JPS6221183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のガソリンタンクの液面より
上部とチヤコールキヤニスタの間を接続する通気
管中に設ける逆止弁組立体の改良に関する。

第１図に示した様にガソリンタンク１中のガソ
リンはポンプ２、給油管３によつて気化器４に供
給するが、ガソリンは揮発性で、その揮発ガスは
人体に有害なためガソリンタンクの最高液面より
も上部とチヤコールキヤニスタ５の間を途中に逆
止弁組立体６を有する通気管７で接続し、更にチ
ヤコールキヤニスタ５とエンジンのクランクケー
ス８、クランクケースと気化器４の間を夫々配管
９，１０で接続し、停車中にガソリンタンクの内
圧が揮発ガスで高まると揮発ガスは逆止弁組立体
中に設けられた一つの逆止弁を押し開けてチヤコ
ールキヤニスタに流入して吸収され、そのオーバ
ーした分はクランクケースに貯められ、自動車発
進時にキヤブレータで優先的に消費される様にな
つている。又、ガソリンタンクは内部が減圧にな
ると変形して破損するなど負圧に対する対圧強度
が低いためガソリンタンク中のガソリンが少くな
り、タンク内が減圧して圧力が所定の値より下が
ると、その減圧で逆止弁組立体中の他方の逆止弁
が開き、チヤコールキヤニスタ５から外気を吸気
し、タンク内を常圧に戻す様になつている。

従つて、通気管中に接続する逆止弁組立体は揮
発ガスをガソリンタンクから放出するためと、大
気をガソリンタンク中に吸入させるための方向が
正反対な二つの逆止弁を備えていることが必要
で、従来は一般に第２図の様な複雑な構造になつ
ている。つまり、ガソリンタンク側に接続する接
続口１１を備えたカツプ形胴筒１２の開放端部に
キヤニスタ側に接続する接続口１３を備えた端壁
１４を固定し、その内部にきのこ弁１５を仕切壁
１６′に取付けたＨ形断面の作動筒１６と、筒形
弁１７を取付けた筒枠１８を収め、作動筒１６と
筒枠１８を嵌合してコイルバネ１９で筒形弁１７
の端部を端壁１４の内面に接続口１３の内端を囲
う様に押付け、ガソリンタンクの内圧が高まると
揮発ガスは仕切壁１６′にあつて常時はきのこ弁
１５の傘で閉じられた孔２０から傘を変形させて
キヤニスタに向かつて流れ、タンク内が負圧にな
るとコイルバネ１９が圧縮され、端壁１４の内面
に押付けられている筒形弁１７の端部が端壁１４
から離れ、キヤニスター側から空気が筒形弁の端
部と端壁１４の間隙から流入し、ガソリンタンク
内を常圧に戻す様になつている。

従つて、構造が複雑で、組立てに非常に手数を
要すると共に、コイルバネの精度上の問題や、弁
の軸方向の長さが長く、従つて小型、軽量するこ
とが困難である。

本考案は上記従来のものゝ欠点を解消すること
を目的として開発されたもので、以下これを図示
の実施例を参照して説明する。

本考案の逆止弁組立体は夫々接続口２１，２２
を有し、一方の内周中に他方の外周が嵌合する内
外嵌合部２３，２４を備えた例えばプラスチツク
で成形した二つのハウジング部材２５，２６と、
方向が正反対な二つの逆止弁２７，２８を支持し
てハウジング部材２５の外側嵌合部２３中に収め
られ、他方のハウジング部材２６の内側嵌合部２
４を外側嵌合部２３に嵌合して固定することによ
り両ハウジング部材２５，２６間に固定される支
持盤２９を含む。内側嵌合部の外周と外側嵌合部
の内周には支持盤２９の周縁部を挾んで所定の状
態に嵌合したときに嵌合状態を保持する保持装置
３０，３１を備えさせるとよい。

二つの逆止弁２７，２８は支持盤２９の各面か
ら夫々突出した合成ゴムなどの柔軟な材料で成形
した觜であり、各觜は先端に一文字に口を閉じた
唇部３２を有する。この実施例では両逆止弁は支
持盤２９と一体に成形され、支持盤２９は周縁に
肥厚部３３を有する。

従つて、逆止弁を組立てるにはハウジング２５
の外側嵌合部２３内に両逆止弁を支持した支持盤
２９を嵌込んで外側嵌合部２３の奥にある半径方
向内向きの壁面２５′に支持盤の片面の周縁部を
受止させ、次に他方のハウジング２６の内側嵌合
部２４を外側嵌合部２３中に押込む。

内側嵌合部２４は先端部外周に外側嵌合部の内
周と同径の外周方向に張出した環状の突条で保持
装置の一方３０を構成し、保持装置の他方３１は
外側嵌合部の内周から張出した環状の突条で形成
されている。両突条の断面形状は互いに引懸り合
う図示の如き鋸歯形であることが好ましい。

ハウジング２６の押込みは内側嵌合部２４の先
端面で支持盤２９の輪周の肥厚部３３を壁面２
５′に対して圧縮し、内側嵌合部外周の突条が外
側嵌合部内周の突条を乗り越えるまで行えばよ
い。これにより圧縮された支持盤の輪周の肥厚部
３３の復元弾力によつて突条同志は強力に引懸
り、両ハウジング２５，２６は嵌合状態に保持さ
れると同時に、圧縮によつて外周方向に拡張した
肥厚部３３は外側嵌合部の内周に密接してシール
を行い、揮発ガス等が外に洩れるのを防止する。

従つて接続口２１，２２の一方、例えば２１に
ガソリンタンクから来る通気管７の端部を接続
し、他方の接続口２２にキヤニスタから来る通気
管の端部を接続する。これによりガソリンタンク
の内圧が高まつた場合、揮発ガスは接続口２１か
らハウジング部材２５中に入り、ハウジング部材
２６内に突出した逆止弁２７の唇部を押し開け、
ハウジング部材２６を経てキヤニスタに流れる。
又、ガソリンタンク内が負圧になるとハウジング
部材２５中に突出した他方の逆止弁２８の唇部を
開いてキヤニスタからタンク中に空気が吸込ま
れ、タンク内を常圧に戻す。

尚、支持盤２９は唇部を有する觜形逆止弁と一
体に成形されているので柔軟であり、ガソリンタ
ンクの内圧の変化に応じて撓む。このため各ハウ
ジング２５，２６には逆止弁２７，２８を避け、
且つ揮発ガスや空気の流通を妨げない様な配置で
支持盤の各片面に先端を当接する補強壁３４，３
５を一体に設け、補強壁支持盤が撓むのを防止す
る。好ましくは両補強壁３４，３５はその間に図
示の如く支持盤を挟み付ける様なものとする。

以上、本案を図示の実施例によつて説明した
が、各逆止弁２７，２８はガソリンタンクの内圧
がどの程度高まつたら揮発ガスをキヤニスタに流
すか、或いはどの程度の負圧になつたら外気をタ
ンク中に取入れさせるかそれに応じて弾力性、肉
厚を適切に定めることが必要である。

これによつて部品点数が少なく、製造容易で、
組立に手数がかゝらず、しかも長さが短かく小型
化した逆止弁組立体を提供することができる。
尚、内外嵌合部の固定は溶着でもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は逆止弁組立体の使用例の説明図、第２
図は従来の逆止弁組立体の断面図、第３図は本考
案の一実施例の断面図、第４図は同上の一方のハ
ウジングの正面図、第５図は同じく逆止弁付き支
持盤の斜面図で、図中、２３は外側嵌合部、２４
は内側嵌合部、２５，２６はハウジング部材、２
７，２８は逆止弁、２９は支持盤を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 夫々接続口を有し、一方の内周中に他方の外周
   が嵌合して固定される外側嵌合部を持つたハウジ
   ング部材と、内側嵌合部を持つたハウジング部材
   と、方向が正反対な二つの逆止弁を支持して外側
   嵌合部中に収められ、両ハウジング間に固定され
   る支持盤とからなる逆止弁組立体において、 上記支持盤の各片面に、先端に一文字に口を閉
   じた唇部からなる二つの嘴形逆止弁を互いに反対
   方向に向けて突設すると共に、各ハウジング部材
   には上記各嘴形逆止弁を避けて支持盤の各片面に
   先端が当接する補強壁を設けたことを特徴とする
   逆止弁組立体。