JPS6223205B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガス体の逆流、逆火遮断装置、即ち
単なる生ガスの逆流を防止するとともに逆火発生
時の逆火炎がガスボンベまで伝播して爆発等の災
害をひきおこしたりすることを確実に防止をする
装置に関し、その特徴とするところは入口側ケー
スと出口側ケースの組合せからなる装置本体を流
入口及び流出口以外には何等開口を設けず密閉型
となし逆流及び逆火時の閉鎖を確実になすことは
無論のこと、逆流生ガス及び逆火火災を装置外へ
排出させて二次災害を招来するという危険を防止
しようというものである。

従来のこの種逆流、逆火遮断装置においては、
特に遮断弁の動作させるに際し衝撃圧を装置外へ
逃がすと同時に該遮断弁を動作させる部分を作動
させ、もつて遮断弁にて流出口を閉止するととも
に衝撃圧及び逆火炎を装置外へ排出させるように
なしたものがあるが、これらは上述したような二
次災害の恐れがあり好ましいものではなかつた。

本発明は、これらの問題に鑑みて開発されたも
ので以下添付図面の実施例に基づいて説明すれ
ば、本案装置Ａは入口側ケース１と出口側ケース
２を螺合連結して構成され、その中空内部には焼
結金属等の素材からなる消炎フイルター７と凹部
４，５及びフランジ６を有するフイルターケース
３を設け且つ本体内流入口部には筒体内に通孔
８′を設けるともに、Ｏリング１０を装着した逆
止弁８を摺動可能に嵌合し、該逆止弁８の鍔部と
フイルターケース３の凹部４間に設けたバネ１４
にて弾圧保持している。一方本体内流出口部には
流出口を遮閉する遮断弁９及び該遮断弁９を摺動
自在に嵌合保持するガイド本体１１、該ガイド本
体１１に摺動自在に外嵌され逆火発生時の衝撃圧
によつて作動して上記遮断弁９を流出口閉止方向
へ動作可能になす受圧リング１２を設けるものと
し、詳しくは周壁に複数の開孔１１′を設けた筒
状のガイド本体１１を前記フイルターケース３の
凹部５内に螺合固着し、この筒体内には鍔部
９′，９″間にＯリング１０を装着し、周面に環状
の凹溝９ａを形成した遮断弁９を摺動自在に嵌合
するとともにバネ１５にて常時流出口閉止方向へ
付勢させるものとする。

而して、ガイド本体１１の開孔１１′…内には
該開孔深さ寸法即ちガイド本体１１の周壁肉厚よ
り大径となしたボール１３を嵌合し、該ボールを
開孔１１′の内外に突出させることにより遮断弁
９の環状凹溝９ａと嵌合係止もしくは開放させう
るようになしており、このボールの動作規制は前
記した受圧リング１２の筒状部１２ａ内部に形成
したボール当接部によつて行うものとする。即ち
逆圧を受ける為にその動作方向に直角に立起突設
したフランジ部１２ｂと筒状部１２ａとからなる
受圧リング１２はガイド本体１１に筒状部１２ａ
を摺動自在に外嵌して設けられるともにフイルタ
ーケース３との間に介在させたバネ１６にて常時
流出口方向へ付勢されており、その筒状部１２ａ
内面に設けたボール当接部の小径部１２′が前記
した開孔１１′内の各ボール１３に接する場合
は、該ボールは開孔１１′から内側に突出され遮
断弁９の凹溝９ａと嵌合係止するものとし、又受
圧リング１２の摺動にてその小径部１２′内面に
よるボール１３…の圧接状態が解除されると各ボ
ール１３は開孔１１′の外側への移動突出が可能
となり、しかも遮断弁９がバネ１５にて弾圧され
ていることからこのバネ１５の弾力でもつて遮断
弁９が流出口閉止方向へ摺動するに伴つて各ボー
ル１３は環状凹溝９ａとの嵌合掛止から解放され
て遮断弁９の周面にて押圧され開孔１１′の外側
へ突出して受圧リング１２の大径部１２″内面に
当接してそれ以上の突出を阻止されているのであ
る。

即ち当該受圧リング１２は、ガス体の正常流通
時にはその筒状部１２ａの内面に形成したボール
当接部の小径部１２′が各ボール１３に接してボ
ールと遮断弁９を嵌合係止させ、もつてバネにて
流出口方向へ付勢された遮断弁９を流出口開放状
態で保持するものであり、又、非常時、逆火発生
時の衝撃波にて受圧リング１２がバネ１６に抗す
る方向へ摺動すれば小径部１２′にて押圧されて
いたボール１３は受圧リング１２の筒状部１２ａ
の大径部１２″に至ることになり、もつて各ボー
ル１３は開孔１１′の外側への移動が自由となる
のである。該各ボール１３が外側へ移動可能とな
れば遮断弁９は元来凹部５内のバネにて常時付勢
されていることによりボール１３を外側へ押し出
して該ボールと遮断弁９の凹溝９ａとの嵌合係止
は容易に解除され、該バネの弾力にて遮断弁９は
流出口を即座に閉止するのである。

従つて本発明においては受圧リング１２の筒状
部１２ａ内面に形成されるボール当接部の小径部
１２′、大径部１２″は第１図に示すように小径部
１２′をガイド本体１１の周面に密接する直線状
となしてこれを連続して先拡がり状の傾斜部とな
した大径部１２″を形成するか若しくは第３図に
示すように小径部１２′、大径部１２″の両方共に
直線部となし該小径部１２′と大径部１２″の間に
段部１２を設けて構成してもよいが、ボール１
３の転移動をスムーズに行わせる為には第１図に
示すように大径部１２″を傾斜状となす方が好ま
しく、又第３図のように段部１２を有する場合
には該段部と大径部１２″及び小径部１２′との連
続部を角丸になすものとする。

而して本発明の他の実施例としては上述のよう
に逆止弁８、遮断弁９を同一の本体Ａ内に設ける
ことなく、夫々別個に独立させて密閉型となした
本体Ａ内に設けたり、若しくは消炎フイルター７
も逆止弁８、遮断弁９と別個に取付けるようにな
すことも可能であり、一方遮断弁９の動作規制を
行う為のボール１３…を開孔１１′に嵌合装着す
るに際して該ボール１３…が開孔１１′を貫通し
てガイド本体１１内へ落下するとを防止する為に
各開孔１１′は第４図イ，ロに示すように内側部
に突縁１１″を残して形成するか又は外拡がり状
の開孔となすものとする。更に受圧リング１２の
フランジ部１２ｂは逆火時の衝撃圧その他の逆圧
を受けて受圧リング１２を動作させるものである
から当部フランジ１２ｂへ掛かる逆圧の程度を考
慮してフランジ部外径を大小調整し、若しくはフ
ランジ部適所に通孔を形成して逆圧の緩和を行う
ものとし、加えて前記したボール１３は通常は鋼
球を使用するものであるが、これを所定の温度で
溶融する熱可溶性の合成樹脂等にて形成すれば本
発明装置が何等かの原因にて一定温度以上加熱さ
れた場合にボール１３の溶融によつて遮断弁９が
バネ１５の弾力で流出口Ｑを閉止するので、逆
流、逆火遮断は無論のこと生ガスの供給を遮断し
て高温による爆発の危険を防止できるのである。

次いで本発明の動作を説明すればガス体の正常
流動状態下では流入口Ｐから流入したガスは逆止
弁８をバネ１４の弾力に抗して内部方向へ押圧
し、もつて逆止弁８の通孔８′から流入口部内へ
至り、フイルターケース３の通気口３′を通じ且
つ消炎フイルター７を通過して入口側ケース１及
び出口側ケース周壁近傍を通つて図中矢印のよう
にケース周壁と受圧リング１２のフランジ部１２
ｂ外縁との間隙を経て流出口Ｑから流出されるの
である。非常時、例えば逆流時には前述のガス流
通と全く逆の流れにより消炎フイルター７及びフ
イルターケース３の通気口３′を通つて凹部４内
へ至るのであるが、該凹部４内に設けたバネ１４
にて逆止弁８が閉止されるのでこの逆流は流入口
Ｐ方向へ更に逆流することを防止される。一方逆
火発生時には逆火炎に先行する衝撃波の装置本体
内への流入により先づ受圧リング１２のフランジ
部１２ｂに衝撃波が作用し、もつて受圧リング１
２はガイド本体１１に沿つて且つバネ１６に抗し
て摺動され該受圧リング１２の筒状部１２ａの小
径部１２′にて内部方向へ押圧されていた各ボー
ル１３をフリーとなし、もつて前述の如くバネに
て付勢された遮断弁９が各ボール１３を開孔１
１′の外側方向へ押し出しつつ遮断弁９自身は流
出口Ｑ方向へ押出され、これにより流出口の閉止
を行うものである。一方、逆火を遮断した後に装
置本体Ａを原状態に復元するには出口側ケース２
に連結した配管を外し流出口Ｑからロツド１８を
挿入して遮断弁９をバネ１５に抗して押圧すれ
ば、環状凹溝９ａと各ボール１３が再び嵌合し得
る位置に至り、この時受圧リング１２はバネ１６
の弾力にて原位置に復帰するので、その筒状部１
２ａの小径部１２′でボール１３…を内向きに押
圧して第１図に示すように再び遮断弁９を流出口
Ｑを開放した状態に保持するのである。尚図中１
７は入口側ケース１と出口側ケース２の連結部に
装着されるＯリングを示す。

以上のようになる本発明の逆流、逆火遮断装置
によれば逆流防止及び逆火遮断機構を、入口側ケ
ース１と出口側ケース２をガス流入口及びガス流
出口以外には開口、間隙を有しない密閉型に連結
した装置本体Ａ内に設けて、逆流、逆火の遮断を
本体Ａ内で行うともに逆流生ガス及び逆火時の衝
撃波、逆火炎を装置本体Ａ外へ排出しないように
なしたので、装置外へ排出した生ガス、逆火衝撃
波、火炎によつて作業環境を低下させたり爆発等
の二次炎害を招来するおそれが全くないうえに本
体Ａが密閉型であることによつて逆火発生時にお
いて遮断弁９が流出口Ｑを閉止するまでに本体内
に侵入した逆圧により該本体内は昇圧され、この
内部圧力によつて遮断弁９、逆止弁８を流出口及
び流入口に押圧してこれを閉止することになり、
バネ１４，１５の弾力と相まつて流出口、流入口
の閉止を確実にするのである。

加えてこの密閉型本体Ａ内に全部品を収容設置
することにより、従来のように本体外部に安全装
置等を付設する構成に比して組立作業、及びコス
ト上の利点があるばかりでなく装置全体の小型軽
量化が可能となる。

一方受圧リング１２はその動作方向に直交して
立起形成したフランジ部１２ｂの全面で逆圧を受
けるので応答即ち受圧による摺動が迅速であり、
もつて遮断弁９による流出口Ｑの閉止も即座に行
わせることができ、又ガイド本体１１はフイルタ
ーケース３に螺着固定するものであるからこの螺
合度（深さ）調整することによつて遮断弁９を流
出口閉止方向へ付勢するバネ１５の弾発力を調節
して、若しくはバネ１５自体の弾力を適宜選択し
て使用することによつて遮断弁９による流出口Ｑ
の閉止力を調整することも可能であり、又遮断弁
９は軸線方向へ突出して流出口Ｑを閉止するもの
であるから流出口の閉止部Q′の形成位置に長さ
方向の誤差があつてもこれを吸収して完全な閉止
状態を保持することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すガス体正常流動
時の縦断面図、第２図は逆火発生時の縦断面図、
第３図は受圧リング内面のボール当接部の他の例
を示す部分縦断面図、第４図イ，ロはガイド本体
の開孔を示す部分縦断面図である。 Ａ：装置本体、Ｐ：流入口、Ｑ：流出口。１：
入口側ケース、２：出口側ケース、３：フイルタ
ーケース、４，５：凹部、６：フランジ、７：消
炎フイルター、８：逆止弁、９：遮断弁、１０：
Ｏリング、１１：ガイド本体、１２：受圧リン
グ、１３：ボール、１４，１５，１６：バネ、１
７：Ｏリング、１８：ロツド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガス流入口及び流出口のみを開口した密閉型
   装置本体内に筒状部に複数の開孔１１′……を形
   成したガイド本体１１を流出口に臨ませて固着
   し、該ガイド本体１１の筒内部に、周面に環状の
   凹溝９ａを形成し一端部にＯリング１０を装着し
   た遮断弁９を摺動可能に嵌合するとともにバネに
   て流出口閉止方向へ常時付勢し、この遮断弁９を
   流出口開放状態に保持すべくガイド本体１１の各
   開孔１１′に開孔深さ寸法より大径となしたボー
   ル１３を嵌合して当該各ボール１３と遮断弁９の
   環状凹溝９ａを嵌合掛止可能となし、更にガイド
   本体１１の外周には逆火時の衝撃圧を受けるフラ
   ンジ部１２ｂと筒状部１２ａからなる受圧リング
   １２を摺動可能に外嵌するとともにバネにて流出
   口方向へ常時付勢し、かつ筒状部１２ａ内面には
   前記各ボール１３…を環状凹溝９ａとの嵌合掛止
   状態に押圧保持すべき小径部１２′と当該各ボー
   ル１３のガイド本体１１外への突出を可能にする
   大径部１２″を連結形成したボール当接部を形成
   してなることを特徴とするガス体の逆流、逆火遮
   断装置。 ２ ガス流入口を有する入口側ケース１と流出口
   を有する出口側ケース２を連結して密閉型の装置
   本体を構成し、この装置本体内に消炎フイルター
   及びフイルターケース３を固着し、入口側ケース
   の筒状流入口部に、通気孔８′を有しＯリング１
   ０を装着した逆止弁８を摺動自在に嵌着するとと
   もにフイルターケース３との間に設けたバネにて
   常時流入口閉止方向へ付勢させて設け、フイルタ
   ーケース３の流出口に臨む側には筒状部に複数の
   開孔１１′…を形成したガイド本体１１を固着
   し、該ガイド本体１１の筒内部に、周面に環状の
   凹溝９ａを形成し、一端部にＯリング１０を装着
   した遮断弁９を摺動可能に嵌合するとともにバネ
   にて流出口閉止方向へ常時付勢し、この遮断弁９
   を流出口開放状態に保持すべくガイド本体１１の
   各開孔１１′に開孔深さより大径となしたボール
   １３を嵌合して当該各ボール１３と遮断弁９の環
   状凹溝９ａを嵌合掛止可能となし、更にガイド本
   体１１の外周には逆火時の衝撃圧を受けるフラン
   ジ部１２ｂと筒状部１２ａからなる受圧リング１
   ２を摺動可能に外嵌するとともにバネにて流出口
   方向へ常時付勢し、かつ筒状部１２ａ内面には前
   記各ボール１３…を環状凹溝９ａとの嵌合掛止状
   態に押圧保持すべき小径部１２′と当該各ボール
   １３のガイド本体１１外への突出を可能にする大
   径部１２″を連結形成したボール当接部を形成し
   てなることを特徴とするガス体の逆流、逆火遮断
   装置。