JPS6223236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は固定子鉄心部の取付を改良した立形水
中回転電機に関する。

従来の立形水中回転電機の一例を示せば第１図
の縦断正面図で示す如く、上部軸受ハウジング１
及び上部ブラケツト部２、固定子枠と一体構造の
固定子枠３の内径に、積層した固定子鉄心４を圧
入し、固定子枠３奥の上部軸受ハウジング１の内
側端部に接地端子５を固定し接地引出し線６及び
口出線６Ｅを口出孔から引出して設ける。他に回
転子鉄心７を回転軸８に焼嵌めし其の両端に軸受
９及び１０を嵌着した回転子部を設け、且つ円筒
１２を前記固定子鉄心４の周縁下部に当接して設
け、更に前記した回転子鉄心７を固定子鉄心４の
内径に隙間を介して挿入し、該、回転子部を下側
軸受１０を介して軸受ハウジング１４部で支持
し、上部軸受ハウジング１部に上側軸受９部を嵌
め込み、且つ下部ブラケツト１３を前記した固定
子枠３の下側インロウ部に嵌め込み固定して設け
る。しかして前記した回転子鉄心７は固定子鉄心
４の内径と隙間を隔てて上、下軸受９及び１０を
介して上部ブラケツト部２、下部ブラケツト１３
に垂直状態の回転自在に支承して設ける。

前記した従来の立形水中回転電機の構造におけ
る、上部軸受ハウジング１及び上部ブラケツト部
２、固定子枠と一体構造の、前記した固定子枠３
内に圧入した固定子鉄心４は、回転子鉄心７の回
転時における反動方向に対する回転力と、衝撃負
荷時の回転軸８の下部方向への移動に対し固定す
る必要がある。

一般的に陸上用の回転電機の場合は図示しない
固定子枠の外部から固定子鉄心に孔を穿つて捻
子、又はピン等で固定して固定子枠と固定子鉄心
を剛体に形成するが、しかし水中回転電機では前
記した固定子枠３の外部から固定子鉄心４に孔を
穿つて固定した場合は、別途に機器内への浸水を
防止する対策を必要とする欠点がある。従来、前
記した機器の気密性を保ち、且つ固定子鉄心４を
強固に固定子枠３内で支持し固定子鉄心４の廻り
止めを行なう為に、例えば第１図、及び第２図に
第１図の−線に沿う矢視方向の欠載した要部
横断平面図で示す如く、固定子枠３奥部の内周に
突出した突部１５を設け、其の突部１５間に差し
込むピン１６を事前に固定子鉄心４の周縁に打込
んで固着して設け、該ピン１６を打込んだ固定子
鉄心４を固定子枠３内に圧入し、前記ピン１６を
前記した突部１５間に差し込み、前記固定子枠３
内に圧入した固定子鉄心４の回動を阻止してい
る。又、前記した立形水中回転電機の回転時にお
ける衝撃負荷時の固定子鉄心４が回転軸８の下部
方向への移動に対しては、前記した固定子鉄心４
の周縁下部に当接して設けた円筒１２を下部ブラ
ケツト１３間で挾着し、下部ブラケツト１３を固
定子枠３の端のインローに嵌め込み締着固定し固
定子鉄心４を前記した円筒１２で支持して設け、
前記した下部方向への固定子鉄心４の移動を防止
している。

前記した従来構造の立形水中電動機において
は、上部ブラケツト２部と固定子枠３が一体構造
の固定子枠３の奥部における上部軸受ハウジング
１の内側端部に、接地端子５を固定して接地引出
し線６を口出孔から引出して設けるのに手間を要
し、且つ、前記した固定子枠３内に圧入した固定
子鉄心４の廻り止めを行なうのに、固定子鉄心４
の周縁にピンを打込み、又、固定子鉄心４が下部
方向への移動に対しては、前記した固定子鉄心４
の周縁下部に円筒１２を当接して設け、其の円筒
１２を下部ブラケツト１３の受け座１３Ｄ間で挾
着固定する等の部品点数、及び工数が増す等の欠
点があつた。

本考案は前記した事情に鑑みて成されたもの
で、従来の欠点を改良した立形水中回転電機を提
供する事を目的とする。

本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
但し前記した第１図、第２図と同一箇所は同一符
号を用い詳細な説明は省略する。第３図は本考案
の一実施例を示す立形水中回転電機の縦断正面図
で、第４図は第３図の−線に沿う矢視方向の
拡大した横断平面図である。第３図及び第４図で
示す如く、固定子鉄心４の周縁に一箇所または複
数個の貫通孔１８を穿つて設け、其の貫通孔１８
にステイボルト１９を貫通して設け、其の一端に
捻子を設け且つ他端のステイ部２１で固定子鉄心
４を支杆し、捻子に六角ナツト２０を螺着し接地
端子５を固定子鉄心４に締着固定して設け、接地
引出し線６及び口出線６Ｅを口出孔から各々引出
し、前記接地端子５部及びステイボルト１９を一
体構造とした固定子鉄心４を形成する。其の固定
子鉄心４を固定子枠３の内径に圧入し、且つ接地
端子５を締着固定した六角ナツト２０を、前記し
た固定子枠３奥部の内周に突出した突部１５間に
嵌め込んで設け、尚、ステイボルト１９の他端部
は後述する下部ブラケツト１３の受け座１３Ｄま
で延長して設ける。しかして固定枠３の内径に圧
入した固定子鉄心４の内径に隙間を介して回転子
鉄心７を装着し、下部ブラケツト１３を前記した
固定子枠３の下側インロウに嵌め込み締着して設
ける。

前記した本考案の一実施例による立形水中回転
電機の構造において、次に作用効果について説明
する。本考案によれば固定子鉄心４の周縁に一個
所又は複数箇所の孔を穿ちステイボルト１９を貫
通して設け、該ステイボルト１９のステイ部２１
と六角ナツトの螺着で固定子鉄心４を挾着固定し
ステイ部２１で固定子鉄心４を支杆したので、回
転子鉄心７の回転に衝撃負荷時における下部方向
への固定子鉄心４の移動を阻止する。又、ステイ
ボルト１９の先端捻子部に接地端子５を六角ナツ
ト２０で螺着し固定子鉄心４に締着して、接地引
出し線６及び口出し線６Ｅを口出し孔から引出し
て設け、一体構造の前記固定子鉄心４を固定子枠
３内に圧入し、前記締着した六角ナツト２０を前
記した固定子枠奥部の内周に突出した突部１５間
に嵌め込んで設けたので、回転子鉄心７の回転時
における反動方向に対する回転力による固定子鉄
心４の回動を防止する。前記した構造により従来
の固定子枠奥部の上部軸受ハウジング１の内側端
部に接地端子５を固定する等の手間が省け、作業
性が向上し工数を削減し、且つ軽量化に寄与する
等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一例を示す立形水中電動機の縦
断正面図、第２図は第１図の−線に沿う矢視
方向の要部横断平面図、第３図は本考案の一実施
例を示す立形水中電動機の縦断正面図、第４図は
第３図の−線に沿う矢視方向の要部横断平面
図である。 ２……上部ブラケツト、３……固定子枠、４…
…固定子鉄心、５……接地端子、６……接地引出
し線、６Ｅ……口出線、１３……下部ブラケツ
ト、１３Ｄ……受け座、１５……突部、１８……
貫通孔、１９……ステイボルト、２０……六角ナ
ツト、２１……ステイ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水中にて運転を行なう水中回転電機で固定子鉄
   心を固定子枠に圧入固定するものにおいて、固定
   子鉄心の外周縁に軸方向の貫通孔を１個以上設
   け、この貫通孔に一端に固定子鉄心を支杆するス
   テイ部を有し他端に接地端子を締着けるネジ部を
   有するステイボルトを貫通してステイ部とネジ部
   により固定子とステイボルトを一体に構成し、固
   定子枠の奥部内周に複数の突部を設け、固定子を
   固定子枠に圧入すると共に前記ステイボルトのネ
   ジ部を前記突部間に嵌め込んで係止し、下部ブラ
   ケツトには受け座を設け、前記ステイボルトのス
   テイ部下端部をこの受け座に当接して成ることを
   特徴とする立形水中回転電機。