JPS62299803A - 耐溶剤性および耐摩耗性に優れた調光レンズおよびその製造方法 - Google Patents

耐溶剤性および耐摩耗性に優れた調光レンズおよびその製造方法

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JPS62299803A
JPS62299803A JP61142816A JP14281686A JPS62299803A JP S62299803 A JPS62299803 A JP S62299803A JP 61142816 A JP61142816 A JP 61142816A JP 14281686 A JP14281686 A JP 14281686A JP S62299803 A JPS62299803 A JP S62299803A
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Noriyuki Arakawa
則之 荒川
Katsuichi Machida
克一 町田
Teruo Sakagami
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業−1−の利用分野〕 本発明は、フォトクロミック物質であるスピロオキサジ
ン化合物による調光機能を有する、耐溶剤性および耐摩
耗性に優れた調光し・ンズに関するものである。
〔従来技術〕
ある種の化合物に日光あるいは水銀灯の光のような紫外
線を含む光の照射、除去がなされたときに当該化合物に
おいて可逆的な色変化が生ずる現象はフォトクロミズム
といわれ、その機能をレンズに応用したものが調光レン
ズとして一般に知られており、その応用が広くサングラ
ス、度付眼鏡、ゴーグル等に図られている。そしてこの
ようなフォトクロミック機能を示す化合物としてはハ「
1ゲン化銀化合物のほか、ジチゾン水銀化合物、フルギ
ド化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合
物などの有機フォトクロミンク化合物が知られている 一般に無機ガラスをレンズ基材とする調光レンズにおい
ては、フォトクロミック物質としてハロゲン化銀が最も
よく利用されており、その呈色の波長範囲の広さ、発色
の強度、並びに呈色・褪色の繰り返し寿命の長さの点に
おいて優れたものが得られている。
一方近年における光学材料の分野においては、無機ガラ
スに比して軽量で加工し易く更に衝撃に対してより大き
な強度を有し従って安全な樹脂材料が広くレンズとして
使用されるようになっている。そしてこのような樹脂レ
ンズに対しても調光機能を付!jすることが種々検討さ
れてはいるが、実用化は殆どなされていないのが現状で
ある。その理由は、ハロゲン化銀粒子のような無機物質
は樹脂に対する相溶性が低く、そのためにレンズ基材と
しての樹脂中に十分な量のものを均一に分散させること
ができず、また樹脂に対する相溶性が高いと考えられる
有機フォトクロミンク化合物の中には、安定でかつ有用
なものが少ないためである。
例えば最も一般的な有機フォトクロミック化合物である
スピロピラン化合物は、有m溶媒中であれば有用なフォ
トクロミズムを示すけれども、光学材料として広く使用
される比較的高い2次転移温度を有する高分子物質中に
おいては褪色の速度が極めて遅く、そのために得られる
調光材料ば用途において大きな制限を受ける。
一方、スピロオキサジン化合物は優れた有機フォトクロ
ミンク物質であることが知られており、高分子量物質中
に配合されたときにも、その2次転移温度の如何にかか
わらず、例外的に良好なフォトクロミズムを示すレンズ
が得られることが、例えば特公昭45−28892号公
報、特公昭49−6865号公報、特開昭55−362
84号公報などによって知られている。
しかしながら、スピロオキサジン化合物を樹脂製レンズ
の材料である樹脂組成物中に分11(させると、当該樹
脂組成物中に含有される重合開始剤や重合時の高温の影
響によって、所期のフォトクロミック機能が十分に発揮
されないことが往々にしてあった。
またスピロオキサジン化合物は、一般に自然の環境下に
おける光の照射及び除去に伴う呈色および褪色の繰り返
し変化を伴う使用、特に太陽光の下での長期間にわたる
使用では、その良好なフォトクロミック機能が低下し光
照射による呈色能が低下するという問題点がある。例え
ば、スピロオキサジン化合物を含む調光機能層がレンズ
表面に存在する場合には、大気中の水分、人体よりの汀
等と接触することによって加水分解するようになり、最
初は無色透明であったものが徐々に黄色若しくは赤色に
変化し、そのフォトクロミック機能が低下する問題点が
あった。
このような問題点を解決するため、調光機能を有するレ
ンズ体の表面あるいはレンズ体上に設むまた調光層の表
面に、更にハードコート層を形成して保護することが有
効であると考えられる。しかしハードコート層を、蒸着
法やスパッタリング法によって形成する場合には、ハー
ドコート層の成分とレンズ体あるいは調光層の熱膨張係
数とが互いに相違することからハードコート層の密着性
が悪く、形成されるハードコート層に微小クラックが発
生したり、ハードコート層の剥離が容易に生ずるように
なる。一方、ハードコート層の形成をハードコート液を
用いた浸漬法等によって行う場合には、使用する溶剤を
相当に厳しく選択する必要があり、そうでないとレンズ
体あるいは調光層に含有せしめたスピロオキサジン化合
物が滲み出したり、レンズ体あるいは調光層中に溶剤が
滲み込み、これにより調光機能が悪影響を受け、結局ハ
ードコート層の形成によって調光性レンズ体の調光機能
が阻害されることとなる。
本発明は、以上のような問題点を解決し、フォトクロミ
ック物質としてスピロオキサジン化合物を用い、自然環
境下においても光の照射および除去に伴って呈色および
褪色が繰り返し変化する機能を長期間にわたって維持す
ることができ、ハードコート層を有していて大きな耐久
性を有し、しかもスピロオキサジン化合物による優れた
調光機能が確実に発揮される耐溶剤性および耐摩耗性に
優れた樹脂製の調光レンズおよびその製造方法を提供し
ようとするものである。
〔問題点を解決する手段および作用〕
本発明調光レンズは、下記一般式(I)で示されるスピ
ロオキサジン化合物を樹脂レンズ体に含有せしめてなる
調光性レンズ体、またはそのようなスピロオキサジン化
合物を含有する樹脂からなる調光層を樹脂レンズ体の表
面に設けてなる調光性レンズ体の表面に、水溶性樹脂層
およびハードコート層をこの順に積層して設けたことを
特徴とする。そして調光層を設ける場合においては、当
該調光層を構成する樹脂が三次元網状構造を有するもの
であることが好ましい。
また本発明方法によれば、下記一般式(I)で示される
スピロオキサジン化合物を含有する樹脂レンズ体よりな
る調光性レンズ体または下記一般式(I)で示されるス
ピロオキサジン化合物を含有する樹脂からなる調光層を
樹脂レンズ体に設けてなる調光性レンズ体の表面に、水
溶性樹脂の水溶液を塗布し乾燥して水溶性樹脂層を形成
し、更にこの水溶性樹脂層上にハードコート剤を塗布し
てハードコート層を形成することによって調光レンズを
製造する。
〔式中、R,、R3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ
基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のア
ルコキシ基(R+とR3は同じであっても異なっていて
もよい。)、R2は炭素数1〜6のアルキル基、電CH
z+−1cOOFl、七CO辻ばN 、−(CH,七C
0ORを示す。ただしRは炭素数1〜6のアルキル基、
nは1〜4の整数を示す。〕 本発明によれば、スピロオキサジン化合物が含有された
調光部分の表面には、まず水溶性樹脂層が形成され、そ
の後においてハードコート層が形成されるため、ハード
コート層の形成時には調光部分が覆われた状態であり、
従ってハードコート液中の溶剤が滲み込んだり調光部分
のスピロオキサジン化合物が滲み出したりすることが防
止される。よって調光性レンズ体のスピロオキサジン化
合物による優れた調光機能が阻害されることがなく、ま
たハードコート層の形成に伴って調光層の色むら等が生
ずることもない。勿論、更にハードコート層によっても
被覆されることによって調光部分の表面が外面に露出し
ない状態となるため、大気中の水分や人体の汗などに直
接接触することがなく、このためスピロオキサジン化合
物の加水分解による劣化が防止され、この結果スピロオ
キサジン化合物の有する優れた呈色・褪色のフォトクロ
ミンク機能を長期間にわたって安定に得ることができる
。そして最外面にはハードコート層を備えることにより
耐溶剤性および耐摩耗性に優れたものとなる。
以下本発明について具体的に説明する。
本発明において用いられるスピロオキサジン化合物は、
上述の一般式(I)で表わされるものである。斯かるス
ピロオキサジン化合物の代表的な例としては、 1.3.3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′
−ナフト(2,1−b)(I,4)−オキサジン〕、1
.3,3.5−テトラメチルスピロ〔インドリン−2,
3°−ナフト(2,1−b)(L4)−オキサジン〕、 5−クロロ−1,3,3−1−ジメチルスピロ〔インド
リン−2,3゛−ナフト(2,1−b) (I,4)−
オキサジン〕、 5−メトキシ−1,3,3−1−ジメチルスピロ〔イン
ドリン−2,3゛−ナフトI:2,1 b) (I,4
)−オキサジン〕、 1−イソプロピル−3,3−ジメチルスピロ〔インドリ
ン−2,3“−ナフト(2,1−b) (I,4)−オ
キサジン〕 を挙げることができるが、勿論これらのみに限定される
ものではない。
これらのスピロオキサジン化合物は、各種置換基を有す
る1、3.3− トリメチル−2−メチレンインドリン
と、2−ニトロソ−1−ナフトールのエタノール等によ
る等モル溶液とを窒素ガス雰囲気下で還流して反応させ
ることによって合成することができる。また、上記メチ
レンインドリン化合物に対応するヨウ化インドリニウム
をトリエチルアミン等の塩基化合物及び2−ニトロソ−
1−ナフトールと共に還流することによっても合成する
ことが可能である。
これらのスピロオキサジン化合物は1種のみを用いても
よいが2種以上を混合して用いることもできる。
以上のスピロオキサジン化合物による調光性レンズ体を
得るためには、当該スピロオキサジン化合物を樹脂より
なるレンズ体に直接含有せしめてもよいが、当該スピロ
オキサジン化合物を含有する樹脂よりなる調光層をレン
ズ体の表面に設けてもよい。
レンズ体にスピロオキサジン化合物を含有せしめる方法
としては、スピロオキサジン化合物を含有する溶液中に
レンズ体を浸漬せしめる方法が好ましい。ここに溶剤と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール等
を好ましく用いることができ、具体的な溶液の濃度、浸
漬条件等は適宜選択することができる。
なお、スピロオキサジン化合物をレンズ体の材料である
重合性組成物中に分散させておき、これを重合すること
によってスピロオキサジン化合物が含有されたレンズ体
を得る方法は、スピロオキサジン化合物が重合開始剤や
重合に要する高温の影響を受は易いので好ましくない。
スピロオキサジン化合物を含有する樹脂からなる調光層
をレンズ体の表面に形成せしめる方法としては、次の方
法が好ましい。
すなわち、調光層を形成する樹脂またはその前駆体(千
ツマ−、オリゴマーなどであって熱、その他の重合手段
によって重合若しくは硬化して樹脂物質を与えるもの)
と、適宜のスピロオキサジン化合物とを、溶剤の存在下
にあるいは溶剤を用いずに、混合して調光層形成用塗布
液を調製し、この塗布液をレンズ体の表面に塗布する。
ここに溶剤としては、イソプロパツール、メチルエチル
ケトン、アセトン、エチルセロソルブ等を好ましく用い
ることができ、樹脂前駆体が液状であるときには特に溶
剤を必要としない場合もある。そして塗布後加熱乾燥す
れば調光層が形成される。調光層形成用塗布液に樹脂前
駆体を用いる場合には加熱により硬化させて三次元網状
構造の樹脂を得ることができる。
以上のスピロオキサジン化合物を含有する調光層を形成
するための樹脂としては、溶解可能な透明な樹脂が用い
られる。例えばポリメチルメタクリレートを代表とする
各種のアクリル樹脂若しくはメタクリル樹脂、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の熱可塑性
樹脂を挙げることができる。また樹脂の前駆体を用いる
場合においては、加熱により硬化する熱硬化型樹脂であ
る例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂
、メラミン樹脂、アルキド樹脂等の樹脂の前駆体を用い
ることができる。このうち特にエポキシ樹脂が好ましい
。また後述するハードコート層に使用されるシリコーン
ハードコート剤の樹脂も使用することができる。そして
特に以」−の熱硬化性樹脂若しくはシリコーン樹脂は三
次元網状構造を存するため、スピロオキサジン化合物の
フォトクロミック機能を十分に発揮させることができる
ので好ましい。
以上のような調光層の形成においては、各種の添加剤を
加えることも勿論可能である。斯かる添加剤としては、
スピロオキサジン化合物による呈色を良好なものとする
ために、大きな極性を有するフェノール系化合物の添加
が特に有効である。
また調光層におけるスピロオキサジン化合物と以上の樹
脂との割合は、用いるスピロオキサジン化合物の種類お
よび樹脂の種類によっても異なるが、樹脂100重量部
に対してスピロオキサジン化合物が3〜60重量部の範
囲であることが好ましい。
調光層の厚さは通常0.2〜200 ミクロン程度であ
ることが好ましい。
以上のような調光性レンズ体の表面、即ちスピロオキサ
ジン化合物を含むレンズ体の表面またはレンズ体に設け
た調光層の表面には、水溶性樹脂層が設けられるが、こ
の水溶性樹脂層の材料としては、塗膜形成能を有する高
分子量物質が用いられる。この水溶性樹脂層は、既述の
ように、ハードコート液中の溶剤が滲み込んだり調光部
分のスピロオキサジン化合物が滲み出したりすることを
防止するためのものであるので、当該水溶性樹脂層上に
塗布されるハードコート液が含有する有機溶剤によって
変質したり溶解したりするものであってはならない。
水溶性樹脂層の具体的材質としては、スルフォン化ポリ
エチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、メチルセルローズ、ポリヒドロキシ
エチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、その
他を挙げることができるが、勿論これらのみに限定され
るものではない。このうち、スルフォン化ポリエチレン
テレフタレートは、調光性レンズ体との接着性が良好で
あることから、特に好ましいものである。水溶性樹脂層
の厚みは、その目的が達成し得る限り小さいことが好ま
しく、通常0.1〜50μとされる。
」―配水溶性樹脂層の上には、ハードコート層が設けら
れる。このハードコート層は、1ffi常ハードコート
剤が塗布乾燥されて形成される。そしてハードコート層
を形成するためのハードコート剤としては、シリコーン
ハードコート剤、シリカゾルハードコート荊、有機ハー
ドコート剤等が好ましく使用される。
本発明において、シリコーンハードコート剤としては、
次式に示すように、オルガノアルコキシシランの加水分
解によりシラノールを経て自己縮合によりオルガノポリ
シロキサンとなって多次元架橋構造を作るものであれば
、いずれのものをも用いることができる。
R11Si(OR’)4−n−4RnSi(OH)4−
n→−5i−0−3i−そしてハードコート剤として表
面硬度改良に用いられるものは、主に R−3t −0−−0−5i −0− の如き三官能以上のポリシロキサン骨核を有するものが
適当であり、本発明においてもそのようなものが使用さ
れる。上記の式中、Rは−C1l=CHz、CthCl
 、  CH25Hなどの有機性の官能基、−1+1−
CI、−01(などの加水分解縮合に対して活性な基、
脂肪族、または芳香族炭化水素残基であり、nは2以下
の整数である。またR゛は脂肪族または芳香族炭化水素
残基、その他である。
具体的に好ましいシリコーンハードコート剤としては、
メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロビルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、その他を挙げることができる。勿論これら
の例に限定されるものではない。
有機ハードコート剤としては、加熱により強度の大きい
層が得られる三次元構造を有するメラミン、ウレタン、
アルキド、エポキシ、フェノール樹脂系のハードコート
剤が用いられる。
また紫外線によって硬化させることのできる多官能アク
リル系若しくはメタアクリル系ハードコート剤を用いる
こともできる。
ハードコート層の厚みは0.1〜200 μ、好ましく
は0.5〜100μの範囲が好適である。
本発明においてレンズ体の材料としては特に限定されず
、種々のものを用いることができる。例えばポリメチル
メタクリレート、ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート樹脂(例えば1−CR−39J ) 、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン等の従来よりプラスチックレ
ンズの材料として用いられている材料、並びに最近急速
に用いられ始めた高屈折率を有するナイロン系、ポリア
クロレイン系、ブロム置換芳香族メタクリレート系樹脂
等も用いることができる。
本発明においては、次のようにして調光レンズを製造す
る。先ず前記スピロオキサジン化合物を含有する樹脂レ
ンズ体よりなる調光性レンズ体または前記スピロオキサ
ジン化合物を含有する樹脂からなる調光層を樹脂レンズ
体に設けてなる調光性レンズ体を作製する。その方法は
既述したところである。そしてこの調光性レンズ体の表
面、具体的にはレンズ体の表面あるいは調光層の表面に
水溶性樹脂の水溶液を塗布し乾燥して水溶性樹脂層を形
成し、その後ハードコート剤を含む溶液を塗布し加熱乾
燥してハードコート層を形成し、これによって調光レン
ズを得る。水溶性樹脂の水溶液には調光層中のスピロオ
キサジン化合物等の滲み出し、調光層への滲み込みが生
じない範囲で適当な有機溶剤を少量加えることができる
ハードコート剤の溶液を得るための溶剤としてはイソプ
ロパツール、メチルエチルケトン、アセトン、エチルセ
ロソルブ等を好ましく用いることができ、具体的な溶液
の濃度、あるいは加熱、乾燥の条件等はその目的に応じ
て適宜選択することができる。
水溶性樹脂の水溶液あるいはハードコート剤の溶液を塗
布するための方法としては、浸漬法、スピンコーティン
グ法、スプレー吹きつけ法等の方法が用いられる。
本発明方法においては、ハードコート層を形成するとき
には、スピロオキサジン化合物による調光層等が既に水
溶性樹脂層によって被覆されているため、ハードコート
層の形成によって当該調光層等が悪影響を受けることが
防止され、結局当初に作製した調光性レンズ体の優れた
調光機能を阻害することなく、所期のハードコート層を
設けることができる。従って、スピロオキサジン化合物
による良好な呈色・褪色のフォトクロミック機能を比較
的長期にわたって安定して得ることが可能となると共に
、上記のように水溶性樹脂層を設けることによって調光
層あるいはレンズ体に含有せしめたスピロオキサジン化
合物に影響を与えることなくハードコート層を形成する
ことができ、大きな耐溶剤性および耐摩耗性を付与する
ことができる。
本発明の調光レンズは、サングラス、度付眼鏡、各種の
ゴーグル等に利用することのできる有用なものである。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明するが、本発明がこれ
らに限定されるものではない。
実施例1 精製した1、3.3− )リメチルスピロ〔インドリン
−2,3゛−ナフト(2,1−b) (I,4)−オキ
サジ2110重量部を、エポキシ樹脂前駆体[エボニッ
クス111100クリアー1(大日本塗料側社製)溶液
100重量部中に溶解して調光層用塗布液を得た。この
調光層用塗布液中に、ジエチレングリ:1−ルビスアリ
ルカーボネート樹脂rCR−39Jを材質とするレンズ
体を30分間浸漬した後、室温で30奇問予備乾燥し、
更に温度80℃で3時間加熱乾燥させて厚みが50μの
調光層を形成し、調光性レンズ体を作製した。
この調光性レンズ体の調光層−にに、スルフォン化ポリ
エチレンテレフタレートよりなる水溶性樹脂塗布液「フ
ラスコートZ148HFj (互応化学工業■社製)を
浸漬法によって塗布し、室温で30分間予備乾燥し、更
に温度80℃で3時間加熱乾燥させて厚み7μの水溶性
樹脂層を形成した。更にシリコーン系ハードコート剤r
X−12−2309J  (信越化学工業−社製)を浸
漬法によって塗布し、30分間室温度で放置して予備乾
燥させた後、温度80℃で3時間乾燥硬化させ、厚みが
5μのハードコート層を形成し、もって無色透明の本発
明調光レンズを製造した。
この調光レンズを太陽光に当てたところ、直ちに色むら
なく7色し、またその表面硬度は鉛筆硬度で30と優れ
た耐摩耗性を示し、また種々の溶剤によっても損なわれ
ず、安定で優れたフォトクロミック機能を発揮した。
またこの調光レンズを試料としてウェザ−メーター「ス
ーパーロングライフ・づンシャイン・ウェザ−メーター
」(スガ試験機社製)により促進曝露テストを行ったと
ころ、60時間経過後においても無色透明の状態を有し
かつ初期と殆ど同様の優れたフォトクロミック作用を発
揮することが認められた。
実施例2 実施例1において、調光層用塗布液のエボギシ樹脂前駆
体に、更にビスフェノールA 13.3重量部と、ポリ
エチレングリコール(重置平均分子量1000のもの)
10重量部を添加したほかは、実施例1と同様にして調
光性レンズ体を得、更に実施例1と同様にして水溶性樹
脂層およびハードコート層を形成して本発明調光レンズ
を製造した。
この調光レンズを太陽光に当てたところ、直ちに色むら
な(呈色し、またその表面硬度は鉛筆硬度で3Hと優れ
た耐摩耗性を示し、また種々の溶剤によっても損なわれ
ず、安定で優れたフォトクロミック機能を発揮した。
比較例1および比較例2 実施例1および実施例2において、各々水溶性樹脂層の
形成を省略した以外は実施例1および実施例2と同様に
して調光レンズの製造を行ったところ、ハードコート層
の形成において、調光層中のスピロオキサジン化合物が
滲み出して液だれか生じた。そして得られた調光レンズ
を太陽光に当てたところ、呈色に色むらが生じ、またそ
の表面硬度は鉛筆硬度でB〜Hと耐摩耗性の劣ったもの
であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)下記一般式( I )で示されるスピロオキサジン化
    合物を含有する樹脂レンズ体よりなる調光性レンズ体ま
    たは下記一般式( I )で示されるスピロオキサジン化
    合物を含有する樹脂からなる調光層を樹脂レンズ体に設
    けてなる調光性レンズ体の表面に、水溶性樹脂層および
    ハードコート層をこの順に積層して設けたことを特徴と
    する耐溶剤性および耐摩耗性に優れた調光レンズ。 一般式( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼ 〔式中、R_1、R_3は水素原子、ハロゲン原子、シ
    アノ基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6
    のアルコキシ基(R_1とR_3は同じであっても異な
    っていてもよい。)、R_2は炭素数1〜6のアルキル
    基、−(CH_2)−_nCOOH、−(CH_2)−
    _nCN、−(CH_2)−_nCOORを示す。ただ
    しRは炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜4の整数を
    示す。〕 2)調光性レンズ体が調光層を有し、当該調光層の樹脂
    が三次元網状構造を有するものである特許請求の範囲第
    1項記載の調光レンズ。 3)下記一般式( I )で示されるスピロオキサジン化
    合物を含有する樹脂レンズ体よりなる調光性レンズ体ま
    たは下記一般式( I )で示されるスピロオキサジン化
    合物を含有する樹脂からなる調光層を樹脂レンズ体に設
    けてなる調光性レンズ体の表面に、水溶性樹脂の水溶液
    を塗布し乾燥して水溶性樹脂層を形成し、更にこの水溶
    性樹脂層上にハードコート剤を塗布してハードコート層
    を形成することを特徴とする耐溶剤性および耐摩耗性に
    優れた調光レンズの製造方法。 一般式( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼ 〔式中、R_1、R_3は水素原子、ハロゲン原子、シ
    アノ基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6
    のアルコキシ基(R_1とR_3は同じであっても異な
    っていてもよい。)、R_2は炭素数1〜6のアルキル
    基、−(CH_2)−_nCOOH、−(CH_2)−
    _nCN、−(CH_2)−_nCOORを示す。ただ
    しRは炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜4の整数を
    示す。〕
JP61142816A 1986-06-20 1986-06-20 耐溶剤性および耐摩耗性に優れた調光レンズおよびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0756521B2 (ja)

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