JPS6225248Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、田植作業と同時に除草剤を散布した
り、耕耘作業と同時に肥料の散布を行つたりする
ように、移動農機に装着して用いる薬剤散布装置
に関するものであつて、機体に対して左又は右に
薬剤散布方向を任意に切換えられるようにしたも
のの改良に関する。

左右に散布方向を切換える手段としては、例え
ば第５図に示すようにブロワ８を内装したケーシ
ング１０から吐出ダクト２４を延出し、その先端
側のみを左右に向き変更することが考えられる
が、この場合はダクト２４が大きく屈曲されるた
めに相当強力な飛散力を与えないと充分広く拡散
できないものであり、大型で強力なブロワ８が必
要となるものであつた。これに対して例えば第６
図に示すようにブロワ回転方向に対して接線方向
に吐出口９を形成したケーシング１０を左右に向
き変更することによつて大きい屈曲通路を通すこ
となく飛散させることも考えられるのであるが、
この場合、薬剤の流入口１５がブロワ８の回転中
心にあるために、流入口１５から吐出口９までの
距離が短いためにブロワ８による遠心旋回作用が
供給された薬剤に充分作用しにくい問題があつ
た。

この考案は、特に後者の構造における問題点を
解消して、充分な拡散散布作用を左右散布の夫々
において均等に発揮させて圃場全体に均一な薬剤
散布を行えるようにしたものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は歩行型田植機の全体側面を示すもので
あつて、左右推進車輪１，１を昇降固定自在に装
備した機体の前部中央下部に１つの前フロート２
が取付けられるとともに、機体後部に左右一対の
後フロート３，３が配備され、この後フロート
３，３の上方に後傾斜姿勢の苗のせ台４及び２条
の苗植付機構５が配備され、且つ苗のせ台４の下
部に沿つて操縦ハンドル６が後向きに延出されて
いる。

左右車輪１，１の中間に相当する機体中央部に
は顆料状の除草剤を左方又は右方に散布する薬剤
散布装置７が装備されている。これは、内装した
遠心ブロワ８で除草剤を撹拌旋回させて機体横方
向に向けた吐出口９から外方に飛散散布するケー
シング１０と、このケーシング１０内に除草剤を
定量づつ供給する薬剤タンク１１とからなり、前
記苗植付機構５の、植付アーム駆動用クランク軸
１２からチエーン１３にて取出した動力で前記ブ
ロワ８が縦軸心Ｐ周りで一定方向に駆動回転され
ている。又、前記タンク１１はケーシング１０の
上面に固着され、このタンク１１の下端から繰出
し装置１４にて繰出された薬剤をケーシング１０
内に供給する薬剤流入口１５が、ブロワ回転軸心
Ｐに対して偏心した位置で、且つ、前記回転軸心
Ｐを通り吐出口９に略平行に沿つた仮想線を境に
して前記吐出口９とは反対側位置に設けられてい
る。言い換えるならば、前記薬剤流入口１５は、
ブロワ回転軸心Ｐに対して偏心した位置で、且
つ、前記吐出口９に対してブロワ反回転方向に充
分大きい回転位相をもつた位置に設けられてい
る。

そして薬剤散布装置７全体は中間ベベル伝動機
構１６の縦軸心Ｘを中心に揺動して位置変更可能
であるとともに、ケーシング１０自体がブロワ回
転軸心Ｐを中心に約180゜旋回調節可能に構成さ
れ、もつて吐出口９の方向を左右に切換えできる
ようになつている。

上記構成によると、一行程の植付走行時に前行
程の植付範囲に除草剤を散布することになり、一
行程終了ごとに薬剤散布装置７のケーシング１０
を姿勢変更し、吐出口９の向きを左右に切換えて
既植苗側に向けるのである。この場合、吐出口９
の向きが変更されても吐出口９と流入口１５との
関係は変わることがなく、流入口１５から吐出口
９への回転方向位相角が充分大きく、流入された
薬剤はブロワ８による遠心旋回作用を充分受けて
吐出口９より飛散吐出される。尚、実施例ではタ
ンク１１を移動するケーシング１０に固着した場
合を例示したが、機体側に固定のタンクから可撓
ホースでケーシング１０上面の流入口１５に薬剤
を供給するよう構成することも可能である。

又、この田植機には除草剤を散布する前記薬剤
散布装置７の他に、施肥装置が装備されており、
次にその構造について説明する。機体の前後中間
には顆粒体の肥料を収めた左右一対のタンク１
７，１７が設置されるとともに、タンク１７の下
部には回転式の繰出し機構１８が装備され、前記
散布装置７の伝動途中からチエーン１９で取出し
た動力で駆動されている。そして、各繰出し機構
１８からはホース２０が延出され、車輪１の機体
内側箇所に固設したノズル２１に接続されてい
る。又、このノズル２１の下側には泥面に適当深
さの施肥用溝を形成する作溝器２２が設けられる
とともに、この作溝器２２の後部には施肥された
溝を埋めるための埋戻し板２３が設置されてい
る。

以上実施例で説明したように本考案は、縦軸心
周りに一定方向に回転駆動される遠心ブロワを、
ブロワ回転方向に対して接線方向に吐出口を有
し、且つ、その吐出口を機体横方向に向けたケー
シングに内装し、前記ケーシングの上面に、タン
クから定量づつ供給される粒状又は粉末状の薬剤
をケーシングに流入する薬剤流入口を、ブロワ回
転軸心に対して偏心した位置で、且つ、前記回転
軸心を通り吐出口に略平行に沿つた仮想線を境に
して前記吐出口とは反対側位置に設け、さらに、
前記ケーシングと薬剤流入口とを一体的に左右
180゜回動切換え可能に構成してあることを特徴
とするものであるから、ブロワ８を内装したケー
シング１０を左右180゜向き変更するに拘わら
ず、吐出口９に対する薬剤流入口１５のブロワ回
転方向に対する相対位置が変化せず、しかもブロ
ワ８による充分な遠心旋回作用を薬剤に与えて左
右同一の特性で確実強力な飛散散布を行えるよう
になつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機の薬剤散布装置の
実施例を示し、第１図は薬剤散布装置付き田植機
の側面図、第２図は薬剤散布装置の平面図、第３
図は薬剤散布装置の後面図、第４図は薬剤散布装
置の要部側面図、第５図及び第６図は夫々比較構
造例の平面図である。 ８……遠心ブロワ、９……吐出口、１０……ケ
ーシング、１１……タンク、１５……薬剤流入
口、Ｐ……ブロワ回転軸心。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 縦軸心周りに一定方向に回転駆動される遠心
   ブロワ８を、ブロワ回転方向に対して接線方向
   に吐出口９を有し、且つ、その吐出口９を機体
   横方向に向けたケーシング１０に内装し、前記
   ケーシング１０の上面に、タンク１１から定量
   づつ供給される粒状又は粉末状の薬剤をケーシ
   ング１０に流入する薬剤流入口１５を、ブロワ
   回転軸心Ｐに対して偏心した位置で、且つ、前
   記回転軸心Ｐを通り吐出口９に略平行に沿つた
   仮想線を境にして前記吐出口９とは反対側位置
   に設け、さらに、前記ケーシング１０と薬剤流
   入口１５とを一体的に左右180゜回動切換え可
   能に構成してある移動農機の薬剤散布装置。 前記タンク１１がケーシング１０に一体連結
   されている実用新案登録請求の範囲第項に記
   載の移動農機の薬剤散布装置。