JPS6222940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動販売機のデリバリ装置の構造に関
する。

自動販売機においては、商品搬出時及び搬出後
または客待時の商品の盗難が常に問題になる。特
に大形商品を取扱う場合には取出口部が必然的に
大きくなるため、盗難防止においては不利であ
る。さらに取扱う商品が高額化するにつれて盗難
対策を厳重にする必要がある。また商品の大形化
により緩衝対策も商品及び機械保護の面から重要
である。

従来、特開昭56−156163号公報に示されるよう
に、商品取出口の奥に前方へ開放可能な扉を備え
るとともに、その扉の奥に、奥部端を支点として
実質的に上下するシユートを設け、かつこのシユ
ートをばねにて上方、即ち、商品ストツカーの下
端に向けて付勢したものがある。それによるとス
トツカーから落下する商品は、シユートを下降さ
せるとともに扉を前方へ押し開いて商品取出口の
間近に送り出される。したがつて商品取出口を通
して商品を取り出し得るようになる。

ところで、商品取出口の間近に送り出された商
品は、扉を開くとともにシユートを下降させた開
放状態を保つ。そのため商品取出口から棒等を挿
し込んで扉及びシユートをその開放状態に保持し
つつ商品を取り出すことが可能である。即ち、商
品を取出した後にも、扉及びシユートを開放状態
に保持することが可能である。したがつて内部を
いたずらされるおそれや商品の盗難のおそれがあ
る。

本考案の目的は、上述に鑑み、内部のいたずら
防止や商品の確実なる盗難防止作用および商品搬
出時の衝撃減少作用を併せもつデリバリ装置の提
供にある。

本考案によれば、自動販売機の搬出機から送出
されて落下する商品を受けて商品取出口へ引渡す
デリバリ装置において、上記商品取出口近傍で商
品落下路を実質上横切るように設けられた下方へ
回動可能なフラツパ、上記商品取出口に対向した
位置に奥部端を支点として実質的に上下するよう
に回動可能に設けられ、上動時には回動端が上記
フラツパの下面に対向するデリバリシユート本
体、該デリバリシユート本体を上方へ付勢したば
ね、および該デリバリシユート本体を上動位置で
係止したり解放したりできるロツク装置を含み、
上記商品取出口から上記デリバリシユート本体ま
での間に商品を収容し得る寸法の空間を設けたこ
とを特徴とするデリバリ装置が得られる。

搬出機から商品が送出されると、その商品はフ
ラツパを開くとともにデリバリシユート本体を押
し下げつつ落下する。商品が商品取出口に隣接し
た空間に達すると、デリバリシユート本体は自動
的に上動し、フラツパを閉じる。ロツク装置はデ
リバリシユート本体を上動位置にロツクする役目
を果す。

以下図面を参照しながら実施例を用いて説明す
る。

第１図は本考案のデリバリ装置の一実施例を用
いた自動販売機を示している。この自動販売機に
おいて、外箱１を開閉できる前面の扉２には下部
に商品取出口３が設けられている。外箱１の内部
には搬出機４が備えられている。この搬出機４は
第２図をも参照して、販売信号に基いてチエーン
５をモータ６にて駆動し、チエーン５に取り付け
た多数の商品棚７を一ピツチづつ送るものであ
る。商品棚７はチエーン５の一側において商品８
を支持しつつ下降し、下端で商品８を放出する。
なおここで商品８としては、２〜３入りのミニ
樽ビールのようなものを取扱つている。

さて商品８の放出位置の下方には、比較的前部
即ち商品取出口３に近い部分に、一対のフラツパ
９，９′が備えられている。これらのフラツパ
９，９′は一端を中心として回動可能に取付けら
れ、かつ第２図において、右側のフラツパ９はば
ね１１によつて時計回りに、左側のフラツパ９′
はばね１１′によつて反時計回りに、それぞれ付
勢されている。さらにフラツパ９，９′は第２図
の如く商品落下路１２を実質上横切る位置におい
て、それよりも上動することを他の部材との係合
によつて阻止されている。なおばね１１，１１′
は商品落下時の衝撃を吸収しつつフラツパ９，
９′を開いて商品の下降を許すようにばね定数が
選ばれる。

また商品８の放出位置の下方奥部には、第３図
をも参照して、デリバリシユート本体１３が備え
られている。このシユート本体１３は外箱１の奥
部端を中心として実質的に上下する如く回動可能
に取付けられ、かつ第３図においてばね１４によ
つて時計回りに付勢されている。さらにシユート
本体１３は回動端が上動位置においてはフラツパ
９，９′の下面に押し当るか接近するように設計
される。

さらに第４図をも参照して、シユート本体１３
の回動部分には穴を有するロツク片１５を設け、
一方、自動販売機の固定部分にはソレノイド１６
で駆動されるロツクピン１７を設け、シユート本
体１３が上動位置にあるときには、ロツクピン１
７をロツク片１５の穴に嵌入させてシユート本体
１３をロツクできるようにしてある。ここでシユ
ート本体１３が上動位置においてロツクされる
と、その先端によつてフラツパ９，９′の回動も
係止されることとなる。シユート本体１３の上動
はまたマイクロスイツチ１８によつて検出される
ようになつている。なおソレノイド１６によるロ
ツクピン１７の駆動は、例えば、商品棚７の下降
開始時にロツクを外し、マイクロスイツチ１８が
シユート本体１３の下動後の上動を検出するとロ
ツクするように設定される。

シユート本体１３はまた、下動位置においては
前部が低くなるように傾斜し、その前方のシユー
ト前１９と協働して商品を商品取出口３へ移送す
る。シユート前１９もばね２１によつて緩衝作用
を及びすようにされている。なおシユート本体１
３およびシユート前１９はいずれも、商品の移送
をスムーズに行うため、多数のローラ２２，２３
を有している。

今、販売信号に基いて商品棚７が下降を開始す
ると、このことが図示しないスイツチにより検出
され、ソレノイド１６によつてロツクピン１７が
ロツク片１５から外される。この結果、シユート
本体１３およびフラツパ９，９′はいずれも下方
へ動かされ得る状態となる。

商品棚７から落下した商品８は先ずフラツパ
９，９′の上に乗つてこれを下方へ押し開き、そ
れによつてシユート本体１３をも押し下げなが
ら、このシユート本体１３に乗り移り、そしてシ
ユート本体１３を第３図に二点鎖線で示した状態
にまで下動させる。このときの商品８の落下によ
る衝撃は、フラツパ９，９′のばね１１，１１′お
よびシユート本体１３のばね１４によつて吸収さ
れる。また商品８がフラツパ９，９′から外れる
と、フラツパ９，９′はばね１１，１１′によつて
復帰させられる。それとともに、商品８はシユー
ト本体１３およびシユート前１９のローラ２２，
２３に案内されつつ商品取出口３へ向つて移動す
る。

商品８がシユート本体１３から外れると、シユ
ート本体１３はばね１４によつて元の位置に戻さ
れ、フラツパ９，９′を下から押えつける。この
ときシユート本体１３が元の位置に戻つたことは
マイクロスイツチ１８によつて検出される。この
マイクロスイツチ１８が作動すると、ソレノイド
１６に信号が与えられ、ロツクピン１７がロツク
片１５に打ち込まれるので、シユート本体１３は
ロツクされる。同時にフラツパ９，９′もロツク
された状態となる。したがつて商品取出口３から
手や棒などを挿入して、商品８を取出したり、い
たずらしたりということはできなくなる。またシ
ユート本体１３の長さは短かいため、商品８は短
時間のうちにシユート前１９に乗に移り、シユー
ト本体１３がすばやく待機状態に戻つてロツクさ
れるので、商品放出時のいたずらのチヤンスもな
くなる。

以上実施例を用いて説明したように、本考案に
よれば、デリバリシユート本体は商品が落下する
ときにのみ下動し、商品が商品取出口の間近に至
つたときには上動して搬出機の出口を自動的に閉
じることになるため、いたずらや商品の盗難を確
実に防止できるという効果を奏する。その上、デ
リバリシユート本体を上動位置に係止できるロツ
ク装置を備えているので、上述の効果をより一層
高めることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるデリバリ装置の一実施例
を用いた自動販売機の概略構成図、第２図は扉を
開いた状態での要部のみの拡大正面図、第３図は
扉を閉じた状態での要部のみの拡大側面断面図、
第４図はロツク機構部を示す断面図である。 １……外箱、２……扉、３……商品取出口、４
……搬出機、７……商品棚、８……商品、９，
９′……フラツパ、１２……商品落下路、１３…
…デリバリシユート本体、１５……ロツク片、１
６……ソレノイド、１７……ロツクピン、１８…
…マイクロスイツチ、１９……シユート前。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動販売機の搬出機から送出されて落下する商
   品を受けて商品取出口へ引渡すデリバリ装置にお
   いて、上記商品取出口近傍で商品落下路を実質上
   横切るように設けられた下方へ回動可能なフラツ
   パ、上記商品取出口に対向した位置に奥部端を支
   点として実質的に上下するように回動可能に設け
   られ、上動時には回動端が上下フラツパの下面に
   対向するデリバリシユート本体、該デリバリシユ
   ート本体を上方へ付勢したばね、および該デリバ
   リシユート本体を上動位置で係止したり解放した
   りできるロツク装置を含み、上記商品取出口から
   上記デリバリシユート本体までの間に商品を収容
   し得る寸法の空間を設けたことを特徴とするデリ
   バリ装置。