JPS6222288Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、模型取付定盤に関する。

従来の模型取付定盤は、鋳鉄またはアルミニウ
ム合金などを素材とし、これを機械加工したもの
が用いられていた。しかし、金属素材を加工する
には多くの手間と設備とを要し、かつまた、製作
時間も長くかゝるので高価であるなどの欠点があ
つた。

本考案の目的はこれらの点を改善しようとした
もので、所定の大きさよりやゝ小さい金属製の定
盤原型の表面を合成樹脂（例えばエポキシ樹脂）
で鋳ぐるんで、所定寸法に成形することにより、
所定寸法に仕上げるための加工を要せずかつ表面
滑らかな模型取付定盤（以下単に定盤という）を
得るものである。

以下、図によつて本考案を説明する。

第１図は、本考案による模型取付定盤の製造手
順例を示したものである。模型取付定盤作成用治
具２０は、その内法が第２図のような必要とする
定盤３の寸法になる如く精密に加工して組合せた
ものであり、定盤３の寸法に合致した底板１と、
同じく外側を形成する鋳枠２および蓋５より形成
される。さらに詳述すれば、底板１を取囲んで鋳
枠２を組立て、これにより生じた内部空間に所要
の定盤３を縦横寸法よりやゝ小さい金属製定盤原
型４を配置する。金属製定盤原型４は、ケレン１
０などを用いて所要の樹脂の厚さに相当する空間
を生ずるごとく底板１の上に置き、樹脂注入口６
と排気孔７とを有する蓋５を鋳枠２に被せる。つ
ぎに、注入口６からたとえばエポキシ樹脂等の合
成樹脂８を流し込み、合成樹脂の硬化後治具２０
を取除けば、第２図の如く金属製定盤原型４を薄
い合成樹脂９で被覆した定盤３が得られる。

定盤３の寸法は、通常、縦横が、最小のもの
で、200×280mm、最大のもので1200×1200mmで厚
さは25〜200mm程度である。そして、樹脂の厚み
は、定盤３の大きさにかかわらず、３〜５mm程度
にする。したがつて、金属製定盤原型４は、樹脂
の厚みを差引いた寸法のものを用いる。

以上からわかる如く、本考案による模型取付定
盤は合成樹脂を流し込んだのみで成形後の加工を
することなく成形でき、かつすぐれた寸法精度と
滑らかな肌を有することから、成形後にそのまゝ
使用できるとともに納期は短く、コストは安くて
すむ。さらに本定盤は、大部分が金属から成つて
いて周囲を薄い樹脂層で覆われているのみである
から、その強度は金属を素材として加工し、製作
する従来の全金属製定盤と殆んど異なることがな
い利点をも有する。

また、本考案の定盤はこのようにして製作され
るので、同型の定盤を複数個製造することが非常
に容易であり、かつ、従来の加工成型と違つて治
具を用いて、金属製定盤原型の周囲に合成樹脂を
流し込んで作るから、個々の定盤の寸法のバラツ
キを小さくおさえることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の模型取付定盤の
一実施例を示し、第１図は作成状況を示す断面
図、第２図は作成した模型取付定盤の断面図であ
る。 １……底板、２……鋳枠、３……模型取付定
盤、４……金属製定盤原型、５……蓋、２０……
模型取付定盤作成用治具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の大きさよりわずかに小さい金属製定盤原
   型の表面を合成樹脂で鋳ぐるんで所定寸法に成形
   して成ることを特徴とする模型取付定盤。