JPS6220163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、眼科用機器のスライド式固定台に
関し、特に、基盤、前後移動盤、及び左右移動盤
の間に滑り部材を一方の面に貼着することにより
台の円滑な移動と停止を実現したスライド式固定
台に関する。

眼科用のスリツトランプ、眼底ランプ、又は眼
圧計等の機器を固定する台は、一般に、水平に置
かれて前後左右又は斜に手動で移動できるよう
に、最下位の基盤とその上の前後移動盤、前後移
動盤とその上の左右移動盤の間にスライドベアリ
ングを介挿して構成され、最上位の左右移動盤上
に取付けられたノブにより左右移動盤は手動で水
平移動を行なうことができるが、スライドベアリ
ングのみの作用によつて移動が行なわれるため、
動きが大きく、ノブを手に持つて固定台を希望の
位置まで移動する際、加速、減速、停止の動作が
手の力に左右される度合が大き過るため、希望す
る位置にピタリと停止させることが難しい欠点が
あつた。さらに、左右移動盤上の機器の重量がス
ライドベアリングにのみかかることから、その回
転時の振動が眼科用機器に大きく伝わりスムーズ
な移動を防げていた。

この考案は、上記の欠点を解消するためになさ
れたもので、基盤上の各移動盤をその上に立設さ
れた手動ノブによつて振動などを出さず円滑に動
かすことができ、また、希望する位置にピタリと
停止させることができる眼科用機器のスライド式
固定台を提供することを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は、スライド式固定台の左側面図を、第
２図は正面図を示し、１は基盤、２は基盤１上に
載置される前後移動盤、３は前後移動盤２の上に
載置される左右移動盤である。基盤１の上面の左
右両側部には、２個の車輪４ａ，４ｂをフレーム
５両端に水平軸により軸支して構成されたスライ
ドベアリング６が下半分を基盤１に埋設して取付
けられている。前後移動盤２の底面には、基盤１
上の両側に突設されたスライドベアリング６に対
応した位置に溝レール７が形成され、スライドベ
アリング６はその溝レール７内に嵌挿され、前後
移動盤２は基盤１上を前後に移動可能である。８
は前後移動盤２の底面両側部に溝レール７に沿つ
て貼着されたテープ状の滑り部材であり、この滑
り部材８は滑材入りの樹脂又はフツ素樹脂の押出
成形品であり、表面に長手方向の細い突条が形成
され、表面の摺動摩擦を少なくしている。したが
つて、基盤１上に載置された前後移動盤２の重量
は２枚の滑り部材８と２個のスライドベアリング
６の車輪４ａ，４ｂに分散されてかかる。同様の
構成のスライドベアリング６は前後移動盤２の上
面にも前後に並行に埋設され、左右移動盤３の底
面にはこれらのスライドベアリング６に対向した
位置に溝レール７が設けられ、前後移動盤２上の
定位置に載置された左右移動盤３は、スライドベ
アリング６の長手方向に沿つて、すなわち、左右
方向に移動可能である。この左右移動盤３の底面
にも溝レール７に沿つて２本のテープ状の滑り部
材８が貼着され、左右移動盤３の重量はスライド
ベアリング６と滑り部材８に分散してかけられる
構造である。左右移動盤３の上面には手動ノブ９
が固定され、さらに、眼科用機器を取付けるため
のポール１０が立設される。

このように構成された眼科用機器のスライド式
固定台は、操作者が手動ノブ９を握つてこれを前
後左右、又は斜に動かすことにより、前後移動盤
２は基盤１に対し前後に移動し、左右移動盤３は
前後移動盤２に対し左右に移動し、希望の位置ま
で左右移動盤３上の眼科用機器を直線的に移動す
ることができる。この移動時に、基盤１と前後移
動盤２、及び前後移動盤２と左右移動盤３の間の
摺動面にかかる眼科用機器等の荷重は、スライド
ベアリング６と滑り部材８に分散されることか
ら、従来のように手動ノブにかけられる移動方向
の力がストレートにスライドベアリングにかかつ
て希望停止位置からオーバーランさせたりするこ
となく、停止時には滑り部材８が適度の停止用摩
擦部材として作用し、眼科用機器を希望の位置ま
でスムーズに移動させることができる。

以上のように、この考案の眼科用機器のスライ
ド式固定台によれば、上記のように構成したか
ら、移動盤の間に介在した滑り部材が移動時に適
度な摩擦部材として作用して、停止時にオーバー
ランさせることなく移動盤を希望の位置に容易に
停止させることができる。また、眼科用機材等の
荷重はスライドベアリングと滑り部材に分散して
かかるから、滑り部材がクツシヨン材として作用
し、移動中に生ずるスライドベアリングの振動を
吸収して眼科用機器にこれを伝えない効果があ
る。さらに、左右移動盤上にノブを固定したか
ら、従来のように軸支したノブに比べブレがなく
正確に希望した位置まで移動盤を動かすことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図はスライ
ド式固定台の左側面図、第２図は同正面図、第３
図は下方から観た同斜視図である。 １……基盤、２……前後移動盤、３……左右移
動盤、６……スライドベアリング、８……滑り部
材、９……手動ノブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基盤の上に前後移動盤がスライドベアリングを
   介して水平前後方向に摺動可能に配設され、該前
   後移動盤上に左右移動盤がスライドベアリングを
   介して水平左右方向に摺動可能に配設され、該左
   右移動盤上に眼科機器を固定した眼科用機器のス
   ライド式固定台において、表面長手方向に細い突
   条を有しテープ状で滑材入り樹脂製の滑り部材が
   前記基盤と前後移動盤、及び前後移動盤と左右移
   動盤の間の一方の面に摺動方向に沿つて貼着さ
   れ、該左右移動盤上に手動ノブを固定したことを
   特徴とする眼科用機器のスライド式固定台。