JPS6224287B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、駆動手段を介して乗物の車輪あるい
は他の走行用要素を駆動する電気モータ用の電気
動力を提供するために配置されたバツテリー・パ
ツクを具備する乗物用電気駆動装置に関する。

この発明の目的は通常の乗物、特に内燃機関駆
動装置を電気駆動装置に変更するのに便利な電気
駆動車輌のための電気駆動装置を提供することに
ある。

一般に、内燃機関車輌を電気駆動車輌に変更す
る場合には、車輌の走行距離を最大限に伸ばすた
め、可能な限りの数量のバツテリー・パツクを搭
載する必要がある。このため、駆動装置を小型化
し、その占有面積あるいは体積を十分に小さくす
ることが必要となる。

従来、上記したように、通常の内燃機関によつ
て駆動される乗物を電気駆動用の乗物に変更する
場合、バツテリーを車輌の下部に設けるので、こ
の下部の大部分を占有することとなるため、車輌
の前方に配置される電気モータよりの駆動力をト
ランスミツシヨンシヤフトを介して後輪に伝達す
ることは、車輌ボデイの形状等を変更なくして
は、不可能である。

したがつて、該電気モータは車輌の後方、即ち
後輪の附近に設置され、伝動機構が車輌のサスペ
ンシヨン運動と連動できるように該伝動機構には
ユニバーサル・ジヨイントを使用することとな
る。

しかし、このように単にこれらを近接して設け
た場合、ユニバーサル・ジヨイントは、かなりの
角度の偏向状態で作動する場合が生じ、したがつ
て有効に作動し得ない問題を生ずる。

本発明はこのような問題点に鑑みて成されたも
のであり、電気モータ及び被駆動輪が互いに十分
近い間隔で配置されるにもかかわらず、安定した
動力伝達の動作を行なうことができる駆動手段を
提供することを目的とし、更にそこに配置される
電気モータと被駆動輪との間に連結される新たな
デイフアレンシヤル機構を提供するものである。

この目的を達成するため、本発明は、車体と、
該車体の両側に設けられた被駆動車輪と、該車輪
を車体に接続するスプリング機構を有し、内燃機
関車輌を電気駆動車輌に変更するための電気駆動
装置であつて、前記車体に対して着脱可能に取付
けられたバツテリ・パツクと、駆動軸を有するモ
ータと、軸長が互いに異なる２つの出力軸を有し
各々の出力軸の終端部に前記車輪を接続すること
により動力を該車輪に伝達するデイフアレンシヤ
ル機構と、該モータとデイフアレンシヤル機構を
連結する伝動機構とを有する駆動手段を備え、上
記伝動機構は、一方の端部が一方の車輪にできる
だけ近い位置に於いて、ユニバーサル・ジヨイン
トと出力軸ならびに伝達装置を順次介して前記モ
ータの駆動軸に接続され、他方の端部が他方の車
輪側に位置する前記デイフアレンシヤル機構に他
のユニバーサル・ジヨイントを介して接続される
中間軸を有し、該モータの駆動軸と該中間軸と前
記出力軸が相互にほぼ平行に設けられ、該モータ
は前記車体に支持されていることを特徴とする。

以下、本発明の一実施例を添附図面を参照しつ
つ説明する。

図は、ボデー（車体）１０を有するライトバン
を示し、その前方部分が運転室１１となつてい
る。ボデー１０の後部には荷積用ドア１２が取付
けられている。ボデーは２個の平行あるいはほぼ
平行な縦部材１３を含むシヤーシ上に取付けられ
ており、更に前記シヤーシ上には乗物の荷物運搬
部分となる床が設けられている。

車輌の前方には通常の内燃機関により駆動され
る車輌におけるギヤボツクス・プロペラシヤフト
およびデイフアレンシヤル・トランスミツシヨ
ン・システムを介して車輌の後輪１４を駆動する
内燃機関によつて占められる場所があり、機関装
備位置に隣接して車輌の前輪１５が配置される。

ただし、本発明に関わる電気車輌の場合には、
上記内燃機関及びこれに附随する内燃機関用のト
ランスミツシヨン等は取り除かれ、代りに、後述
する電気モータ、伝動機構及びデイフアレンシヤ
ル等によつて車輌は電気駆動用に変更される。

このような電気駆動装置に動力を提供するため
にシヤーシの下方で車輌の中央部にフレームに収
められたバツテリー・パツク１６が取付けられて
おり、このパツクは複数の個々の電池、本例では
６個宛６列の電池が配列担持されている。

シヤーシ下方にバツテリー・パツクを１つのユ
ニツトとして取付けるためにそれぞれ１７，１８
および１９で示される３個所の固定点がある。固
定点１７はバツテリー・パツクの前方に、固定点
１８および１９はバツテリー・パツクの後部近く
の両側に設けられている。このような固定点はそ
れぞれバツテリー・パツクおよびシヤーシそれぞ
れに設けられたブレード・ソケツト等の固定部材
を有している。なおブレードおよびソケツトそれ
ぞれに設けられた孔には貫通する固定ピンあるい
はその他の締具が配置されており、これらの孔は
電池がその正しい搭載位置にあるときのみ整合さ
れる。

３ケ所の固定点を設けることによつて、シヤー
シに或る限度の融通性を付与するがこの融通性は
バツテリー・パツク、フレームには与えられてい
ない。それでも、フレームは車輌のボデーの下側
でボデーの強度を提供している。

このバツテリー・パツクは電気モータ２０を運
転するための動力を提供するもので車輌後部のシ
ヤーシの下に配置される。モータの電気的制御は
運転席制御装置によつて実施され、この装置は図
では示されていないが全般に２１で示す電気制御
ユニツトによつてモータに伝達されなおこの装置
は車輌の前方において内燃機関が占めていた場所
に設けられる。

電気モータはモータ２０とユニツトとして形成
された伝動系統を経て車輌の後輪１４を駆動する
ように配置されている。

伝達装置２２の１端にモータの駆動軸が配設さ
れこの伝達装置内には減速システムが内蔵されて
いる。このシステムはベルト、チエンあるいは歯
車連動機構などが用いられている。

伝達装置の他端から出力軸２３が延び既知の弾
性円板形をしたユニバーサル・ジヨイント２５を
介して中間軸２４に結合される。

中間軸２４の他端はフツク形ユニバーサル・ジ
ヨイント２６を用いてデイフアレンシヤル２８に
入力軸２７を介して結合されている。

このデイフアレンシヤル２８は車輪のハブ受け
への固定チユーブ内に収容されたそれぞれの出力
軸２９，３０によつて後輪１４に結合される。こ
れらのチユーブに、一般には楕円板スプリングあ
るいはコイルスプリングを用いる普通形スプリン
グ機構（図示せず）によつて車輌ボデー部材１３
が結合されている。つまり、出力軸２９，３０を
含めてデイフアレンシヤル２８はユニバーサルと
してスプリング機構上で運動するように固定され
ている。

モータ２０、中間軸２４、およびデイフアレン
シヤル２８から延びる出力軸２９，３０はほぼ平
行に保たれた軸線上に支持され、これらの軸線は
さらに第１図に示すようにほぼ１つの水平面内に
配置されている。

モータ２０及び伝達装置２２は車輌ボデー部材
１３に固定されており、デイフアレンシヤル２８
及びその出力軸２９，３０そしてそれに接続して
いる後車輪１４は前述のようにスプリング機構上
で運動するように固定されている。従つて、前者
即ちモータ２０と伝達装置２０と後者即ちデイフ
アレンシヤル２８等はスプリング機構を介して異
なる運動をするが、それらの間で駆動力を伝達す
る役目を果たすのが中間軸２４及びユニバーサ
ル・ジヨイント２５，２６を含む伝動機構であ
る。

中間軸２４をできる限り長くとるという目的の
ために、デイフアレンシヤル２８からの２つの出
力軸２９，３０のそれぞれの長さは等しくされて
いない、すなわち図ではデイフアレンシヤル２８
は後車輪１４の一方の側に近く配置されている。
そして伝達装置２２はデイフアレンシヤル２８か
ら遠い側の後車輪１４の近くに配置されている。

このように、出力軸２９，３０の長さを不等に
して、デイフアレンシヤル２８の位置を一方の被
駆動車輪側に偏移させ、一方、モータ２０の駆動
軸を他方の被駆動車輪側に配置することにより、
中間軸２４を長くすることができる。これによ
り、ユニバーサル・ジヨイントに負担をかけるこ
となく作動させることができる。更に、構造が簡
素であるので、故障等の異常発生が少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明により構成された電気駆動車
輌の側面図、第２図はその平面図である。 〔図中符号〕、１０……ボデー（車体）、１１…
…運転席、１２……荷物ドア、１３……車輌ボデ
ー部材、１４……後車輪、１５……前車輪、１６
……バツテリー・パツク、１７，１８，１９……
固定点、２０……電気モータ、２１……電気制御
装置、２２……伝達装置、２３……出力軸、２４
……中間軸、２５，２６……ユニバーサル・ジヨ
イント、２７……入力軸、２８……デイフアレン
シヤル２９，３０……出力軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体１０と、該車体の両側に設けられた被駆
   動車輪１４と、該車輪を車体に接続するスプリン
   グ機構を有し、内燃機関車輌を電気駆動車輌に変
   更するための電気駆動装置であつて、 前記車体１０に対して着脱可能に取付けられた
   バツテリ・パツク１６と、駆動軸を有するモータ
   ２０と、軸長が互いに異なる２つの出力軸２９，
   ３０を有し各々の出力軸の終端部に前記車輪を接
   続することにより動力を該車輪に伝達するデイフ
   アレンシヤル機構２８と、該モータとデイフアレ
   ンシヤル機構を連結する伝動機構とを有する駆動
   手段を備え、 上記伝動機構は、一方の端部が一方の車輪にで
   きるだけ近い位置に於いて、ユニバーサル・ジヨ
   イント２５と出力軸２３ならびに伝達装置２２を
   順次介して前記モータの駆動軸に接続され、他方
   の端部が他方の車輪側に位置する前記デイフアレ
   ンシヤル機構２８に他のユニバーサル・ジヨイン
   ト２６を介して接続される中間軸２４を有し、該
   モータの駆動軸と該中間軸と前記出力軸２９，３
   ０が相互にほぼ平行に設けられ、該モータは前記
   車体に支持されていることを特徴とする乗物用電
   気駆動装置。