JPS6229200A - ケ−ブルの電磁誘導対策方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電磁誘導によってケーブルに発生する誘導起
電力を低減するためのケーブルの電磁誘導対策方法に関
する。

（従来の技術） 一般に、通信ケーブルにおいては、付近の送電線の地絡
事故等による起誘導電流に起因してケーブル心線に誘導
起電力が発生する。この場合、金属製のシースの両端が
接地されていれば、金属製シースには一定の電流が流れ
る。すなわち、ケーブル心線に本来的に誘導される起電
力をＥ　（Ｖ／ｋｎ＋）　。

シースの抵抗をＲ（Ｑ／ｋｍ）　、接地抵抗をＲｅ（Ω
／ｋｍ）　。

大地帰路回路の外部インピーダンスをｊＸ（Ωへｍ）と
すると、シース電流は、 Ｉ　ｓ２＝　Ｅ　／　（Ｒ＋　Ｒｅ＋ｊＸ）（Ａ）とな
る。

一方、このシース電流Ｉｓ、によりケーブル心線には、 Ｅ、＝ｊＸ　Ｉｓ、（Ｖ／ｋｍ） なる起電力が発生し、この起電方立２は前記起電力六と
は逆向きであるため、ケーブル心線に発生スル全起電力
Ｌｔ−（Ｅ　　Ｅｘ）（Ｖ／ｋｍ）となる。

この関係をベクトルで表わすと第４図に示すようになり
、遮蔽効果の小さい線路においては一般にＲ＋Ｒｅ３Ｘ
と考えられるため、誘導起電力台とシース電流Ｉｓ２と
の間の位相角θ２は小さく、誘導起電力台および逆起電
力立言士はぼ直交してケーブル心線本来の誘導起電力ｉ
と合成起電力（Ｅ−Ｅｘ）との大きさはほぼ等しくなる
。すなわち、シースを接地しても誘導起電力の低減には
殆ど寄与することができない、ここで、ケーブル心線本
来の誘導起電力に対する合成起電力の比を遮蔽係数うと
すると、 →＝（台−Ｍ、）７Ｍ ＝（Ｒ＋Ｒｅ）／（Ｒ＋Ｒｅ＋ｊＸ）”；１となる。こ
の遮蔽係数うは、その値が小さいほど電磁誘導に対する
遮蔽効果が大きいものである。

（発明が解決しようとする問題点） 従来においては、遮蔽効果を高めるために接地抵抗Ｒｅ
を低下させてシース電流Ｉｓ、を増加させたり、また、
これが不可能な場合には銅帯等を備えた遮蔽ケーブルを
使用する等の手段が講じられているが、何れにしても多
くのコストがかかるという問題があった。更に、他の対
策としては誘導障害の少ないような地点にルートを変更
する等の非常手段もあるが、特に、誘導起電力が当該ケ
ーブルの許容誘導起電力値を僅かに超えるような場合に
もこのようなルート変更等の手段を採らざるを得ないと
すると、経済的な損失は計り知れないものがあり、これ
らの問題は既設線路は勿論のこと、線路を新設する際に
も当然直面するものであった。

本発明は上記の点に鑑み提案されたもので、その目的と
するところは、ケーブルの接地回路に極めて簡単な構成
を付加することにより、上述の煩雑な各手段を講じるこ
となく経済的にケーブルの誘導起電力を低減させ、また
アレスタ等を用いた誘導対策の実効を期せるようにした
ケーブルの電磁誘導対策方法を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため１本発明は、ケーブルのシース
の接地回路にインピーダンスを挿入し、電磁誘導によっ
てケーブル心線に本来的に発生する単位長当たりの誘導
起電力台と、この誘導起電力台により前記インピーダン
スを介して前記シースから大地へ流れるシース電流との
間の位相角を大きくすることにより、前記誘導起電力台
と、前記シース電流によって前記ケーブル心線に誘起さ
れる単位長当たりの逆起電力ｉ１との間の位相角を１８
０度に漸近させて合成起電力（Ｅ−Ｅｌ）の大きさを低
減することをその要旨とするものである。

すなわち、第１図に示すように、通信ケーブルの如きケ
ーブル１に設けられた金属製のシース２と大地３との間
に例えばインダクタンスを主とするインビーダンスジを
挿入しく図示例では便宜上、インビーダンスジを１分し
てシース２の両端に接続した状態で表わされている）、
電磁誘導によってケーブル心線に本来的に誘導される誘
導起電力Ｅ　（Ｖ／ｋｍ）と、シース２からインビーダ
ンスジを介して大地３に流れるシース電流Ｉｓよ（Ａ）
との間の位相角を大きくするように構成する。

いま、前記同様にシース２の抵抗をＲ（Ｑ／ｋｍ）　。

接地抵抗をＲｅ（Ｑ／ｋｍ）＝大地帰路回路の外部イン
ピーダンスをＸ（Ω／ｋｍ）とすると、シース電流は、
Ｉ　ｓ、　＝　Ｅ　／　（Ｒ＋　Ｒｅ＋ｊＸ　＋　Ｚ）
（Ａ）となる。

また、シース２とケーブル心線との相互インダクタンス
によってケーブル心線に誘起される逆起電力は、 Ｅ、＝ｊＸ　Ｉ　ｓ、（Ｖ／に＋＋＋）となる。

なお、この発明は、第２図に示すようにケーブル心線５
と大地３との間にアレスタ４をそれぞれ接続してケーブ
ル心ｌｌＡ３に発生した異常電圧を吸収するべく対策を
講じる場合にも有効である。

（作用） 次に、本発明の作用を第３図のベクトル図を参照しつつ
説明すると、従来例において説明した第４図の場合に比
べて、インビーダンスジがインダクタンスを主たる要素
としているため、シース電の間の位相角θ□は図示する
ように大きくなると共にシース電流Ｉｓよの絶対値も小
さくなる。このため、シース電流Ｉｓ１に対して９０度
の位相差をもつ逆起電力■１は誘導起電力戦に対して１
８０度に近い位相差をもつことになり、合成起電力（自
−立□）は誘導起電カミとほぼ同相になってその大きさ
は誘導起電力戦よりも小さくなる。従って、ケーブル心
線への電圧の誘導を当該ケーブルの許容範囲内に抑える
ことができる。

ここで、遮蔽係数は、 う＝（：１−Ｍｌ）／六 ＝（Ｒ＋Ｒａ＋Ｚ）／（Ｒ＋Ｒｅ＋ｊＸ＋Ｚ）となり、
インピーダンス之としては上記遮蔽係数６の絶対値を最
小にするような値にすることが望ましい。

また、第１図に示すように面接地点間の距離を１　（ｋ
ｆｆｌ）とおき、これらの面接地点の無限遠点に対する
電位を接地電位Ｖｅとすれば、インピーダンス之を挿入
しない場合の接地電位 Ｖｅ’　＝　Ｅ　・Ｒｅ・ノ／　２（Ｒ＋Ｒｅ＋ｊＸ）
（Ｖ）に対し、インピーダンス之を挿入した場合の接地
電位は。

Ｖｅ＝　しＲｅ・ノ／　２　（Ｒ＋　Ｒｅ＋ｊＸ　＋　
Ｚ）（Ｖ）となることによって接地電位Ｖｅが低下する
。これによりケーブル心線と接地電極との間の電位差が
大きくなり、前述した第２図に示す如くアレスタ４を用
いて誘導対策を施す場合には、アレスタ４の両端に加わ
る電圧を増加させてその動作を一層容易に行わせるもの
である。

（実施例） 以下、本発明の詳細な説明する。第１表および第２表は
、非遮蔽型の通信ケーブルとしてケーブル心外径が２０
ｒｒＩｍのものにアルミテープを縦添えした少対ケーブ
ルと、同じくケーブル心外径が５０Ｉのものにアルミテ
ープを縦添えした多対ケーブルとについて、接地回路に
インピーダンス之を挿入した場合と挿入しない場合の遮
蔽係数の絶対値ηを、接地抵抗およびインピーダンス受
の値を変第１表 第２表 （ここで、大地帰路インピーダンスｊＸは。

ｊＸ　＝０．０４９＋　ｊ　Ｏ，６２８（Ωへｍ）とお
いている。）これから明らかなように、インピーダンス
之の挿入により、遮蔽係数うを挿入前の９０％ないし９
７％に低下させることができる。すなわち、合成起電力
（Ｅ　−Ｅ　１）の大きさを１０％ないし３％低減する
ことができる。

次に、インピーダンス乞を挿入した場合と挿入しない場
合とにおける接地電位の絶対値の変化を第３表および第
４表に示す。

第３表 第４表 （ここで、誘導起電力企および接地点間の距離ｌは、Ｅ
　＝　１００（Ｖ／ｋｍ）　、ノ＝　１　（ｋｍ）とお
いている。）このように、インピーダンス之を挿入する
ことで接地電位Ｖｅは挿入前の約７１％になり、接地抵
抗を約４０％低減したのと同一の効果を得ることができ
る。これにより、接地抵抗を実際に低下させることなく
アレスタ４の両端に加わる電圧を大きくすることができ
、異常電圧が加わった際にアレスタ４を速やかに動作さ
せるようにして誘導障害を確実に解消することができる
ものである。

なお、以上の実施例は非遮蔽ケーブルについてのもので
あるが１発明者の研究によれば、遮蔽ケーブルについて
もある程度の効果があることが確認されている。

（発明の効果） 以上詳述したように、本発明においては、ケーブルのシ
ースの接地回路に所定のインピーダンスを単に挿入する
だけでケーブルの誘導起電力を低減できるため、従来の
ように接地抵抗の低減や遮蔽ケーブルの代替使用、ある
いは布設ルートの変更という面倒な手段によらなくても
誘導障害を十分に回避することができ、極めて経済的か
つ実用的な効果がある。

更に、アレスタとの併用により、一層万全の電磁誘導対
策を講じることができる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を示す概略説明図、第２図は同じ
く他の構成を示す概略説明図、第３図はベクトル図、第
４図は従来例におけるベクトル図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　ケーブルのシースの接地回路にインピーダンスを挿入
   し、電磁誘導によってケーブル心線に本来的に発生する
   単位長当たりの誘導起電力■と、この誘導起電力■によ
   り前記インピーダンスを介して前記シースから大地へ流
   れるシース電流との間の位相角を大きくすることにより
   、前記誘導起電力■と、前記シース電流によって前記ケ
   ーブル心線に誘起される単位長当たりの逆起電力■＿１
   との間の位相角を１８０度に漸近させて合成起電力（■
   −■＿１）の大きさを低減することを特徴としたケーブ
   ルの電磁誘導対策方法。