JPS6219877B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な詰綿包装物の製造方法に関す
る。詰綿、特にクツシヨン、ふとん、枕などは重
量のわりに容積が大きく、運賃に莫大な経費を必
要とする。さらに店頭展開におけるスペース、容
積が大きいため消費者は購入時の持ち帰りができ
ないなど、流通、スペース上好ましくない。この
問題を解決するため、種々な方法、物が提案され
ているが、いずれも詰綿のへたりの問題のために
製品価値が著しく低下し、製品化は実現していな
い。本発明はこの問題を解決し、長時間にわたつ
て容積を縮少していても、使用時には良好なる性
能を有する詰綿包装物を合理的に製造する方法を
提供するものであり、その要旨は、中わた原綿を
開繊機により開繊すると同時に繊維集合塊を作
り、該繊維集合塊を詰綿材として送風機により空
気と混合して側地内に充填せしめ、次いで該側地
で包被されている詰綿材を気密性を有する袋に入
れ、該袋内の空気を抜くと同時に外力を該詰綿材
の厚さを構成する方向以外の他方向より詰綿材の
中心に向つて加えて所定の容積に圧縮したのち、
圧縮した状態で所定の容積を持つ包装材内に入
れ、さらに該包装材内に空気を導入して包装材に
よつて一定の容積に固定することを特徴とする詰
綿包装物の製造方法 である。 以下本発明についてさらに詳述する。 詰綿材を構成する中わたは風合上繊維で構成さ
れていることが必要である。繊維は天然繊維、合
成繊維いずれでもよいが、耐へたり性の点では合
成繊維が好ましく、特にポリエステル繊維がよ
い。該繊維は開繊され、かつ塊状を呈していなく
てはならない。かかる開繊は種々の方法が考えら
れるが、いかなる方法も適応可能である。たとえ
ばカード機による方法、又はガーネツトワイヤー
を巻いたシリンダを高速回転させて開繊する方法
などがよい。 塊状とは単繊維が集合し、雑多な方向でからみ
合つているものを云うのであり、むろん完全な球
体を呈していることは必要なく、たとえば球体と
考えた場合、直径数cmから10cm程度のかたまりの
ことである。かかる塊状の集合体を得る方法とし
ては、たとえばシリンダーにガーネツトワイヤを
巻いたものを高速で回転させ、繊維を供給するこ
とによつて可能である。 従来のようにカード機を通過させ繊維をシート
状としてこれを重合積層するものは、たとえばク
ツシヨンのごとき概して円型を呈する形状のもの
には適応でき難いうえ、本発明方法における圧縮
をする際繊維軸の方向に圧縮することになり、開
梱した時形態が崩れ良好なる製品を得ることがで
きない。側地内に繊維を入れる方法は、塊状のも
のを空気と混合し圧力を加えて入れる。従来のシ
ート状であれば折りたたんだうえ人手により、形
態が崩れないように入れる必要があり、コスト高
となるうえ、円型状側地には形態が不自然とな
り、製品価値を低下させる。 気密性を有する袋は、詰綿材を入れて袋内の空
気を抜く時に耐え得るだけの気密性と、耐破れ性
があればどの様なものでもよいが、コスト上から
ポリエチレンなどの袋が最もよい。袋内の空気を
抜く方法は小型の空気吸引装置を用いれば十分で
あり、たとえば電気掃除機など小型のものでもよ
い。本発明方法において空気を抜きながら外力を
加え、詰綿材を圧縮するが、外力は耐へたり性の
問題から、厚さ以外の多方向より圧縮する方向で
詰綿材の中心に向つて加える必要がある。 本方法によれば、厚さ方向に圧縮したものにく
らべ１ケ月間の梱包後の開梱時の厚さへたり率は
1/5程度と非常に良好な結果を得ることができ
る。 最終的な圧縮容積は、さらにもう１つの包装材
の容積によつて決定、固定される。 ポリ袋などに詰綿材を入れ空気を抜きながら、
外力を加え圧縮して、単にポリ袋をシールし圧縮
真空梱包する方法は、ポリ袋などにピンホールが
あると、空気が導入され復元し、目的を達するこ
とができないのである。本発明方法のごとき、さ
らにもう１つの包装材を使用すればこの様な問題
は解決されるのである。 該包装材は目的とする容積にあらかじめ作成し
ておき、これに、真空圧縮した詰綿材を入れ、空
気を導入して、包装材によつて一定の容積に固定
する。該包装材は、通常の袋状のもの、箱状のも
の、円筒状のもの等が適宜使用可能である。 この時、真空圧縮した詰綿材の容積は包装材の
容積より小さくしておかなくてはならない。 さらに本発明方法の１例を図面によつて説明す
る。 第１図は詰綿材の１例断面図であり、塊状繊維
１の多数を側地２で包んでいるものである。厚さ
方向とは矢印Ａ方向である。第２図は圧縮する時
の本発明の１例方法・装置を示す断面図である。
詰綿を気密性の良好な袋３に入れ、袋の中に吸引
装置５の吸引口４を入れて袋内の空気を抜き、同
時に厚さ方向以外の方向より圧縮装置６によつて
圧縮する。第３図は最終製品の１例断面図であ
り、第２図のようにして圧縮梱包された製品は所
定の容積にあらかじめ作られた包装材７に入れら
れ空気が適宜導入されて、所望の包装物となるの
である。 以下実施例にもとづき、本発明方法の具体的構
成・効果について説明する。 実施例 ポリエステル原綿（太さ７デニール、長さ38
mm）を用いて開繊性の優秀な開繊機にかけて繊維
を98％まで開繊すると同時に繊維集合塊を作り、
これを強力なる風送機により空気と混合して、側
地ナイロンタフタ、サイズ70cmの直径を有する円
型ドーナツ型の袋に1200ｇ入れてフロアクツシヨ
ンを作つた。該クツシヨンをポリエチレン製袋に
入れて、第２図に示す本発明方法により、容積が
1/4になる様に厚さ方向以外の方向から圧縮し
た。 さらに直径40cm長さ20cmの円筒に前記1/4に圧
縮したクツシヨンを入れ、ポリエチレン袋に空気
を導入して、もとの容積にくらべ1/2に圧縮した
本発明法による包装物を作つた。 一方、さらに前記と同様のフロアクツシヨンを
ポリエチレン袋に入れて電気掃除機を使つてポリ
エチレン袋の空気を抜くと同時に厚さ方向に圧縮
して、平面的になつたクツシヨンを空気を抜きな
がら円筒状に巻き、直径21cm、長さ50cmの円筒状
ビニール袋に入れて、空気を抜くのをやめ、該ビ
ニールの袋の大きさに復元させて容積を1/2にし
て従来法による包装物を作つた。 両者を２ケ月間にわたつて保管し、開封した。
性能測定結果は第１表のとおりであり、本発明方
法による製品の性能は非常に良好である結果を得
た。 【表】

【図面の簡単な説明】

第１図は詰綿材の１例断面図、第２図は本発明
の１例方法を実施する装置を示す断面図、第３図
は本発明方法によつて得られる製品の１例断面図
である。 １：塊状繊維、２：側地、３：気密性良好なる
袋、４：吸引口、５：吸引装置、６：圧縮装置、
７：包装材、Ａ：厚さ方向。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中わた原綿を開繊機により開繊すると同時に
   繊維集合塊を作り、該繊維集合塊を詰綿材として
   送風機により空気と混合して側地内に充填せし
   め、次いで該側地で包被されている詰綿材を気密
   性を有する袋に入れ、該袋内の空気を抜くと同時
   に外力を該詰綿材の厚さを構成する方向以外の他
   方向より詰綿材の中心に向つて加えて所定の容積
   に圧縮したのち、圧縮した状態で所定の容積を持
   つ包装材内に入れ、さらに該包装材内に空気を導
   入して包装材によつて一定の容積に固定すること
   を特徴とする詰綿包装物の製造方法。