JPS593645B2 - ガス体の逆流・逆火緊急自動停止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガス体の逆流・逆火緊急自動停止装置に関し、
更に詳しくは、ガス溶接・溶断等のガス設備において、
作業中しばしば発生し、大事故の誘因となるガス体の逆
流・逆火を自動的に遮断する停止装置に関する。

従来からガス溶接設備等において逆流・逆火を遮断する
ための機器・装置は多く存在するが、その殆んどは逆火
のみに機能するものであり、希に逆流・逆火両方に機能
するものであっても構造が複雑すぎ、実際上の取扱いに
不便をきたすことがあった。

本発明は逆火はもちろん、それと同等に重要視させねば
ならぬ逆流に対しても充分機能し、事故の発生を確実に
防止するとともに構造簡単にして取扱い容易な自動停止
装置を提供せんとするものである。

本発明の詳細を図面に記載した実施例に基づいて説明す
れば、第１図は本発明に係る停止装置を適用するガス設
備の一実施例であるガス溶接設備の全体説明図であり、
酸素ボンベ１に充填した酸素を圧力調整器２で減圧し、
これを導管３へ送出する一方、アセチレンボンベ４に充
填したアセチレンを圧力調整器５で減圧し、これを導管
６へ送出し、これらのガスを導管７で混合し、火口８よ
り噴出、燃焼せしめるものである。

このとき上記設備において、導管７や導管３，６が異物
等で閉塞したり、火口８が異常過熱状態となったり、あ
るいは酸素置方が過大すぎると、導管３，６内、とりわ
け低圧側であるアセチレンガス導管６内方向に逆流・逆
火が発生するのであるが、第１図に示した９はそれらを
導管３内において遮断するための本発明に係る緊急自動
停止装置であり、その詳細を第２図および第３図で説明
する。

本停止装置９は想像線で示しているようにナツト４７．
４７ａ締め等で導管６に取付は使用するもので、本体ケ
ース１０の筒状中空部１１内にスプリング等の弾発体２
０を介してその左右にわん型の入口弁２１と出口弁２１
ａとを位置せしめ、該弁２１．２１ａが本体ケース１０
のガス入口孔３６および出口孔３６ａを閉塞しうるよう
にしている。

図面で示した本体ケース１０の形状は、その一端に大口
弁２１と当接するテーパー状の内面形状を有し、外側に
導管６とのジヨイント用のねじを刻設した突出部１２を
形成し、他端にはねじ線用ナツト部１４とその両側にね
じ部１５，１５ａを刻設したアダプタ１３を螺着し、出
目弁２１ａが該アダプタ１３のテーパー状内面に当接す
るものを示した。

この場合本体ケース１０としてはアダプタ１３は必ずし
も必要でなく、該本体ケース１０と一体に前記突出部１
２をケース１０両端に形成したものであっても停止装置
としての機能を果しうるのであるが、実際上の装置取扱
いにおいて、ナツト４７ａをゆるめて導管６を一時的に
取はずす場合がよくあり、この作業を本体ケース１０部
で行なわずアダプタ１３のねじ部１５ａで行なうことに
より本体ケース１０に不当な力が加わるのを防止できる
ので、アダプタ１３を取付けたものである。

入口弁２１および出口弁２１ａには、それぞれ複数個の
ガス流入孔２４・・・および流出孔２４ａ・・・を穿設
するとともに弁体に密着させて、ゴム製Ｏリング等の閉
塞部材２３．２３ａを周設し、さらに出目弁２１ａの胴
部２２ａには後述のストッパーと嵌合するための凹部２
５を環状に刻設している。

また胴部２２．２２ａは適当な胴長さを有し、かつほぼ
中空部１１内いっばいに嵌り込んでいるので弁２１，２
１ａの中空部１１内における摺動を円滑にして安定なも
のにしている。

閉塞部材２３．２３ａは、弁２１．２１ａが本体ケース
１０の突出部１２内面またはアダプタ１３テーパー状端
面に当接した際、該部材２３，２３ａが当接個所に充分
密着し、閉塞が完全となるように設けたものであり、弁
２１．２１ａ自身が直接突出部１２内面またはアダプタ
１３内面に密着しうる弁形状としてあれば前記閉塞部材
２３．２３ａは省くことができる。

また凹部２５を環状としたのは、出目弁２１ａが中空部
１１内で回転しても１つねに該凹部２５が後述のストッ
パー側にあられれるようにしたからであり、出口弁２１
ａが中空部１１内で回転しないものにするならば、たと
えば出口弁２１ａの胴部２２ａに突起を外設するととも
に、中空部１１内壁に長溝を形成し、突起を長溝に嵌入
せしめ、出口弁２１ａが中空部１１内を摺動はしても回
転はしないようにするならば、前記凹部２５は環状とす
る必要がなく局所的に設けることができる。

一方本体ケース１０の側部にはガス逃孔１８とストッパ
一孔１９を穿設した底板１６を有するねじ孔１７を形成
してあり、該ねじ孔１７には弁係止体２６又は２６′を
ねじ込んで取付ける。

弁係止体２６又は２６′はストッパー２９又は２９′と
スプリング等の弾発体３２又は３２′を内蔵する弁係止
体ケース３８又は３８′と、ガス通孔４２又は４２′お
よびストッパー支持孔３５又は３５′とを有するストッ
パー支持体２７又は２７′とから成るものであり、スト
ッパー２９又は２９′をその軸部３０又は３０′におい
て、ストッパー支持孔３５又は３５′、ストッパ一孔１
９又は１９′を挿通せしめ出口弁２１ａの凹部２５と嵌
合させ、かつ弾発体３２又は３２′でストッパー２９又
は２９′を押圧しているものである。

ここにおいて、本体ケース１０のガス出口孔３６ａとス
トッパー２９又は２９′の位置している中空部２８又は
２８′とはガス逃孔１８とガス通孔４２を通じて連通し
ており、とくにガス逃孔１８はストッパ一孔１９よりガ
ス出口孔３６ａ側に接近して設けて、後述の逆火が生じ
た場合、ガスが出口孔３６ａからすぐさま逃口１８に入
り、ストッパー２９又は２９′が作動するようにしてい
る。

第２図で示したストッパー支持体２７は、非係止ケース
３８下部に該ケース３８と一体に形成し又これに使用す
るストッパー２９の形状は頂部３１が平皿型のものであ
る。

第３図で示したストッパー支持体２７′は、弁係止体ケ
ース３８′とは別体の円板状の座金のようなものとして
おり、ストッパー２９′の形状も頂部３１′が突出し、
該頂部３１′の一部が弾発体３２′中に嵌合したものと
なっている。

これは第３図の弁係止体ケース３８′は中空部２８′の
口径を縮小して開口３３′を形成しているので、ストッ
パー２９′の投入はケース３８′の下方から行なわねば
ならず、そのためケース３８′とは別体にしている。

またストッパー２９′を頂部３１′が突出したものとし
た理由は、前記ストッパー支持体２７′が座金であり、
ケース３８′の下部に位置しているためにストッパー２
９′の軸部３０′における支持が浅く、後述の逆火時、
軸部３０′が支持体２７’の支持孔３５′より離脱する
恐れがあるので、これを防ぐためストッパー頂部３１′
を突出形状とし、ストッパー２９′の逆火作動時に該頂
部３１′がケース３８′上部内壁に衝突し、必要以上の
ストッパー２９′の上昇を制止しているのである。

弾発体３２．３２’の弁係止体ケース３８，３８’内へ
の封入の仕方は第２図に示すごとく、開口３３を有する
押付けねじ３４で抑圧、封入するものや、第３図に示す
ごとく弁係止体ケース３８′の上部を開口３３′を有す
るだけに縮小し、弾発体３２′およびストッパー２９’
を下方から投入して該ケース３８′を本体ケース１０に
ねじ込んだもの等がある。

開口３３又は３３′は逆火作動時におけるガス体の一部
を逃がすために設け、装置の作動を円滑ならしめるもの
であり、必ずしも必要というものではなく、開口３３又
は３３′を密閉しても逆火時、ストッパー２９又は２９
′が上動し、各部材が強度的にもちこたえるものである
ならば、弁係止体２６又は２６′としての機能は果しう
るものである。

本実施例で示したものは開口３３又は３３′を有するも
のであり、第２図に示したものは弁係止体２６上部に中
空部２８と開口３３を通じて連通ずるガス室４０を形成
したもので、その目的は逆火時のガス圧を吸収させ、ガ
ス圧による過大な衝激が各部材にかからぬようにするた
めである。

図に示したものは、弁係止体ケース３８上部にゴム製又
は金属製等のダイヤフラム３７を嵌め、孔付ねじ蓋３９
で締めつけ、ガス室４０と緩衝室４１とを形成したもの
である。

ここにダイヤフラム３７を取付けず単に比較的容量の大
きいガス室４０のみとしても効果は充分にある。

第３図で示したものは、ガスの一部が外部へ漏出するよ
うにしたもので、弁係止体ケース３８′上部に開口４３
を有するキャップ４６を螺着したものでありキャップ４
６内部には弁係止体ケース３８′の開口３３′を上部か
ら塞いでいるブツシュ４４と該ブツシュ４４を押圧する
スプリング等の弾発体４５が入っている。

開口４３あ密封を良くするため、実施例で示すごとく、
ブッシュ４４下面に凹部を形成し、そこへゴム製等のパ
ツキン材４８を充填することは任意である。

なおストッパー２９を中空部２８中に中心位置を維持し
て支持しうるよう構成するならば底板１６又は１６′、
ストッパー支持体２７又は２７′を除却できることはい
うまでもない。

本発明の構成は以上のとおりであり次に停止装置９の作
動を第１図に示すごとく、アセチレン導管６に取付けた
場合を例にとり説明すれば、正常にガス燃焼が火口８に
おいて起っているときは、第２図ガス入口側Ａより、ガ
ス体はその圧力で大口弁２１を左方へ押しやり、そのた
め開通した入口孔３６を通り、流入孔２４から中空部１
１内へ流入し、さらにストッパー２９又は２９′で係止
状態にある出口弁２１ａの流出孔２４ａ１出口孔３６ａ
を通り、ガス出口側Ｂに達する。

逆流現象とは軟管機能等の不良により、他配管からの酸
素ガスが逆流することや、一度通過したアセチレンガス
が圧力変動等で逆流することをいうのであり、このとき
逆流ガスは本体ケース１０の出口孔３６ａから、出目弁
２１ａの流出孔２４ａを通り、中空部１１内までに達す
る。

このとき同時に逆流ガス自身の圧力が大口弁２１に作用
する結果、該弁２１は第２図、第３図において、右方へ
押圧され閉塞部材２３がガス入口孔３６を塞ぎ、逆流ガ
スがガス入口孔３６に浸入するのを阻止する。

逆流時におけるストッパー２９又は２９′については、
逆流ガスの一部はガス逃孔１８およびガス通口４２又は
４２′を通り中空部２８又は２８′内に流入し、ストッ
パー２９又は２９′の上方へ押上げようとするが、弾発
体３２又は３２′は逆流ガスによる力よりも強く設定し
であるのでストッパー２９又は２９′が作動することは
ない。

逆火が発生したときは、その火災よりも先に衝撃波が導
管６内に伝播し、本体ケース１０の出口孔３６ａに到達
した衝撃波は逆流時と同じく流出口２４ａより中空部１
１内へ入り、大口弁２１を右方へ押し入口孔３６を閉塞
し、それと同時に衝撃波はガス逃孔１８通孔４２又は４
２′を通り、中空部２８又は２８′内に入り、ストッパ
ー２９又は２９′を弾発体３２又は３２′に抗して押上
げ、出口弁２１ａの凹部２５とストッパー２９又は２９
′との嵌合をはずす。

この結果、出口弁２１ａは弾発体２０が効いて左方へ突
進し、閉塞部材２３ａで出口孔３６ａを塞ぎ、逆火を自
動的に停止する。

第２図で示した実施例においては、逆火時、ガスの一部
はストッパー２９の周囲を吹き抜け、開口３３を通り、
ガス室４０に達するが、その時のガス圧はガス室４０に
おいて吸収、緩和される。

第３図で示した実施例においてはガスの一部はストッパ
ー２９′の周囲を吹き抜け、開口３３′に達し、さらに
ブツシュ４４を押上げ、ブツシュ４４の周囲を吹き抜け
、最終的には開口４３より外部へ漏出するものである。

このようにガスを一部外部へ逃すことにより、不当な衝
撃が停止装置９の各部材にかかることを防ぎ、円滑に作
動するようにしている。

ストッパー２９又は２９′との嵌合がはずれた出目弁２
１ａを新たに正常位置に復帰させるには、アダプタ１３
のねじ部１５ａにおいて導管６をはずし軸棒等をアダプ
タ１３端から挿入し、出目弁２１ａを右方へ押付ければ
、ストッパー２９又は２９′は再び凹部２５に嵌合する
。

なおストッパー２９又は２９′は四部２５と嵌合がはず
れたものであっても、軸部３０又は３０′の先端は常に
胴部２２ａ又は２２ａ′表面上に位置していることが必
要で、弁２１ａと完全に離脱してしまってはならず、凹
部２５から胴部末端までの各長さは出口弁２１ａ、２１
ａ’の移動距離より長めにしておくことが必要である。

なお、第４図に示したものは第２図に示した停止装置９
のうち非係止体２６部分の他の実施例を示すもので、非
係止体２６に代えて第４図に示す非係止体５０を想像線
で示している本体ケース１０にねじ込み、取り付けて使
用することもできる。

即ち、非係止体５０は内部に投入したストッパー５１を
ダイヤフラム５２に固定させたものであり、その構成は
、非係止体ケース５３の下部を本体ケース１０のねじ孔
１７にねじ込んで取り付けることができるようねじ切り
し、中空部５４の下位には第２図の非係止体ケース３８
と同様ストッパー支持孔５５とガス通孔５６・・・とを
穿設したストッパー支持体５７を非係止体ケース５３と
一体にして形成し、中空部５４内に投入したストッパー
５１の軸部５８を支持孔５５に挿通せしめ、その先端は
本体ケース１０の出口弁２１ａに設けた凹部２５に嵌り
込んでいる。

ストッパー５１の中央部附近に形成した円盤状の胴部５
９は後述のガス逆流・逆火時、ダイヤフラム５２ととも
にガス圧を受ける働きをする。

ストッパー５１の頂部６０にはねじ部６１が突設してあ
り、ダイヤフラム５２、湾曲器６６を順次、上からねじ
部６１に嵌めたのちナツト６２で締め付はストッパー５
１に固定したのち、受は血６３をねじ部６１に嵌め、そ
の上に弾発体６４を載置し、ねじ蓋６５で弁係１Ｅ体ケ
ース５３を蓋している。

ここに弾発体６４はねじ蓋６５下面の凹所に一部はまり
込み、ねじ蓋６５に押し付けられるとともに調整された
弾発力でストッパー５１を下方に押圧している。

なお、前記湾曲器６６は後述の逆火発生時、ダイヤフラ
ム５２がガス圧のため上方へ大きく膨れ、湾曲し、その
湾曲の程度が激しいときには、もとの平板形状に復帰し
ない恐れがあり、これを防止するため組み込んだもので
ある。

以−りのように非係止体５０はストッパー５１がダイヤ
フラム５２と直結した構造となっており、ガス圧が広い
面積のダイヤフラム５２に作用してストッパー５１を動
かすため、ストッパー５１の作動が非常に敏感なものと
なっている。

即ち、その作動を説明すれば、ガス逆流が生じた時は第
２図で示した停止装置９と同様、非係止体５０を取り付
けた本体ケース１０においてもガス人口弁２１がガス入
口孔３６を閉塞するように機能する。

また、このガス逆流時においてもある程度以上の逆流ガ
ス圧がかかるようになると、ガス圧はストッパー胴部５
９に作用するとともに、ガスは胴部５９周囲を吹き抜け
、ダイヤフラム５２に作用し、該ダイヤフラム５２を上
方に膨らませる結果、ストッパー５１が従動し、ガス出
口弁２１ａの凹部２５との嵌合がはずれ、ガス出目弁２
１ａはガス出口孔３６ａを閉塞する。

また逆火が生じたときはガス圧は非常に大きいため、ス
トッパー胴部５９の下面に作用しただけで、ストッパー
５１は押し上げられ、ガス出目弁２１ａがガス出口孔３
６ａを閉塞するように機能するものである。

以上のように本発明停止装置は、逆流・逆火の両方に有
効に機能するものであり、その適用範囲は実施例として
示したものはアセチレン導管に取付けたものであったが
、同時に酸素導管に取付けても有効であり、またこれか
ら増加する都市ガス利用、アルゴンガスと炭酸ガス、水
素とＬＰＧあるいはＬＰＧとアセチレン等の混合ガス利
用にもちろん適用可能であり、あらゆる分野におけるガ
ス体配管装置、代表的にはガス集合装置から分岐した各
配管途中等に適用できるものである。

とくに本発明は従来の装置とちがい逆火の場合にガス流
出の危険を防止できるから、逆火が発生しても直ちに簡
単、確実にガス流出を閉鎖する特徴を有し、二次的災害
を完全に防止するとともに、全体が小型化されているの
で安心して多数設置でき、これからの傾向であるガス配
管装置の大型化に伴って重要視されねばならない安全対
策に欠くことのできない装置といえる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであり、第１図はガス
溶接等の設備の全体説明図、第２図および第３図は本発
明に係る停止装置の内部断面説明図、第４図は非係止体
の一実施例を示す内部断面説明図である。 １；酸素ボンベ、２；圧力調整器、３；酸素導’Ｌ４；
アセチレンボンベ、６；アセチレン導管、９；停止装置
、１０；本体ケース、１１；本体ケース中空部、１３；
アダプタ、１６；底板、１８；ガス逃孔、２１；ガス人
口弁、２２；入口弁胴部、２４；ガス流入孔、２４ａ；
流出孔、、２５；凹部、２６；弁係止体、３２；ストッ
パー弾発体、３６；ガス入口孔、、３７；ダイヤフラム
、３８；弁係止体ケース、４２；ガス通孔、５０；弁係
止体、５１；ストッパー、５２；ダイヤフラム、５３；
弁係止体ケース、５９；ストッパー胴部、６４；弾発体
、６６；湾曲器、Ａ；ガス入口側、Ｂ；ガス出口倶Ｌ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部中空であって、流入孔と流出孔とを有する本体
   ケ−７スの各流入孔、流出孔に弾性附勢された入口弁、
   出口弁を取付けるとともに、出口弁側には弾発体により
   押圧されるストッパーを内蔵する弁係止体をガス流出孔
   と連通状態で本体ケースに取付け、ストッパー先端を出
   口弁に外設した凹部に嵌合可能に位置づけしてなるガス
   体の逆流・逆火緊急自動停止装置。