JPS6220134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新規な白熱電球に関する。詳しくは、
密閉空間内にフイラメントを備え扁平状のピンチ
シール部を有するガラス球を口金に結合して成る
白熱電球において、ガラス球を口金に保持せしめ
るための作業を容易にし、かつ、口金へのガラス
球の保持が確実となる新規な白熱電球を提供しよ
うとするものである。

電球のガラス球を耐熱セメントを用いて口金に
固着する煩らわしさや、種々の問題を解決するた
めに、保持プレートに設けた複数の弾性片により
ガラス球の扁平状のピンチシール部を両側から弾
力的に押圧して保持することが提案されている。
ところが、従来のこのような構造によつては、弾
性片により、単にピンチシール部の両側を押圧し
ているのみであるから、取付状態が不安定とな
り、ちよつとした振動などで、位置ずれを起こし
たりする欠点があつた。また、このような取付状
態の不安定さを解消するために、上記の弾性片の
更に別の個所、例えば口金の筒金の方にもピンチ
シール部を保持する手段を設けるようにしたもの
が提案されているが、このようなものにあつて
は、筒金にも手を加えなければならず、コストが
高くつくと共に、ガラス球を保持させるための作
業を保持プレートの部分と筒金の部分との２個所
で行なわなければならず、作業性が良くないとい
う問題点があつた。

そこで、本考案は扁平状のピンチシール部を有
する白熱電球のガラス球を口金に取着する作業を
容易にし、かつ、口金へのガラス球の保持が確実
となる新規な白熱電球を提供しようとするもの
で、ガラス管の両端を閉じて密閉空間を形成し少
なくとも一端部に略扁平状のピンチシール部が形
成され該ピンチシール部に埋設状に保持されたリ
ード線によつて上記密閉空間内にフイラメントが
配置されると共にピンチシール部の少なくとも一
方の側面のピンチシール部基部から適当な間隔を
おいた位置に係合部が形成されたガラス球と、該
ガラス球を保持しており口金に固定されるガラス
球保持プレートとから成り、ガラス球保持プレー
トはばね弾性を有する金属板で形成され１対の中
間押え片と該中間押え片の両側に略接して形成さ
れた２対の側部押え片とを押えており、これら押
え片は対を成す２個の押え片が略長方形の１の空
間を挾んで配置されていて、そして、中間押え片
と側部押え片とはそれぞれ反対側へ切り起こし状
に起立形成されているとともに、各押え片はその
中間部において屈曲されており、そして、ガラス
球のピンチシール部がその両側面を対を為す押え
片によつて弾圧され、中間押え片と側部押え片の
うちどちらか一方の押え片の屈曲部から先端側部
分がピンチシール部に面接触するとともに、その
端部はピンチシール部に形成された係合部と係合
され、他方の押え片はガラス球の密閉空間を形成
している密閉ガラス容器のピンチシール部側外面
と弾接されていることを特徴とする。

以下に、本考案白熱電球の詳細を図示実施例に
従つて説明する。

１はハロゲン電球のガラス球である。２は一端
がピンチシール部３で、他端が排気部４で閉じら
れて密閉状とされた密閉ガラス容器である。５，
５，……はリード線で、ピンチシール部３を貫通
されて、中間部がピンチシール部３に保持されて
いる。６，６はガラスブリツジで、ガラス容器２
内でリード線５，５，……を両側から挾むように
溶着されている。そして、リード線５，５，……
の適宜のものの先端間にフイラメント７，７が張
架されている。ピンチシール部３は略扁平状を為
しており、幅方向における両側において両側面に
突条部８，８，……が形成されて、断面形状がＩ
字状を為している。又、ピンチシール部３の両側
面の略中央部には係合突起９，９が形成されてい
る。尚、密閉ガラス容器２の中には不活性ガスと
適当なハロゲンガスとが封入されている。以上の
ようにしてガラス球１が形成されている。

１０はガラス球保持プレートである。ガラス球
保持プレート１０はばね弾性を有する金属板で形
成されており、平面形状で略円形を為している。
そして、該プレート１０の周縁は階段状に屈曲さ
れて、下方を向いた当接面１１と、該当接面１１
の外縁から下方へ向けて折り曲げられたカシメ縁
１２とが形成されている。保持プレート１０の保
持面１３には一対の中間押え片１４，１４と２対
の側簿押え片１５，１５，１５′，１５′が切り起
こし状に形成されている。中間押え片１４と１４
とは互いに対向して形成されており、保持面１３
から下方（第５図、第６図で図面用紙の下縁側）
へ向けて折り曲げられており、互いの先端が近づ
くように傾斜されていて、そして、先端部１６，
１６は更に下方へ向けて屈曲され互いに略平行を
為すようにされている。側部押え片１５と１５，
１５′と１５′とは互いに対向して形成されてお
り、保持面１３から上方へ向けてかつ互いに近づ
くように傾斜されて折り曲げられており、そし
て、先端部１７と１７，１７′と１７′は互いに反
対側へ折り曲げられている。そして、これら押え
片１４，１４，１５，１５及び１５′，１５′は、
１４と１４との間隔が狭く、１５と１５及び１
５′と１５′の間隔が稍広くなるように形成され
て、これら押え片を形成することによつて形造ら
れる空間が上方から見て（第１０図で見て）電球
ガラス球１のピンチシール部３の断面形状に対応
した略Ｉ字状を為すようにされている。

しかして、ガラス球１はそのピンチシール部３
が上方からガラス球保持プレート１０の押え片１
４と１４，１５と１５，１５′と１５′の各間に、
第５図及び第６図で良く解るように、押え片１
５，１５，１５′，１５′の上端が密閉ガラス容器
２の下端面に接するまで、挿入される。この状態
で（第５図及び第６図に示してある。）、中間押え
片１４，１４は、その先端部１６，１６が保持面
１３の下方でガラス球１のピンチシール部３の中
間部の側面に両側から弾接する。それと同時に、
先端部１６，１６がピンチシール部３に形成され
た係合突起９，９と係合される。また、側部押え
片１５，１５及び１５′，１５′は、保持面１３の
上方で主部と先端部１７，１７，１７′，１７′と
の間の屈曲点がピンチシール部３の突条部８，８
に両側から弾接し、かつ先端部１７，１７及び１
７′，１７′がガラス容器２のピンチシール部側外
面即ち下端面１８と当接する。

このように、ガラス球１はピンチシール部３が
押え片１４，１４，１５，１５，１５′，１５′に
よつて数個所を分散して弾圧的に押えられると共
に、ガラス容器下面１８，１８を押え片１５，１
５，１５′，１５′の先端部１７，１７，１７′，
１７′によつて支持され、かつ中間押え片１４，
１４の先端部１６，１６がピンチシール部３の係
合突起９，９と係合されるため、ガラス球保持プ
レート１０に安定した状態で保持される。

１９は口金であり、円筒状の筒金２０に位置決
め用のフランジ２１が溶接又は半田付け等により
固着され、かつ、絶縁体２２を介して端子金具２
３，２３，２３が固定されたものである。

筒金２０の上端開口縁は稍外方へ拡開されて係
着用突縁２４とされている。そして、この係着用
突縁２４の外径はガラス球保持プレート１０のカ
シメ縁１２の内径より僅かに小さく形成されてい
る。

しかして、ガラス球保持プレート１０は口金１
９の筒金２０の開口端に外嵌される。そして、こ
のとき、ガラス球保持プレート１０の当接面１１
が筒金２０の開口端と当接される。しかる後、ガ
ラス球保持プレート１０のカシメ縁１２を筒金２
０の側面に密着させるように数箇所２５，２５，
……にて折り曲げ、第１図に示すようにする。こ
れによつて、保持プレート１０の折り曲げれたカ
シメ縁１２が筒金２０の係着用突縁２４と係着さ
れ、保持プレート１０は筒金２０に固定されたこ
とになる。尚、このままでも、ガラス球保持プレ
ート１０と筒金２０との間の固着関係は確実であ
るが、保持プレート１０のカシメ縁先端を筒金２
０の側面にハンダ付け又はスポツト溶接等して確
実性を高めるようにしても良い。

以上に記載したところから明らかなように、本
考案白熱電球においては、白熱電球のガラス球を
口金に結合するための保持プレートにそれぞれ反
対側に切り起こし状に起立形成された中間押え片
と側部押え片とが形成され、これら押え片によつ
てガラス球のピンチシール部を両側から弾圧する
と共に、中間押え片と側部押え片のうちどちらか
一方の端部がピンチシール部に形成された係合部
と係合され、他方がガラス球の密閉空間を形成し
ている密閉ガラス容器のピンチシール部側外面と
弾接されるため、ガラス球をきわめて安定した状
態でかつ確実に保持することができると共に、ガ
ラス球を保持プレートに保持させるための作業
は、ガラス球のピンチシール部を各押え片の間に
挿入して行くだけで足りるため、その作業がきわ
めて容易であるという効果を奏する。

また、本考案電球のガラス球保持プレートによ
れば、一方の押え片をピンチシール部に面接触さ
せているため、電球の保持を安定にすることがで
き、しかも、当該押え片の弾圧力をピンチシール
部の一点に集中させることがなく、従つて、ピン
チシール部に損傷を与えることなしに、より強固
に電球を保持することができる。

尚、上記実施例において、ガラス球のピンチシ
ール部に形成される係合部は突起であつたが、押
え片の先端と係合し得るものであれば凹部のよう
なものであつても良い。又、係合部はピンチシー
ル部の両側面に各１個づつ形成されているが、各
面に複数のものを形成しても良いし、あるいは、
一方の側面にのみ形成しても良い。

又、上記実施例においては中間押え片が下方へ
向つて延びかつ係合部と係合されているが、中間
押え片と側部押え片の突出方向を上記実施例にお
けるそれと逆にして、側部押え片が係合部と係合
されるようにしても構わない。

更に、ピンチシール部の形状は概ね扁平状であ
れば良く、例えば、両側面が平行に延びるものに
限定されるものではなく、断面形状がくさび形を
為すようなものでも良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案白熱電球の実施の一例を示すもの
で、第１図は全体の斜視図、第２図は全体の分解
斜視図、第３図乃至第６図はガラス球を保持プレ
ートに保持した状態を示し、第３図は斜視図、第
４図は側面図、第５図は第４図の−線に沿う
断面図、第６図は第５図の要部拡大図、第７図及
び第８図はガラス球を示し、第７図は側面図、第
８図は第７図の−線に沿う断面図、第９図乃
至第１１図はガラス球保持プレートを示し、第９
図は斜視図、第１０図は平面図、第１１図は側面
図である。 符号の説明、１……ガラス球、２……密閉ガラ
ス容器、３……ピンチシール部、５……リード
線、７……フイラメント、９……係合部、１０…
…ガラス球保持プレート、１４……中間押え片、
１５，１５′……側部押え片、１８……（密閉ガ
ラス容器の）ピンチシール部側外面、１９……口
金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガラス管の両端を閉じて密閉空間を形成し少な
   くとも一端部に略扁平状のピンチシール部が形成
   され該ピンチシール部に埋設状に保持されたリー
   ド線によつて上記密閉空間内にフイラメントが配
   置されると共に、ピンチシール部の少なくとも一
   方の側面のピンチシール部基部から適当な間隔を
   おいた位置に係合部が形成されたガラス球と、該
   ガラス球を保持しており口金に固定されるガラス
   球保持プレートとから成り、ガラス球保持プレー
   トはばね弾性を有する金属板で形成され１対の中
   間押え片と該中間押え片の両側に略接して形成さ
   れた２対の側部押え片とを備えており、これら押
   え片は対を成す２個の押え片が略長方形の１の空
   間を挟んで配置されていて、そして、中間押え片
   と側部押え片とはそれぞれ反対側へ切り起こし状
   に起立形成されているとともに、各押え片はその
   中間部において屈曲されており、そして、ガラス
   球のピンチシール部がその両側面を対を為す押え
   片によつて弾圧され、中間押え片と側部押え片の
   うちどちらか一方の押え片の屈曲部から先端側部
   分がピンチシール部に面接触するとともに、その
   端部はピンチシール部に形成された係合部と係合
   され、他方の押え片はガラス球の密閉空間を形成
   している密閉ガラス容器のピンチシール部側外面
   と弾接されていることを特徴とする白熱電球。