JPS6219536B1 - - Google Patents

Description

請求の範囲 針と一体のジヤツク、ジヤツク上面に当接した
セレクトジヤツク、セレクトジヤツクのバツトに
先端を当接し、上縁の複数位置のいずれかにバツ
トを有するセレクターをニードルベツドの針溝に
挿入し、ニードルベツドと対位して設けたキヤリ
ツジには、レイジングカムより上昇される針に対
応するセレクターを大度目群と小度目群との２群
に分離する、選針アクチエーターとセレクタガイ
ドカムとよりなる選針装置、前記２群のうち一方
の小度目群の針に対応するセレクトジヤツクのバ
ツトに係合する位置に設けられ、セレクトジヤツ
クのバツトを低バツト位置に没入させるようセレ
クトジヤツクのバツトを押圧するセレクトジヤツ
クプレツサー、及び、共に同方向に摺動できるよ
う上下２枚重ねにしたニツテイングカムを設け、
２枚重ねのニツテイングカムの内、下部に位置す
るニツテイングカムを前記低バツト位置に没入さ
れた低バツトに接する低バツト用ニツテイングカ
ムとし、残りを前記高バツトに当接する高バツト
用ニツテイングカムとし、低バツト用ニツテイン
グカムと、高バツト用ニツテイングカムのそれぞ
れに設けた偏心カラーにそれぞれ別個の揺動腕の
一端を当接し、揺動腕の他端は、ステツプモータ
により回転を制御される回転カムに当接し、ステ
ツプモータの適宜のステツプ回転により、回転カ
ム揺動腕偏心カラーを介して前記高低両バツトの
位置を変化せしめるようにしたニツテイングカム
とよりなる度目変更を可能とした横編機。

技術分野 本発明は度目変更を可能とした横編機に関し、
編成した編地のループの大小（度目）を任意のコ
ース及びウエールにおいて、適宜大きさに変化さ
せること、パイル編物において、パイルの長さを
長短或はミスと適宜に選択して編成することによ
つて、編地に任意変化を生じさせることができる
ようにした。

背景技術 横式メリヤス編成において、適宜コースの編目
ループの大きさ（度目）を変化させるために、横
式メリヤス編成機の編成カムのうち、レイジング
カムの両側に１個ずつ設けた度目の大小を調整す
るニツテイングカムを、左右それぞれ二重にして
その位置を変更し得るようにして、編針又はジヤ
ツクの高バツト及び低バツトに別々に作用してそ
れぞれの編針又はジヤツクの度目を別個に変化さ
せる装置が知られているが、この装置では高バツ
ト及び低バツドの編針又はジヤツクを針溝への配
列によつて編成される編地の柄は決定され、それ
を変更するには編針又はジヤツクのバツトの高低
の配列を変更しなければならない。

発明の開示 本発明装置はタツク或はニツト位置などに上昇
させる針又はジヤツクをそれぞれ２群に分ける選
針装置、上記２つの群の一方の針又はジヤツクの
バツトをセレクトジヤツクを介して低バツト位置
に位置させるためのセレクトジヤツクプレツサ
ー、高バツト用ニツテイングカム及び低バツト用
ニツテイングカムとからなるニツテイングカムと
からなる。そして、前記選針装置によつてニツト
位置或はタツク位置に上昇させる編針を、度目の
大なる編目を作る針と度目の小なる編目を作る針
とに２群に分割し、前記セレクトジヤツクプレツ
サーにより一方の群のバツトを低バツト位置に押
し下げ、前記高バツト用ニツテイングカムと低バ
ツト用ニツテイングカムの両カムの引き下げ時
に、低バツト用ニツテイングカムは高バツト用ニ
ツテイングカムより上位に位置するようにして、
低バツトに対応する針の引き下げ量を高バツトに
対応する針の引き下げ量よりも小ならしめること
によつて各針群間の度目を任意に異ならしめた。
これによつて編地の各コースを編成するときに各
針ごとに度目の大小を適宜に選択することができ
るので、編地の任意部分を大或は小の任意の度目
とすることができる。

このため、ケーブル編などの編目を移す必要の
ある組織などで、該部分の度目を大きくすれば特
に糸に不必要な張力を与えるようなことがなく綺
麗な編地を得ることができる。

また、ゴム編と平編とが混在するような柄の編
地でも、ゴム編部分の度目を小にし平編部分の度
目を大とすれば編地全体が一定の度目とすること
ができる。

更に、パイル編の編成に際して、パイル編目の
変化を出すことによつて柄にアクセントをつけ、
変つた編地を得ることもできる。即ち、対に設け
た針床の一方の針でニツトを行ない、他方の針床
の針でパイルを構成するに当り、ニツテイングカ
ムを変化させることによつてパイルの長さが長短
ミスと３種類の選別ができるようにもなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はキヤリツジの操針カム選針アクチエー
ターをキヤリツジ下面から見た状態の配置図、第
２図は針床の縦断面図、第３図は度目変換装置の
一部切除した状態の平面図、第４図は同正面図、
第５図は第３図−線における断面図、第６図
は第３図−線における断面図、第７図は第３
図−線における断面図である。

発明を実施するための最良の形態 第１図はキヤリツジのカム配置をキヤリツジの
下面から見た状態を示すもので、左右対称に配置
されている。１はガードカムでその両側にニツテ
イングカム２，３を線Ｌに添つて上下摺動可能に
設ける。４はレイジングカムでその下部にセレク
トジヤツクプレツサー６，７，８，９を配置す
る。１０，１１は選針アクチエーターで、その上
下にセレクタガイドカム１２，１３，１４，１
５，１６を設ける。１７，１８，１９はセレクタ
ー出しカムである。

第２図にニードルベツドの断面を示す。２０は
ニードルベツドでその上面に設けた針溝２１には
セレクター２２、セレクトジヤツク３０、ジヤツ
ク３７編針４０が摺動自在に挿入されている。本
実施例ではジヤツク３７と編針４０とが別体に構
成されているが、両者を一体に構成しても良い。
セレクター２２はセレクターガイドカム１２と当
接するバツド２３、セレクターガイドカム１３，
１４，１５，１６と当接するバツト２４及び選針
アクチエーター１０，１１の突出子２５と当接す
るバツト２６を有する。バツト２６はバツト２３
とバツト２４間において、本実施例では６種類の
変化した位置に設けられている。即ちセレクター
２２は６種類存在する。セレクトジヤツク３０は
スプリング３１によつて常に針溝外に出る方向に
押圧されてワイヤー３２に圧接した状態をなして
いる。端部には凹陥部３３，３４，３５が設けら
れ、ワイヤー３２が該部に嵌合し、セレクトジヤ
ツク３０の位置ぎめを行なつている。３６はセレ
クター２２がセレタクーガイドカム１３，１４，
１５，１６により上昇したときその先端と当接
し、かつ、セレクトジヤツクプレツサー６，７，
８，９が突出したときにそれに押圧されるバツト
である。ジヤツク３７は、ニツテイングカム２，
３、レイジングカム４などの操針カムと当接する
バツト２８を有し、先端を編針４０に係合し、編
針と一体化されている。ジヤツク３７は中間部に
おいてセレクトジヤツク３０の頭部と接し、セレ
クトジヤツク３０に押圧されたとき側面形状がＬ
字形に弾性を以て屈曲し、バツト２８の頂部の位
置を低下する。即ち、所謂低バツトと同一の状態
とする。

次にニツテイングカム２，３及びその昇降機構
について説明する。第３図はキヤリツジの一部を
切除した状態の平面図である。ニツテイングカム
２，３及びその昇降機構の内、互に対称形をなし
た部分は同一符号を付し、ニツテイングカム２に
ついてのみ説明し、ニツテイングカム３について
の説明は省略する。５１はキヤリツジの地板で、
地板５１に設けた２本の平行する摺動溝５２，５
３によつてニツテイングカム２が案内され、それ
と対称に設けられた２本の摺動溝５４，５５によ
つてニツテイングカム３が案内される。ニツテイ
ングカム２，３は、共に、高バツトカム５６低バ
ツトカム５７の２枚のカムを重ねてなるものであ
る。高バツトカム５６は摺動溝５２に摺動自在に
嵌合した摺動子６０と一定に固定される。摺動子
６０は上部に度目調整用偏心カラー６１を螺子６
２により固定する。高バツトカム５６には摺動溝
５２と平行し摺動溝５３と同一中心線を有する摺
動溝６３を設け、該溝６３に摺動子６４を摺動自
在に嵌合する。摺動子６４は低バツトカム５７と
一体に固定する。摺動子６４の上面には度目調整
用偏心カラー６５を螺子６６により固定する。摺
動子６０と地板５１との間にはスプリング６７を
架け渡し、摺動子６４に植えたピン５８と高バツ
トカム５６に植えたピン５９との間にはスプリン
グ６９を架け渡し、摺動子６０，６４を常に第３
図下方向に移動するよう附勢する。

ガードカム１の中心線と同一中心線を有してレ
イジングカム制御レバー用支持部材７０を地板５
１上に設ける。支持部材７０の下面には中心線上
に位置して摺動溝７１を設け、該溝７１内に高バ
ツト用ニツテイングカム操作用の休止板７２及び
低バツト用ニツテイングカム操作用の休止板７３
を摺動自在に挿入する。休止板７２にはピン７４
を植え、該ピン７４を支持部材７０上面に設けた
透孔７５から上部に突出する。休止板７３も同様
にピン７６を上面に設け、該ピン７６を休止板７
２に設けた透孔７７及び支持部材７０の透孔７５
から上部に突出する。支持部材７０の上面には揺
動腕７８を軸７９により、また、揺動腕８０を軸
８１によりそれぞれを支持する。揺動腕７８の一
端は、前記高バツト用ニツテイングカム５６の摺
動子６０に設けた偏心カラー６１に当接し、他端
は、前記高バツト用ニツテイングカム操作用の休
止板７２に設けたピン７４に当接する。揺動腕８
０の一端は低バツト用ニツテイングカム５７の摺
動子６４に設けた偏心カラー６５に当接し、他端
は、前記低バツト用ニツテイングカム操作用の休
止板７３に設けたピン７６に当接する。これによ
り、ピン７４，７６は第３図において常に上昇す
る方向に移動するよう附勢されることになる。

ピン７４の上位には同ピン７４を内接して、高
バツト用ニツテイングカム用度目制御カム８２を
設ける。８３は上記度目制御カム８２を定角度ず
つ回転するためのパルスモーターである。また、
ピン７６に外接して低バツト用ニツテイングカム
用度目制御カム８４を設ける。８５は上記度目制
御カム８４を定角度ずつ回転するためのパルスモ
ーターである。８６は先行ニツテイングカム休止
板で、レイジングカム制御レバー用支持部材７０
及び低バツト用ニツテイングカム休止板７３を通
して設けた案内溝８７内に挿入され、地板５１上
を摺動可能に支持されている。そして、先行ニツ
テイングカム休止板８６は、端部８８がニツテイ
ングカム２の摺動子６０と対峙しているときは端
部８９はニツテイングカム３の摺動子６０と対峙
せず、端部８９がニツテイングカム３の摺動子６
０と対峙しているときは端部８８はニツテイング
カム２の摺動子６０と対峙しないような長さとし
ている。

９０はニツテイングカム休止スライドバーで、
キヤリツジが左右往復動する際に、その端部で図
示しない突当杆或はカム等の当接部材と衝突し、
左右往復動するもので、下面に、先行ニツテイン
グカム休止板８６の端部８８，８９と当接するピ
ン９１，９２を設け、中央下縁に凹陥部９３を有
している。そして、図示しない当接部材と端部が
当接していない状態のときは、図示しないスプリ
ング等の部材によつて前記凹陥部９３が中心に位
置するような中立状態を保つている。

次に本発明装置の作用につき説明する。

今、１つのコースの内において、適宜ウエール
の度目に大小が生ずるような編成を行なうものと
する。従つて、ニツテイングカム２又は３による
当該ウエールの編針の引き下げの程度に大小を生
じさせなければならない。

ニツテイングカム２又は３が最も下がつていれ
ば（ニツテイングカム２及び３は第１図において
線Ｌ方向に後述する手段により上下摺動可能であ
る）度目は最大となり、同カム２，３が最も上が
つていれば度目は最小となるが、こゝで、最大の
度目と最小の度目が同一コース内で混在した状態
の編地としたい場合に、大なる度目を高バツト用
ニツテイングカム５６により、小なる度目を低バ
ツト用ニツテイングカム５７により、それぞれジ
ヤツク３７を引き下げることで発現する。

第１図に裏面の一部を示すキヤリツジが、第１
図において右から左に進行したとする。キヤリツ
ジに対面するニードルベツト２０のセレクター２
２は、先ずキヤリツジの進行につれてその下部を
セレクター出しカム１７に当接し、同カム１７に
よつて全セレクター２２は第２図に示す如く、針
溝２１からバツト２６を突出する。次いでセレク
ター２２は、カム１３と当接するが、斜面１３ａ
のために上昇することはなくカム１３を乗り越え
て通過し、選針アクチエーター１０とセレクター
２２のバツト２６ａ，２６ｂが対面する。こゝで
ニツト位置に上昇されるべき針に対応するセレク
トジヤツク３０は度目の大小によつて２つの群に
分けられる。

即ち、大きな編目を編成する針の場合、選針ア
クチエーター１０にセレクター２２が接近する
と、図示しない記憶装置の記憶にもとずいて、選
針アクチエーター１０の突出子２５ａを、その進
行軌跡が当該編針４０のセレクター２２のバツト
２６ａと当接するように位置させる。従つて、キ
ヤリツジの進行によつてバツト２６ａと突出子２
５ａとは当接し、当該セレクター２２は針溝２１
内に没することになりセレクターガイドカム１４
のカム面１４ｂとバツト２４とが当接することが
なく、セレクター２２は上昇できない状態とな
る。そのため、セレクトジヤツク３０もそのまゝ
の位置をとりセレクトジヤツクバツト３６は第１
図においてＡで示す線の位置をとり、セレクトジ
ヤツクバツト３６はセレクトジヤツクプレツサー
とは当接しない。なお、セレクトジヤツク３０の
バツト３６がＡ線上に位置するのは、あらかじめ
キヤリツジの前コース編成時に図示しないカムに
よつてＡ線の高さに位置させられているのであ
る。上記のように、セレクトジヤツクバツト３６
が、セレクトジヤツクプレツサーに押されている
ことがないから、セレクトジヤツク３０もジヤツ
ク３７を押すことがなく、従つて、ジヤツクバツ
ト３８も針溝２１に没することはなく、高バツト
の状態をとる。そのため、ジヤツクバツト３８は
レイジングカム４のカム面と当接し上昇し、編針
４０も上昇する。次いでジヤツクバツト３８はニ
ツテイングカム２で引き下げられるが、このとき
ジヤツクバツト３８は最も突出した高バツトの状
態となつているため、高バツト３８はニツテイン
グカム２の高バツト用ニツテイングカム５６と当
接しその外周縁に添つてその下縁５６ａまで引き
下げられ、第１図ｘ線で示す如き軌跡となり針４
０は大きい度目の編目を作ることになる。

次に小さな度目の編成の場合、当該度目の編目
を編成する編針に対応するセレクター２２に選針
アクチエーター１０が接近しても、選針アクチエ
ーター１０の突出子２５ａを作動させないように
図示しない記憶装置に記憶させ、突出子２５ｂの
進行軌跡とバツト２６ｂとを当接させない。従つ
て、キヤリツジが進行しても、セレクターバツト
２６ｂは押圧されないから、セレクター２２は針
溝２１内に没することはなくセレクターガイドカ
ム１４のカム面１４ｂとバツト２４とは当接し、
セレクター２２はセレタクーガイドカム１４によ
つて上昇され第２図１点鎖線に示す位置をとる。
このときセレクトジヤツク３０のバツト３６の軌
跡を第１図Ｂ線で示す。Ｂの軌跡をとつたジヤツ
クバツト３６はセレクトジヤツクプレツサー８，
６が不作用位置になつているために、セレクトジ
ヤツクプレツサー８，６により押圧されることが
なく、ジヤツク３７もセレクトジヤツク３０によ
つて針溝内に押し込まれず、ジヤツクバツト３８
も高バツト位置にある。このためジヤツクバツト
３８はレイジングカム４に当接して上げられ、次
いで、ニツテイングカム２で下降を開始する。し
かし、下降開始時にセレクトジヤツクバツト３６
はハーフ位置に出ているセレクトジヤツク９に押
され、ジヤツクバツト３８を低バツト位置にまで
退没させる。そのため、ジヤツクバツト３８はニ
ツテイングカム２の低バツト用ニツテイングカム
５７にのみ接することになり、また、最小度目の
編成時には第１図に示す如く、低バツト用ニツテ
イングカム５７の下縁５７ａを後述する手段で上
昇させておくから、第１図にＹ線で示す如き、低
バツト用ニツテイングカム５７の下端縁５７ａに
沿つた軌跡となり、針４０は小さい度目の編目を
作ることになる。

こゝで度目調整方法につき説明する。本発明装
置であつては度目はコースごとに大小任意の２つ
の種類を選択できる。大きな度目は高バツト用ニ
ツテイングカム５６の線Ｌ方向の上下動で調整す
る。即ち、高バツト用ニツテイングカム５６の摺
動子６０はスプリング６７によつて常に第３図下
方に引かれ度目を大きくする方向に附勢されて
い、その動きは揺動腕７８により制止されてい
る。これは低バツト用ニツテイングカム５７でも
同様で、低バツト用ニツテイングカム５７の摺動
子６４はスプリング６９による度目を大きくする
方向で下方への動きを揺動腕８０により制止され
ている。そして、各揺動腕７８，８０の動きはそ
れぞれピン７４，７６を介して度目制御カム８
２，８４で規制されている。

大なる度目の大きさを調整するには度目制御カ
ム８２をモーター８３により回転する。第３図に
示す例では度目制御カム８２の短形部分とピン７
４は接し、ピン７４は最下位に位置しているが、
同カム８２を回転し、ピン７４とカム８２の長径
部分とが接するようにすると、その差を消化する
角度だけ揺動腕７８はスプリング６７の弾発力に
よつて第３図反時計針方向に旋回し、摺動子６０
は摺動溝５２を第３図下方に摺動する。そのため
高バツト用ニツテイングカム５６も共に下方に移
動するため度目を大にすることができる。

小なる度目の大きさを調整するには前記と同様
に度目制御カム８４を回転することにより揺動腕
８０の揺動角度を調整し、偏心カラー６５を介し
て摺動子６４を摺動溝６３内で変位させる。前記
変位はスプリング６８の弾発力により行なう。こ
れにより摺動子６４と一体の低バツト用ニツテイ
ングカム５７は変位する。

上記の度目の大小いずれの場合においても変位
の程度はカムの回転角度を適宜選択することによ
り行なわれる。

前記した度目の変更は、キヤリツジが針床の両
端に移行したときに行なわれる。即ち、キヤリツ
ジの移行端において、機台端に設けた図示しない
突当杆等の当接部材に、ニツテイングカム休止ス
ライドバー９０が当接し左又は右方向に摺動す
る。第３図に示す例ではキヤリツジが右方向に移
行し、その移行端においてニツテイングカム休止
スライドバー９０が中立位置より左行した状態で
ある。このニツテイングカム休止スライドバー９
０の移行により、ピン９２は先行ニツテイングカ
ム休止板８６の右端部８９に当接し同休止板８６
を中立位置よりも左行させ、左端部８８を次コー
スで先行するニツテイングカム２の摺動子６０の
下降軌跡上に位置させる。先行ニツテイングカム
休止板８６の右端部８９は、上記移動によつてニ
ツテイングカム３の摺動子６０の下降軌跡から外
れ、ニツテイングカム３の摺動子６０は下降に障
害はなくなる。これと同時に前記ニツテイングカ
ム休止スライドバー９０の移行により同バー９０
の中央凹陥部９３に入つていたピン７４は、中央
凹陥部９３から出て同バー９０の下縁９４に当接
することになり、第３図下方に押し下げられる。
そのためピン７４と一体の高バツト用ニツテイン
グカム休止板７２、該休止板７２の透孔７７内に
位置するピン７６を介してピン７６と一体の低バ
ツト用ニツテイングカム休止板７３も同様に第３
図下方、第７図左方に押しやられる。上記操作に
よつて、揺動腕７８，８０は高バツト用及び低バ
ツト用ニツテイングカム５６，５７を最上昇さ
せ、同時に、ピン７４，７６は度目制御カム８
２，８４との接触を断つ。こゝにおいて、パルス
モーター８３，８５を図示しない記憶装置の記憶
にもとずき、所定回転することによつて、度目制
御カム８２，８４を所定度目に対応する位置に定
位させる。

上記操作の終了後、キヤリツジを移行させれば
（第３図の例では左行）、図示しない機構によりニ
ツテイングカム休止スライドバー９０は中立位置
となり、その凹陥部９３が中央に位置するため、
ピン７４は凹陥部９３に入り、高バツト及び低バ
ツト用ニツテイングカム休止板７２，７３は上昇
の阻止を解かれ、ピン７４，７６はそれぞれスプ
リング６７，６８の弾発力を揺動腕７８，８０を
介して受けて度目制御カム８２，８４と当接す
る。これによりニツテイングカム３の高バツト用
ニツテイングカム５６及び低バツト用ニツテイン
グカム５７はその位置を決定する。しかしなが
ら、先行するニツテイングカム２にあつては、先
行ニツテイングカム休止板８６の端部８８がニツ
テイングカム２の摺動子６０と当接するために摺
動子６０の下降は阻止され、従つて、高バツト用
ニツテイングカム５６及び低バツト用ニツテイン
グカム５７は共に高位置で固定される。

コースの編成途中で度目を変更したいときは、
適宜ステツプモータ８３，８５を回転し、度目制
御カム８２，８４を回転することによりピン７
４，７６の位置を変え、前記と同様に高バツト用
ニツテイングカム５６及び低バツト用ニツテイン
グカム５７の位置を変更する。

キヤリツジが針床の左端にまで移行したとき
に、前記と逆にニツテイングカム休止スライドバ
ー９０が図示しない当接部材に当たり右行し、同
時にニツテイングカム休止板８６もピン９１に押
されて右行し前記と逆の操作を行なう。

上記において度目の微調整を行なう場合には、
偏心カラー６１，６５を螺子６２，６６を回すこ
とにより揺動腕７８，８０との接触位置を変えれ
ば良い。