JPS6219197B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は洗濯物量を検知し、その洗濯物量に適
応した洗濯行程の制御、例えば洗濯浴比，洗剤
量，布回り回数等の制御が可能な洗濯機に関する
ものである。

従来、洗濯機の洗濯物量検知装置として、種々
の方式が提案されているが、多くの困難な問題が
内在している。

一例として、洗濯物を撹拌するパルセータ（撹
拌翼）方式の洗濯機において、パルセータが所定
の回転数に至る立上り時間が、洗濯物量によつて
変化することを利用した方式がある。

一般に、洗濯槽内にて洗濯物をパルセータで撹
拌する状態においては、洗濯物の材質形状または
洗濯物の洗濯槽内でのからみ程度、または洗濯物
の含水程度等の諸条件によりパルセータにかかる
負荷が大幅に変化することはすでに知られてい
る。従つて、パルセータにかかる負荷を洗濯物量
に関係させるためには、前記諸条件が平衡するた
めの撹拌が必要であり、且つ撹拌中に測定する必
要がある。

しかるにパルセータの所定回転数に至る立上り
時間は極めて短かく、パルセータの立上り時間の
１回の測定では、洗濯物量の検出は不可能であ
り、複数回測定する必要がある。従つて、パルセ
ータ回転の停止運転の回数が多くなるため、洗濯
浴比によつては、布のいたみが生ずる。また、前
記したとおり、短時間の測定のため、洗濯物量の
検出精度は極めて悪い。

また、別の方法として、パルセータの回転数、
パルセータを駆動するモータの回転数、前記モー
タの電流の平均値は、いずれも洗濯物量、すなわ
ち、負荷と対応するため、これらの平均値が洗濯
物量に関係することを利用した方式がある。

モータの回転数または電流が負荷によつて変化
することは当然であるが、負荷以外の要因、例え
ば、モータに供給する電圧，モータのコアまたは
巻線の温度，モータ間の特性差によつても変化す
るものであり、負荷変動と外的要因の変動を区別
するための判断、または補正、或いは電圧の安定
化などが必要となり、構成が複雑化する。

一方、負荷による変化量の絶対値は、無負荷の
それに比べて極めて小さく、洗濯物量の検出精度
は良好でない。

本発明は上記従来の問題を解決するもので、高
精度にて洗濯物量の検出を行うとともにこの検出
信号に基づいて洗濯行程の制御を行うものであ
り、洗濯浴比，洗剤濃度および布回り回数等の適
切な設定を可能とするものである。

以下、本発明の実施例を説明する。第１図は脱
水兼用洗濯機の概略構成を示し、１は本体、２は
本体１内に防振吊下げ支持した外槽、３は外槽２
内に脱水回転自在に配した脱水兼洗濯槽（以下単
に洗濯槽という）、４は洗濯槽３の内底部に配し
た撹拌翼、５はモータで、クラツチ機構６の切換
え動作により回転力を撹拌翼４または洗濯槽３に
伝える。７はモータ５の回転力をクラツチ機構６
に伝えるためのベルト、８は排水口、９は機外排
水ホースである。

上記した構成の洗濯機の一般的な動作は、すで
に広く知られているところであるから詳述しな
い。以下に、撹拌翼４に作用する負荷に関連して
詳しく述べる。

撹拌翼４には洗濯物によつて連続的に負荷がか
かることはない。洗濯物が撹拌翼４に接離するこ
とで不連続でかつ瞬時的に負荷が作用することに
なる。

また、撹拌翼４にかかる負荷は、洗濯物の布量
と水位に関係し、洗濯物量が多く洗濯浴比が小さ
い場合は、浴比が大きい場合に比して、負荷変動
は大きい。そして、負荷の変動は撹拌翼４の回転
変動として現われる。その一例を第２図に示す。

第２図は横軸に時間Ｔをとり、縦軸に撹拌翼４
の回転変位量をとつたものであり、図中、Ａは洗
濯槽３内に洗濯物を入れず、水のみを負荷とした
場合である。同図Ｂは同図Ａの場合の水量に１Kg
の洗濯物を入れた場合、同図Ｃは同水量に２Kgの
洗濯物を入れた場合をそれぞれ示す。

第３図は洗濯物量を２Kgで一定とし、水量を変
化、すなわち、浴比を変化させた場合の撹拌翼４
の回転変位量を示したものであり、同図Ａは浴比
を１：２とした場合、同図Ｂは浴比１：３とした
場合をそれぞれ示す。

第２図および第３図から明らかなように、撹拌
翼４の回転変位量は、洗濯物量と浴比に関係し、
回転変位量を検知することによつて間接的に洗濯
物量を知ることができる。そして、回転変位量
は、撹拌翼４駆動用のモータ５の電源電圧，モー
タ５の温度等の外乱の影響をきわめて受け難く、
これら外乱は無視できる。さらに、回転変位量
は、洗濯物量に関係するために洗濯物量信号であ
り、この信号によつて水量、すなわち、浴比，洗
剤量，洗濯時間または布回り回数などを適切に制
御することにより、布いたみが少なく、しかも、
節水，洗濯時間の短縮化に有効な洗濯行程の実行
が可能となる。

第４図は、本発明を実現するためのブロツク図
の一例を示し、１０は例えば撹拌翼４に取り付け
た回転する複数の磁石片、ホール素子およびカウ
ンタより成る撹拌翼４の回転数を検出する負荷量
検出手段、１１は負荷量検出手段１０からの信号
入力し、撹拌体に洗濯物が接離することで発生す
る回転数の瞬時変動量を検出するための手段、１
２は瞬時変動量を設定値と比較して洗濯物量を判
定する洗濯量判定手段で、これら瞬時変動検知手
段１１と洗濯物量判定手段１２によつて、撹拌翼
４にかかる負荷変動、すなわち、回転変位量の瞬
時値を検知し、洗濯物量信号を発生する洗濯物量
検知手段を構成する。１３〜１６は、洗濯物量検
出手段１７で判定された布量、すなわち、前記洗
濯物量信号に基づいて適当な浴比・洗剤量・洗濯
時間・布回り回数をそれぞれ設定する手段であ
る。これらで洗濯工程の制御手段１８を構成す
る。

第５図は上記回転変位量を検出する手段１１お
よび布量判定手段１２をマイクロコンピユータで
実現するためのフローチヤートを示している。図
において、一定時間ごとにホールICの出力をカ
ウントしたカウント値を読み込み、平均カウント
数を計算する。次に平均カウントと新しく読み込
んだカウント値との差の絶対値を計算し、その値
が前回までの最大変位値より大きければ記憶す
る。これを一定時間繰り返した後、最大変位値の
大きさによつて布量を判定する。

なお、第５図は基準レベルを２つ持ち、洗濯物
量（布量）を３段階に判定する例を示したが、こ
の基準レベルの数を増やせば、同様の方法でもつ
と細かな洗濯物量の判定ができる。

なお、上記実施例においては、撹拌翼にかかる
負荷変動の瞬時値を検知するために、撹拌翼の瞬
時回転変動（瞬時回転変位量）を検知する場合を
説明したが、以下に述べる種々の構成によつても
本実施例と同等の効果を奏し得る。

すなわち、撹拌翼はモータの回転力を直接また
はベルトを介して受ける。この結果、撹拌翼にか
かる瞬時的な負荷変動は、モータの回転，電流に
変動を与える。そこで、モータの回転，または電
流等の変位量を、撹拌翼の回転変位検出と同様な
処置によつて検出することで洗濯物量を知ること
ができる。

また、撹拌翼を駆動するモータとして交流誘導
モータを使用する場合には、交流誘導モータの電
流位相角の変位量または交流誘導モータの補助巻
線における瞬時電圧変位量を検知することによ
り、撹拌翼における瞬時負荷変動を検知でき、洗
濯物量の的確な検出が行える。

上記した本実施例およびその他の実施例におい
ては、撹拌翼を用いた渦巻き式の洗濯機について
述べたが、撹拌翼を揺動動作させる撹拌式洗濯
機、回転ドラムを回転させることによりその内部
の洗濯物を撹拌するドラム式洗濯機等において
も、上記した各実施例と同等の作用効果を奏する
ことができる。なお、ドラム式洗濯機において
は、回転ドラムが本発明で言う撹拌翼に相当する
ものであり、撹拌翼，回転ドラム等を含めて、撹
拌体ということができる。

また、本実施例では脱水兼用洗濯機について示
したが、洗濯槽を並設した、いわゆる二槽式洗濯
機においても、本実施例と同等の効果を奏する。

上記実施例から明らかなように本発明によれ
ば、電源電圧，温度，モータ特性等のばらつきに
左右されることのない負荷変動の振幅である瞬時
負荷変動値を検出しているため、洗濯物量を高精
度にて検知することができ、かつ，ランダムな瞬
時負荷変動値を一定時間内で検出し洗濯物量を判
定するため、外乱ノイズ等による誤判定を防止で
き、高精度にて洗濯物量の検出を行い、浴比，洗
剤量または布回り回数等のきめ細かい制御が可能
となり、洗浄性能を大いに高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における洗濯機の概略
断面図、第２図は撹拌翼の瞬時負荷変動時の回転
変位量を示し、同図Ａは水のみの場合の特性図、
同図Ｂは１Kgの洗濯物を入れた場合の特性図、同
図Ｃは２Kgの洗濯物を入れた場合の特性図、第３
図は２Kgの洗濯物に対し浴比を変化させた場合の
撹拌翼の回転変位量を示し、同図Ａは浴比を１：
２とした場合の特性図、同図Ｂは浴比を１：３と
した場合の特性図、第４図は本発明の要部の電気
的ブロツク図、第５図は同要部の動作を説明する
ためのフローチヤートである。 ３……脱水兼洗濯槽、４……撹拌翼（撹拌
体）、５……モータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗濯物の撹拌体にかかる負荷量を検出する負
   荷量検出手段と、前記負荷量を入力とし洗濯物が
   撹拌体に接離することで発生する瞬時負荷変動値
   を検出して洗濯物量を判定する洗濯物量検出手段
   と、前記洗濯物量判定手段の出力を入力とし洗濯
   行程を設定し制御する制御手段とを備えた洗濯
   機。 ２ 負荷量検出手段が、撹拌体における回転数を
   検知し、洗濯物量検知手段が、撹拌体における瞬
   時回転変動を検知する特許請求の範囲第１項記載
   の洗濯機。 ３ 負荷量検出手段が、撹拌体駆動用のモータの
   回転数を検知し、洗濯物量検知手段が、撹拌体駆
   動用モータにおける瞬時回転変動を検知する特許
   請求の範囲第１項記載の洗濯機。 ４ 負荷量検出手段が、撹拌体駆動用のモータの
   電流を検知し、洗濯物量検知手段が、撹拌体駆動
   用のモータの瞬時電流変動を検知する特許請求の
   範囲第１項記載の洗濯機。 ５ 負荷量検出手段が、撹拌体駆動用の交流誘動
   モータの電流位相角度を検知し、洗濯物量検知手
   段が、撹拌体駆動用の交流誘動モータの瞬時電流
   位相角度変動を検知する特許請求の範囲第１項記
   載の洗濯機。 ６ 負荷量検出手段が、撹拌体駆動用の交流誘動
   モータの補助巻線の電圧を検知し、洗濯物量検知
   手段が、撹拌体駆動用の交流誘動モータの補助巻
   線の瞬時電圧変動を検知する特許請求の範囲第１
   項記載の洗濯機。