JP2779861B2 - 繊維製品処理用物品 - Google Patents

繊維製品処理用物品

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JP2779861B2 JP9123990A JP9123990A JP2779861B2 JP 2779861 B2 JP2779861 B2 JP 2779861B2 JP 9123990 A JP9123990 A JP 9123990A JP 9123990 A JP9123990 A JP 9123990A JP 2779861 B2 JP2779861 B2 JP 2779861B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は乾燥機中で衣料、タオル等の繊維製品と接触
した場合に、基体上に担持され柔軟剤組成物をこれらに
移し、繊維製品に優れた柔軟性と帯電防止効果を付与で
きる繊維製品処理用物品に関するものである。
〔従来の技術〕
洗濯物を乾燥機を用いて乾燥する際に、洗濯物に柔軟
性と帯電防止性とを付与する、いわゆる乾燥機用柔軟剤
としては種々のものが提案されている。例えば、特開昭
58−174679号公報にはカチオン/脂肪酸アミド/脂肪酸
エステルを吸収性材料に含浸させたものが開示され、特
開昭59−47477号公報には、カチオン/脂肪酸アミド/
脂肪酸を吸収性材料に含浸させたものが開示されてい
る。さらに、特開昭52−124997号公報には、カチオン/
ソルビタンエステルを基剤に含浸させたものが、特開昭
62−45780号公報にはカチオン/ソルビタン脂肪酸エス
テル等を基剤に含浸させたものが開示され、特公平1−
29907号公報には、ジアルキル/モノアルキル4級塩を
含む固体共融粒状布類柔軟化組成物が、また特開昭59−
112069号公報には、ジアルキル/モノアルキル4級塩/
ノニオン(50〜90%)を不織布に担持させたものが開示
されている。
しかしながら、これらの乾燥機用柔軟剤では、ジアル
キルカチオン型柔軟剤の配合量が多いにもかかわらず、
液体柔軟剤といわれるリンスサイクルで使用するものと
比較するとジアルキルカチオン型柔軟剤の衣料への付着
が不均一である。従って、ジアルキルカチオン型柔軟剤
の均一付着を目的とする衣類へのシミ防止が十分達成さ
れているとはいえないのが現状である。そこでジアルキ
ルカチオン型柔軟剤をさらに有効かつ均一に付着させる
ことが望まれている。
しかしながら、単にジアルキルカチオン型柔軟剤を削
減ると柔軟性、帯電防止効果が明確に低下する。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明は、ジアルキルカチオン型柔軟剤の量
を低下させても良好な柔軟剤、帯電防止効果を有する柔
軟基剤を提供することを目的とする。
〔課題点を解決するための手段〕
本発明はジアルキルカチオン型柔軟化剤にモノアルキ
ル型柔軟化剤、ソルビタンエステル、脂肪酸とを特定量
併用すると、柔軟剤組成物が高温で水を含んだ場合の流
動性が向上し、衣料等と接触したときに均一に衣料等へ
移行し、かつ優れた柔軟性と帯電防止性とを衣料等に付
与できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、(A)一般式(I)および(I
I): (式中R1,R2,R3はそれぞれ低級アルキル基、R4,R5はそ
れぞれ炭素数12〜24のアルキル基又はアルケニル基であ
り、R6は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を
示し、そしてXは陰イオンである。)で表わされるカチ
オン性繊維柔軟化剤を式(I)の柔軟化剤/式(II)の
柔軟化剤(重量比)が95/5〜50/50で10〜60重量%含有
し、かつ、(B)ソルビタン脂肪酸エステル/脂肪酸
(いずれの脂肪酸も炭素数12〜24)の重量比が10/90〜9
0/10で40〜90重量%含有するが柔軟剤組成物中、ソルビ
タン脂肪酸エステルの含有量が50重量%を越えない柔軟
剤組成物を基体に担持させたことを特徴とする洗濯の乾
燥工程で使用される繊維製品処理用物品を提供する。
式(I)及び式(II)中、低級アルキル基としては炭
素数1〜6、好ましくは1〜3の直鎖又は分枝状アルキ
ル基があげられ、R4、R5としては炭素数14〜18の直鎖状
又は分枝状アルキル基、アルケニル基が好ましい。又、
R6としては炭素数12〜18の直鎖状又は分枝状アルキル基
又はアルケニル基が好ましい。又、Xとしては、塩素、
臭素などのハロゲン、炭素数1〜3のモノアルキル硫酸
イオン、パラトルエンスルホン酸イオン等の陰イオンが
例示される。
式(I)の柔軟化剤/式(II)の柔軟化剤の重量比は
95/5〜50/50であるが、90/10〜70/30が好ましく、含有
量は15〜55重量%(以下%と略称する)が好ましい。
式(I)で表わされる柔軟化剤としては、例えばジラ
ウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチル
ジエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジステアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチ
ルアンモニウムブロマイド、ジドコシルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ジ水素添加牛脂ジメチルアンモニウ
ムメチルサルフェート、ジ水素添加パーム油ジメチルア
ンモニウムメチルサルフェート、ジテトラドコシルジメ
チルアンモニウムクロライド、パルミチルステアリルジ
メチルアンモニウムクロライドなどの1種又は2種以上
の混合物があげられる。
又、式(II)で表わされる柔軟化剤としては、例えば
ラウリルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルア
ンモニウムクロライド、オレイルトリエチルアンモニウ
ムクロライド、水素添加牛脂アルキルトリメチルアンモ
ニウムメチルサルフェト、テトラデシルトリメチルアン
モニウムエチルサルフェートなどの1種又は2種以上の
混合物があげられる。
本発明で用いるソルビタン脂肪酸エステルとしては、
ソルビタンと炭素数12〜24、好ましくは14〜18の脂肪酸
とのモノ、ジ、トリエステル及びこれらの混合物があげ
られる。ここで脂肪酸としては直鎖又は分岐の飽和、不
飽和脂肪酸があげられるが飽和脂肪酸が好ましい。
本発明で用いる脂肪酸は、炭素数12〜24、好ましくは
14〜18の直鎖又は分岐状の飽和、不飽和の脂肪酸であ
る。このうち飽和脂肪酸が好ましい。具体的には、ドデ
カン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカ
ン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸など
の1種又は2種以上の混合物である。
本発明において、ソルビタン脂肪酸エステル/脂肪酸
の重量比は10/90〜90/10であるが、好ましくは15/85〜6
0/40であり、含有量40〜90%、好ましくは50〜75%であ
る。さらに、ソルビタン脂肪酸エステルの含有量が柔軟
剤組成物中の40%を越えないのが好ましい。
上記柔軟剤組成物を担持させる基体としては、材料自
身の内に上記柔軟剤組成物を保持しうる空間を有する吸
収性材料が好ましい。例えば、紙、織物、不織布、スポ
ンジなどであり、このうち使用性から不織布、スポンジ
が好ましい。不織布としては、セルロース、レーヨン、
ポリエステル繊維などをバインダーで処理したものや、
これらにポリオレフィン繊維を混入させバインダーを用
いないもの、スパンボンド布などが使用可能である。ス
ポンジとしては、連続気泡を有するポリウレタンホー
ム、ポリエステルホームなどのプラスチックホームが好
ましい。また製造上及使用上から可撓性シート状物が好
ましく、特に見掛け比重0.01〜0.03、空隙率95〜99%、
厚さ1〜5mmの範囲内にあるシート状ポリウレタンホー
ムなどのプラスチックホームや米坪10〜50g/m2、空隙率
70〜90%の不織布などが望ましい。
上記柔軟剤組成物を基体に担持させる量は任意に選ぶ
ことができるが、吸収性材料が有する空隙のうち柔軟剤
組成物が占める割合(以下、空隙占有率という)が1〜
50容量%となるようにするのが好ましい。吸収性材料が
不織布の場合空隙占有率が5〜50容量%、シート状プラ
スチックホームの場合には2〜30容量%となるようにす
るのが特に好ましい。
尚、吸収性材料の空隙率は、吸収性材料の真比重と見
掛け比重との差から求め、これに常法により室温で比重
に測定した成分(A)(B)(C)混合物を所定の空隙
占有率となるように含浸させた。
本発明品には柔軟性及び帯電防止性を一層向上させる
ために、脂肪酸アミド、高級アルコールのエチレンオキ
シド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキシド付
加物、油脂のエチレンオキシド付加物の群から選ばれる
1種又は2種以上の混合物を添加することができる。
また、さらに蛍光増白剤、染料、顔料、香料、シリコ
ーン、抗菌剤、酸化防止剤などを添加することができ
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば衣料等に均一に柔軟化成分を移行さ
せ、すぐれた柔軟性と帯電防止性とを付与できる繊維製
品処理用物品が提供される。
次に実施例により本発明を説明する。
〔実施例〕
実施例で用いた繊維製品処理用物品は、次のようにし
て製造した。先ず、配合成分を加熱溶融混合し、この溶
液に23×28cmに裁断した吸収性材料を浸漬した後、絞り
ローラーを用い、含浸量を調整した。
繊維製品処理用物品の性能は次のようにして評価し
た。
繊維製品として綿タオル及び化学繊維(アクリルジャ
ージ/ポリエステルジャージ/ナイロントリコット=1/
1/1)を市販洗剤で洗浄後十分すすぎ、乾燥させたもの
を使用した。性能評価はこの処理を行なった布を乾燥重
量が1/1(綿タオル/化学繊維)の割合で合計1kgになる
ように縦型回転式の家庭用衣類乾燥機に入れた。繊維製
品処理物品を1枚加えた後、約50〜70℃で45分間乾燥処
理をした。
柔軟性:処理前と処理後の試験布の手触りを比較して
次の基準で評価した。
◎…非常に柔らかい。
○…軟らかい。
△…わずかに柔かい。
×…処理前と変わらない。
帯電防止性:(株)宍戸商会製のスタテイクオネスト
メーターにより、布に印加電圧7kV、ターゲット距離20m
mで帯電させ、電圧除去後の帯電圧の半減期(秒)を測
定した。試験布としてアクリル布を用いた。
付着の均一性:処理後の試験布をブロムフェノールブ
ルー0.04%水溶液に約30秒間浸漬した後、純水で十分す
すぎ、風乾後青色に染着した状態を下記の基準により評
価した。
◎…染着むらが認められない。
○…やや染着むらが認められる。
△…染着むらが認められる。
×…染着むらが非常に多い。
保存安定性:繊維製品処理物品1枚を32枚に切り、う
ち16枚を重ね、下に紙を敷き、45℃に15hr以上放置後の
配合成分のしみだし及び吸収性材料同志の融着を評価し
た。
5点…しみだし、融着認められない。
3点…しみだし、融着僅かに認められ
る。
1点…しみだし、融着が激しい。
実施例1 吸収性材料として疎水性繊維で構成され、坪量が23g/
m2である熱融着型不織布を用い、ジステアリルジメチル
アンモニウムメチルサルフェート(成分A1、式
(I))、ラウリルトリメチルアンモニウムメチルサル
フェート(成分A2、式(II))、ソルビタンモノステア
レート(成分B1)、ステアリン酸(成分B2)及びやし脂
肪酸ジエタノールアミド(10重量%)からなる組成を含
浸させて性能を評価した。含浸量は不織布23×28cm当り
2gである。結果を表−1に示す。
表−1より本発明品(No.1〜3)は均一に衣料に付着
し、優れた柔軟性と帯電防止効果とを付与することがで
きることがわかる。これに対して比較例(No.4〜8)で
は柔軟基剤が均一に付着せず、かつ柔軟性、帯電防止効
果及び保存安定性も十分ではないことがわかる。
実施例2 ジアルキル(又はアルケニル)ジメチルアンモニウム
メチルサルフェート(R4、R5) 25重量% アルキル(又はアルケニル)トリメチルアンモニウム
メチルサルフェート(R6) 5重量% 成分(B) 60重量% やし脂肪酸ジエタノールアミド 10重量% からなる組成物(成分(B)の2者は配合比は1/1)を
吸収性材料に含浸させて性能を評価した結果を表−2に
示す。
表−2より本発明品の化合物としては第1化合物式
(I)のものは炭素数12〜24のアルキル基又はアルケニ
ル基を持ち、望ましくは炭素数14〜18の直鎖アルキル基
を持つものであり、式(II)のものは炭素数8〜20のア
ルキル基又はアルケニル基、望ましくは炭素数12〜18の
直鎖アルキル基を有するものであることがわかる。ま
た、第2化合物としては炭素数12〜24のソルビタン脂肪
酸エステルと炭素数12〜24の脂肪酸の組合せ、(望まし
くはソルビタンモノステアレート)が良好なことがわか
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(I)および(II): (式中R1,R2,R3はそれぞれ低級アルキル基、R4,R5はそ
    れぞれ炭素数12〜24のアルキル基又はアルケニル基であ
    り、R6は炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を
    示し、そしてXは陰イオンである。)で表わされるカチ
    オン性繊維柔軟化剤を式(I)の柔軟化剤/式(II)の
    柔軟化剤(重量比)が95/5〜50/50で10〜60重量%含有
    し、かつ (B)ソルビタン脂肪酸エステル/脂肪酸(いずれの脂
    肪酸も炭素数12〜24)の重量比が10/90〜90/10で40〜90
    重量%含有するが柔軟剤組成物中、ソルビタン脂肪酸エ
    ステルの含有量が50重量%を越えない柔軟剤組成物を基
    体に担持させたことを特徴とする洗濯の乾燥工程で使用
    される繊維製品処理用物品。
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