JPS62291433A - ペントル−フ形ピストン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ３、発明の詳細な説明 ［産業上の利用分野］ 本発明は直噴式内燃機関に採用するベントルーフ形ピス
トンに係り、特にピストン冠面に凹設するキャビティ内
にシリンダ内のスワール流を有効に導入できるベントル
ーフ形ピストンに関する。

［従来の技術］ 一般に内燃機関にあっては、吸・排気弁の径を大径化し
たりあるいは各気筒当りの吸・排気弁の数を増加したり
して吸・排気ボートの流路断面積を増大させることによ
り、その吸・排気効率を改善することができる。

しかしながら、このようにして吸・排気ボートの流路断
面積の増大化を計ると、吸・排気弁はそれらの干渉を避
けるために互いにその弁軸をＶ型に傾斜せざるを得なく
なる。すると動弁機構の配置上の関係からシリンダヘッ
ド下面に開成する燃焼室は、クランク軸の軸線に沿って
中央部分を最も上方に窪ませると共にその両側を次第に
傾斜させてバルブ軸に対して略垂直となるようにベント
ルーフ形状（尾根形状）に形成する必要が生じる。

また、直接噴射式ディーげル機関等の直噴式内燃機関に
このベントルーフ形燃焼室を採用しようとすると、１６
以上という高圧縮比を確保するためには、実願昭６０−
１４３４５６号に提案した「ディーゼル機関の燃焼室構
造」等に示したように、必然的にピストン冠面もシリン
ダヘッドの下面形状に相応させて逆に上方に隆起させた
ベントルーフ形状にしなければならなくなる。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで、第５図〜第８図に示すように直噴式内燃機関
の場合、シリンダａ内に吸入した空気はその圧縮行程の
終期に、ピストン冠面すの略中央部に凹設したキャピテ
イＣ内に押し込んで１６以上の高圧縮比を得るようにし
ており、またその圧縮行程時には、吸気行程時にその吸
気によってシリンダ内に生成したスワール流Ｓをそのま
まキャビティＣ内に導入するようにし、かつＴＤＣＣ上
死点）付近ではピストン冠面すの外周側部とシリンダヘ
ッド下面ｄとの間に挟まれて押し潰される空気をピスト
ン冠面すの略中央部のキャビティＣ内に導くように径方
向の内方に向かうスキッシュ流（図示せず）を生じさせ
て、それらスワール流Ｓとスキッシュ流とによって、キ
ャビティＣ内に噴射される燃料と空気とを撹拌して均一
な混合気を生成するようにしている。

しかしながら、クランク軸（図示せず）の軸方向に沿っ
てピストン冠面すの中央部が上方に隆起されたベントル
ーフ形ピストンであると、圧縮行程時にピストン冠面す
上を旋回するスワール流Ｓはその登り斜面となる部分で
上方に跳ね上げられてしまい（第７図及び第８図参照）
、圧縮行程終期のＴＤＣ付近ではその跳ね上げられたス
ワール流Ｓはシリンダヘッドの下面ｄに衝突してそのエ
ネルギを失ってしまうことになる。このため、シリンダ
ａ内の空気をスキッシュ流によってキャビティＣ内に集
めても、スワール流Ｓの減衰した空気は十分に燃料と混
合されず、その結果、空気利用率が低下して多聞のＨＣ
やスモークを発生させると共に十分な出力を得られない
という問題が生じていた。

本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、圧縮行程時にピストン冠面上を旋回するスワ
ール流をその減衰を可及的に抑えてキャビティ内に導入
できるベントルーフ形ピストンを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は上記の目的を達成するために、キャビティが略
中央部に凹設されたピストン冠面を隆起させてベントル
ーフ状に形成し、該ピストン冠面にこの上方を旋回する
スワール流をキャビティ内に導入する溝を形成してベン
トルーフ形ピストンを構成する。

［作　用］ ピストン冠面上を旋回するシリンダ内スワールを、特に
圧縮行程時にピストン冠面に形成した溝を通じてキャビ
ティ内に導入してその減衰を抑え、キャビティ内の燃料
噴霧と空気との混合を促進させる。

［実施例］ 以下に本発明に係るベントルーフ形ピストンの好適一実
施例を添付図面に基づき詳述する。

第１図は直噴式ディーゼル機関等の直噴式内燃機関に用
いるベンミールーフ形ビス１ヘンの平面図であり、第２
図は第１図に示すピストン頂部の■−■線矢視断面図、
第３図は第２図と直交する方向のピストン頂部の側面図
、第４図はそのピストン頂部の斜視図である。

図示するように、ピストン１はそのピストンピン２の直
上部のピストン冠面３がピストンピン２の軸方向（即ら
、クランク軸方向）に沿って上方に突出され、かつその
両側部は傾斜されてベントルーフ形状く尾根形状）に形
成されており、このベントルーフ形状は図示していない
が、シリンダヘッドの下面に形成されるシリンダヘッド
側の燃焼室形状に相応されている。

具体的には、ピストン冠面３は略六角形状をなして上方
に隆起され、ピストンピン２の軸心の直上部が尾根部４
の稜線５となって左右対称に形成されると共に、そのピ
ストン冠面３の略中央部には圧縮行程の終了時にシリン
ダヘッドとによって実質的な燃焼室を形成するためのキ
ャビティ６が凹設され、このキャピテイ６は横断面が円
形状のトロイダル状に形成される。また、ピストンピン
２の両軸端側のピストン冠面の傾斜面３ａ、３ｂ。

３ｃ、３ｄは湾曲されて形成され、ピストンピン２の中
央部に位置するキャビティ６両側のピストン冠面の傾斜
面３ｅ、３ｆはほぼ平坦に形成される。

従って、第１図に示すようにピストン冠面３をその周方
向に沿って尾根部４の稜線５方向とこれに直交する方向
とで４つの部分Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄに等分すると、吸気行程
時においてその吸気によってシリンダ内（図示せず）に
図示するような反時計回りのスワール流Ｓが生成される
とすれば、そのスワール流Ｓに対してピストン冠面３の
Ａ、Ｃの部分は登り斜面となり、Ｂ、Ｄの部分は下り斜
面となる。このため、圧縮行程時においてはピストン冠
面３上を旋回するスワール流Ｓは、そのσり斜面をＡ、
Ｃを通過する際にエネルギーを奪われて次第に減衰され
てしまうことになり、かつＴＯＣ付近では登り斜面Ａ、
Ｃで上方に跳ね上げられたスワール流Ｓがシリンダヘッ
ド（図示せず）の下面に衝突してそのエネルギを奪われ
てしまうことになる。

そこで本発明のベントルーフ形ピストン１にあっては、
第１図〜第４図に示すように、そのピストン冠面３に、
この上方を旋回するスワール流Ｓをキャビティ６内にそ
の旋回方向の順方向に向けて導入する溝７を形成してい
る。叩も、本実施例にあっては、上記溝７は図示するよ
うに、そのピストン冠面３の０り斜面Ａ、Ｃを形成する
傾斜面３ｆ、３ａと３ｅ、３ｃとに、それぞれその傾斜
面３ｆ、３ａ及び３ｅ、３ａ間に亙ってそのピストン冠
面３が窪まされて形成されると共に、尾根部４近傍のキ
ャビティ開口周縁６ａからそのキャビティ６の外方に向
けて順次その外方側がスワール流Ｓの上流側に湾曲され
て形成される。

また、上記溝７はその底部７ａが傾斜面３ｆ。

３ａ及び３ｅ、３ｃの傾斜面よりも若干緩く平坦に形成
され、かつその底部７ａのスワール流上流端７ｂ側が、
ピストン冠面３（１１！を斜面３ｆ、３ａ及び３ｅ、３
Ｇ）に対して段部を形成しないように滑らかに接続され
る。一方、底部７ａのスワール流下流端７Ｃ側には段部
となる立上り壁面７ｄが形成され、この立上り壁面７ｄ
はそのキャビティ開口周縁６ａにおける端部の接線７ｅ
が、そのキャビティ６の径に直交する部分においてキャ
ビティ６中心からキャビティ内周壁６ｂまでの距離の１
／２　Ｄ上の範囲Ｅ内を通過するように、つまりキャビ
ティ６の内径をφＤとすれば、径がφＤ／２の同心円の
接触面６ｃとキャビディ間口周縁６ａの接触面６ｄとの
間の範囲Ｅ内に、それら接触面６ｃ、６ｄに対して平行
となるように方向づけられて形成される。また更に、）
ｊへ７の深さつまり立上り壁面７ｄの深さは、キャビテ
イ１Ｆｆ１ロ周縁６ａ側からその外方に向けて順次浅く
形成される。

このように形成したベントルーフ形ピストンにあっては
、圧縮行程時にピストン冠面３上を旋回するシリンダ（
図示せず）内のスワール流Ｓの一部を満７のスワール流
下流端７ｃ側の立上り壁面７ｄに案内させて、キャビテ
ィ６内にその旋回方向の順方向に向けて有効に導入する
ことができる。

特に圧縮ｔテ程の上死点＜ＴＤＣ）付近にまでピストン
１が上界したときにはピストン冠面３上に径方向内方に
向かうスキッシュ流が発生づることになるが、このスキ
ッシュ流は溝７部に比較的強く生じることになり、かつ
スワール流Ｓはその多くが溝７の立上り壁面７ｄに案内
されてキャビティ６内に導入されるようになる。従って
、スワール流Ｓは、そのピストン冠面３の登り斜面Ａ、
Ｃで上方に跳ね上げられてシリンダヘッド下面（図示せ
ず）に衝突することにより失われていた旋回エネルギの
損失割合が大幅に低減されることになり、かつそのＴＤ
Ｃ付近で溝７からキャビティ６内に導入されるに際して
は、スキッシュ流のエネルギも加えられて強くキャビテ
ィ６内に押し込まれ、そのキャピテイ６内のスワール流
Ｓ６を・増速させることになる。これにより、圧縮行程
の終期にキャビティ６内に噴射供給される燃料噴霧と空
気とを充分に混合させることが可能になり、良好な燃焼
を達成させてＨＣ及びスモークの発生量を低減させると
共に、同時に出力を増大できるようになる。

尚、ピストン冠面３上を旋回するシリンダ内スワール流
Ｓは吸気行程時の吸気により生成される。

また、本実施例ではキャビティ６の形状を横断面円形に
形成しているが、その形状は四角形等の多角形状となし
ても良い。

［発明の効果１ 以上型するに本発明によれば、次の如き優れた効果を発
揮する。

（１）　　圧縮行程時にピストン冠面上を旋回するスワ
ール流の一部を溝のスワール流上流側の立上り壁面に案
内させて、キャビティ内にその旋回方向の順方向に向け
て有効に導入できる。

■　特に、圧縮行程の上死点付近までピストンが上昇し
たときには、スワール流の多くを溝のスワール流下流側
の立上り壁面に案内させてキャビティ内に導入すること
ができ、かつこのときには溝部に比較的強くスキッシュ
流が発生するので、そのスキッシュ流のエネルギも加え
て旋回エネルギの損失割合の少ないスワール流をキャビ
ティ内に導入でき、もってキャビティ内のスワールを増
速させることができる。

（３）　　これにより、圧縮行程終期においてキャビテ
ィ内に噴射供給される燃料噴霧と空気とを充分に混合さ
せて良好な燃焼を達成し得るようになり、ｔ＋Ｃ及びス
モークを低減させて出力を増大させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るベントルーフ形ピストンの好適一
実施例を示す平面図、第２図は第１図のピストン頂部の
■−■線矢視断面図、第３図は第２図と直交する方向の
ピストン頂部の側面図、第４図はそのピストン頂部の斜
視図、第５図〜第８図は従来のベントルーフ形ピストン
を説明する図である。 図中、３はピストン冠面、４は尾根部、６はキャビティ
、６ａはキャビティ開口周縁、６ｂはキャビティ内周壁
、７は溝、７ａは底部、７ｂは上流端、７Ｃは下流端、
７ｄは立上り壁面、７ｅは接線、Ａ、Ｃは登り斜面、Ｓ
はシリンダ内スワール、Ｓ６はキャビティ内スワールで
ある。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）キャビティが略中央部に凹設されたピストン冠面
   を隆起させてベントルーフ状に形成し、該ピストン冠面
   にこの上方を旋回するスワール流をキャビティ内に導入
   する溝を形成したことを特徴とするベントルーフ形ピス
   トン。
2. （２）上記溝が、上記ピストン冠面にそのスワール流の
   登り斜面となる部分を窪ませて尾根部近傍のキャビティ
   開口周縁からその外方に順次スワール流の上流側に湾曲
   されて形成された上記特許請求の範囲第１項に記載のベ
   ントルーフ形ピストン。
3. （３）上記溝が、その底部を平坦に形成されると共に、
   その底部のスワール流上流端側がピストン冠面に対して
   滑らかに接続された上記特許請求の範囲第２項に記載の
   ベントルーフ形ピストン。
4. （４）上記溝が、そのスワール流の上流端側の立上り壁
   面のキャビティ開口周縁部における接線を、キャビティ
   中心からキャビティ内周壁までの距離の１／２以上の範
   囲内を通過させるように形成された上記特許請求の範囲
   第２項または第３項に記載のベントルーフ形ピストン。
5. （５）上記溝が、その深さをキャビティ開口周縁からそ
   の外方に向かって順次浅く形成された上記特許請求の範
   囲第２項から第４項記載のいずれかの項に記載のベント
   ルーフ形ピストン。