JPS62192561A - 磁気特性の優れたＦｅ系非晶質合金薄帯およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、磁心すなわちトランスの鉄心等の用途に用
いて好適なＦｅ系非品質合金薄帯およびその製造方法に
関し、鉄損とくに高周波鉄損特性の有利な向上を図った
ものである。

（従来の技術） 非晶質合金とりわけ磁気特性に優れたＦｅ系非晶質合金
は、トランス等の磁心材料として有望視されていて、最
近では配電トランス用としてフィールド・テストが行わ
れるなど実用化の直前段階にある。

かかるＦｅ系非晶質合金としては、特開昭５４−１４８
１２２号や同５５−９４４６０号各公報に開示されてい
るようなＦｅ−５ｉ−Ｂ系合金があり、周知のように、
高速で回転する冷却ロールなどの冷却体を用いて溶融状
態の合金を直接冷却して薄帯とするいわゆる急冷凝固法
によって製造される。

（発明が解決しようとする問題点） 上記の如きＦｅ系非晶質合金は、飽和磁束密度Ｂｓがほ
ぼ１．６Ｔと高く、また電気比抵抗ρが１００〜１５０
μΩ−ｃｍと大きいので、交番磁界下の運転に好適な磁
性材料といえる。とくに合金系としては電気比抵抗が大
きいので、中間周波数用磁性材料として好都合である。

” しかしながら高周波特性については十分とはいい難く、
たとえば商用周波数の運転では良好とされた鉄損も、高
周波数での運転ではパーマロイやフェライトなどよりも
劣る状態にあった。

この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、急速
凝固法によって作成したＦｅ系非晶質合金の鉄損特性と
くに高周波鉄損特性の改善を図ることを目的とする。

この発明におけるＦｅ系非晶質合金薄帯の鉄損特性の目
標値は、磁束密度：１．３Ｔ、周波数：　５０１１ｚに
おける鉄ｔＭ　Ｗ　＋　３／Ｓ。で０．Ｉ　Ｗ／ｋｇ以
下、同じくｗ＋ｏｚ＋ｏｏｏで２０　ＩＩ／ｋｇ以下で
ある。

（問題点を解決するための手段） さて鉄損特性を向上させるための実用的手段として、板
厚を薄くすることがある。しかしながら前掲した如き従
来のＦｅ−５ｉ−Ｂ系合金は一般に加工性が悪く、圧延
などによって薄板化を図ることは極めて難しかった。

そこでこの発明では、Ｆｅ−５ｉ−８３元系合金に加工
性を向上させる元素を微量添加し、加工性を改善するこ
とによって薄板化を可能ならしめ、もって鉄損特性の有
利に向上を実現したものである。

すなわちこの発明は、 化学式：　Ｆｅ＋ｏｏ−ｘ−ｙ−ｚＢｘＳｉｙＭｚここ
でＭ：　Ｃｒ、Ｍｏ、Ｔａ、Ｍｎ、Ｎｉ、Ｖ。

ＮｂおよびＷのうちから選んだ一種 または二種 ｘ：５〜２０ａ　ｔ％ ｙ：５〜２０ａｔ％ ｚ　：　０．０５〜５　ａｔ％ で示される組成になり、板厚が０．５〜２０μｍである
、磁気特性の優れたＦｅ系非晶質合金薄帯である。

またこの発明は、 化学式：　Ｆｅ＋ｏｏ−ｘ−ｖ−ｚＢｘｓｔｙＭｚここ
でＭ：Ｃｒ、Ｍｏ、Ｔａ、Ｍｎ、Ｎｉ、Ｖ＋Ｎｂおよび
Ｗのうちから選んだ一種 または二種 Ｘ　７５〜２０ａｔ％ ｙ：５〜２０ａ　ｔ％ ｚ：０．０５〜５ａｔ％ で示される組成になる合金溶湯から、急冷凝固法によっ
て非晶質合金薄帯を作製したのち、圧延または研磨を施
して０．５〜２０μｍの最終板厚とし、ついで該非晶質
合金の結晶化温度未満の温度域で焼鈍処理を施すことを
特徴とする特許 たＦｅ系非品質合金薄帯の製造方法である。

以下この発明を具体的に説明する。

まずこの発明において成分組成を上記の範囲に限定した
理由について説明する。

Ｂ：５〜２０％ Ｂ含有量が５％に満たなかったり２０％を超えたりする
と、室温では非品質合金化が著しく困難となるので、５
〜２０％の範囲に限定した。

Ｓｉ：５〜２０％　。

Ｓｉ含有量が５％より少ないと非品質合金化したときに
優れた磁気特性が得られず、一方２０％より多くなると
非品質合金化が困難になり、しがちかりに非晶質合金化
したとしても飽和磁束密度が低下するので、Ｓｉ含有量
は５〜２０％の範囲に限定した。記号Ｍで示したＣｒ，
Ｍｏ，Ｔａ，Ｍｎ。

Ｎｔ，ｖ，ＮｂおよびＷはいずれも加工性を向上させる
元素として均等である。しかしながら上記の各元素を単
独で使用する場合および併用いずれの場合においても、
添加量が０．０５％より少ないと圧延に対する顕著な効
果は得られず、一方５％より多くても加工性はともかく
飽和磁束密度を低下させ、磁心材料として不適当になる
ので添加量は０．０５〜５％の範囲に限定した。

上記のような好適成分組成に調製した合金溶湯から、急
冷凝固法によって非晶質合金薄帯を作製するのであるが
、急冷凝固後の薄帯の板厚はだいたい２４〜２９μｍ、
平均２７μｍ程度であり、そのままでは十分満足のいく
鉄損特性は得られない。

そこでこの発明では、急冷凝固後に冷間または温間圧延
を施して板厚を低減するのである。

第１図に、ＰｅｔｔＳｉ　１３ＢｑＣｒ　＋組成の非晶
質合金の急冷凝固直後（板厚２５．８μｍ）およびその
後に冷間または温間圧延を施した場合の、板厚と鉄損と
の関係について調べた結果を示す。

同図より明らかなように、板厚が２０μｍ以下になると
Ｗｌ：ｌ／Ｓ。がＯ，ＩＯＷ／ｋｇ以下の優れた鉄損値
が得られるようになる。

しかしながら板厚が０．５　μｍよりも小さくなるとか
えって鉄損値の上昇を招くので、この発明では非晶質合
金薄帯の板厚は０．５〜２０　ｐ　ｍの範囲に限定した
。

上記の如き薄板化処理によって鉄゛撰特性は著しく改善
されるわけであるが、この発明で所期したほどの鉄損特
性のより一層の向上のためには、その後に３２５〜４２
５℃程度の温度範囲における焼鈍処理を施すことが必要
であり、とくに磁場焼鈍を施すことは有利である。

また鉄損特性の向上のためには、薄帯の表面あらさを小
さくするこ、とも有利であり、好適には表面平均あらさ
Ｒａで０．４μｍμｍ以下色するのが望ましい。

このような表面あらさの調整を兼ねた薄板化処理として
は、化学研摩や電解研摩処理が有利に適合する。

（実施例） 実施例　１ 表１に示す成分組成に調製した溶融合金を単ロール法に
て急冷凝固させて非晶質合金薄帯とした。

急冷凝固後の薄帯の板厚は、２４〜２９μｍであった。

これらの薄帯に対して、冷間圧延を施して表１に示す各
種の板厚に仕上げたのち、３７５℃で２００ＯＡ／ｍの
磁場印加の下に１時間の焼鈍後、磁場冷却した。

かくして得られた製品薄帯の５０Ｈｚと１０００Ｈｚに
おける鉄１員を測定した結果を表１に併記する。

同表より明らかなように、この発明に従い、急冷凝固後
に冷間圧延を施して板厚を２０μｍ以下に調整した場合
には、鉄損特性の大幅な向上が達成されている。またか
かる冷延時における加工性も良好であった。

実施例　２ 表２に示す成分組成に調製した溶融合金を急速に凝固さ
せて非晶質合金薄帯を作成した。このときの板厚は２４
〜２９μｍの範囲にあった。これらの薄帯に２００℃で
の温間圧延を施して、表２に示す板厚としたのち、３７
５℃で１時間の焼鈍を行ない、その後冷却した。

かくして得られた製品薄帯の鉄損についての測定結果を
表２に併記する。

実施例　３ 表３に示す組成を示ず溶湯合金を急冷凝固させて非晶質
合金とした。このときの板厚は２５〜２８μｍの範囲に
あった。これらの材料に対して、過酸化水素とりん酸を
主体とする液で化学研磨を施して、表３に示す板厚とし
たのち３８０℃で１時間の焼鈍を行ないその後冷却した
。

かくして得られた非晶質合金薄帯についての特性を表３
に併記した。

（発明の効果） かくしてこの発明によれば、鉄損特性とくに高周波鉄損
特性に優れたＦｅ系非晶質合金薄帯を容易に得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、Ｆｅ、ｙＳｉ＋ＪｑＣｒｌ非晶質合金薄帯の
板厚と鉄損との関係を示したグラフである。 特許出願人　　川崎製鉄株式会社 第１図 頗Ｉ−（、Ａｔ”）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、化学式：Ｆｅ＿１＿０＿０＿−＿ｘ＿−＿ｙ＿−＿
   ｚＢ＿ｘＳｉ＿ｙＭ＿ｚここでＭ：Ｃｒ、Ｍｏ、Ｔａ、
   Ｍｎ、Ｎｉ、Ｖ、ＮｂおよびＷのうちから選 んだ一種または二種 ｘ：５〜２０ａｔ％ ｙ：５〜２０ａｔ％ ｚ：０．０５〜５ａｔ％ で示される組成になり、板厚が０．５〜２０μｍである
   、磁気特性の優れたＦｅ系非晶質合金薄帯。 ２、薄帯の表面あらさが平均あらさＲａで０．４μｍ以
   下である特許請求の範囲第１項記載の薄帯。 ３、化学式：Ｆｅ＿１＿０＿０＿−＿ｘ＿−＿ｙ＿−＿
   ｚＢ＿ｘＳｉ＿ｙＭ＿ｚここでＭ：Ｃｒ、Ｍｏ、Ｔａ、
   Ｍｎ、Ｎｉ、Ｖ、ＮｂおよびＷのうちから選 んだ一種または二種 ｘ：５〜２０ａｔ％ ｙ：５〜２０ａｔ％ ｚ：０．０５〜５ａｔ％ で示される組成になる合金溶湯から、急冷凝固法によっ
   て非晶質合金薄帯を作製したのち、圧延または研磨を施
   して０．５〜２０μｍの最終板厚とし、ついで該非晶質
   合金の結晶化温度未満の温度域で焼鈍処理を施すことを
   特徴とする磁気特性の優れたＦｅ系非晶質合金薄帯の製
   造方法。 ４、焼鈍処理が、磁場中焼鈍である特許請求の範囲第３
   項記載の方法。