JPS622654B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は発熱・発光をともなう石油ストーブ、
ガスストーブ、或いは電気ストーブ等の暖房器に
関するもので、発熱・発光による暖房と採光を効
果的に得られるようにしたものである。

一般に発熱・発光による暖房と採光を得られる
ようにした暖房器として、燃焼部を透明なガラス
筒で囲繞したものが見られる。この暖房器は燃焼
部からの排気ガスによる対流暖房とともに、ガラ
ス筒を透過した燃焼部からの放射熱による暖房が
行え、しかも燃焼部からの光がガラス筒を透過し
て放射するため明りも得られるという利点があ
る。そしてこの暖房器は燃焼部からの光がガラス
筒の内面に２回３回と反射して燃焼炎の像が数個
発生するので採光効果が高いという利点がある。

しかしながらこの暖房器による暖房は燃焼部か
らの放射熱による暖房であるため輻射熱による広
範囲のやわらかな暖房が得られないという問題が
あつた。また燃焼部の光が直接放射するためぎら
つき、採光が得られると云うよりもまぶしく危険
な感じがするものであり、使用者にはなじみにく
いものであつた。

また、前述した放射暖房、まぶしさ等を解消す
るものとして、燃焼部を微粒子入りの半透明ガラ
ス筒やパンチングホーロー筒（パンチング筒をホ
ーロー処理したもので、パンチング筒の小孔がホ
ーローで覆われてこの部分が乳白色となつている
もの）で囲繞したものが見られる。しかしながら
この場合は燃焼部を囲繞した筒近傍での暖房が輻
射暖房のみとなつてしまい、放射熱による直接暖
房がないため使用者はその暖房効果にもの足りな
さを感じる問題があつた。しかも燃焼部からの光
の大部分を遮断してしまうため十分な明りがとれ
ないという問題もあつた。

本発明はこのような従来の問題を一掃したもの
で、放射熱と輻射熱とをミツクスさせて効果的な
暖房が行えるようにするとともにムードランプと
しての明りも得られるようにしたものである。

以下その一実施例を対流型の石油ストーブを例
にして説明すると、１はストーブ本体で、燃料タ
ンク２を有している。３はこのタンク２の上部に
設けた燃焼部で、タンク２の燃料を灯芯３ａによ
つて吸上げこれを燃焼させるもので、リング状の
白黄炎を形成し、熱と光を発生する。４はこの燃
焼部３を囲繞した筒体で、透明物質であるガラ
ス、耐熱性合成樹脂等で形成してある。５は同じ
く上記燃焼部３を囲繞した網状部材で、本実施例
ではかなり目の細いラス網が用いてあり、筒体４
の外表面に巻装して横方向から見た時に相互に重
なり合うようにしてある。また本実施例において
は特にこのラス網の網目片５ａは上下に傾斜させ
クロウムで鏡面仕上げしてある。６は上記筒体４
の上部に覆設した蓋で、多数の通気孔７を有して
いる。８はこの蓋６とストーブ本体１との間に設
けたガードで、蓋６とストーブ本体１とを連結し
ている。

上記構成において、燃焼部３を囲繞するように
設けた網状部材５はその網目片５ａが燃焼部３か
らの熱によつて加熱され、しばらくすると熱を持
つようになる。したがつてこの網状部材５は二次
熱源のようなかたちとなり、やわらかな輻射熱を
発するようになる。一方、この網状部材５によつ
て囲繞された燃焼部３は網状部材５の網目開口５
ｂを介して直接熱を放射し、放射熱による暖房も
行なうようになる。すなわちこの暖房器は網状部
材５からのやわらかな輻射熱と燃焼部３からの放
射熱とによるミツクス暖房が行なえ、使用者は輻
射熱によるやわらかで広範囲の暖房が得られると
ともに放射熱による強烈な暖房も得られ、もの足
りなさや刺激的な感じを受けることなく暖がとれ
る。

一方、前記燃焼部３を囲繞した網状部材５はそ
の網目開口５ｂより前述した燃焼部からの熱とと
もに光も外部に放射させるようになる。そしてこ
の網状部材５は上記燃焼部３からの光の全部を外
部に放射させることなくその一部を網目片５ａに
よつてかなり小さく分断するようになる。したが
つて網状部材５全域からやわらかな感じの光が放
射されるようになり、まぶしさの感じない明りが
得られるようになる。

加えて本実施例では上記燃焼部３を網状部材５
とともに透明の筒体４で囲繞しているので燃焼部
３からの光が上記筒体４の内面に２回３回と反射
して燃焼炎の像が数個発生し、その照明効果が一
段と向上する利点がある。しかも本実施例のよう
に燃焼部３を熱源としたものではこの筒体４は燃
焼部３を外風から保護し、かつドラフト効果によ
つて燃焼を促進する作用をもたらすようになるの
で効果的である。

次に本発明の最も特徴とするところを説明して
いく。本発明の網状部材５は燃焼部３を囲繞する
ように筒状に設けて横方向から見ると網状部材５
の手前側部分と後側部分と重なり合うようにして
いるので、この重なり合いによつてきれいな斑紋
が生じるようになる。すなわち網状部材５は等し
いピツチの連続模様であるが、筒状に巻いた場合
これをやや離れて横方向からみると、前後部分に
おいて遠近の視角の差を生じるため、手前側部分
と後側部分とのピツチにずれが生じて見え、網目
開口５ｂが一致し手前側部分が後側部分を隠蔽す
る部分と、一致しないで前側部分の網目開口５ｂ
から後側部分の網目片５ａが見える部分とが連続
的に現われ、網状部材５の模様に応じた連続的な
斑紋を生じるようになる。

この斑紋は燃焼部３が消えている時は網状部材
５の手前側、後側ともほぼ均一な外光を受けてい
るので、その斑紋は明確には現われないが、燃焼
部３を燃焼させると網状部材５の後側部分はその
燃焼光を受けて明るく輝き、手前側部分は光をさ
えぎるかたちとなつて暗く見えるため前述した斑
紋がいつそうはつきりと浮き上るようになる。ま
たこの斑紋は視点をかえることによつて変化する
ようになり、しかも燃焼光を受けてオレンジ色に
輝くので前述した数個の燃焼炎像とも相まつて装
飾的効果が著じるしく高いものとなる。

特に本実施例では網状部材５の網目片５ａを上
下に傾斜させ、手前側の網目開口５ｂを介して燃
焼部３からの光が光る後側部分の網目片５ａを透
視しやすくしているので斑紋があざやかに現われ
効果的である。しかもこの網状部材５はクロウム
で鏡面仕上げして光の反射状態をよくしてあるの
で燃焼部３の光を効率よく手前側に反射するよう
になり、オレンジ色の斑紋がさらに明るくあざや
かに現われ効果的である。

この網状部材５はラス網以外に金網、極小孔の
パンチング板、耐熱繊維網など種々のものが考え
られるが、いずれも重ね合わせると斑紋が生じる
ようなものであり、網目は２〜30メツシユのもの
が好ましい。またこの網状部材５は熱収縮が生じ
やすいため図示した如く蓋６とストーブ本体１に
溝部１ａを設ける等して遊びを持つた状態で支持
しておくのがよく、本実施例の如く筒体４を備え
たものではこの筒体４の熱収縮率が異なることも
考慮して夫々別々に遊装しておくのが好ましい。

なお、上記実施例では燃焼部を熱源とした対流
型の石油ストーブで説明したが、ガスバーナ、電
気ヒータ等を熱源としたストーブでもよく、また
タイプも対流型に限ることなく反射型等どのよう
なタイプのものであつてもよい。また燃焼部は実
施例の如く円形状のものである必要はなく平面形
状のものであつてもよい。この場合網状部材５は
平面型燃焼部の前面に２枚重ね合わせる等して用
いればよく、実施例のものと同様の効果が得られ
る。

以上実施例の説明で明らかなように本発明の暖
房器は、放射熱と輻射熱とをミツクスした熱によ
つて暖房ができ、快適かつ効果的な暖房が可能と
なる。また熱源からの光は網状部材の網目開口を
通つて放射され、しかもその光は適度に分断放射
されるのでやわらかい感じの明りとなる。特に本
発明のものは網状部材の相互の重なり合いによつ
て光の斑紋が生じ、しかもその斑紋全体が明るく
輝くようになるので全体としてムード色豊かなも
のとなる。さらに加えて上記網状部材は熱源を覆
う透明体によつて熱源からの熱気より隔離してい
るので、耐熱性をそれほど必要としない材料で形
成でき安価に提供できるとともに、熱源からの熱
気によつて侵されることがなく長期間にわたつて
前記ムード色豊かな暖房を可能とする等、その効
果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における暖房器の断
面図、第２図はその要部拡大断面図、第３図は同
正面図である。 ３……熱源（燃焼部）、４……筒体、５……網
状部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発熱・発光をともなう熱源の外方を透明体で
   覆い、この透明体のさらに外方に網状部材を設
   け、この網状部材は前記透明体によつて熱源の熱
   気から隔離するとともに相互に重なり合うように
   配設してその重なり合いにより斑紋ができるよう
   にした暖房器。 ２ 網状部材は熱源を囲繞するように筒状に配設
   して重なり合うようにしたことを特徴とする前記
   特許請求の範囲第１項記載の暖房器。 ３ 網状部材はラス網等のように網目片を傾斜さ
   せた部材で形成したことを特徴とする前記特許請
   求の範囲第１項または第２項記載の暖房器。 ４ 網状部材はその表面を鏡面仕上げとした特許
   請求の範囲第１項、第２項、第３項のいずれかに
   記載の暖房器。