JPS6221547Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓋部が容易に開かないようにした組立
式ダンボール箱に関する。

従来の組立式ダンボール箱は、第１図Ａの展開
図に示すように（左右対称であるので、左半分を
示す）、左側片１ａを有する蓋部１と、該蓋部１
に連続する後部２（箱本体の後壁となる）と、該
後部２に連続し、上下に折込舌片３ｂ，３ｃを形
成した左側片３ａを有する底部３（箱本体の底壁
となる）と、該底部３に連続する前部４（箱本体
の前壁となる）と、該前部４に連続し、左折込舌
片５ａを有する上面折込部５とを一枚のダンボー
ル紙から打抜き、これを図示点線位置で折り曲
げ、同図Ｂに示すように組立てるものである（理
解を容易にするために、やや開蓋状態を線図にて
示す）。

したがつて、蓋部１の左側片１ａが底部３の左
側片３ａと上面折込部５の左折込舌片５ａとの間
に挿入された状態で、蓋部１が閉じられることと
なる（左側片３ａと左折込舌片５ａとで左側片１
ａが単に挾持された態様となる）。

よつて、蓋部１の前面に上方向の外力が作用す
ると、左側片１ａは容易に持ち上り、蓋部１が簡
単に開いてしまうという不都合があつた。

本考案は、上記の点に着目し、閉蓋時には蓋部
の左右両側片と上面折込部の左右両折込舌片とを
係合せしめ、開蓋時には両片の係合を人為的に解
くことにより、簡単には開蓋しない組立式ダンボ
ール箱を提供することにある。

以下、本考案を図示の実施例により説明する。

なお、従来例の第１図と同一部分には同一符号
を付し、その説明は省略する。

第２図は第一実施例を示し、同図Ａの展開図の
如く、蓋部１の左側片１a₁は従来の左側片１ａの
上端縁より上面折込部５の左折込舌片５ａの長さ
ｌと同一長さｌだけ切り欠かれ、また底部３の左
側片３ａに指先が入る穴３a₁が設けられている。

したがつて、同図Ｂに示すように、組立てた状
態では、蓋部１の左側片１a₁の前端縁１a₂は上面
折込部５の左折込舌片５ａの後端縁５a₁と衝接す
る。

よつて、蓋部１の前面に上方向の外力が作用し
ても両縁１a₂と５a₁との係合により開蓋すること
がない。

そして、開蓋するには、左側片３ａに設けられ
ている穴３a₁より指先を挿入し、左折込舌片５ａ
を内方へ押圧して後端縁５a₁の前端縁１a₂との係
合を解けば、蓋部１は左側片１a₁を伴つて開くこ
とができる。

第３図は第二実施例を示し、同図Ａの展開図の
如く、蓋部１の左側片１a₃の基部が上面折込部５
の左折込舌片５ａの長さｌと同一長さｌだけ切り
欠かれ、また底部３の左側片３ａに指先挿入穴３
a₁が設けられている点は第一実施例（第２図）と
同様であるが、左側片１a₃の上端は基部より弧状
面１a₄を形成する如く切り欠かれ、左折込舌片５
ａにも上記弧状面１a₄と相似な弧状面５a₂が形成
されている。

したがつて、同図Ｂに示すように、組立てた状
態では、両弧状面１a₄と５a₂とが衝接し、この弧
状面の係合は上記第一実施例の直線的係合に比し
て大きなロツク能力を有する。

そして、開蓋時には、穴３a₁より指先を挿入
し、左折込舌片５ａを内方へ押圧して両弧状面１
a₄と５a₂との係合を解くものである。

第４図は第三実施例を示し、同図Ａの展開図の
如く、蓋部１の左側片１a₅の基部が上面折込部５
の左折込舌片５ａの長さｌと同一長さｌだけ切り
欠かれ、底部３の左側片３ａに指先挿入用の穴３
a₁が設けられている点は上記第一実施例（第２
図）、第二実施例（第３図）と同様であるが、左
側片１a₅の上端は基部より段状面１a₆を形成する
如く切り欠かれ、また左折込舌片５ａにも段状面
５a₃が形成されているものである。

したがつて、同図Ｂに示すように、組立てた状
態では、両段状面１a₆と５a₃とが係合し、その係
合は第二実施例の弧状面の係合に比して大きなロ
ツク能力を有する。

そして、開蓋時には、穴３a₁より指先を挿入し
て左折込舌片５ａを内方へ押圧し、両段状面１a₆
と５a₃との係合を解くものである。

以上のように、本考案は蓋部の左右両側片と上
面折込部の左右両折込舌片との各端面を組立時に
係合するように形成したので、蓋部は簡単に開か
ず、しかも開蓋時には指先で左右両折込舌片を押
圧するという安易な操作で上記係合を解くことが
でき、組立式ダンボール箱として極めて使い勝手
がよい利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例にして、同図Ａは左半分展開
図、同図Ｂは組立時の要部斜視図、第２図、第３
図、第４図は本考案に係る第一，第二，第三の各
実施例にして、各図Ａは各実施例の左半分展開
図、各図Ｂは各実施例の組立時の要部斜視図を示
す。 １……蓋部、１a₁，１a₃，１a₅……左側片、３
a₁……穴、５……上面折込部、５ａ……左折込舌
片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 側片を左右に有する蓋部と、該蓋部に連続す
   る後部と、該後部に連続し、上下に折込舌片を
   形成した側片を左右に有する底部と、該底部に
   連続する前部と、該前部に連続し、折込舌片を
   左右に有する上面折込部とから成り、 底部の左右側片の上下折込舌片が後部及び前
   部の内面に夫々当接し、蓋部の左右側片及び上
   面折込部の左右折込舌片が底部の左右側片の内
   面に夫々当接して組立て閉蓋状態とされる組立
   式ダンボール箱であつて、 蓋部の左右側片と上面折込部の左右折込舌片
   との対向端面に、互に衝接係合する係合面が形
   成され、 また上面折込部の左右折込舌片と当接する底
   部の左右側片に、指先挿入穴が設けられた、こ
   とを特徴とする組立式ダンボール箱。 (2) 上記係合面を、直線面とした実用新案登録請
   求の範囲第(1)項に記載の組立式ダンボール箱。 (3) 上記係合面を、弧状面とした実用新案登録請
   求の範囲第(1)項に記載の組立式ダンボール箱。 (4) 上記係合面を、段状面とした実用新案登録請
   求の範囲第(1)項に記載の組立式ダンボール箱。