JPS6226379Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は集積回路等の電子部品を収納するため
の筒状ケースに関する。

従来、異形押出成形法により製造されていた電
子部品収納用の筒状シートをプラスチツクシート
を折り曲げて製造することが提案されている。こ
の折り曲げ法によるシートでは薄肉化を容易に計
れるが、薄肉化に伴ない外力によるケース自体の
変形が起こりやすく、特に折り曲げ部分に加わる
外力に対し弱いという欠点がある。

本考案は上記欠点を解消し、厚みが薄いシート
でも、変形しにくい強度的に丈夫な筒状のケース
を提供するためケース自体の特定部位に特定形状
の補強部分を設けたものであつて、その要旨とす
るところは、プラスチツクシートを折り曲げて形
成した電子部品用筒ケース１において、折り曲げ
たシート角部２の外方に、複数個の凹み３を設
け、かつ該凹み３はシート裏面に凸状の膨みを形
成しない形状としたことを特徴とする電子部品用
筒ケースに存する。

以下本考案を添付図面に基づいて説明する。第
１図は本考案の電子部品用筒ケースの一例を示す
斜視図、第２図は本考案における角部２のケース
軸方向と直角方向の断面拡大図、第３図は角部２
のケース軸方向における断面拡大図、第４図は本
考案の他のケースを示す斜視図である。

本考案におけるケース本体はポリ塩化ビニルや
ポリスチレン等からなる一枚のプラスチツクシー
トを折り曲げ加工法により筒状に折り曲げ、相対
する端部同士を接着することにより容易に製造す
ることができる。

この場合、静電防止処理を施し易い平担なシー
トから形成すれば、必要な処理により静電気の発
生を防止し得、静電気で破壊され易い電子部品の
ケースとして好ましい。

第１図のケース本体１は一枚のプラスチツクシ
ートを用い８箇所折り曲げ、相対するシート端部
同士を接着することにより得られたものであり、
電子部品等を載置する受台部４をケース軸方向に
設けてある。

上記８箇所のシート折り曲げ部分には、角部２
がそれぞれケース軸方向に形成されるが、この角
部で受台部４の角部を除く４箇所の角部につき、
各シート外面に本考案の特徴である複数個の凹み
３が設けてある。この凹み３は円形、四角形等各
種の形状をとり得るが、細長い形状の場合にはそ
の長軸がケース軸方向と略直角になるように設け
る。この凹み３は、第２図に示すように断面形状
において、シート裏面に凸状の膨みを形成しない
ことが必要である。

シート裏面に凸状の膨みを形成したものでは、
収納した電子部品がこの部分に引掛かり、スムー
ズな移動が阻害される。上記凹みの深さはシート
厚みの30〜80％程度が良く、深すぎるとこの部分
から破断し易くなる。逆に深さが小さいと、外力
に対する強度の向上がみられない。また凹み３同
士の間隙については、ケース自体のシート厚みや
形状によつて決めればよいが、シート厚みの１〜
５倍程度の間隙が好ましい。シート厚みの１倍未
満では破断し易く、５倍を越えると強度の向上が
小さい。本考案における複数個の凹みを形成する
方法については、種々の法があるが、加熱できる
歯車状の金属ロールを使用し、該ロールを加熱し
つつケースの折り曲げ角部に押圧する方法が加工
し易さの点から好ましい。

本考案の凹みを設けることにより、外力に対し
ケースの強度が向上する理由はさだかではない
が、第３図に示した角部のケース軸方向における
断面拡大図から判るように、凹み３の周囲に肉盛
りされたような部分が形成され、角部に対する外
力を分散することが考えられる。また押圧成形時
の圧縮力により材料の構造が変化して硬化してい
ることも考えられる。

本考案のケースは上述したような構成であるた
め、特に補強材等を使用することなく、ケース自
体で強度を向上することができる。また複数のケ
ースを束ねて包装する場合等、ケースのすべり止
めの効果も有しており、使用上の利点を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電子部品用筒ケースの一例を
示す斜視図、第２図は本考案における角部２のケ
ース軸方向と直角方向の断面拡大図、第３図は角
部２のケース軸方向における断面断面拡大図、第
４図は本考案の他のケースを示す斜視図である。 １……電子部品用筒ケース、２……角部、３…
…凹み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクシートを折り曲げて形成した電子
   部品用筒ケース１において、折り曲げたシート角
   部２の外方に、複数個の凹み３を設け、かつ該凹
   み３はシート裏面に凸状の膨みを形成しない形状
   としたことを特徴とする電子部品用筒ケース。