JPS62280309A - 高炉スラグ組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は２強さ発現性に優れた高炉スラグ粉に関するも
のである。さらに詳しくは、コンクリートの性質の向上
、すなわち、水利熱の低減、化学抵抗性および耐海水性
の向上、アルカリ骨材反応の抑制等を目的とし、生コン
クリートあるいは二次製品製造時に添加される高炉スラ
グ粉の強さ発現性の向上方法に関するものである。

〔発明の背景〕

製鉄所において銑鉄１ｔを製造すると約０．３ｔの高炉
スラグが副生される。この高炉スラグ溶融物は、徐冷す
るとメリライト（ゲーレナイトとアケルマナイトとの固
溶体）が析出するが、水冷等により急冷するとガラス（
非晶質）となシ、セメントなどのアルカリの共存下にお
いて硬化する性質（潜在水硬性）を有するものとなる。

高炉スラグをセメントに添加することによって。

水和熱の低減、長期強さの向上、化学抵抗性などの耐久
性が向上する。このため、高炉セメントは。

ダム工事２港湾工事、下水道工事など幅広く利用されて
いる。さらに高炉スラグは、アルカリ骨材反応の抑制効
果があり、ζンクリート構造物のアルカリ骨材反応によ
るひびわれ防止に有効な材料でもある。

高炉スラグは、微粉砕したのちポルトランドセメントと
混合するかまだはポルトランドセメントクリンカ−とと
もに混合粉砕する方法により高炉セメントの製造に使用
される。このほかに、高炉スラグ粉砕物は、生コンクリ
ート製造時あるいは各種建材、パイル等の二次製品製造
時に添加される。

〔従来技術および問題点〕

以上のように、高炉スラグは幅広い分野で使用され、優
れた特徴を有しているが１反面、高炉スラグのセメント
あるいはコンクリートに対する添加量が増えると強さ発
現性（とくに初期強さ）が低下する等の問題がある。

高炉スラグ粉の強さ発現性の向上については。

従来、■高微粉砕、■混和剤の添加、■高炉スラグ自体
の改質などが知られている。

■の方法については１例えばブレーン比表面積を約７０
００〜ａ　ｏ　ｏ　ｏｃｒｔ４／？（通常は約４０００
〜ｓ　ｏ　ｏ　ｏｃｙＡ／ｙ　）に微粉砕すると１強さ
発現性はある程度改善される。しかし、高炉スラグの被
粉砕性は一般に低いため、上記のような微粉末にするた
めには粉砕に要する電力消費量が増し、また粉砕媒体の
摩耗量が増加するなど、製造原価が著しく高くなるとい
う問題がある。

■の方法については２石灰石粉、消石灰、塩化物、苛性
アルカリ、硫酸第一鉄、　３ＣａＯ・５ｉ０２が共存す
るアライン系クリ７カーなどが知られている。

しかし、これらを高炉スラグに単独添加すると。

初期強さはかなシ改善されるが、高炉スラグ添加の特長
である長期強さが損なわれる場合が多く。

初期および長期材令の広い範囲の強さ向上方法としては
不十分であった。

■の方法については、溶融スラグに成分調整剤を添加し
てガラスの組成（おもにＣａＯ，Ａｊｚ０３＋Ｍ％）を
調製する方法および冷却条件（急冷開始温度。

方法、速度など）を適正化する方法がとられている。し
かし、これらの方法は高炉スラグがいまだ溶融状態にあ
る場合のみ、すなわち、製鉄所においてのみ可能なもの
で実施場所が限定されるほか。

成分調整剤の投入装置の設置および成分調整剤の種類・
組成１粒度、添加量、さらには冷却条件等を適時コント
ロールする必要があるなど、操業上の繁雑さがある。

いずれにしても、従来方法では、初期および長期にわた
って優れた強さ発現性を有する高炉スラグを容易にしか
も安価に製造するという点で問題が多い。

〔発明の目的〕

本発明は、初期および長期材令の広い範囲にわたって優
れた強さを発現する高炉スラグ組成物を提供するもので
あり、この組成物を各種セメント（ポルトランドセメン
ト、混合セメント）に添加し１強度発現性に優れた生コ
ンクリート、あるいは二次製品を製造することを目的と
する。

〔発明の要旨〕

本発明は、高炉スラグと石灰系混合物からなる組成物で
あって、その組成物が高炉スラグ１００重量部に対して
石灰系混合物１〜１０重量部からなる高炉スラグ組放物
である。

〔発明の詳細な記述〕

本発明の高炉スラグは、製鉄所で副生ずる塩基度（Ｃａ
Ｏ＋Ａｌ２Ｏ３＋ＭｙＯ／　５ｉ０２重量比）が１．４
以上で。

その大部分がガラスであるスラグ、すなわち高炉セメン
ト用に通常使用されている品質のものが使用できる。

石灰系混合物は１例えば１石灰石粉、消石灰。

生石灰１石こう（２水、半水、■型無水）、およびＣａ
　Ｏ−Ｃａ　Ｆ２系焼成物、またはＣａｂ−Ａ７２０３
　ＣａＦ２系焼成物のうちから選ばれた２種以上の混合
物である。このうち、上記のＣａＯ−ＣａＦ２焼成物、
およびＣａＯ−Ａｔ２０３−ＯａＦ’２系焼成物は１石
灰石２螢石またはアルミナ等を所定の割合で配合して粉
砕し２例えば回転窯等で１１００〜１４００°Ｃの温度
で焼成したもので、焼成物中に遊離のＣａＯを１０〜９
０重量％含有し、その水和速度が共存する遊離ＣａＦ２
　の被覆によって抑制されていることが好ましい。

上記の石灰系混合物の好ましい様態の１″つは。

石灰石と消石灰とからなる混合物であって２石灰石／消
石灰の重量比が０．２〜５である混合物である。好まし
い様態の１つは９石灰石、消石灰および石こうからなシ
、混合物中の石灰石／消石灰の重量比が０．２〜５であ
って、かつ混合物中の石こう量が８０重量％以下である
混合物である。さらに、好ましい様態の１つは、　Ｃａ
Ｏ−ＣａＦ２系焼成物。

またはＣａＯ−Ａｔ２０３−ＣａＦｚ系焼成物と石こう
からなシ、混合物中の石こう量が１０〜８０重量％であ
る混合物である。

高炉スラグと石灰系混合物は、それぞれ別途に粉砕した
のち、高炉スラグ１００重量部に対し。

石灰系混合物が１〜１０重量％になるように混合（分離
粉砕）、または両者を混合して同時に粉砕（混合粉砕）
することによって本発明の組成物かえられる。この場合
、粉末度はブレーン値３５０〇−／２以上、好ましくは
４０００〜８０００（７４／　ｔになるように粉砕する
。石灰系混合物の添加は。

高炉スラグ組成物を混合粉砕方式で製造する場合に、粉
砕助剤効果もあることからブレーン８００〇−／２のも
のも比較的容易に見られる。また、混合粉砕方式では分
離粉砕方式にくらべて高炉スラグ組成物の強さ発現性の
向上が助長されることも１つの特徴である。

本発明の高炉スーラグ組成物は、二種以上の石灰質物質
を同時添加することによシ、それらの相互作用を有効に
発揮させ２石灰系物質を単独添加した場合にはみられな
い優れた強さを発現するものである。したがって、上記
の石灰系混合物の組成あるいは高炉スラグに対する添加
量の範囲を逸脱すると、初期強度の向上が不十分であっ
たシ、長期強度が低下するなど、その改善効果が小さく
なるので好ましくない。

〔実施例１〜１０．比較例１〜１１．参考例１〕第１表
に示した高炉スラグを試験ボールミル（＄４１０Ｘ４０
０．）で、プレーン値４３０〇−／２になるように粉砕
した。この高炉スラグに。

石灰石粉（ブレーン値６５０ｏｍ／ｆ）、消石灰（ブレ
ーン値１５０００誦／ｆ）、ｒｉ型無水石こう（ブレー
ン値３５　ｏ　ｏ　ｃｒＡ／　ｆ　）　、　ＣａＯ−Ａ
ｔ２０３−ＣａＦｚ　系焼成物（遊離ＣａＯ３８　％　
、　１１ＣａＯ−７Ａｔ２０３　・ＣａＦ２４２　％　
、遊離ＣａＦ２　１７％、焼成温度１３００°Ｃ，ブレ
ーン値２４００ＩｉＩ／り）　＋　ＣａＯ−ＣａＦ２系
焼成物（遊離Ｏｅ、０７６％、遊離ＣａＦ２　２２　％
　＋焼成温度１２００’Ｃ，プレーン値２６０　ｏｃｒ
ｈ／ｙ　）を単独または同時添加した。こ゛れらの組成
物を普通ポルトランドセメントと等食混合し、　、Ｔ工
Ｓ　Ｒ５２０１−１９８１「セメントの物理試験方法」
に従い、材令ろ日、７日および２８日のモルタル強さを
試験した。これらの結果は．普通ポルトランドセメント
のそルタル圧縮強さを１００とした場合の強さ比で，第
２表と第６表に示す。

第１表　高炉スラグの化学成分＠） 〔実施例１１〜１３〕 実施例１，５または６において１石灰石粉またはＣａＯ
−Ａｔ２０３−ＣａＦ２系焼成物の粉砕物の代シに。

１．２〜５．の石灰石またはＣ！ａｏ−Ａｔ２０３−Ｃ
ａＦ２系焼成物を用い、これらを高炉スラグに添加して
試験ミルでブレーン値４３００　ｏＡ／　ｆになるよう
に混合粉砕したのち、普通ポルトランドセメントに等量
混合し９モルタルの圧縮強さを試験した。結果は第４表
に示したとおシであって、混合粉砕した方が分離粉砕時
よシも強さ発現性に優れている。なお。

モルタルの圧縮強さ比は、普通ポルトランドセメントの
モルタル圧縮強さを１００とした場合の値である。

〔発明の効果〕

高炉スラグ粉は、水利熱の低減、長期強さの向上、化学
抵抗性の向上を目的として、セメント製造時あるいは生
コンクリート製造時に添加されているが、この添加によ
って一般に初期強度が低下すると言う問題があった。

このだめの改善方法として、従来、高炉スラグの高微粉
砕、各種混和剤の添加あるいは高炉スラグ自体の組成（
化学成分、ガラス化率など）の改質などが知られている
。しかし、これらの方法では、製造原価の大幅な向上、
長期強さの低下、実施個所の制限２等の問題があった。

そこで、上記の問題点について種々検討した結果２石灰
系物質２種以上を混合添加し、その相乗効果、さらに好
ましくはこれらの石灰物質を高炉スラグとともに同時粉
砕（混合粉砕）することによシ高炉スラグ粉表面の活性
化が図れることを見出した。また、この混合粉砕方法に
より、高炉スラグの微粉砕が容易となるとの利点も見出
した。

すなわち、高炉スラグに２種以上の石灰系混合物を適正
量添加した本発明の高炉スラグ組成物は。

初期から長期の広い範囲にわたって強度発現性に優れて
いる。これによって、高炉スラグ添加の特長である水利
熱、耐久性等を損なわず１強度発現性に優れた高炉スラ
グ粉の提供が可能となった。

本発明の高炉スラグ組成物は、セメント、生コンクリー
ト、あるいは二次製品の品質向上に極めて有効である。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）高炉スラグ１００重量部に対して、石灰系混合物
   を１〜１０重量部添加してなる高炉スラグ組成物。
2. （２）石灰系混合物が石灰石と消石灰からなり、石灰石
   ／消石灰重量比が０．２〜５である特許請求範囲第（１
   ）項記載の高炉スラグ組成物。
3. （３）石灰系混合物が石灰石、消石灰および石こうから
   なり、混合物中の石灰石／消石灰重量比が０．２〜５で
   あり、かつ混合物中の石こう量が８０重量％以下である
   特許請求範囲第（１）項記載の高炉スラグ組成物。
4. （４）石灰系混合物がＣａＯ−ＣａＦ＿２系焼成物、ま
   たはＣａＯ−Ａｌ＿２Ｏ＿３−ＣａＦ＿２系焼成物と石
   こうとの混合物からなり、混合物中の石こう量が１０〜
   ８０重量％である特許請求範囲第（１）項記載の高炉ス
   ラグ組成（５）高炉スラグと石灰系混合物を同時粉砕し
   てえられる特許請求範囲第（１）項から第（４）項記載
   の高炉スラグ組成物。