JPS6223434Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転式電気かみそりに係り、その駆動
源となる電動機の固定部の構造に関するものであ
る。

従来の回転式電気かみそりの本体ケースは一般
に円筒形状のケースであり、この円筒形状のケー
スは縦割り二分割ケースの接合体より成る。前記
ケースの上部に円形の開口が形成されており該開
口を介して本体ケース内に固定台に装着された電
動機が挿入取付けされ、該固定台によつて前記開
口が施蓋されている。前記固定台の外周部にはネ
ツト状外刃を装着した外刃枠が取付けられ、該外
刃及び外刃枠と前記固定台とによつて切削室が形
成される。ところで前記固定台の本体ケースへの
取付けは該固定台の前記電動機の取付面側に弾性
を有する係止爪を立設し、一方の前記本体ケース
の内面には前記開口の近くに係止壁を設けて、両
係止爪と係止壁との係合によつて行うものとなつ
ているが、弧状の本体ケース内壁に平板状の係止
壁を形成することは容易ではなかつた。また電動
機の側面は一般に弧状面と平面との組合わせで構
成されているため上記の如き円形の開口では電動
機の組立時の回転を阻止できず、別個回り止めを
施さないと自動組立を行なうことができず量産向
きの構成ではなかつた。

本考案は上述の問題点に鑑みて成されてもので
あり、電動機の固定台と本体ケースの開口部とに
改良を加え、電動機とその固定台の本体ケースに
対する固定が容易で且作業性に秀でた固定構造を
提供するとともに該固定構造部の成形時の容易性
を追求したものである。

この目的を達成するための本考案の構成は回転
式電気かみそりの本体を前ケースと後ケースの二
つ割ケースの接合により形成し、該両ケースの何
れか一方の上部に電動機の輪郭形状に沿つた略六
角形状の開口を穿設し、該開口の両側に平板状の
係止壁を立設し、一方前記電動機の固定台の裏面
に前記係止壁に対応した係止爪を設け、該係止爪
と前記係止壁とで電動機とその固定台とを本体に
確実に固定するものとしている。

従つて固定台の回り止めは多角形状の開口と、
該開口の周縁形状に略合致する外周形状を有する
電動機との嵌合によつて施されるので別個の回り
止めを形成する必要がなくなると共に、開口の外
周は直線で形成され、平板状の係止壁が形成し易
く、固定台の係止爪を該係止壁との係合が確実と
なり、電動機とその固定台とが本体ケースにしつ
かりと保持されるようになる。また円形の固定板
が六角形状の開口を覆つているので該固定板と開
口との接合線が外部からは目立たなくなり意匠的
に効果大なるものとなる。

以下本考案を充電式の回転式電気かみそりに適
用した一実施例に則り図面に即して詳細に説明す
る。

第２図及び第５図において１は本体ケースであ
り、前ケース２と後ケース３との二分割接合体よ
り成る。前記前ケース２には、電動機４の挿通用
の六角孔（開口）５と、プラグ６の操作摘み７を
案内するスリツト孔８とを前面に穿設し、且側面
に始動スイツチ摘み９を案内する矩形孔１０を形
成している。

第１図及び第５図において前記六角孔５の両側
に係止壁１１，１１を立設し、前記電動機４の固
定台１２に係止爪１３，１３を設け、前記前ケー
ス２の外方より挿入される前記電動機４を前記係
止壁１１，１１に前記係止爪１３，１３を引つ掛
けて前記前ケース２に固定する。

前記プラグ６は側部に家庭用コンセント等の外
部端子との接触面１４を有した一対の栓刃１５，
１５を合成樹脂製のプラグ刃台１６にインサート
成形したものである。そして前記プラグ６の案内
用のプラグ受板１７に形成したレール１８，１８
と、前記プラグ刃台１６に設けた溝１９，１９と
によつて前記プラグ６の摺動方向を規制し、出入
操作を円滑になさしめている。

第４図及び第５図において前記プラグ刃台１６
の裏面には略矢形状の凹部２０が削設されてお
り、該凹部２０には断面略Ｌ字状のロツク部材２
１の下端に形成された二股状脚部２２が収納され
る。また前記ロツク部材２１の上辺には中央に操
作頭部２３と両端に係合突起２４，２４を設け、
一方前記スリツト孔８の側縁に係合受部２５，２
５を設け、該係合受部２５，２５と前記係合突起
２４，２４とで前記プラグ６のロツク機構を構成
している。また前記スリツト孔８には前記プラグ
６の出入操作用補助摘み２６が該スリツト孔８に
沿つて摺動自在に係止され、該補助摘み２６の中
央穴２７より前記ロツク部材２１の操作頭部２３
が突き出ている。尚前記プラグ６を直接出入操作
するのは前記ロツク部材２１であり、前記補助摘
み２６はその操作性を向上するための一手段であ
る。

前記プラグ受板１７の一端には〓状の取付部２
８を設けてあり、その上面に溶着用のダボ２９，
２９を配設する一方合成樹脂製プラグカバー３０
はその丸穴３１，３１を前記ダボ２９，２９に嵌
め込んで溶着固定している。そして前記ロツク部
材２１の上辺はそのプラグカバー３０と前記スリ
ツト孔８の間を移動する。尚前記プラグ受板１７
を前記前ケース２に配置すると、前記スリツト孔
８は前記プラグカバー３０にてその内側を遮蔽さ
れる。

第３図及び第５図において前記始動スイツチ摘
み９は前記プラグの操作摘み９と略同構造であ
り、ロツク板３２の中央部を切り欠いて形成され
たロツク釦３３の肩に係止突部３４を形成し、一
方前記前ケース２の一側に設けられた矩形孔１０
の近傍にその受部３５を設けてロツク機構を構成
して成る。前記矩形孔１０には外方より操作補助
部材３６が挿入係止されて該矩形孔１０に沿つて
摺動自在とされ、且その中央口３７より前記ロツ
ク釦３３の突出部３８を突出せしめて前記部材３
６とロツク板３２とを連動可能成らしめている。

前記ロツク板３２の下端には、スライド板３９
が一体形成されており、該スライド板３９に取着
される可動接片４０はプリント基板４１前面の固
定接片（図示せず）上を摺動する。そして該スラ
イド板３９は前記前ケース２の内面と前記プリン
ト基板４１の前面とで形成される空間を前記ロツ
ク板３２或いは補助部材３６の動きに応じて移動
し、且その脚部４２と前記前ケース２内面のボス
４３とで節動機構をなしている。

尚前記前ケース２の他側に設けられた小孔４４
は、充電中点灯する発光ダイオード（図示せず）
の表示窓（図示せず）を取り着けるためのもので
ある。そして前記本体ケース１内部には上記部材
の他に前記電動機４の電源となる充電電池４５と
該電池４５へ充電するための電圧降下用トランス
４６とを配置せしめてなる。また前記固定台１２
の前記本体ケース１より前方へ突出た部分には螺
子溝４７が切られ、この螺子溝４７を介して、ド
ーム状外刃（図示せず）を装着してなる軽金属製
外刃枠（図示せず）を前記前ケース２の前面に突
出配置せしめるものである。

次に本考案の作用について説明する。

本体の組立は後述の如くに非常に簡単なもので
ある。即ち電動機４を前ケース２の前面より六角
孔５に挿入し、係止爪１３，１３を係止壁１１，
１１に引掛けて固定する。そしてプラグ刃台１６
にロツク部材２１を矢形状凹部２０にその脚部２
２を嵌め込んで仮止めした後、プラグ受板１７の
レール１８，１８と前記プラグ刃台１６の溝１
９，１９とを合致させてその重合状態のまま前記
前ケース２に配置する。このとき前記ロツク部材
２１の操作頭部２３が前記後ケース３のスリツト
孔８より突出し、該操作頭部２３が中央穴２７に
一致する様に補助摘み２６を前記スリツト孔８の
側縁に係止する。尚プラグカバー３０は前工程で
前記プラグ受板１７に装着済である。始動スイツ
チ摘み９も上述のプラグと略同様に組立てる。即
ちスライド板３９に可動接片４０を溶着した後、
ロツク板３２と共に前記前ケース２の矩形孔１０
より突出部３８を突出する様に該前ケース２に配
設し、さらに補助部材３６を、その中央口３７よ
り前記突出部３８が突出る様に前記矩形孔１０に
係止する。後は残りのプリント基板４１、トラン
ス４６、電池４５を夫々適当に配置し、後ケース
３を前記前ケース２に接合すれば組立が完了す
る。この状態で前記プラグカバー３０は前記スリ
ツト孔８内面を確実に遮蔽しており、該スリツト
孔８からは前記プラグ６の接触面１４は見えな
い。

以上の如く本考案は前、後二つ割ケースを接合
してなる本体ケースと、該本体ケースの前面に突
出して設けられドーム状外刃を装着可能とした固
定台と、前記本体ケースの前面に形成された多角
形状の開口を介して前記固定台に取付けられる電
動機と、前記開口の両側に立設された係止壁と、
前記固定台の本体ケースへの取付時に前記係止壁
に係止されるべく該固定台の外周部に設けられた
係止爪とを具備したものであるから多角形状開口
の角部と電動機の角部との相互作用によつて自動
組立時であつて電動機の本体ケースに対する位置
ずれが阻止され、次の組立工程へ円滑に進めるこ
とができて作業効率が増す。また開口両側の係止
壁は平坦な本体ケース内面から垂直に立設される
ことになつて該係止壁の形成も従来例に比べて容
易となる効果が生まれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の回転式電気かみそ
りの縦断面図、第２図は第１図の−断面図、
第３図は第１図の−断面図、第４図は第１図
の−断面図、第５図は要部分解斜視図であ
る。 ２……前ケース、４……電動機、５……六角孔
（開口）、１１，１１……係止壁、１２……固定
台、１３，１３……係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前、後二つ割ケースを接合してなる本体ケース
   と、該本体ケースの前面に突出して設けられドー
   ム状外刃を装着可能とした固定台と、前記本体ケ
   ースの前面に形成された多角形状の開口と、該開
   口の周縁形状に略合致する外周形状を有するとと
   もにこの開口を介して前記固定台に取付けられる
   電動機と、前記開口の両側に立設された係止壁
   と、前記固定台の本体ケースへの取付時に前記係
   止壁に係止されるべく該固定台の外周部に設けら
   れた係止爪とを具備することを特徴とする回転式
   電気かみそり。