JPS6228668B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、シリンダの内部に材料を一時貯溜し
つつ繰返し破砕、混練を行ない、材料が十分破砕
された段階で食品の成形を行なう方法と装置に関
する。

〔従来技術〕

食品を成形する場合に、その材料の破砕、混練
に押出機を用いることがしばしばある。このよう
に、押出機を用いて食品の材料を破砕、混練する
場合、材料が殻類等のように硬質のものであると
きには、破砕工程を何回も繰返さないと十分な破
砕を行なえなかつた。そのため、従来の数台の押
出機を用いて破砕工程を繰返すか、あるいは、一
台の押出機を用いて、押出した材料を再度押出機
に戻して破砕工程を繰返すなどして十分な破砕を
行なわしめていた。

しかし、前者の方法によると、数台の押出機を
用意しなければならないため、設備面で種々の不
利な点があり、また、後者の方法によると、押出
機から押出された材料を再び供給口に戻さなけれ
ばならないため、多大の手数あるいは循環用の装
置を必要とするといつた欠点があつた。

〔発明の目的〕

本発明は、押出機のシリンダの一部に設けた回
転シリンダに材料の貯溜部を形成し、ここに材料
を貯溜して繰返し材料を破砕することにより、一
台の押出機で、人手等を要することなく、材料の
十分なる破砕を行ない、良質の食品の成形を可能
ならしめた食品の成形方法及びその装置の提供を
目的とする。

〔発明の構成〕

本発明の食品の成形方法は、スクリユとシリン
ダの一部を回転させて、材料を破砕領域において
破砕し、この破砕した材料の一部もしくは全部を
回転するシリンダの貯溜部に貯溜し、次いで、シ
リンダの回転によつて貯溜されている材料を再び
破砕部に移動させて破砕を繰返し、材料が十分破
砕された段階で成形部に送り、この成形部で食品
の成形を行なう構成としてあり、また本発明の食
品の成形装置は、スクリユの中間部に太径のロー
タからなる破砕部を形成するとともに、この破砕
部と対応するシリンダの一部に材料の破砕領域と
貯溜部を形成し、且つこれら破砕領域と貯溜部を
形成したシリンダの一部を回転可能な構成として
ある。

〔実施例の説明〕

以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて説
明する。

第１図は食品の成形装置の一実施例の全体断面
図、第２図は第１図の要部横断面図を示す。ま
ず、これら図面によつて成形装置の一実施例を説
明する。

１は押出機のシリンダ本体で、材料の供給側に
ホツパ２を設け、材料の押出し側に押出口３を設
けてある。４はシリンダ本体１の中間部に位置す
る回転シリンダであり、その横断面を楕円状に形
成するとともに、外周に歯車５を設けてある。回
転シリンダ４と歯車５は一体的に形成してあり、
横断面の楕円の一方の焦点が回転中心となるよう
にしてある。また、この回転中心はシリンダ本体
１の中心と同心としてある。したがつて、回転シ
リンダ４の一方の空間部は常にシリンダ本体１の
空間部と軸線方向に連通した状態となり、他方の
空間部は常にシリンダ本体１の半径方向に突出し
た状態となつている。そのため、後述するスクリ
ユ１１との関係で、一方の空間部が材料の破砕領
域６を形成し、他方の空間部が材料の貯溜領域す
なわち貯溜部７を形成する。

また、４ａは回転シリンダ４の内壁面に刻設し
た細溝で、破砕効果を高めるものである。８は歯
車５と噛合する駆動装置９の歯車で、回転シリン
ダ４を所定の回転速度で回転させる。１０は回転
シリンダ４の全体を外側から支持する軸受部材で
ある。

なお、回転シリンダ４の横断面形状は、破砕領
域６と貯溜部７を有するものであれば楕円状に限
られるものではない。

１１はシリンダ本体１の内部に挿設されたスリ
ツトで、材料の供給側に順方向のフライト１２を
設け、押出機に一部材料を逆送りするための逆方
向のフライト１３を設け、且つこれらフライト１
２，１３の間に材料の破砕部１４を形成してあ
る。このスクリユ１１の破砕部１４は頂度回転シ
リンダ４の破砕領域６に位置し、その形状は比較
的太径のロータをスパイラル状あるいは波形に曲
折して形成してある。したがつて、材料はスクリ
ユ１１の破砕部１４と回転シリンダ４の溝４ａを
有する内壁面に圧接されて破砕される。また、こ
のスクリユ１１は、先端側を軸受部材１５によつ
て回転自在に支承するとともに、基端側を駆動装
置１６と連結してあり、所定の回転速度で回転す
るようにしてある。なお、回転シリンダ４とスク
リユ１１の回転方向は逆方向であつてもよく、ま
た同方向で回転速度を変えるようにしてもよい。

１７及び１８はシリンダ本体１のホツパ２に材
料を混練しながら供給する供給用の押出機であ
る。ホツパ２へ材料を供給する装置としては、押
出機のほか、コンベア等を用いてもよく、またホ
ツパ２へ直接投入してもよい。これらは材料の種
類によつて適宜選択する。

１９はシリンダ本体１の押出口３と成形押出機
２０の供給口を連接するポンプであり、破砕され
た材料を成形押出機２０に連続的または断続的に
供給する。なお、場合によつては、シリンダ本体
１の押出口３、あるいはポンプ１９の吐出口に直
接成形用のダイを取り付けるようにすることもで
きる。

次に、本発明の食品の成形方法について説明す
る。

材料供給用の押出機１７，１８からホツパ２を
介して異種類の材料をシリンダ本体１の供給側に
供給する。シリンダ本体１の供給側内部において
は、スクリユ１１に設けた順方向のフラスト１２
により、材料をある程度破砕し且つ混練しながら
シリンダ本体１の内部を圧送し、回転シリンダ４
破砕の領域６に送り込む。ここで材料は、スクリ
ユ１１の破砕部１４と回転シリンダ４の壁面との
間で圧接破砕され細分化する。細分化された材料
は押出口３の方向に移動しようとするが、スクリ
ユ１１の押出口３側に逆方向に設けたフライト１
３により移動が阻止され、回転シリンダ４の貯溜
部７に貯溜される。貯溜部７に貯溜された材料
は、回転シリンダ４すなわち貯溜部７が回転する
と再び破砕領域６に戻され、スクリユ１１の破砕
部１４と回転シリンダ４の壁面との間で再度圧接
破砕される。このようにして材料は繰返し破砕さ
れ粉々にされる。

この状態において、押出口３と連接するポンプ
１９が作動すると、粉々に破砕された材料の一部
が逆方向フライト１３の作用に抗して押出口３に
移動し、ポンプ１９によつて成形用押出機２０に
供給される。ポンプ１９が材料を連続的に送るポ
ンプであれば、破砕された材料は一部づつ連続的
に成形用押出機２０に供給される。また、ポンプ
１９が材料を定量づつ断続的に送るポンプであれ
ば、破砕された材料は断続的に成形用押出機２０
に供給される。成形用押出機２０では、供給され
てきた材料をさらに混練した上で所定の形状をし
た食品に成形して押出す。

なお、本発明はシリンダ本体１の内部にスクリ
ユ１１を一本だけ設けた単軸押出機に限定され
ず、多軸の押出機においても実施することができ
る。また、シリンダ本体１の押出口３にバルブを
設けておき、このバルブを閉じた状態で材料の破
砕を行なう場合には、必ずしもスクリユ１１の押
出口３側に逆方向フライト１３は必要ない。この
他、押出口３にポンプ１９やバルブを設けること
なく、逆方向フライト１３の取付け位置、ピツ
チ、取付角度あるいは逆方向フライト１３を設け
ている部分のスクリユの径を変えるなどして、破
砕された材料を押出口３より自動的に押出すよう
にすることも可能である。

上記した本発明の食品の成形方法及び食品の成
形装置が対象とする食品には、広く水産練製品や
ペツトフード等も含まれるものである。

〔発明の効果〕

以上の如き本発明によれば、シリンダの内部に
おいて、食品の材料を貯溜しつつ繰返し破砕を行
なうことができるので、一台の押出機で十分な破
砕を行なえる。したがつて、材料破砕用の多数の
押出機を設備することなく、また多数の人手等を
要することなく材料を十分破砕し、良質な食品の
成形を可能ならしめる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例装置の全体断面図、
第２図は第１図の要部横断面図を示す。 １……シリンダ本体、４……回転シリンダ、５
……歯車、６……破砕領域、７……貯溜部、１１
……スクリユ、１２……順方向フライト、１３…
…逆方向フライト、１４……破砕部、２０……成
形用押出機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スクリユとシリンダの一部を回転させて、材
   料を破砕領域において破砕し、この破砕した材料
   の一部もしくは全部を回転するシリンダの貯溜部
   に貯溜し、次いで、シリンダの回転によつて貯溜
   されている材料を再び破砕領域に移動させて破砕
   を繰返し、材料が十分破砕させた段階で成形部に
   送り、この成形部で食品の成形を行なうことを特
   徴とした食品の成形方法。 ２ シリンダ内にスクリユを回転自在に備え、供
   給された材料を破砕混練して押出す押出機におい
   て、スクリユの中間部に太径のロータからなる破
   砕部を形成するとともに、この破砕部と対応する
   シリンダの一部に材料の破砕領域と貯溜部を形成
   し、且つこれら破砕領域と貯溜部を形成したシリ
   ンダの一部を回転可能に構成したことを特徴とす
   る食品の成形装置。