JPS62260081A - ステンレス鋼表面の化学洗浄方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はステンレス鋼表面に生成した酸化物スケールを
溶解除去するための改良された化学洗浄方法に関する。

〔従来の技術〕

ケミカルタンカー船のステンレス８’Ａ表面の錆や腐食
の原因を建造過程に於いて考えて見ると（１）切断した
り曲げたり、溶接することによりステンレス鋼は部分的
に組織が変化する。

（２）　　溶接時のスパッタースラグはその殆んどが錆
の発生原因になシ、その放置は孔食（ピンホール）にも
つながることがある。

（３）　ハツチ及びマンホール等よりペイントがとび込
みステンレス表面【付着して汚染する。

（４）　グラインダー等による鉄粉及び潮、風、汚物が
タンク内に入って“もらい錆”が発生する。

このように建造された船内タンクのステンレス鋼表面が
汚れた！まで出港し製品を積荷することは製品の品質管
理上からは勿論のこと、その後の腐食全抑制する上から
も酸洗浄２行い不動態皮膜をつけて自分で耐食性を発揮
できるステンレス鋼にもどしてやる必要がある。その役
目が酸洗浄である。

その酸洗浄の一環としてスケール除去を目的とする酸洗
浄は従来、硝酸及びフッ酸を主成分とする混合酸液が用
いられている。

〔発明が解決しようとする間頌点コ 従来の酸洗浄に用いる酸液では次のような欠点があった
。

（１）　　ステンレス鋼の溶接部は熱の影響によシ組織
が変化するが、特に６５０℃前後の熱影響を受けた部分
は鋭敏化が激しいため酸液による酸腐食が激しく実用上
問題である。

（２）　　一般の鉄分、異物は比較的簡単に除去できる
が、スパッタースラグの除去効果は悪く局部的に残存す
る場合があるためグラインダー等で予め除去する必要が
あった。

そこで本発明は溶接による熱影響を受けた部分の酸腐食
の心配もなく、シかもスパンタースラグ除去も可能な酸
洗浄法を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は塩酸、フッ素化合物、界面活性剤及び酸腐食抑
制剤からなる混合溶液に更に粘着剤を添加してなるペー
スト状酸液をステンレス鋼表面に塗布して上記ステンレ
ス鋼表面に生成した酸化物スケールを溶解除去すること
を特徴とする、ステンレス鋼表面の化学洗浄方法である
。

即ち、本発明は塩酸、フッ素化合物、界面活性剤、酸腐
食抑制剤の併用によシ、従来の酸液に比べ特に６５０℃
前後の熱形＃？受けただ接部分の酸腐食は著しく抑制さ
れ、また溶接部のスパッタースラグの除去についても可
能にしたものであり、また本発明は塩酸、フッ素化合物
、界面活性剤及び酸腐食抑制剤からなる混合溶液に更に
粘着剤を添加して酸液ｔペースト状酸液とし、ステンレ
ス鋼表面【適用しやすくしたものである。

そしてこの酸混合溶液による酸化物スケールの溶解力は
塩酸及びフッ素化合物の濃度に左右されるので、それら
の使用濃度は洗浄対象物に生成付着した酸化物スケール
量に応じて決定され、従って界面活性剤、酸腐食抑制剤
及び粘着剤の量も一義的に定めることができないが、本
発明で使用するペーストＥ酸液の組成は一般的に下記の
範囲である。

塩　　酸　　　　　”　　　　　ａ　ｗｔ係係上上フッ
素化合物　　　Ｆ量として３ｗｔ％以上界面活性剤　：
　　　（ＬＯ５〜α１　ｗｔ％酸腐食抑制剤；　　　０
．３〜０．５　ｗｔ％粘着剤　　　１４〜１６ｗｔ％ 水　　　　　　　　　残り 以下、上記組成範囲について説明する。

塩酸８　ｗｔ％以下でも溶接部以外の例えばグラインダ
ー等による鉄粉及び潮風、汚物等がタンク内に人って発
生する”もらい錆“は簡単に溶解除去可能であるが、溶
接部スケールはａ　ｗｔ係以上の濃度でないと除去が困
難である。

フッ素化合物（ＨＦ　、　　ＮＨ４ＨＦ２．’　ＫＦ　
、　　ＮａＦ等）についても塩酸同様ＦｉとしてＳ　ｗ
ｔ係以上の濃度でないと溶接部スケールの除去が困難で
ある。以上の理由から塩酸及びフッ素化合物（Ｆ量とし
て）の最適濃度範囲は８〜１０ｗｔ係及び５〜Ｓ　ｗｔ
係が好寸しい。

界面活性剤は酸化物スケールの除去能力を高めるばかり
でなく、洗浄対象物に付着している油分や、建造中に使
用したマジックインキなどを除去する能力を有するもの
であるが、その使用分！′ｉ０．０５〜α１　ｗｔ％の
微量で十分である。

界面活性剤としては、ポリエチレングリコールノニルフ
ェニル系の非イオン活性剤〔第一工業薬品■製、ノイゲ
ンＳＳ（商品名）〕、ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ系のアニオン活性剤〔第一工業薬品■製、ネオゲンＰ
１ネオゲンＲ（商品名）〕、アルキル硫酸エステルンー
ダ系のアニオン活性剤〔第一工業薬品＠製、ムＢ−ｓ６
（商品名）コ、ドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩系
のアニオン活性剤〔第一工業薬品■製、チオゲンＪ（商
品名）〕、特殊非イオン活性剤〔第一工業薬品■裂、プ
ライサーフＡ２１２に、プライサーフＡ２１０Ｇ、プラ
イサーフＡ２１２Ｃ！、プライサーフＡ２１５Ｃ（商品
名）〕、非イオン活性剤〔花王アトラス■製、スコアロ
ール８００、スコアロール９００（商品名）〕等が有効
に使用することができる。

酸腐食防止剤としては、それが洗浄対去物の表面に吸着
作用を発揮して腐食抑制効果を奏するものならば公知の
酸腐食抑制剤が適宜選択使用しうる。例えばアミン系イ
ンヒビター〔杉村化学工業■製、ヒビロンＡ−１００，
ヒビロンＡ−２００（商品名）〕、アミン系インヒビメ
ー〔朝日化学工業■製、イビットｌｌ＆２Ｂ、イビツ）
ｆｆｉ２Ａｓ（商品名〕コ等が有効に使用でき、その使
用量は（Ｌ　３　ｗｔ％以下になると腐食抑制効果は悪
くなり、α５　ｗｔ％を越えてもその効果は殆んど変化
がないので、その添加量は１３〜［１５ｗｔ％の範囲が
好ましい。

粘着剤は酸液？ペースト状にするためのもので、使用で
きる粘着剤としては公知のカルボキシルメチルセルロー
ス（ａｙｒｃ　：化学糊）、アクリルアミドポリマー等
の市販品を単独又は併用して使用しうる。粘着剤の使用
量は１４　ｗｔ％以下ではペースト状の酸液をステンレ
ス鋼表面に塗布した場合たれ下って酸洗効果を悪くし、
１６Ｗｔ壬以上でも特に問題はないが経済性？考えてこ
れを上限とする。したがって粘着剤の好ましい使用量は
１４〜１６　ｖｔ％である。

本発明による洗浄はペースト状江調合した混合酸液を酸
化物スケールの付着した例えばケミカルタンカー船のス
テンレス鋼表面に、吹付用耐酸ポンプ又はハケ等で均一
に塗布し酸化物スケールを溶解除去する。

本発明において使用するペースト状酸液によるスケール
溶解機構は必らずしも明確ではないが、フッ素化合物の
鉄スケールに対する強いキレート化作用と塩酸による酸
の作用とが相乗効果的に働き、酸化鉄スケールの溶解カ
ケ高めているためと推測される。

本発明方法により次のような効果が奏せられる。

（１）従来の酸洗浄では溶出除去が困難でちった溶接部
のスパッタースラグに対しても溶解力が著しく向上し効
率よく洗浄ができる。

（２）　　従来の酸液に比べ、特に６５０℃前後の熱影
響？受けた溶接部分の酸腐食は著しく抑制されるよう【
なった。

本発明方法はステンレス鋼による機器及び装置等の塗布
可能な化学的表面処理に好適である。

実施列−１ ステンレス鋼表面の化学洗浄方法において下記のような
試験を行った。この試験は第１表に示したペースト状の
酸洗液を用いてステンレス材の酸腐食試験を行なったも
のである。なおステンレスの供試材料としては、ＳＵＢ
　３０４鋼板の組人材（受は入れままの状態）及びＳＵ
ｓ　３０４鋼板の鋭敏化処理材（６５０℃×２時間）を
用いて、腐食試験を次の要領で実施した。

ペースト状の酸洗液を平らなポリエチレン樹脂製の皿に
、テストピース（３０ｗａ　Ｘ　４０　ｍ　Ｘ１１５　
ｍ　）が沈む程度に入れ約１６時間浸漬した後、テスト
ピースを取り出し水洗乾燥後、試験前後の重量差より腐
食量を求めるとともにテストピース表面の腐食状態を観
察し、第１表の如き結果を得た。

又、比較のために、第１表に示した現在使用されている
ペースト状の硝酸、フッ酸を主成分とする混合酸液全周
いて上記実施５１１に準じて腐食量を求めるとともにテ
ストピース表面の腐食状態全観察した。結果は第１表に
まとめて示す。

試験結果の第１表より明らかなように実施例の本発明酸
液ではテストピースの腐食量は非常に小さく又、テスト
ピース表面の腐食状態も全。

面均−腐食であり、肌荒れ等は全く見られない。

一方比較例の従来方法で使用した酸液では供試材（５ｒ
ｙｓ　３０４鋼板）が鋭敏化されていると腐食量は本発
明方法で使用した酸液に比して約６９倍増加しており、
テストピース表面の腐食状態も全面にピッチングの発生
が見られることから、被洗浄対象材に鋭敏化（溶接部の
近傍）された個所があると、上記腐食現象が発生し、実
用上問題となる。

実施列−２ 第２表に示し九ペースト状の酸液と５Ｏ８３１７Ｌクラ
ツド鋼の溶接継手部に十分塗布し、約１６時間装酸液の
塗布部を水洗乾燥して溶接部のスケール除去状況と腐食
状、態を観察し、第２表の如き結果を得た。

又、比較のために第２表に示したペースト状の硝酸、フ
ッ酸？主成分とする混合酸液？用いて上記実施例に準じ
て溶接部のスケール除去状況と腐食状態を観察した結果
は第２表にまとめて示す。

試験結果の第２表よシ明らかなように実施列の本発明の
酸液濃度以上であれば溶接部のスケールは完全に除去吉
れ走。又、酸液塗布部の腐食状態も全面均一１腐食であ
う、肌荒れ等は全く見られない。

一方比較例の従来酸液では溶接部のスパッタースラグの
除去が不完全で残存していた。又、腐食状、欅は溶接近
傍部に局部腐食が一部見られた。

〔発明の効果〕

不発明方法により、溶接による熱影響を受けた部分の酸
腐食の心配もなく、シかもスノくツタ−スラグ除去も可
能なステンレス鋼表面の化学洗浄２行えるようになった
。

復代理人　　内　１）　　明 復代理人　　萩　原　亮　− 復代理人　　安　西　篤　夫

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 塩酸、フッ素化合物、界面活性剤及び酸腐食抑制剤から
   なる混合溶液に更に粘着剤を添加してなるペースト状酸
   液をステンレス鋼表面に塗布して上記ステンレス鋼表面
   に生成した酸化物スケールを溶解除去することを特徴と
   する、ステンレス鋼表面の化学洗浄方法。