JPS6225790B2

JPS6225790B2 -

Info

Publication number: JPS6225790B2
Application number: JP15487382A
Authority: JP
Inventors: Kazuto Nakamura; Hiroshi Sugawara; Masayoshi Chiaki
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1982-09-06
Filing date: 1982-09-06
Publication date: 1987-06-04
Also published as: JPS5947477A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は衣料等の繊維製品の洗濯工程における
すすぎ時及び乾燥時のいずれの工程において用い
ても、衣料等にすぐれた柔軟性と帯電防止効果と
を付与でき、かつすぐれた保存安定性を有する繊
維製品処理用物品に関するものである。洗濯後の湿つた衣料とともに乾燥機に入れ、乾
燥の際に衣料に柔軟性や帯電防止性を付与するた
めの柔軟剤として吸収性基層に柔軟化剤を含浸さ
せた種々のものが知られている。たとえば、特定
の吸収容量を有する吸収性基層に100〓〜170〓の
融点を有する織物ソフナーを含浸させたもの（特
公昭47−19594）、不織布などの基質をワツクス状
基質で被覆し、外側に織物ソフナーを被覆させた
もの（特公昭47−40120）、さらに主な織物ソフナ
ーの一つであるジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル第
４級アンモニウム塩の融点を低下させ使用性の向
上を図るために、脂肪系多価アルコールエステル
（特開昭52−118089）、ラノリンアルコールまたは
その脂肪族カルボン酸エステル（特開昭52−
124998）などの融点降下剤を併用する等の改良組
成である。これらはいずれも乾燥機中で用いた場
合衣料に柔軟性は付与されるものの帯電防止性付
与効果は十分でない。特に乾燥機においては、衣
料と衣料が摩擦をくり返すため合成繊維でできた
衣料の帯電が著しく、静電気による不快感を使用
者に与えることが多い。またこれらの柔軟剤は洗
濯のすすぎ工程においても使用できるとされてい
るが、柔軟性付与効果は乾燥機での場合に比べ数
段劣るため、使用者にとつて不便である。そこで
種々検討した結果、カチオン性繊維柔軟化剤に特
定の脂肪酸アミド化合物を組合せれば上記問題点
を解決できるとの知見を得たが、これらのものを
用いると保存安定性が良くないとの欠点が生じ
た。つまり不織布やスポンジなどの吸収性材料に
カチオン性繊維柔軟化剤及び特定の脂肪酸アミド
化合物を含浸させたものを高温多湿下に長期間保
存しておくと経日により空気中の水分を吸収して
べたつき出し、ついには吸収性材料から流出する
からである。この流れ出しは包材へのしみ出しと
なつて表われるので使用価値の低下となる。従つて、本発明の目的は洗濯工程のすすぎ工程
及び乾燥工程のいずれの工程において用いても、
衣料にすぐれた柔軟性と帯電防止性とを付与し得
るとともに保存安定性のすぐれた繊維製品処理用
物品を提供するものである。かかる本発明の目的
は、カチオン性繊維柔軟化剤と特定の脂肪酸アミ
ド化合物に高級脂肪酸を配合し、これを吸収性材
料に含浸させることにより達成されることを見出
した。すなわち、本発明は、(A)カチオン性繊維柔軟化
剤、(B)一般式（）（式中、R₁は炭素数７〜23のアルキル基、アルケ
ニル基、ｎは０または１〜20の整数、ｍは１〜20
の整数を示す。）で表わされる脂肪酸アミド及び(C)炭素数12〜22の
脂肪酸又はその塩とを、吸収性材料に含浸させて
なることを特徴とする繊維製品処理用物品であ
る。本発明における成分(A)は、カチオン性繊維柔軟
化剤であり、各種アミン塩、第４級アンモニウム
塩等繊維に柔軟性を付与できるものはすべて使用
可能である。これらのうち炭素数10〜24のアルキ
ル基またはアルケニル基を分子内に２個有する第
４級アンモニウム塩が好ましく、例えば次の一般
式（）、（）で表わされるアンモニウム塩、ア
ミドアンモニウム塩、イミダゾリニウム塩があげ
られる。（式、中、R₂、R₃はそれぞれ炭素数10〜24の
アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルケ
ニル基、R₄、R₅はそれぞれ炭素数１〜３のアル
キル基、ヒドロキシアルキル基またはベンジル
基、−（C₂H₄O）_l3Ｈ（l₃＝１〜５）で示される基、
Y₁、Y₂はそれぞれエチレン基またはプロピレン
基、l₁、l₂は０または１の数、Ｘはハロゲンまた
は炭素数１〜３のモノアルキル硫酸基を示す。）具体的には、ジラウリルジメチルアンモニウム
クロライド、ジパルミチルメチルヒドロキシエチ
ルアンモニウムメチルサルフエート、ジ水素添加
牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド、
ジステアリルメチルポリオキシエチレン（平均重
合度５モル）アンモニウムクロライド、ジ水素添
加牛脂アルキルエチルベンジルアンモニウムクロ
ライド、ジテトラコシルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジ〔（２−ドデカノイルアミノ）エチ
ル〕ジメチルアンモニウムクロライド、ジ〔（２
−オクタデカノイルアミノ）プロピル〕ジメチル
アンモニウムメチルサルフエート、２−ヘプタデ
シル−１−エチル−１−〔（２−ガクタデカノイル
アミノ）エチル〕イミダゾリニウムエチルサルフ
エート、２−ペンタデシル−１−メチル−１−
〔（２−ヘキサデカノイルアミノ）エチル〕イミダ
ゾリノウムメチルサルフエートなどの１種または
２種以上の混合物である。本発明における成分(B)は、前記一般式（）で
表わされる脂肪酸アミドである。具体的には、ラ
ウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエ
タノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミ
ド、パルミチン酸ジエタノールアミド、オクタン
酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノー
ルアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、パー
ム核脂肪酸ジエタノールアミド、Ｎ−モノ置換
POE（＝２）ヤシ脂肪酸アミド、Ｎ−モノ置
換POE（＝10）ヤシ脂肪酸アミド、Ｎ・Ｎ−
ジ置換POE（合計＝５）ヤシ脂肪酸アミド、
Ｎ・Ｎ−ジ置換POE（合計＝20）ヤシ脂肪酸
アミドなどがあげられる。尚、前記化合物中、POEはポリオキシエチレ
ンを意味し、はエチレンオキシドの平均付加モ
ル数を意味する（以下においても同じ。）これら
(B)成分のうち、帯電防止性の点から脂肪酸の炭素
数としては９〜15、特に炭素数12を30％以上含む
ものが好ましく、そのもののモノまたはジエタノ
ールアミド、Ｎ−モノ置換POE（＝２〜３）
アミドが好ましい。本発明における成分(C)は、炭素数12〜22の脂肪
酸若しくはその塩の１種または２種以上の混合物
である。具体的には、ドデカン酸、テトラデカン
酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデ
カン酸、エイコサン酸、ドコサン酸などであり、
これらは直鎖状でも分岐鎖を有していても良い。
塩としては前記脂肪酸の水不溶性塩又は水難溶性
塩であるカルシウム塩、マグネシウム塩などが使
用可能である。これらのうち特に使用性の点より
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など
の天然物から誘導される直鎖飽和脂肪酸が好まし
い。本発明における吸収性材料とは、材料自身の内
に成分(A)(B)(C)を保持しうる空間を有するものであ
ればよい。例えば、紙、織物、不織布、スポンジ
などである。このうち使用性から不織布、スポン
ジが好ましい。不織布としては、セルロース、レ
ーヨン、ポリエステル繊維などをバインダーで処
理したものや、これらにポリオレフイン繊維を混
入させバインダーを用いないもの、スパンボンド
布などが使用可能である。スポンジとしては、連
続気泡を有するポリウレタンホーム、ポリエステ
ルホームなどのプラスチツクホームが好ましい。
また製造上及び使用上から可撓性シート状物が好
ましく、特に見掛け比重0.01〜0.03、空隙率95〜
99％、厚さ１〜５mmの範囲内にあるシート状ポリ
ウレタンホームなどのプラスチツクホームや米坪
10〜50ｇ／m²、空隙率70〜90％の不織布などが望
ましい。本発明は成分(A)(B)(C)を吸収性材料に含浸させて
なる衣料処理用物品であつて、成分(A)(B)(C)の作用
によりすぐれた柔軟効果と帯電防止効果区と発揮
され、かつ高温多湿の環境に長時間放置されても
成分(A)(B)(C)の流出がなく包装材へのしみ出しを有
効に防止し得るものである。成分(A)(B)(C)の割合は任意に選ぶことができるが
成分(A)と成分(B)の配合割合(A)／(B)が95／５〜40／
60、好ましく95／５〜60／40（重量比）の範囲内
とするとすすぎ工程における柔軟性が向上する。
また成分(A)＋(B)と成分(C)の配合割合（Ａ＋Ｂ）／
(C)は98／２〜75／25（重量比）の範囲内とするの
が好ましい。75／25を越える量を添加すると柔軟
性、帯電防止付与効果が低下するので(A)(B)(C)の含
浸量を多くしなければならないからである。成分(A)(B)(C)の吸収性材料に対する含浸量は任意
に選ぶことができるが、すすぎ工程で用いたとき
に成分(A)(B)(C)の微粒子化が速かに行なわれる点か
ら、吸収性材料が有する空隙のうち成分(A)(B)(C)が
占める割合（以下、空隙占有率という）が１〜50
容量％となるようにするのが好ましい。吸収性材
料が不織布の場合空隙占有率が５〜50容量％、シ
ート状プラスチツクホームの場合には２〜30容量
％となるようにするのが特に好ましい。尚、吸収性材料の空隙率は、吸収性材料の真比
重と見掛け比重との差から求め、これに常法によ
り室温で比重を測定した成分(A)(B)(C)混合物を所定
の空隙占有率となるように含浸させた。本発明品にはすすぎ工程で使用した場合の柔軟
性及び帯電防止性を一層向上させるために、脂肪
酸エステル、高級アルコールのエチレンオキシド
付加物、アルキルフエノールのエチレンオキシド
付加物、油脂のエチレンオキシド付加物の群から
選ばれる１種または２種以上の混合物を添加する
のが好ましい。ここで脂肪酸エステルとしては、
炭素数８〜20の脂肪酸と、(1)炭素数１〜４の１価
アルコールとのエステル化物、(ii)炭素数１〜６の
多価アルコールとのモノまたはポリエステル化
物、(iii)炭素数１〜６の多価アルコールのエチレン
オキシド付加物（＝１〜60）とのモノまたはポ
リエステル化物などが好ましく使用される。また
高級アルコールのエチレンオキシド付加物等にお
ける高級アルコールとしては、炭素数８〜22の１
級または２級アルコール、アルキルフエノールと
しては炭素数８〜20のアルキル基を有するフエノ
ール、油脂としては、ヒマ油、硬化ヒマ油などで
ある。また、さらに少量の螢光増白剤、染料、顔
料、香料などを添加することができるが、これら
と成分(A)(B)(C)との混合物が吸収性材料の空隙占有
率１〜50容量％の範囲内となるようにするのが望
ましい。本発明品によれば、洗濯のすすぎ工程及び乾燥
工程のいずれの工程において用いても衣料等にす
ぐれた柔軟性と帯電防止性とを付与できるもので
ある。特にアクリル繊維、ナイロン等の合成繊維
でできた衣料に対する帯電防止効果がすばらし
く、使用者に静電気による不快感を与えずにすむ
とともに35℃、相対湿度85％のような高温高湿下
に保存しておいても成分の流れ出しがなくすぐれ
た保存安定性を示すものである。次に本発明を実
施例により詳述する。尚、繊維製品処理用物品の
製造法、繊維製品の処理方法、性能評価は次の方
法により行なつた。 Γ繊維製品処理用物品の製造法配合成分を加熱溶融混合し、この溶液に吸収性
材料を浸漬した後、絞りローラを用い前記混合物
のシート状吸収性材料における空隙占有率が所定
のものとなるように含浸量を調整した。次に室温
に冷却した後、所定の寸法に切断した。 Γ繊維製品の処理方法（乾燥工程での処理）繊維製品として、綿タオル及びアクリル布（ア
クリルジヤージ）を用い、これらを市販洗剤で洗
浄後十分すすぎ脱水率140％に絞つたものを、乾
燥重量が１／１（綿タオル対アクリル布）の割合
で合計１Kgとなるように縦型回転式の家庭用乾燥
機に入れた。繊維製品処理用物品を１枚（不織布
の場合は20×20cm、プラスチツクホームの場合は
７×20cm）を加え約50〜70℃で45分間乾燥処理し
た。（すすぎ工程での処理）洗濯機のすすぎ浴の中に水30を入れ、これに
乾燥工程で用いたものと同様の綿タオル及びアク
リル布を入れた。次に繊維製品処理用物品１枚
（不織布の場合は20×20cm、プラスチツクホーム
の場合は７×20cm）を加えて室温で３分間すすぎ
処理した。このように処理した布を室内で風乾後、柔軟効
果評価用のものは25℃、65％RHの条件下に24時
間放置し、また帯電防止効果評価用のものは20
℃、45％RHの条件下に72時間放置して、それぞ
れの試験に供した。 Γ性能評価 (イ) 保存安定性 (1) 吸収性材料が不織布の場合配合成分を含浸した幅20cm長さ４ｍの不織
布を芯材にロール状に巻きつけ、これをポリ
エチレンラミネート紙でできた箱に入れた。 (2) 吸収性材料がプラスチツクホームの場合配合成分を含浸した20cm×７cmのプラスチ
ツクホームを20枚つみ重ね、これをポリエチ
レンラミネート紙でできた箱に入れた。上記試料を35℃、相対湿度85％の条件下に30
日間放置した後、包装紙への成分の流れ出しを
次の基準で目視判定した。 ◎ 流れ出しなし〇流れ出しがわずかにある △ 流れ出しがある × 流れ出しがやや多い ×× 流れ出しが非常に多い (ロ) 柔軟性：処理前と処理後の試験布の手触りを
比較して次の基準で評価した。 ◎……非常に柔かい〇……柔らかい △……やや剛い ×……処理前と変らない (ハ) 帯電防止性：スタチツクオネストメーターに
より、布に印加電圧7KV、ターゲツト距離20mm
で帯電させ、電圧除去後の帯電圧の半減期
（秒）を測定した。実施例１吸収性材料として厚さ２mm、みかけ比重0.014
空隙率99容量％の連続気泡を有するシート状ポリ
ウレタン及びES繊維（チツソ(株)製）からなる厚
さ0.2mm坪量30ｇ／m²空隙率80容量％のノーバイ
ンダー不織布を用い、これにジステアリルジメチ
ルアンモニウムメチルサルフエート（Ａ成分）75
重量部、Ｎ−モノ置換POE（＝２）ヤシ脂肪
酸アミド（Ｂ成分）５重量部、POE（＝１）
ノニルフエニルエーテル20重量部からなる混合物
にＣ成分として表−１に示した物質を10重量部添
加したものを含浸させた。ポリウレタンホーム、
不織布への含浸量は、それぞれ空隙占有率８容量
％及び33容量％である。これらについて保存安定
性を評価した。結果を表−１に示す。

【表】表−１より本発明品は、保存安定性にすぐれ成
分の流れ出しが著しく改良されることがわかる。
尚本発明品は、すすぎ工程及び乾燥工程で用いた
場合の綿タオルの柔軟性はそれぞれ◎〜〇及び〇
であり、アクリルジヤージに対する帯電防止は、
それぞれ11秒及び９秒といずれもすぐれた性能を
示した。実施例２脂肪酸配合量を変化させてその影響を調べた。
実施例１で用いたのと同じ不織布にジドコシルジ
メチルアンモニウムメチルサルフエート（Ａ成
分）70重量部、ラウリン酸ジエタノールアミド
（Ｂ成分）10重量部、POE（＝４）モノステア
レート20重量部の混合物にパルミチン酸（Ｃ成
分）の量をかえて添加し、含浸量が空隙占有率30
容量％となるようにした。性能評価結果を表−２
に示す。

【表】実施例３実施例１と同様の不織布を用い、脂肪酸の炭素
数の影響を調べた。組成は、ジ水素添加牛脂アル
キルジメチルアンモニウムメチルサルフエート
（Ａ成分）65重量％、ラウリン酸モノエタノール
アミド（Ｂ成分）５重量％、各種脂肪酸（Ｃ成
分）10重量％、ソルビタンモノステアレート20重
量％であり、これを空隙占有率30容量％となるよ
うに含浸させた。保存安定性を評価したところ、オクタン酸を配
合したものは成分の流れ出しがやや多かつたが、
ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ドコ
サン酸を配合したものはいずれも成分の流れ出し
がなかつた。

Claims

【特許請求の範囲】１ (A)カチオン性繊維柔軟化剤、(B)一般式（）（式中、R₁は炭素数７〜23のアルキル基、アルケ
ニル基、ｎは０または１〜20の整数、ｍは１〜20
の整数を示す。）で表わされる脂肪酸アミド及び(C)炭素数12〜22の
脂肪酸又はその塩とを、吸収性材料に含浸させて
なることを特徴とする繊維製品処理用物品。２成分(A)と成分(B)との含有比(A)／(B)が95／５〜
40／60（重量比）の範囲にある特許請求の範囲第
１項記載の物品。３成分(A)、(B)と成分(C)との含有比（Ａ＋Ｂ）／
(C)が98／２〜75／25（重量比）の範囲内にある特
許請求の範囲第１項または第２項記載の物品。４吸収性材料が、紙、織物、不織布、プラスチ
ツクホームの群から選ばれる可撓性シート状物で
ある特許請求の範囲第１項記載の物品。