JPS6221458A - 垂直鋳込方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、垂直鋳込方法に係り、特にモールド（鋳型）
の鋳造キャビ６テイ内に流入する金属溶湯中の金属酸化
物、非金属介在物等を有利に除去せしめて、品質に優れ
た鋳物製品を作業性良く鋳造し得る方法に関するもので
ある。

（背景技術・解決課題） 従来から、鋳鉄製品等の鋳物製品を鋳造するに際しては
、モールドとして上型及び下型を用い、それらを上下に
重ね合わせて形成される鋳造キャビティ内に、所定の金
属溶湯を導いて、鋳造を行なう水平鋳込法が採用されて
いるが、近年、特にエルボの如き鋳物製品を多数鋳造す
る場合などに有効な方法として、垂直鋳込方法、所謂デ
ィサマチック（ｄｉｓａｍａ目Ｃ）造型方法として知ら
れる、縦型のモールドを水平方向に重ね合わせて、それ
らモールド間に所定の鋳造キャビティを形成せしめる一
方、上方から注湯される金属溶湯を該鋳造キャビティ内
に導いて、目的とする鋳物製品を形成せしめる方法が注
目を受けている。

より具体的には、かかる垂直鋳込方法にあっては、例え
ば第１図（ａ）〜（Ｃ）に示される如く、先ずサンドホ
ッパ２から供給される鋳物砂４を、造型機６の造型室８
内において圧縮して造形せしめ、高密度のモールドＮＯ
が形成せしめられる。

なお、このモールド１０は、一般に、その両側面に所定
の鋳物製品を与える鋳造キャビティ１２が形成されるよ
うな形状に造型されており、第１図（Ｃ）に示される如
く、それらモールド１０が水平方向に重ね合わされるこ
とにより、隣り合うモールド１０．１０間に所定の鋳造
キャビティ１２が形成されるようになっている。換言す
れば、モールド１０の合わせ而（見切線）がほぼ垂直方
向となるように、それらモールド１０が水平方向に重ね
合わされ、それらの間に所定の鋳造キャビティ１２が形
成されているのであり、ここでは、モールド１０が順次
重ね合わされることによって、一つのモールド１０の両
側に、それぞれ鋳造キャビティ１２．１２が形成されて
いる。そして、このようにモールド１０．１０間に形成
された鋳造キャビティ１２に対して、取鍋１４内の金属
溶湯１６がに方から注湯されて、目的とする鋳物製品１
８が順次鋳造されるのである。

ところで、このような垂直鋳込手法にあっては、モール
ド１０の合わせ面に形成される溶湯通路内を、−上方か
ら注湯せしめられた金属溶湯１６が落下せしめられて、
鋳造キャビティ１２内に導かれるものであるところから
、各種の異物、例えばスラグや鋳物砂などを巻き込み易
く、これによって製品の品質を低下せしめたり、或いは
製品歩留りを悪化せしめる等の問題を内在している。

尤も、従来からの水平鋳込法の場合にあっては、モール
ド内に各種の工夫を施して、そのような異物、換言すれ
ば金属酸化物や非金属介在物等を除去せしめることは比
較的容易ではあるが、上記した垂直鋳込方法にあっては
、そのような除去対策を施して、溶湯を清浄化すること
は、極めて困難であったのであり、また当然のことなが
ら、注湯される金属溶湯の改質のために、接種剤或いは
黒鉛球状化剤等をモールド中に配置して、該金属溶湯に
接触せしめるモールド内接種或いはモールド内黒鉛球状
化手法を実施することは、極めて困難であるとされてい
るのである。

一方、本発明者は、先に、特願昭６０−５９０７３号及
び特願昭６０−７１８４５号として、連続気孔を有する
三次元網状骨格構造のセラミックス多孔体を用い、注湯
された金属溶湯が接種剤や黒鉛球状化剤に接触せしめら
れた後、該セラミックス多孔体を通って鋳造キャビティ
内に導かれるようにした、モールド内における瞬間接種
鋳造法若しくは瞬間球状化処理法を提案しているが、そ
こで開示したセラミックス多孔体を用いて、それを上記
の垂直鋳込法におけるモールド内の溶湯通路にセットし
て、溶湯を通過せしめるようにすれば、スラグや砂等の
異物の混入、更には未溶解接種剤や黒鉛球状化剤の混入
等が効果的に防止されることとなる。

しかしながら、そのような連続気孔を有する三次元網状
骨格構造のセラミックス多孔体を、水平方向に重ね合わ
されるモールドの合わせ面に形成される溶湯通路に、そ
れを仕切るようにしてセットせしめる場合において、か
かるセラミックス多孔体がその全面において多孔構造と
され、それ故表面がギザギザの凹凸面とされているとこ
ろから、該セラミックス多孔体をモールドの溶湯通路の
凹所に嵌め込むに際しては、該モールドを構成している
鋳物砂をかき落し易く、そのために、かかるセラミック
ス多孔体のセットには細心の注意を払う必要がある。け
だし、セラミックス多孔体のセットに際して落された鋳
物砂は、そのまま鋳造キャビティ内に溶湯と共に導かれ
、得られる鋳物製品の品質を著しく低下せしめることと
なるからである。

（解決手段） ここにおいて、本発明は、上記の如き課題を解決すべく
為されたものであって、その特徴とするところは、縦型
のモールドを水平方向に重ね合わせて、それらモールド
間に所定の鋳造キャビティを形成せしめる一方、上方か
ら注湯される金属溶湯を該鋳造キャビティ内に導いて、
目的とする鋳物製品を形成せしめるに際して、連続気孔
を有する三次元網状骨格構造のセラミックス多孔体を、
少なくともその側面を覆い目４つ底部に溶湯通孔を有す
る有底筒体内に収容した状態において、前記モールドの
合ね一ロ面に形成される溶湯通路に、それを仕切るよう
にしてセットせしめ、前記注湯された金属溶湯が該セラ
ミックス多孔体をｉ…過して前記鋳造キャビティ内に導
かれるようにしたことにある。

すなわち、本発明にあっては、連続気孔を有する三次元
網状骨格構造のセラミックス多孔体をそのままモールド
の溶湯通路にセットせしめるものではなく、そのような
セラミックス多孔体を有底筒体内に収容した状態におい
て、換言すれば、かかるセラミックス多孔体の周面のギ
ザギザの凹凸部分を有底筒体で覆い、それがモールド面
に接触しないようにして、該有底筒体の平滑な面を介し
てセットするよ・うにしたものであって、これにより、
そのセット時における鋳物砂の掻き落しが効果的に阻■
トされ得ることとなったのである。

（構成の具体的な説明・実施例） 以下、図面に示された実施例を参照しつつ、本発明の構
成について、更に具体的に明らかにすることとする。

先ず、第２図は、通常の方法によって造型された、一度
に多数のエルボを鋳造するための縦型のモールド２０に
おける鋳造キャビティ形成側の面を、正面から見た部分
図であり、そこには、−上方から注湯される所定の金属
溶湯を受ける、上方に開口した湯口を形成するための湯
口形成凹所２２が形成されており、またこの湯口形成凹
所２２に続いて、注湯される金属溶湯を導く湯道を形成
するための湯道形成凹所２４が設けられており、更に、
この湯道形成凹所２４に接続された、目的とする鋳物製
品（エルボ）を形成するための、多数の鋳造キャビティ
形成凹所２６が形成されているのである。

そして、このようなモールド２０が、公知のように、そ
の湯口形成凹所２２、湯道形成凹所２４及び鋳造キャビ
ティ形成凹所２６と協働して所定の湯口、湯道、鋳造キ
ャビティを形成する他のモールド２０に対して、水平方
向に重ね合わされることによって、第３図に示される如
く、それぞれの凹所２２．２４．２６にて、それらの合
わせ面に、湯口、湯道及び鋳造キャビティが、それぞれ
形成されることとなるのである。また、この重ね合わせ
によって、合わせ面（見切線）２８が、はぼ垂直方向に
形成されることとなる。なお、湯口、湯道、鋳造キャビ
ティは、第１図（Ｃ）に示される如く、通常、モールド
２０の両側の面において形成されるようになっている。

また、このようなモールド構造において、湯口形成凹所
２２の底部、換言すれば湯道形成凹所２４に対する接続
部近辺に位置して、周方向に延びるシェル収容凹所３０
が、それぞれのモールド２０に形成されている。そして
、このシェル収容凹所３０には、所定のセラミックス多
孔体３２を収容した、底部に溶湯通孔３４を有する有底
筒体状のシェル３６が嵌め込まれて、第３図の如く、溶
湯通路を仕切るようにして、セットせしめられるように
なっている。

とごろで、かかるシェル３６に収容されるセラミックス
多孔体３２は、第４図に示される如く、連続気孔を有す
る三次元網状骨格構造からなるものであって、例えばコ
ージェライト、アルミナ、若しくはＳｉＣ等を主成分と
し°Ｃ構成された、空孔率が高く　（例えば、８０〜９
０％程度）、スポンジの如き連続気孔を備えたセラミッ
クスフオームであり、その全表面において、ギザギザ形
状となっているものである。このセラミックス多孔体３
２は、図示の如き円板状乃至は円柱状の形状の他にも、
矩形状（直方体状）、多角形状等、各種の形態において
用いられることとなる。

また、このようなセラミックス多孔体３２を収容するシ
ェル３６は、注湯される金属溶湯に接するものであると
ころから、耐火性に優れ、しかも溶湯品質に悪影響をも
たらさない材料から形成された、外表面が平滑なもので
あり、例えばシェルモールド品や陶磁器製品等が、好適
に用いられることとなる。そして、このシェル３６は、
収容されるセラミックス多孔体３２の少なくとも側面を
覆うような高さにおいて形成された、有底筒体形状を為
すものであり、また収容されるセラミックス多孔体３２
の側面との間の隙間が可及的に減じられた内面形状とさ
れている一方、その底部には、セラミックス多孔体３２
を通過せしめられた金属溶湯が下方の鋳造キャビティ側
に導かれるようにするために、所定の大きさの溶湯通孔
３４が形成されている。

そして、このようなセラミックス多孔体３２を収容した
シェル３６は、前述のように、モールド２０．２０の重
ね合わせによって形成される溶湯通路（湯口や湯道）を
仕切るようにして、それぞれのモールド２０のシェル収
容凹所３０に嵌め込まれてセットせしめられるのである
。従って、このセット作業にあっては、セラミックス多
孔体３２がモールド２０　（より具体的には、シェル収
容凹所３０）に対して接触するものではないところから
、かかるモールド２０から、鋳物砂が該セラミックス多
孔体３２のギザギザの表面にてかき落とされるような問
題は、全く生じるようなことがないのである。また、セ
ラミックス多孔体３２を収容したシェル３６は、例えば
、従来からの垂直鋳込手法において用いられている通常
の中子装填装置を用いて、第３図に示される如く、中子
３８と共に、容易にモールド２０．２０間に装填せしめ
ることができ、これによってその装填の自動化も可能と
為し得るのである。

従って、このように、所定のセラミックス多孔体３２が
収容されたシェル３６を、モールド２０．２０間に形成
される溶湯通路に、それを仕切るようにしてセットせし
めた状態下において、所定の鋳造操作を行なうと、上方
から注湯された金属溶湯は、湯口２２からモールド２０
．２０内に導かれるようになるが、そこには、シェル３
６にて支持されたセラミックス多孔体３２が配置されて
いるところから、かかるセラミックス多孔体３２を通過
せしめられ、そしてシェル３６の底部の溶湯通孔３４を
通り、更に、湯道２４をｉｌｌす、それぞれの鋳造キャ
ビティ　（２６）に導かれるようになるために、かかる
溶湯注湯操作によって混入するスラグや鋳物砂等の金属
酸化物や非金属介在物が、該セラミックス多孔体３２の
フィルタ効果によって効果的に濾別せしめられ、以て鋳
造キャビティ（２６）には、清浄化された金属溶湯が導
かれるようになるのである。それ故に、金属溶湯の注湯
作業に細心の注意を払わなくても、得られる鋳物製品は
、その品質が著しく向上せしめられており、また砂噛み
による製品歩留りの低下等の問題も、効果的に抑制され
得るのである。

しかも、本発明にあっては、セラミックス多孔体３２の
モールド２０に対する装填操作がシェル３６を介して行
なわれるものであるところから、そのようなセラミック
ス多孔体３２のギザギザの表面の接触によるモールド２
０の砂落としも、効果的に防止され得ることとなり、こ
れによって、該セラミックス多孔体３２の装填操作が極
めて容易となると共に、落された鋳物砂の溶湯中への巻
き込みに起因して惹起される製品品質の低下乃至は歩留
り低下も、効果的に解消せしめられ得るのである。

また、このようにモールド２０．２０間に形成される溶
湯通路にセットせしめられたセラミックス多孔体３２上
には、例えば、第５図に示されるように、接種剤乃至ば
黒鉛球状化剤４０を載置せしめることができ、これによ
って、注湯される金属溶湯（鋳鉄溶湯）の改質をインモ
ールドにて行なうことが可能となるのである。即ち、垂
直鋳込方法に従って、所望の鋳物製品を製造するに際し
て、モールド内において瞬間接種乃至は瞬間球状化処理
が可能となるのである。そして、このように注湯された
溶湯が接種剤４０に接触しつつ、セラミックス多孔体３
２を通過し、過接種の状態のまま鋳造キャビティ２６内
に導入され、凝固せしめられることとなるのであり、こ
れによって通常のモールド内接種の効果を充分に発揮し
つつ、内外面とも健全な鋳造品の生産が可能となり、例
えば、（ａ）取鍋接種に比べて約１／３の添加量で添加
効果を発揮する、（ｂ）時間経過に伴う接種効果の消失
現象がない等の特徴を発揮するのである。

（発明の効果） １ントの説明から明らかなように、本発明は、所定の三
次元網状骨格構造を有するセラミックス多孔体を、有底
筒体形状のシェルに収容せしめた状態において、モール
ド間に形成される溶湯通路にセットせしめるようにした
ものであり、そしてこれによって、注湯された金属溶湯
の清浄化を行なうことにより、注湯前の入念な除宰作業
を軽減せしめ、またスラグ、砂等の異物の混入を防止し
、更には未熟練作業者による注湯作業を可能ならしめ、
そしてまた自動注湯装置を簡素化せしめ得るようにする
と共に、かかるセラミックス多孔体のセット作業を容易
ならしめ、且つその作業の自動化を可能と為すと同時に
、そのセット時における砂落としの問題等も悉く解消せ
しめ得たものであり、そこに本発明の大きな工業的意義
が存するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ＞、　　（ｂ）及び（Ｃ）は、それぞれ垂直
鋳込方法の各工程を示す断面説明図であり、第２図は本
発明にて用いられるモールドの一つのキャビティ形成側
の面を示す正面部分図であり、第３図はそのようなモー
ルドを重ねた状態における第２図のＩＩＴ−ｒ［Ｉ断面
に相当する図であり、第４図はセラミックス多孔体とそ
れを収容するシェルを取り出して示す斜視図であり、第
５図は本発明においてセラミックス多孔体上に接種剤ま
たは、黒鉛球状化剤が載置された状態の一例を示す拡大
説明図である。 ２０：モールド　　２２：湯口形成凹所２４：湯道形成
凹所 ２６：鋳造キャビティ形成凹所 ２８：合わせ面　　３０ニジエル形成凹所３２：セラミ
ックス多孔体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 縦型のモールドを水平方向に重ね合わせて、それらモー
   ルド間に所定の鋳造キャビティを形成せしめる一方、上
   方から注湯される金属溶湯を該鋳造キャビティ内に導い
   て、目的とする鋳物製品を形成せしめるに際して、連続
   気孔を有する三次元網状骨格構造のセラミックス多孔体
   を、少なくともその側面を覆い且つ底部に溶湯通孔を有
   する有底筒体内に収容した状態において、前記モールド
   の合わせ面に形成される溶湯通路に、それを仕切るよう
   にしてセットせしめ、前記注湯された金属溶湯が該セラ
   ミックス多孔体を通過して前記鋳造キャビティ内に導か
   れるようにしたことを特徴とする垂直鋳込方法。