JPS6220832B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 核医学における短寿命の放射性同位元素は医療
用サイクロトロン等の加速器で加速されたビーム
をターゲツトボツクス内のターゲツトガスに照射
させて核反応を起させることにより製造させてお
り、多くの核種がある。

これらは合成装置に導びかれて患者への吸入に
適した放射性同位元素標識化合物（以下医療用放
射性ガスという）に処理される。この医療用放射
性ガスはそのガス流量を制御して患者に連続的に
吸入させ、あるいは１回毎に一定量ずつ吸入させ
る必要がある。

本発明は医療用放射性ガスを患者に連続吸入ま
たは１回吸入させるための装置に関する。

〔従来技術〕

従来は合成装置より得られる医療用放射性ガス
をガス流量のみを制御して患者に吸入させてい
る。しかし合成装置より得られる医療用放射性ガ
スの放射能濃度は一定ではなく、たとえ一時的で
も高濃度のガスを吸入することは放射能障害のお
それがあり危険である。又、診断を正確に行なう
ためには一定濃度のガスを連続的に吸入する必要
があるが、従来は診断の正確度の面からも問題が
あつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記の欠点を解決することを目的とし
てなされたものであつて、医療用放射性ガスの放
射能濃度を所定値に制御して放射能障害のおそれ
をなくし、医療用放射性ガスを患者に安全に合理
的に連続吸入または１回吸入させることができ、
かつ自動化も可能な医療用放射性ガス吸入装置を
提供しようとするものである。

〔発明の構成〕

上記の目的を達成する本発明は図面に示すよう
に放射性同位元素を患者への吸入に適した医療用
放射性ガスに処理するための合成装置１のガス出
口に接続されガス流量と放射能濃度を制御するた
めのガス制御部２と、このガス制御部２のガス出
口に接続され連続吸入か１回吸入かを選択して回
路を切換えることにより患者に連続吸入または１
回吸入させるためのガス吸入部３とよりなる。

〔実施例の構成〕

以下図面によつて本発明の一実施例の構成を説
明する。

図面において１は放射性同位元素を患者への吸
入に適した医療用放射性ガスに処理するための合
成装置、２はこの合成装置１のガス出口に接続さ
れガス流量と放射能濃度を制御するためのガス制
御部、３はこのガス制御部２のガス出口に接続さ
れ連続吸入か１回吸入かを選択して回路を切換え
ることにより患者に連続吸入または１回吸入させ
るためのガス吸入部である。

ｌ１は合成装置１のガス出口に接続した第１放
射能濃度測定装置RC１の回路で、電磁弁Ｖ１、
流量計FM１及び流量調整弁FC１を有する。ｌ
２は第１放射能濃度測定装置RC１の回路ｌ１に
接続した第２放射能濃度測定装置RC２の回路
で、電磁弁Ｖ２及び流量計FM３を有する。ｌ３
は第１放射能濃度測定装置RC１で測定した放射
能濃度値が所定値を超えた時に作動せしめられ、
第２放射能濃度測定装置RC２で測定した放射能
濃度値が一定になるよう希釈用空気を供給する希
釈用空気供給回路で、第１、第２放射能濃度測定
装置RC１，RC２の回路ｌ１，ｌ２の間に接続さ
れている。この希釈用空気供給回路ｌ３は空気ポ
ンプＰ１、流量計FM２及び流量調整弁FC２を
有する。

これらの回路ｌ１〜ｌ３はガス制御部２を構成
している。

ｌ４は第２放射能濃度測定装置RC２の回路ｌ
２に接続したガス導入回路で、電磁弁Ｖ３を有す
る。ｌ５はこのガス導入回路ｌ４に接続した連続
吸入用回路で、連続吸入時に開かれる連続吸入用
電磁弁Ｖ４を有する。

ｌ６は１回吸入時に開かれるチヤージ用電磁弁
Ｖ７を有するチヤージ用酸素ガス供給回路で、１
回吸入分のガス量の不足を補うためのものであ
る。ｌ７はこのチヤージ用酸素ガス供給回路ｌ６
とガス導入回路ｌ４に接続した１回吸入用回路
で、１回吸入時に開かれる１回吸入用入口側電磁
弁Ｖ８、１回吸入用バツグＢ１及び１回吸入に際
して開れる１回吸入用出口側電磁弁Ｖ１２を有す
る。LS１は１回吸入用バツグＢ１が一定量のガ
ス流入により膨脹した際、核バツグＢ１の膨脹を
検出してチヤージ用電磁弁Ｖ７及び１回吸入用入
口側電磁弁Ｖ８を閉じるための膨脹検出器で、例
えばリミツトスイツチである。

ｌ８は１回吸入用バツグＢ１の入口側に接続し
た室内空気吸入用回路で、逆流防止弁Ｃ１及び室
内空気吸入用電磁弁Ｖ１０を有する。PS１は１
回吸入用バツグＢ１の収縮を検出して室内空気吸
入用電磁弁Ｖ１０を開くための陰圧検出器であ
る。吸入マスクを用いてガスを吸入するので、１
回吸入後に吸入するガスがなくなると、呼吸困難
にあるので、これを防止するための回路が室内空
気吸入用回路ｌ８であり、１回吸入後に室内空気
を吸入できるようになつている。

ｌ９は患者が吐き出す廃ガスを排気するための
廃ガス排気回路で、逆流防止弁Ｃ２、排気用バツ
グＢ２、電磁弁Ｖ６及び、流量計FM４を有し、
廃ガスボンベに接続される。この廃ガス排気回路
ｌ９は患者が吐き出す放射能を帯びた廃ガスを流
速を遅くしてボンベに集めるためのものである。

これらの回路ｌ４〜ｌ９はガス吸入部３を構成
している。

なお、実施例では各部の操作はマイクロコンピ
ユータにより自動的に行うように構成されてい
る。

〔実施例の作用〕

次にその作用を説明する。

〈連続吸入の場合〉 合成装置１により処理された医療放射性ガスは
ガス制御部２に入り、電磁弁Ｖ１、流量計FM
１、流量調整弁FC１及び第１放射能濃度測定装
置RC１の回路ｌ１を通り流量調整されて更に第
２放射能濃度測定装置RC２、流量計FM３及び
電磁弁Ｖ２の回路ｌ２を通つてガス吸入部３に送
られる。

この時、第１放射能濃度測定装置RC１で放射
能濃度が測定され、その放射能濃度値が所定値を
超えると、空気ポンプＰ１が自動的に運転され、
希釈用空気が流量計FM２及び流量調整弁FC２
を通り流量調整されて第２放射能濃度測定装置
RC２の回路ｌ２に送られ、該回路ｌ２の放射能
濃度が一定になるように制御される。

ガス吸入部３に送られてきた一定流量と一定放
射能濃度の医療用放射性ガスは電磁弁Ｖ３を有す
るガス導入回路ｌ４及び連続吸入用電磁弁Ｖ４を
有する連続吸入用回路ｌ５を経て患者に連続的に
吸入される。患者が吐き出す廃ガスは逆流防止弁
Ｃ２、排気用バツグＢ２、電磁弁Ｖ６及び流量計
FM４の廃ガス排気回路ｌ９を通り、廃ガスボン
ベに集められる。

〈１回吸入の場合〉 合成装置１により処理された医療用放射性ガス
は上記のようにガス制御部２で一定流量と一定放
射能濃度のガス流にされてガス吸入部３に送られ
る。

ガス吸入部３に送られてきた一定流量と一定放
射能濃度の医療用放射性ガスは電磁弁Ｖ３を有す
るガス導入回路ｌ４及び１回吸入用回路ｌ７の１
回吸入用入口側電磁弁Ｖ８を経て１回吸入用バツ
グＢ１に送られると同時にチヤージ用酸素ガス
（O₂ガス）がチヤージ用電磁弁Ｖ７を有するチヤ
ージ用酸素ガス供給回路ｌ６及び１回吸入用回路
ｌ７の１回吸入用入口側電磁弁Ｖ８を経て１回吸
入用バツグＢ１に送られる。

１回吸入用バツグＢ１に１回吸入に必要な一定
量の医療用放射性ガスとチヤージ用酸素ガスが入
り、１回吸入用バツグＢ１が膨脹すると、その膨
脹がリミツトスイツチLS１により検出されてチ
ヤージ用電磁弁Ｖ７と、１回吸入用入口側電磁弁
Ｖ８が閉じられる。同時に１回吸入に際して１回
吸入用出口側電磁弁Ｖ１２が開かれ、患者に１回
分のガスが吸入される。

ガス吸入後１回吸入用バツグＢ１が収縮する
と、その収縮が陰圧検出器PS１により検出され
て室内空気吸入用回路ｌ８の室内空気吸入用電磁
弁Ｖ１０が開かれ、室内空気が室内空気吸入用電
磁弁Ｖ１０、逆流防止弁Ｃ１、１回吸入用バツグ
Ｂ１及び１回吸入用出口側電磁弁Ｖ１２を通り患
者に吸入される。患者が吐き出す廃ガスは上記の
ように廃ガス排気回路ｌ９を経て廃ガスボンベに
集められる。

〔発明の効果〕

上述のように本発明によれば、合成装置１より
得られる医療用放射性ガスはガス制御部２で常に
一定流量と一定放射能濃度のガス流に制御されて
ガス吸入部３に送られ、ガス吸入部３で連続吸入
か１回吸入かを選択して回路の切換えを行い、患
者にガスを連続的にまたは１回分のガス量を吸入
させることができるので、患者が一定放射能濃度
以上の医療用放射性ガスを吸入することはないか
ら放射能障害のおそれはなくなり、安全かつ合理
的に患者にガスを吸入させることができ、自動化
も容易にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例の構成を示す配管接続
図である。 １……合成装置、２……ガス濃度制御部、３…
…ガス吸入部、ｌ１，ｌ２……第１、第２放射能
濃度測定装置RC１，RC２の回路、ｌ３……希釈
用空気供給回路、Ｐ１……空気ポンプ、ｌ４……
ガス導入回路、ｌ５……連続吸入用回路、Ｖ４…
…連続吸入用電磁弁、ｌ６……チヤージ用酸素ガ
ス供給回路、Ｖ７……チヤージ用電磁弁、Ｖ８…
…１回吸入用入口側電磁弁、Ｂ１……１回吸入用
バツグ、Ｖ１２……１回吸入用出口側電磁弁、ｌ
７……１回吸入用回路、LS１……膨脹検出器
（リミツトスイツチ）、Ｃ１……逆流防止弁、Ｖ１
０………室内空気吸入用電磁弁、ｌ８……室内空
気吸入用回路、PS１……陰圧検出器、ｌ９……
廃ガス排気回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 短寿命の放射性同位元素を患者への吸入に適
   した医療用放射性ガスに処理するための合成装置
   のガス出口に接続されガス流量と放射能濃度を制
   御するためのガス制御部と、このガス制御部のガ
   ス出口に接続され連続吸入か１回吸入かを選択し
   て回路を切換えることにより患者に連続吸入また
   は１回吸入させるためのガス吸入部とよりなる医
   療用放射性ガス吸入装置。 ２ 前記ガス制御部は合成装置のガス出口に第
   １、第２放射能濃度測定装置の回路を順次接続
   し、第１、第２放射能濃度測定装置の回路の少な
   くとも一方の回路にガス流量調整装置を備えると
   共に第１放射能濃度測定装置で測定した放射能濃
   度値が所定値を超えた時に作動せしめられ、第２
   放射能濃度測定装置で測定した放射能濃度値が一
   定になるよう希釈用空気を供給する希釈用空気供
   給回路を第１、第２放射能濃度測定装置の回路間
   に接続して構成し、 前記ガス吸入部は第２放射能濃度測定装置の回
   路に接続したガス導入回路に、連続吸入時に開か
   れる連続吸入用電磁弁を有する連続吸入用回路を
   接続すると共に、１回吸入時に用いられるチヤー
   ジ用電磁弁を有するチヤージ用酸素ガス供給回路
   と前記ガス導入回路に、１回吸入時に開かれる１
   回吸入用入口側電磁弁、１回吸入用バツグ及び１
   回吸入に際して開かれる１回吸入用出口側電磁弁
   を有する１回吸入用回路を接続し、１回吸入用バ
   ツグが一定量のガス流入により膨張した際、１回
   吸入用バツグの膨張を検出してチヤージ用電磁弁
   及び１回吸入用入口側電磁弁を閉じるための膨張
   検出器を設け、かつ１回吸入用バツグの入口側に
   室内空気吸入用電磁弁を有する室内空気吸入用回
   路を接続せしめ、１回吸入用バツグの収縮を検出
   して室内空気吸入用電磁弁を開くための陰圧検出
   器を設けて構成した特許請求の範囲第１項記載の
   医療用放射性ガス吸入装置。