JPS6230680B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、シロツプ放出に応じて縮少変形す
るシロツプ容器を用い、このシロツプ容器からシ
ロツプをシロツプポンプによつてカツプ内に放出
販売する飲料自動販売機に関する。

〔従来の技術〕

シロツプ放出に応じて縮少変形するタイプのシ
ロツプ容器は、外気と遮断されることになるた
め、シロツプが腐敗するおそれがなく、したがつ
てシロツプ容器を保冷するなど装置を複雑化する
必要がなくきわめて便利なものである。従来、こ
のタイプのシロツプ容器を用いた飲料自動販売機
として実開昭56−55985号公報に記載された考案
のように、シロツプ容器の出口にパイプを介して
シロツプポンプが接続され、シロツプ容器にはシ
ロツプ補充用の供給筒が設けられているものがあ
る。そしてこの装置は、シロツプポンプが一定時
間駆動するとシロツプ容器内部のシロツプがカツ
プ内に販売されると同時にシロツプが販売された
量に応じてシロツプ容器が縮少変形するようにな
つている。

また、実開昭54−8500号公報に記載された考案
のようにシロツプを封入した軟質薄肉の内容器と
硬質の外容器との間に液体などを注入して内容器
を押し潰し、これによつて内容器からシロツプを
注入された液体と同量だけ販売するものがある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前記した従来装置に限らずこの種のシロツプ容
器においては、シロツプを充填密封する際にシロ
ツプ容器内に多少の気体が残存することは避けら
れないが、これをそのまま飲料自動販売機に接続
するとシロツプライン（シロツプ容器よりシロツ
プポンプを経てシロツプ放出口に至る経路）に気
体が混入し、したがつてシロツプの放出量を減少
させ、濃度の薄い飲料を販売する結果となる。

また、前記した従来装置はいずれも１種類のシ
ロツプに対してシロツプ容器は１個しか用意され
ておらず（収納できるシロツプ量はシロツプ容器
の容量によつて決められる）、そのため設置場所
（ロケーシヨン先）や季節などによつてシロツプ
の収納量を容易に変更できるようなシステムがつ
くりにくく、きめの細かい弾力的な運用がきわめ
て困難である。もし、これを弾力的に運用するよ
うにするならば１種類のシロプに対してシロツプ
容器を複数準備することになるが、各シロツプ容
器に対応してシロツプポンプ、シロツプラインな
どを用意するため、かなりのスペースを必要とす
る。

さらに、実開昭56−55985号公報に記載された
考案は、シロツプ容器の上部に供給筒を接続し、
この供給筒からシロツプを補充することができる
ようになつているので、古いシロツプが残ること
になり、衛生上好ましくなく、シロツプも変質し
易い。

この発明は、従来の以上のような問題点を解消
させて一定濃度の飲料を販売できるようにすると
ともに省スペースを計りながらシロツプの種類に
よる格納量をロケーシヨン先や季節に応じて変化
させ、弾力的な運用ができるようにした飲料自動
販売機を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、この発明は、シロ
ツプ容器からシロツプをシロツプポンプによつて
カツプ内に放出販売する飲料自動販売機におい
て、シロツプ放出に応じて縮少変形する複数個の
シロツプ容器と、前記複数個のシロツプ容器を切
替える１個の切替バルブと、前記切替バルブを介
して前記複数個のシロツプ容器に接続される１個
の密閉構造のシロツプリザーバと、前記シロツプ
リザーバ内に設けられたシロツプレベル検知装置
と、前記シロツプリザーバ内の気体を抜くガス抜
き装置とを備え、前記複数個のシロツプ容器には
同一種類のシロツプを所定量の気体とともに充填
し、前記シロツプリザーバ内のシロツプが所定の
第２のレベルに低下したとき前記切替バルブによ
つて１つのシロツプ容器を他のシロツプ容器に切
替えると同時にガス抜き装置を作動させるように
し、前記シロツプリザーバ内のシロツプが所定の
第１のレベルに上昇したとき前記ガス抜き装置を
停止させるようにしたことを特徴とするものであ
る。

〔作用〕

この発明は前記した手段からなつているので、
シロツプポンプの駆動によつてシロツプリザーバ
内のシロツプがカツプ内に放出されると同時にシ
ロツプリザーバ内が負圧になる。そのため、放出
量に応じた量だけシロツプ容器からシロツプが切
替バルブを経由したシロツプリザーバに入り込
む。

この動作を繰り返して１つのシロツプ容器が空
になるとシロツプ容器内の気体がシロツプリザー
バ内に入り込み、シロツプリザーバのシロツプレ
ベルが第１のレベルから第２のレベルに下がるた
めシロツプレベル検知装置が働き、これにより切
替バルブが作動して空になつたシロツプ容器をシ
ロツプが入つている新しいシロツプ容器に切替え
る。このとき、シロツプレベル検知装置によつて
シロツプ容器の切替えと同時にガス抜き装置が作
動してシロツプリザーバ内に入り込んだ気体を抜
く。シロツプリザーバ内の気体が抜かれるとシロ
ツプリザーバ内が負圧になり、切替わつた新しい
シロツプ容器からシロツプがシロツプリザーバ内
に入り込み、したがつてシロツプレベルがもとの
販売可能状態の第１のレベルまで上昇することに
なる。

このようにしてシロツプ容器が順次切替わり、
またシロツプリザーバ内に入り込んだシロツプ容
器内の気体は抜き去られるので、シロツプライン
内に気体が混入することがなく、濃度が一定の飲
料を販売でき、また単にシロツプ容器を増減する
ことのみで弾力的な運用が可能となる。

〔実施例〕

この発明の実施例を、図面を参照しながら説明
する。

第１実施例 同一種類の飲料を販売するシロツプラインを第
１図に示す。１，１ａ，１ｂはシロツプ放出に応
じて縮少変形するシロツプ容器で（３個に限定さ
れない）、例えば第２図に示すようにシロツプ２
２とともに所定量の気体２３を充填した軟質材料
の袋１０とこれを包囲した外箱１１で構成され
る。

上方の放出口１２のところにシール膜１９とと
もに吸上げパイプ２０が固定され、また放出口１
２には飲料自動販売機側の配管パイプ２１先端の
継手１３が結合される。継手１３はその先端部が
シール膜１９を突き破り、ナツト１７を締めつけ
てシール部材１５によつて外気と遮断された状態
でシロツプ容器１と結合される。シロツプ２２の
放出はシロツプポンプ６（第１図）の駆動によつ
て弁体１４がスプリング１６を圧縮して弁を開放
するので、これによつてシロツプ２２は矢印のご
とく放出される。

３は切替バルブで、シロツプ容器１，１ａ，１
ｂとシロツプリザーバ４との間に設けられ、それ
ぞれ配管パイプ２１，２１ａ，２１ｂ，２４によ
つて接続されている。

第３図は切替バルブの一例で、ハウジング３０
に３本の配管パイプ２１，２１ａ，２１ｂ（２１
ａは隠れている）が取りつけられ、その反対側は
集合受口２４ａとなつた配管パイプ２４が取りつ
けられている。３本の配管パイプ２１，２１ａ，
２１ｂはハウジング３０内ではフレキシブルパイ
プ３１，３１ａ，３１ｂに構成され、それぞれが
プツシヤー３２（第３図ａ参照）の凸部３４が押
しつぶすことによつて配管パイプ２１，２１ａ，
２１ｂが閉塞する。プツシヤー３２はスプリング
３８によつて付勢されているので、カム軸３７の
カム３５，３６が90゜毎回転してプツシヤー３２
のフラツト部３３を押すことによつて配管パイプ
２１，２１ａ，２１ｂは順次開放され、したがつ
てシロツプ容器１，１ａ，１ｂは順次切替わる。

シロツプリザーバ４は密閉構造となつており、
その内部は第４図ａに示すようにシロツプレベル
検知装置が設けられている。即ち、シロツプレベ
ルl₁（シロツプ２２の最大貯溜量で、第１のレベ
ル）を検知する第１の検知装置４２、シロツプレ
ベルl₃（シロツプ容器の切替えレベルで、第２の
レベル）を検知する第２の検知装置４３、および
シロツプレベルl₃（売切れレベル）を検知する第
３の検知装置４４が棒４５上に設けられている。
各検知装置はリードスイツチ４６、サークリツプ
４９によつて移動量が規制される磁石４７付きフ
ロート４８からなる。

第１の検知装置４２が作動するとガス抜きポン
プ８（第１図）を停止させ、第２の検知装置４３
が作動すると切替バルブ３を駆動してシロツプ容
器１，１ａ，１ｂの切替えと同時にガス抜きポン
プ８の駆動を行ない、第３の検知装置４４が作動
するとシロツプ２２の供給を停止するようになつ
ている。

シロツプリザーバ４の蓋４１に配管パイプ２
４，２５およびガス抜きパイプ２６が設けられ、
（第４図ｂ）シロツプポンプ６の駆動によつてシ
ロツプ２２は矢印のごとく移動する。

次に本実施例の動作を述べる。

販売準備動作 当初、シロツプリザーバ４内は空気が入つて
いるので、ガス抜きポンプ８によつて空気を大
気中に抜く。これによつてシロツプリザーバ４
内は負圧になり、例えばシロツプ容器１ｂから
シロツプ２２が切替バルブ３を介して流入す
る。シロツプ２２がシロツプレベルl₁まで上昇
すると第１の検知装置４２のフロート４８が第
４図ａの実線の位置まで浮上して作動し、その
出力信号によつてガス抜きポンプ８が停止して
販売準備が整のう。

飲料販売動作 販売指令によりシロツプポンプ６を駆動する
と、シロツプリザーバ４内のシロツプ２２がカ
ツプ７内に放出販売される（図示していない
が、希釈水も放出されて所定の飲料が販売され
る）。このとき、シロツプリザーバ４内が負圧
になるので、シロツプ２２放出に見合う量だけ
シロツプ容器１ｂからシロツプ２２が給送さ
れ、シロツプレベルl₁は低下することはない。

シロツプ容器の切替動作 販売動作が繰返されると、シロツプ容器１ｂ
は空となり、袋１０がつぶれてくる（第１
図）。次いで袋１０内の気体２３がシロツプリ
ザーバ４内に流入して次第にシロツプ２２はシ
ロツプレベルl₂に低下する（気体２３の充填量
はシロツプレベルl₃となるに十分な量とす
る）。

そのため、第２の検知装置４３のフロート４
８が第４図ａの鎖線まで下降してその出力信号
が切替バルブ３を駆動し、シロツプ容器１ｂか
らシロツプ容器１に切替わる。同時にガス抜き
ポンプ８が駆動され、気体２３が大気中に抜か
れるので、シロツプ容器１からシロツプ２２が
吸引されてシロツプレベルl₁まで上昇して前記
の販売準備動作となる。

販売停止動作 通常は空になつたシロツプ容器を取り去り、
シロツプ２２が充填された新しいシロツプ容器
を取りつけて容器交換を行なうのであるが、万
一容器交換がなされなかつたときは、空のシロ
ツプ容器に接続されるので、シロツプリザーバ
４内のシロツプ２２はシロツプレベルl₃以下ま
で下がり販売停止する。

第２実施例 ２種類の飲料（ジユース、コーラなど）を選択
的に販売するようにしたシロツプラインを第５図
に示す。

図において第１実施例と同一のものには同一の
符号を付し、１つのシロツプラインに対応する他
のシロツプラインにはダツシユを付した符号とし
てある。

２７，２７′は電磁弁で、それぞれ２つのシロ
ツプラインに共通に使用されるガス抜きポンプ８
と各シロツプリザーバ４，４′との間に設けられ
ており、対応するシロツプリザーバ４，４′内の
気体２３，２３′を抜くときに開放される。第５
図に示すものも各シロツプ２２，２２′の販売準
備動作、飲料販売動作、シロツプ容器切替動作お
よび販売停止動作は第１実施例について説明した
動作のもとに行なわれる。尚、電磁弁２７，２
７′を用いることなく、個別にガス抜きポンプ８
を使用して単に第１図に示したシロツプラインを
複数個使用するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

この発明は、以上のごとく構成されているので
以下のような優れた効果が得られ、極めて有益な
ものである。

(1) シロツプ容器内には所定量の気体が充填され
おり、シロツプ容器内のシロツプが販売されて
なくなつた場合、気体がシロツプリザーバ内に
入り込み、これによつてシロツプリザーバ内の
シロツプレベル検知装置が作動して確実にシロ
ツプ容器が空になつたことを検出できる。

(2) シロツプリザーバ内に入り込んだシロツプ容
器内の気体は、ガス抜き装置によつて抜き去ら
れるので、シロツプラインに気体が混入するこ
とがなく、一定濃度の飲料を販売することがで
きる。

(3) １種類のシロツプに対して複数本のシロツプ
容器を格納しており、それが空になる毎に順次
他のシロツプ容器に切替わるので、シロツプ補
充時には完全に空になつたシロツプ容器を新し
いシロツプ容器と交換することができる。この
ことは古いシロツプを捨てるなど無駄なことが
なく、更にロケーシヨン先、季節によつてシロ
ツプの売れ行きに変動が生じる場合でも単にシ
ロツプ容器の本数を増減するだけで簡単に対応
でき、弾力的な運用が可能となる。

(4) １種類のシロツプに対してシロツプ容器は複
数本を用意しても、切替バルブ、シロツプリザ
ーバなどは各１個であるのできわめて省スペー
スである。

(5) 従来装置と異なり、シロツプ容器にシロツプ
をつぎ足して補充することがなく、また先に格
納したシロツプ容器から販売するいわゆる先入
れ先出し方式で販売するため、常時シロツプの
鮮度が保たれ、きわめて衛生的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１実施例を示す概略図。
第２図はシロツプ容器の一例を示す断面図で、第
３図および第３図ａはそれぞれ切替バルブおよび
プツシヤーの一例を示す図。第４図ａおよびｂは
シロツプリザーバの一例を示す断面図で、別異の
位置において切断してある。第５図はこの発明の
第２実施例を示す概略図。 図において、１，１ａ，１ｂ，１′，１a′，１
b′はシロツプ容器、３，３′は切替バルブ、４，
４′はシロツプリザーバ、l₁は第１のシロツプレ
ベル、l₂は第２のシロツプレベル、６，６′はシ
ロツプポンプ、７，７′は販売カツプ、８はガス
抜き装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シロツプ容器からシロツプをシロツプポンプ
   によつてカツプ内に放出販売する飲料自動販売機
   において、シロツプ放出に応じて縮少変形する複
   数個のシロツプ容器と、前記複数個のシロツプ容
   器を切替える１個の切替バルブと、前記切替バル
   ブを介して前記複数個のシロツプ容器に接続され
   る１個の密閉構造のシロツプリザーバと、前記シ
   ロツプリザーバ内に設けられたシロツプレベル検
   知装置と、前記シロツプリザーバ内の気体を抜く
   ガス抜き装置とを備え、前記複数個のシロツプ容
   器には同一種類のシロツプを所定量の気体ととも
   に充填し、前記シロツプリザーバ内のシロツプが
   所定の第２のレベルに低下したとき前記切替バル
   ブによつて１つのシロツプ容器を他のシロツプ容
   器に切替えると同時にガス抜き装置を作動させる
   ようにし、前記シロツプリザーバ内のシロツプが
   所定の第１のレベルに上昇したとき前記ガス抜き
   装置を停止させるようにしたことを特徴とする前
   記飲料自動販売機。