430mは強度の調節ができず、従って強度が
要求される部材には使用できないという欠点がある。一
方N1を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼は低温
靭性に優れ、強度の調節も広範囲に可能であるものの、
耐応力腐食割れ性が著しく劣るという問題点がある。
本発明は、Niを含有するマルテンサイト系ステンレス
鋼の化学成分と熱処理とを特定の条件に限定して組合わ
せることにより、#応力g食割れ性に優れ、かつ高度な
低温靭性を有し、さらに強1隻を広範囲に調節回旋なマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
鋼の化学成分と熱処理とを特定の条件に限定して組合わ
せることにより、#応力g食割れ性に優れ、かつ高度な
低温靭性を有し、さらに強1隻を広範囲に調節回旋なマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
発明者はNiを含有するマルテンサイト系ステンレス鋼
に関し、その化学成分と熱処理方法について広範な研究
を実施した結果、特定成分のステンレス鋼に特定の熱処
理を施した場合に塩化物応力腐食割れ感受性をJlli
著に改善できる方法を見出した。即ちその方法は重量%
でNi 2〜6%、(:r15〜18%を含有させた鋼
を680〜830℃に加熱、保持後冷却する方法である
。また、この鋼を加熱・保持後冷却した後600℃未満
の温度で焼戻しする方法である。
に関し、その化学成分と熱処理方法について広範な研究
を実施した結果、特定成分のステンレス鋼に特定の熱処
理を施した場合に塩化物応力腐食割れ感受性をJlli
著に改善できる方法を見出した。即ちその方法は重量%
でNi 2〜6%、(:r15〜18%を含有させた鋼
を680〜830℃に加熱、保持後冷却する方法である
。また、この鋼を加熱・保持後冷却した後600℃未満
の温度で焼戻しする方法である。
従来より、0r−Niマルテンサイト系ステンレス鋼に
おいては、ASTM A29B、 CA6NM、 B5
970 : Part4 431S2J DIN 1
7440 X22Cr Ni17. NF A35−5
812712C:NO2O,04など種々の鋼種が規格
化されているが、これらはOr 11.5〜18%、
Ni 1.5〜5%。
おいては、ASTM A29B、 CA6NM、 B5
970 : Part4 431S2J DIN 1
7440 X22Cr Ni17. NF A35−5
812712C:NO2O,04など種々の鋼種が規格
化されているが、これらはOr 11.5〜18%、
Ni 1.5〜5%。
にoO〜3.25%を基本成分としており、 950〜
1050℃でオーステナイト化したのちに油冷又は空冷
により焼入処理を行ない550〜720℃の範囲で焼戻
す通常の焼入れ焼戻しによって製造されている。
1050℃でオーステナイト化したのちに油冷又は空冷
により焼入処理を行ない550〜720℃の範囲で焼戻
す通常の焼入れ焼戻しによって製造されている。
またこれら鋼と類似の化学成分と熱処理によって製造さ
れている改良鋼種も多数ある。これらの鋼はいずれも塩
化物応力η食割れ感受性が高く、42%に301213
字曲げ試験においては100時間以内に1+、1れを発
生するのが通例である。
れている改良鋼種も多数ある。これらの鋼はいずれも塩
化物応力η食割れ感受性が高く、42%に301213
字曲げ試験においては100時間以内に1+、1れを発
生するのが通例である。
後述の実施例においても明らかなように、これらの鋼を
1000〜1050℃から焼入れしたのち530〜60
0℃で焼戻しだ場合、42%HgCI 、試験では全部
100時間以内に割れが発生した。しかしながら。
1000〜1050℃から焼入れしたのち530〜60
0℃で焼戻しだ場合、42%HgCI 、試験では全部
100時間以内に割れが発生した。しかしながら。
これらの鋼のうちCrlfi%以上を含有する鋼を68
0〜830℃の温度から焼入れた場合、及び更に600
℃未満の温度で焼戻しだ場合には2週間の試験期間中、
全く割れを発生しなくなる。一方、Cr?1が15%程
度の場合には16%以−ヒの場合はど顕著ではないが、
依然として上記熱処理による改停効来が認められ、30
%HgCI 2試験では割れを発生しない、さらにOr
%が低下すると、応力腐食割れ感受性を改善する適正な
熱処理温度範囲が存在しなくなる。従ってCr15%未
満では応力腐食割れ感受性の熱処理による改Nは不可能
となる。
0〜830℃の温度から焼入れた場合、及び更に600
℃未満の温度で焼戻しだ場合には2週間の試験期間中、
全く割れを発生しなくなる。一方、Cr?1が15%程
度の場合には16%以−ヒの場合はど顕著ではないが、
依然として上記熱処理による改停効来が認められ、30
%HgCI 2試験では割れを発生しない、さらにOr
%が低下すると、応力腐食割れ感受性を改善する適正な
熱処理温度範囲が存在しなくなる。従ってCr15%未
満では応力腐食割れ感受性の熱処理による改Nは不可能
となる。
このように、ここに述べる熱処理法が有効に作用するた
めにはCr 15%以上の条件が必須であることが明ら
かであり、ここに本発明の特徴がある。
めにはCr 15%以上の条件が必須であることが明ら
かであり、ここに本発明の特徴がある。
応力腐食割れ感受性が改善される原因は次のように考え
られる。 Ac1−Ac3の中間温度での加熱によって
形成されるオーステナイト相とフエライト相との間にM
1成分配が起り、オーステナイト相は焼入れ時にマルテ
ンサイト相に変態する結果1組織はマルテンサイトと焼
戻しマルテンサイトの混合MI織となる。この際に両相
の混合率が適正な値となることが;!Iれ感受性の改善
効果を顕著ならしめるために必要である。この点で二相
ステンレス鋼における応力腐食割れ感受性改善効果と類
似しているといえる。
られる。 Ac1−Ac3の中間温度での加熱によって
形成されるオーステナイト相とフエライト相との間にM
1成分配が起り、オーステナイト相は焼入れ時にマルテ
ンサイト相に変態する結果1組織はマルテンサイトと焼
戻しマルテンサイトの混合MI織となる。この際に両相
の混合率が適正な値となることが;!Iれ感受性の改善
効果を顕著ならしめるために必要である。この点で二相
ステンレス鋼における応力腐食割れ感受性改善効果と類
似しているといえる。
ここで1.t 61+において、Ni 2〜6%、Cr
15〜18%を鋼に含有せしめた理由を述べる。先ずC
rの効果はFe−Cr状態図において(α+γ)温度域
を拡大し、上記の適正組織を実現できる温度域を広くす
ると同時に組成分配を適切なものとする。
15〜18%を鋼に含有せしめた理由を述べる。先ずC
rの効果はFe−Cr状態図において(α+γ)温度域
を拡大し、上記の適正組織を実現できる温度域を広くす
ると同時に組成分配を適切なものとする。
第1図はNi2〜3%および14o O,3%〜0.5
%を含有する鋼のCr含有量を変化させ、これら鋼を6
80〜710℃で焼入れし、530〜540℃で焼戻し
だ場合の42%MgCl2試験における割れ発生時間と
Cr含有量との関係を示す図である。この図から明らか
なようにCr含有量が15%以上になると割れ感受性が
大きく改善され、Cr%が15%未満では本発明の熱処
理による割れ感受性改善効果が小さい。
%を含有する鋼のCr含有量を変化させ、これら鋼を6
80〜710℃で焼入れし、530〜540℃で焼戻し
だ場合の42%MgCl2試験における割れ発生時間と
Cr含有量との関係を示す図である。この図から明らか
なようにCr含有量が15%以上になると割れ感受性が
大きく改善され、Cr%が15%未満では本発明の熱処
理による割れ感受性改善効果が小さい。
また割れの発生しない熱処理条件も存在はするが、その
範囲が非常に狭く実用1著しい困難をともなう・C「含
有量の上限はマルテンサイト系ステンレス鋼(一部デル
タフエライトを含んでもよい)であり得る上限の値とす
るが、この値は他の成分(例えばC,Hn、 Ni、
No )によッテ異なる。
範囲が非常に狭く実用1著しい困難をともなう・C「含
有量の上限はマルテンサイト系ステンレス鋼(一部デル
タフエライトを含んでもよい)であり得る上限の値とす
るが、この値は他の成分(例えばC,Hn、 Ni、
No )によッテ異なる。
しかし、一般的には、Ni含有量2〜6%の制限のもと
ではC「が18%をこえるとαフェライトが多くなり強
度低下を招き、また強度、靭性の制御が困難になるので
、 Cr含有量の上限を18%とした。またこのような
Crの効果は上述の如く状態図の(α+γ)温度域を広
げるということと木質的な係わりがあると考えられるか
ら、同様な効果を有するMOによってOrの一部を置換
することも十分に可能である。この意味で上記下限値は
本来Or当当価値規定されるべきものであるといえる。
ではC「が18%をこえるとαフェライトが多くなり強
度低下を招き、また強度、靭性の制御が困難になるので
、 Cr含有量の上限を18%とした。またこのような
Crの効果は上述の如く状態図の(α+γ)温度域を広
げるということと木質的な係わりがあると考えられるか
ら、同様な効果を有するMOによってOrの一部を置換
することも十分に可能である。この意味で上記下限値は
本来Or当当価値規定されるべきものであるといえる。
旧はマルテンサイト系ステンレス鋼にあっては低温靭性
、強度、耐食性を向上させる元素であると同時に塩化物
応力腐食割れ感受性を高めている原因である。
、強度、耐食性を向上させる元素であると同時に塩化物
応力腐食割れ感受性を高めている原因である。
Crが15%以−L含まれる場合、マルテンサイト系ス
テンレス鋼であるためには2%以上の旧の添加が必要で
あり、2%未満ではデルタフェライトが多量に形成して
、強度や低温靭性の劣化を招く、一方、6%をこえるN
iを添加した場合にはオーステナイト相が増加してオー
ステナイト−マルテンサイト系ステンレス鋼となる。こ
のため強度低下を招くと同時に割れ感受性が高まる0通
常マルテンサイト系ステンレス鋼の組織はCrとNi以
外にもC25i、 Mn、 Noやその他の元素の影響
を受けるが1本発明はこれら元素の含有量の多少に拘ら
ず、上記CrとNi量の制限の下でマルテンサイト系ス
テンレス鋼たり得る化学成分を有するものをその対象と
している。
テンレス鋼であるためには2%以上の旧の添加が必要で
あり、2%未満ではデルタフェライトが多量に形成して
、強度や低温靭性の劣化を招く、一方、6%をこえるN
iを添加した場合にはオーステナイト相が増加してオー
ステナイト−マルテンサイト系ステンレス鋼となる。こ
のため強度低下を招くと同時に割れ感受性が高まる0通
常マルテンサイト系ステンレス鋼の組織はCrとNi以
外にもC25i、 Mn、 Noやその他の元素の影響
を受けるが1本発明はこれら元素の含有量の多少に拘ら
ず、上記CrとNi量の制限の下でマルテンサイト系ス
テンレス鋼たり得る化学成分を有するものをその対象と
している。
つぎに本発明における熱処理温度を限定した理由を述べ
る0本発明の特徴は従来の十−ステナイト化温度からの
焼入れに対してAcl−Ac3の中間温度である680
〜830℃に加熱、保持後、焼入れを行なうことにある
。つまり、焼入温度において体積比にして25〜75%
のオーステナイト相を形成させ、これを冷却することに
よってマルテンサイトと焼戻しマルテンサイトの混合組
織を得る。第2図は後出の第1表中のJ鋼をSOO〜8
50℃の各温度から焼入れて540℃で焼戻した場合の
42%MgCl2試験における割れ時間を示したもので
あるが、焼入温度が880〜830℃の範囲では良好な
耐応力腐食割れ性を示すことが明らかである。第3表の
F、G、J鋼の例に見られるように上記温度範囲で焼入
れだ場合には焼入れままであっても耐割れ性が優れてい
る。しかしながら焼入れままではマルテンサイト相を多
量に含むために低温靭性や耐食性が余り優れない場合が
ある。そこで焼戻 ゝ処理をしてこれらの性質の回復を
計る場合、焼戻温度が600℃以上では再びオーステナ
イト相を形成するために焼入処理によって得られた適正
な組織が破壊され、割れ感受性が再び高まる。第3図は
同じくJ鋼を 750℃で焼入れした場合の42%!l
1g(:I2試験における割れ時間と焼戻温度との関係
を示しているが、このことを明瞭に裏付けている。即ち
、焼入温度が前出の温度範囲にあった場合には、これを
600℃未満の温度で焼戻すことによって耐割れ性を損
なうことなく低温靭性や耐食性を改みすることが可能で
ある。
る0本発明の特徴は従来の十−ステナイト化温度からの
焼入れに対してAcl−Ac3の中間温度である680
〜830℃に加熱、保持後、焼入れを行なうことにある
。つまり、焼入温度において体積比にして25〜75%
のオーステナイト相を形成させ、これを冷却することに
よってマルテンサイトと焼戻しマルテンサイトの混合組
織を得る。第2図は後出の第1表中のJ鋼をSOO〜8
50℃の各温度から焼入れて540℃で焼戻した場合の
42%MgCl2試験における割れ時間を示したもので
あるが、焼入温度が880〜830℃の範囲では良好な
耐応力腐食割れ性を示すことが明らかである。第3表の
F、G、J鋼の例に見られるように上記温度範囲で焼入
れだ場合には焼入れままであっても耐割れ性が優れてい
る。しかしながら焼入れままではマルテンサイト相を多
量に含むために低温靭性や耐食性が余り優れない場合が
ある。そこで焼戻 ゝ処理をしてこれらの性質の回復を
計る場合、焼戻温度が600℃以上では再びオーステナ
イト相を形成するために焼入処理によって得られた適正
な組織が破壊され、割れ感受性が再び高まる。第3図は
同じくJ鋼を 750℃で焼入れした場合の42%!l
1g(:I2試験における割れ時間と焼戻温度との関係
を示しているが、このことを明瞭に裏付けている。即ち
、焼入温度が前出の温度範囲にあった場合には、これを
600℃未満の温度で焼戻すことによって耐割れ性を損
なうことなく低温靭性や耐食性を改みすることが可能で
ある。
次に本発明の実施例を従来法による鋼との比較において
説明する。第1表は供試鋼の化学成分を重量%で示した
ものである。このうちA、B。
説明する。第1表は供試鋼の化学成分を重量%で示した
ものである。このうちA、B。
C,D、Eは従来法に対応するものであり、F。
G、H,I 、J 、に、Lは本発明法に対応するもの
である。第2表は第1表に示す鋼を1000〜1050
℃のオーステナイト化温度から空冷して焼入れし、表中
の温度で4〜6時間焼戻しだものの30%NgCI 2
及び42%MgC: + 2試験における割れ時間な示
している。いずれもUベンド試験片を用いた。この場合
、各鋼は本発明の焼入温度と相異した温度で焼入れされ
ているので従来法のA−E鋼は勿論、本発明に対応する
F−L鋼も極めて短時間に割れを発生している。第3表
は本発明の熱処理を本発明に対応する鋼種(F−L鋼)
に付与した場合と、同一の熱処理を従来法に対応する鋼
種(A〜E鋼)に付γ−した場合の割れ感受性の差異を
示したものである。同表中の割れ時間は第2表と同じく
30%MgC:12及び42%MgCI 、試験におけ
る割れ発生時間である。:53表より明らかなように本
発明の鋼種、熱処理のものの耐割れ性は格段に優れてい
る。42%MgCl2試験における割れ発生時間ではH
−L鋼は勿論、F、G鋼においても顕著な改善効果が認
められる。F 、 Gf14は42%MgCl 、試験
では約120時間で破断側る場合があるが、30%Mg
Cl2試験では336時間以上の割れ発生時間であり表
2の結果と対比してその改み効果は明らかである。熱処
理時間や応力腐食割れ試験条件は第2表の場合と同一で
ある。
である。第2表は第1表に示す鋼を1000〜1050
℃のオーステナイト化温度から空冷して焼入れし、表中
の温度で4〜6時間焼戻しだものの30%NgCI 2
及び42%MgC: + 2試験における割れ時間な示
している。いずれもUベンド試験片を用いた。この場合
、各鋼は本発明の焼入温度と相異した温度で焼入れされ
ているので従来法のA−E鋼は勿論、本発明に対応する
F−L鋼も極めて短時間に割れを発生している。第3表
は本発明の熱処理を本発明に対応する鋼種(F−L鋼)
に付与した場合と、同一の熱処理を従来法に対応する鋼
種(A〜E鋼)に付γ−した場合の割れ感受性の差異を
示したものである。同表中の割れ時間は第2表と同じく
30%MgC:12及び42%MgCI 、試験におけ
る割れ発生時間である。:53表より明らかなように本
発明の鋼種、熱処理のものの耐割れ性は格段に優れてい
る。42%MgCl2試験における割れ発生時間ではH
−L鋼は勿論、F、G鋼においても顕著な改善効果が認
められる。F 、 Gf14は42%MgCl 、試験
では約120時間で破断側る場合があるが、30%Mg
Cl2試験では336時間以上の割れ発生時間であり表
2の結果と対比してその改み効果は明らかである。熱処
理時間や応力腐食割れ試験条件は第2表の場合と同一で
ある。
第1表
第2表
第3表
〔発明の効果〕
以−L説明したように本発明は限定されたCrおよびN
iを鋼に含有せしめ、この鋼を限定された適正温度で熱
処理することにより、耐塩化物応力腐食割れ性に優れ、
また優れた低温靭性を有し、さらに機械的強度を広範囲
にyA箇できるCr−Niマルテンサイト系ステンレス
鋼の製造方法を提供することかでさた。
iを鋼に含有せしめ、この鋼を限定された適正温度で熱
処理することにより、耐塩化物応力腐食割れ性に優れ、
また優れた低温靭性を有し、さらに機械的強度を広範囲
にyA箇できるCr−Niマルテンサイト系ステンレス
鋼の製造方法を提供することかでさた。
第1図はNi2〜3%、 No 0.3〜0.5%を含
有する鋼のCr含有峻を変化させ、これらの鋼を680
〜710℃で焼入し、530〜540℃で焼戻した場合
の42%l’1gcl?試験における割れ発生時間とO
r含有漬との関係を示す図、第2図は第1表中のJmを
600〜850℃の温度から焼入れし、540℃で焼戻
した場合の42%MgCl2試験における割れ発生時間
と焼入温度の関係を示す図、第3図はJmを750℃か
ら焼入れし、種々の温度で焼戻しだ場合の42%MgC
l2試験における割れ時間と焼戻温度との関係を示す図
である。 第1図 第2図
有する鋼のCr含有峻を変化させ、これらの鋼を680
〜710℃で焼入し、530〜540℃で焼戻した場合
の42%l’1gcl?試験における割れ発生時間とO
r含有漬との関係を示す図、第2図は第1表中のJmを
600〜850℃の温度から焼入れし、540℃で焼戻
した場合の42%MgCl2試験における割れ発生時間
と焼入温度の関係を示す図、第3図はJmを750℃か
ら焼入れし、種々の温度で焼戻しだ場合の42%MgC
l2試験における割れ時間と焼戻温度との関係を示す図
である。 第1図 第2図
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1)鋼に重量%でNi2〜6%、Cr15〜18%を含
有せしめ、かつ該鋼を680〜830℃の温度に加熱、
保持後冷却することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優
れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。 2)鋼に重量%でNi2〜6%、Cr15〜18%を含
有せしめ、かつ該鋼を680〜830℃の温度に加熱、
保持後冷却し、さらに600℃未満の温度で焼戻しする
ことを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサ
イト系ステンレス鋼の製造方法。
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