JPS6227270Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ボルトに付着した錆又は異物を除去
するための工具に関するものである。

［従来技術及びその問題点］ ボルトに錆や異物が付着すると、これらがネジ
の間に噛んでしまい、あとからではナツトを弛め
ることができなくなる。そこで、従来はワイヤブ
ラシ、ケガキ針、紙やすり、錆落し液等を使用し
ているが、これらのものを使用した場合には錆落
しに時間がかかると共に狭い場所などの場合には
錆落しそのものができないという不便がある。

［本考案の目的］ 本考案は斯かる点から、狭い場所の場合でも、
短時間に、そして手軽に錆とりを行うことの出来
る工具を提案するのが目的である。

［本考案の構成］ 本考案の構成は以下のとおりである。

内部にテーパーネジと、これに続く平行ネジを
切設すると共にテーパーネジの部分に先端側から
数ケ所に割り溝を設け、外形を六角形状に形成し
て成り、錆類の付着したボルトに対してテーパー
ネジ側から螺入し、一回又は数回螺入を繰り返し
て錆等をさらうものである。

［実施例及びその作用］ 以下添付図面に基づいて本考案を詳記すると、
１は外形を六角形に形成して成る錆とり工具本
体、２はこの工具本体１の中心に貫通して設けた
錆とりネジ孔にして、この錆とりネジ孔２は第２
図に示すようにテーパーネジＡ部分と、これに続
く平行ネジＢ部分から成つている。３は前記テー
パーネジＡ部分に於いて、その先端側から等間隔
で３ケ所に切設した割り溝である。なお、本考案
に於いて、この割り溝３は２ケ所或いは３ケ所以
上でもよいが、３ケ所位が加工、作用両面からみ
て最も望ましい。又、割り溝３の形状は第１図に
示すように平行であつてもよいし、第４図に示す
ように、楔形であつてもよく、特にこの形状につ
いては限定するものではない。

本考案に係る錆とり工具は以上の如き構成から
成り、第３図に示すように、例えばフランジ４を
固定しているボルト５のネジ部６に対し、テーパ
ーネジＡ側からスパナ等を利用して螺入し、一回
又は数回これは繰り返してボルト５のネジ部６に
付着した錆或いは異物をさらうもので、さらわれ
た錆、異物は割り溝３を介して外に排除される。

［本考案の効果］ 本考案は以上の如き構成と作用によるボルト５
のネジ部６に付着した錆、異物類をさらつて除去
するもので、次のような利点がある。

工具本体１の中心に設けたネジ孔２の形状
は、テーパーネジＡ部分と平行ネジＢ部分とか
ら成るので、テーパーネジＡ側からボルト５の
ネジ部６に螺入するようにすると、錆がひどい
場合でも簡単に螺入することができる。

テーパーネジＡ部分に続いて平行ネジＢ部分
を設けたので、この平行ネジＢ部分に於いてボ
ルト５のネジ部６を正規のネジ山と谷及びピツ
チに調整することができる。

テーパーネジＡ部分に割り溝３を設けたの
で、さらわれた錆、異物はこの割り溝３を介し
て外に排除されるから、錆、異物がネジ孔２と
ボルト５のネジ部６間に噛むことはない。又、
この割り溝３はテーパーネジＡ部分を外側に拡
張させる機能を有するため、この弾性作用によ
り錆、異物の除去が完全に行なわれる。

工具本体１の外形を六角形状に構成したた
め、スパナ等のねじ廻わし工具を用いて工具本
体１を回転させることができる。したがつて、
作業を行うべきボルトが狭い場所にある場合で
も、簡単、迅速に錆、異物の除去作業を行うこ
とができる。

引火性の高い環境で作業を行う場合でも火花
が散る心配がなく安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る工具の斜視図、第２図は
Ａ−Ａ線断面図、第３図は工具の使用状態を示す
断面図、第４図は工具の他の実施例を示す斜視図
である。 １……工具本体、２……ネジ孔、３……割り
溝、４……フランジ、５……ボルト、６……ネジ
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にテーパーネジと、これに続く平行ネジか
   ら成る錆とりネジ孔を切設すると共にテーパーネ
   ジの部分に先端側から数ケ所の割り溝を設け、外
   形を六角形に形成して成るボルトの錆とり工具。