JPS62287525A

JPS62287525A - 絶縁電線の製造方法

Info

Publication number: JPS62287525A
Application number: JP12968486A
Authority: JP
Inventors: 石川　泉; 茶畑　末治; 山沢　照夫
Original assignee: Fujikura Ltd
Current assignee: Fujikura Ltd
Priority date: 1986-06-04
Filing date: 1986-06-04
Publication date: 1987-12-14

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】３、発明の詳細な説明「産業上の利用分野」この発明は、静電粉体塗装法による絶縁電線の製造方法
に係り、特に導体と絶縁皮膜との密着性に浸れた絶縁電
線を製造することのできる絶縁電線の製造方法に関する
。

「従来の技術」近時、絶縁電線を製造する方法としては、無公害、省資
源、省エネルギーなどの観点から静電粉体塗装法が注目
されつつある。

この静電粉体塗装法を用いた絶縁電線の製造方法は、長
尺の導体を、帯電した合成樹脂粉体が浮遊するコーティ
ングゾーン内に一定の速度で走行させ、上記の導体表面
に合成樹脂粉体を一定債付着させる工程と、この工程で
導体表面に付着した合成樹脂粉体を例えば加熱炉内で加
熱融着して導体表面上の絶縁皮膜とする工程とからなっ
ている。

「発明が解決しようとする問題点」ところが、このような製造方法にあっては、特に、後工
程において導体表面に付着した合成樹脂粉体を加熱炉内
で加熱融着する際に、導体表面に接触する加熱炉内の高
熱空気により、導体の表面が酸化されて酸化皮膜が生じ
易いなどの問題があった。このような酸化皮膜は、例え
ば導体が銅製である場合、非常に脆く、そのうえ導体表
面との密着性が小さいため、この酸化皮膜上に絶縁皮膜
が強く形成されていても、部分的に導体から剥離し易く
、ウキやクラックなどが発生して絶縁不良を生じる原因
となっていた。

従来、このような問題を解決する手段としては、予め、
導体表面にトリアゾール等の防錆剤をクレゾール等の溶
剤に溶解した希薄溶液を塗布しておく方法があった。し
かしながら、このような方法では、導体表面に上記の希
薄溶液をムラなく塗布することが技術的に困難であるた
め、導体表面への酸化皮膜の形成を完全に防止するまで
には至らなかった。

「問題点を解決するための手段」そこで、この発明は、製造工程のうち、少なくとも導体
表面に付着した合成樹脂粉体を加熱融着させる加熱融着
処理を不活性ガス雰囲気で行なうようにしたことにより
、上記の問題点を解消するようにした。

「作用　」この発明にあっては、少なくとも導体表面に付着した合
成樹脂粉体に対する加熱融着処理を不活性ガス雰囲気で
行なうので、導体表面に酸化皮膜が形成されるのを防止
する。

「実施例」以下、図面を参照してこの発明の詳細な説明する。

第１図は、この発明の絶縁電線の製造方法を実施する上
で好適に用いられる製造装置の一例を示すものである。

この製造装置において、銅あるいはアルミニウムなどか
らなる導体１は、まず送り出しボビン２に装填されたの
ち、洗浄槽３に送られて導体１の表面に付着する汚れが
除去される。

ここで、導体Ｉの走行速度は、導体ｌの長手方向に沿う
引張強度や後述する巻き取りボビンの巻き取り速度など
に応じて決められる。

次いで、上記の導体ｌは、塗装！！４内に送られてその
表面に合成樹脂からなる帯電した合成樹脂粉体が所定量
付着せしめられたのち、加熱炉Ｓ内に送られて導体１の
表面に合成樹脂粉体が加熱融着され硬化せしめられる。

ここで、上記の塗装機４は、概略、帯電した合成樹脂粉
体を浮遊せしめるコーティングゾーン６と、このコーテ
ィングゾーン６内の合成樹脂粉体が保持する静電気量を
ヂャージ電圧により制御する高電圧発生装置等の制御機
器（図示しない）とからなるものである。また、上記の
加熱炉５は、塗装機４と別体に設けられたものであって
、導体１の表面に付着した合成樹脂粉体をその融点以上
に加熱して溶融状態とし、さらに硬化点以上に加熱して
導体１の表面に合成樹脂粉体からなる絶縁皮膜を形成す
るための焼付炉である。そして、これら塗装機４のコー
ティングゾーン６内および加熱炉５内には、それぞれ不
活性ガスボンベ７から電磁弁８およびＭ＠弁９を介して
不活性ガスが供給され、それぞれの内部が導体ｌの表面
に酸化皮膜が形成されない程度の不活性ガス雰囲気とさ
れる。

この不活性ガスとしては、特に高温状態で導体１の表面
を酸化性雰囲気としないガスが選ばれ、具体的には純度
９９％以上の液体窒素をガス化した窒素ガス、大気中の
酸素を選択除去して酸素濃度を１％以下とした空気ある
いは窒素ガスに微量の水素ガスを混合してなる混合ガス
などが好適に用いられる。不活性ガスの供給量は、コー
ティングゾーン６および加熱炉５の密閉度、その容積、
導体１の走行速度、コーティングゾーン６や加熱炉５内
の不活性ガス濃度に応じて適宜法められ、通常、１気圧
、２５℃の条件で５０〜５００Ｉ２／ｈｒ程度とされる
が、これに限定されるものではない。さらに上記のコー
ティングゾーン６および加熱炉５内の不活性ガス濃度は
、導体１表面に酸化皮膜が形成されない程度で決められ
、通常９７％以上とされ、好ましくは９９％以上とされ
る。

次に、上記の導体Ｉは、冷却槽１０内に送られて常Ｉユ
まで冷却されて目的の絶縁電線１１が得られる。

次いで、このようにして製造された絶縁電線１１は、巻
き取りボビン１２に巻き取られる。ここで、この巻き取
りボビン１２の巻き取り速度は、前述した導体１の走行
速度と等しいものとされ、製造中は常に一定とされる。

この方法によれば、絶縁電線１１の導体１表面に合成樹
脂粉体を付着せしめ、かつこの合成樹脂粉体を加熱融着
せしめた際に、導体１の表面を不活性ガス雰囲気とした
ので、導体１の表面に酸化皮膜が形成されることなく、
導体ｌの表面に直接絶縁皮膜を形成せしめることができ
る。そして、この方法によって得られた絶縁電線１１は
、導体１表面と絶縁皮膜との密着性が著しく向上したも
のとなる。

上記の実施例では、導体ｌの表面を不活性ガス雰囲気と
する目的で塗装機４および加熱炉５をそれぞれ別体とし
た製造装置を用いたが、第２図に示すように、塗装機４
と加熱炉５とを連絡した構成の製造装置を用いてもよい
。また、上記の実施例ては、導体１を送り出しボビン２
から直接塗装機４に送るようにしたが、第３図に示すよ
うに、塗装機４の前に導体！の表面温度を予め上昇させ
ておく予熱槽１３を配設し、この予熱槽１３に電磁弁１
４を介して不活性ガスボンベ７から不活性ガスを供給す
るようにした構成の製造装置や第４図に示すように、予
熱槽１３と塗装機４と加熱炉５とを連絡してこれら全体
を不活性ガス雰囲気とするようにした構成の製造装置を
用いてもよい。このような実施例では、上記の実施例と
ほぼ同様の効果を得ることができる。

以下、実験例を示してこの発明の作用効果を明確にする
。

（実験例）外形寸法が１．ＯＸ　５．Ｏｍｍの平角銅線を用意し、
この銅線表面上に第１図に示した製造装置を用いてエポ
キシ樹脂粉体（住友スリーエム社製、ＸＲ−５２５６）
を付着させ、コーティングゾーン内で加熱融着させて全
長１００ｍの絶縁電線を製造した。そして、製造時のコ
ーティングゾーン内のチャージ電圧および銅線の走行速
度を後述の各実施例の共通の条件とした。また、各実施
例において、それぞれ塗装機内および加熱炉内に供給す
る不活性ガスの供給量を調整してみた。なお、不活性ガ
スは、純度９９．９８％の液体窒素をガス化した窒素ガ
スを用いた。

（実施例１）窒素ガスの供給量を４００１２／ｈｒとした。

（実施例２）窒素ガスの供給量を３００Ｃ／ｈｒとした。

（実施例３）窒素ガスの供給量を２０Ｏｆ２／ｈｒとした。

（比較例１）窒素ガスの供給量をＯとした。

（比較例２）実施例１と同様の銅線表面上に予め防錆剤であるベンゾ
トリアゾールを３Ｗ／ｖ％含む＋、ｔ、ｔＬトリクロル
エタン溶液を塗布した。また、窒素ガスの供給量をＯと
した。

上記の実施例１〜３および比較例１．２で作製された各
絶縁電線の絶縁皮膜の膜厚は、いずれら約０．０５ｍｍ
であった。まｆ二、これら１こついて、Ｊ■Ｓ　Ｃ３０
０３に準拠した急激伸張試験を行なったところ、いずれ
龜おいても良好な試験結果を得た。

次いで、上記の各絶縁電線に対して絶縁皮膜の強度試験
を行なった。この強度試験は、各絶縁電線をまず１０％
、伸張さ仕たのち、これらをフラットワイズ自己径を曲
げ径として屈曲さけ、その後■１８０℃で１時間または
■２００°Ｃで１時間の条件でヒートショックを与える
ことによって絶縁皮膜の破壊強度を調べる試験である。

また、上記の各絶縁電線に対して油中加熱試験を行なっ
た。この油中加熱試験は、各絶縁電線を１７５℃に加熱
したＪＩＳ２号の油の中に５０日間浸漬して絶縁電線の
外観を観察する耐油試験である。

上記の破壊強度試験および油中加熱試験の結果を下記の
表に示した。

表この表から明らかなように、実施例１〜３の各絶縁電線
は、比較例１．２の各絶縁電線に比べて銅線表面と絶縁
皮膜との密着性に優れていることがわかる。

「発明の効果」以上説明したように、この発明によれば、製造工程中、
少なくとも導体に付着した合成樹脂粉体に対する加熱融
着処理を不活性ガス雰囲気中で行なうようにしたので、
導体表面上への酸化皮膜の形成を確実に防止することが
でき、よって導体表面と絶縁皮膜との密着性を向上させ
ろことができる。

また、この方法によって得られた絶縁電線は、導体表面
と絶縁皮膜との密着性に優れたものであるので、絶縁皮
膜に例えばウキやクラックなどが発生しないなど絶縁耐
力に優れ、かつ粉塵爆発の危険がなく製造上極めて安全
なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は、この発明の絶縁電線の製造方法を実
施する上で好適に用いられる製造装置の例を示す概略構
成図である。ｌ・・・導体。

Claims

【特許請求の範囲】

導体表面に帯電した合成樹脂粉体を付着させる工程と、
上記の合成樹脂粉体を加熱融着させて導体表面に絶縁皮
膜を形成する工程とを有する静電粉体塗装法による絶縁
電線の製造方法において、上記の工程のうち、少なくと
も後工程の加熱融着処理を不活性ガス雰囲気で行なうこ
とを特徴とする絶縁電線の製造方法。