JPS6218322B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 タイルは耐久性、不燃性、装飾制など多くの優
れた性質をもつ建築材料であるが、施工が能率的
でなく、また施工の管理が悪いと割れ、剥離など
の問題を起こしやすい。その解決方法としてタイ
ルを予め取付けたパネル（タイルパネルと称す）
が作られて使用されるが一般のセメントで作るも
のは特定の注文による大形のもので住宅の小規模
なものへ使用することは殆どできない。

本発明は型枠内にガラス繊維入りのセメント板
状体を成形し、その上に載置する目地枠にタイル
を置いてそれを上記板状体に埋め込み一般住宅に
使用できる小型で軽量のタイルパネルを製造する
方法を提供するものである。

本発明は製品の大きさの平板とそれに合う枠と
を組合わせた型枠内に合成ゴムシートまたは合成
樹脂シートを敷き、その上にセメント、セメント
用骨材、ガラス繊維を混合した混合物を均等に散
布し、その上に散水して湿潤状態となした後、こ
の湿潤状態の混合物を振動しつつ圧展して薄葉体
となし、その薄葉体上にさらにセメント、セメン
ト用骨材、ガラス繊維を混合した混合物を散布
し、散水し、振動しつつ圧展する工程を繰返して
ガラス繊維入りセメントの板状体を成形し、その
上面にはタイルの形状に合う数多の画壁を連続し
て設けた目地枠を載置してその画壁内にタイルを
置き、その上から振動装置を設けた「こて」によ
り振動を加えながら押圧してタイルをその厚さの
中間部まで上記ガラス繊維入りセメントの板状体
に埋め込むことを特徴とするガラス繊維入りセメ
ントによるタイルパネルの製造方法に係るもので
ある。

以下本発明のガラス繊維入りセメントによるタ
イルパネルの製造方法についてその実施態様を説
明する。

製品の大きさの平板とそれに合う枠とを組合わ
せた型枠ａ内に合成ゴムシートまたは合成樹脂シ
ート１を敷き、その上には砂などの骨材を含むセ
メント90〜99重量％と耐アルカリ性ガラス繊維１
〜10重量％をよく混合し、それに水、セメント比
で約20の水を添加して湿り気をもたせたセメン
ト、セメント用骨材、ガラス繊維からなる混合物
を均等に散布し、その上に水、セメント比で10〜
20の量の水を散布して湿潤状態となし、この湿潤
状態の混合物を振動装置をもつた「こて」で振動
しつつ圧展し混練りと成形のはたらきを同時に行
つて薄葉体を成形する。

次いでこの薄葉体上にさらにセメント、セメン
ト用骨材、耐アルカリ性ガラス繊維からなる混合
物を散布し、散水し、振動しつつ圧展する工程を
繰返して砂などの骨材を含むセメント内に耐アル
カリ性ガラス繊維を二次元ランダム状に配列し、
強度の大きいガラス繊維入りセメントの板状体ｂ
を成形する。

次いでこのガラス繊維入りセメントの板状体ｂ
の上に目地枠ｃを載置する。目地枠ｃは第１図に
示すように製品の大きさにあるゴム製の枠にタイ
ルの形状に合う数多のゴムの画壁２を連続して一
体に設けて形成し、または第２図に示すようなタ
イル目地をつくるためのゴムまたは合成樹脂製の
角棒からなるスペーサー３を、木または金属性で
製品の大きさに形成した枠組の中にタイルの形状
に合う画壁を形成するよう配置して目地枠を形成
する。第３図はその目地枠の一部を示す。

なお目地枠には第４図に示すようにピン５を通
す孔４を穿ち、スペーサー３により目地枠を形成
するときは、ピン５を通す隙間を設け、その孔４
またはスペーサー３間の空隙からピン５をガラス
繊維入りセメントの板状体ｂに挿込んでおく。

そこでガラス繊維入りセメントの板状体ｂ上に
載置した目地枠ｃのタイルの形状に合うよう形成
した画壁内にタイルｄを入れてこれを上記ガラス
繊維入りセメントの板状体ｂの表面に置き、その
上から振動装置を設けた「こて」により振動を加
えながら押圧してタイルｄをその厚さの５分の１
ないし２分の１までガラス繊維入りセメントの板
状体ｂに埋込ませピン５を抜取る。

この場合上記のように形成したガラス繊維入り
セメントの板状体ｂは硬く、ガラス繊維と母体の
材料との接着性が強くまたガラス繊維入りセメン
トの板状体ｂは内部の気泡、余剰水が少ないもの
であるため、その上にタイルを置いても沈みこむ
ことも横に滑ることもなく安定してガラス繊維入
りセメントの板状体に数多のタイルを規則正しく
固着することができる。

次いで型枠ａからガラス繊維入りセメントの板
状体ｂを脱離して合成ゴムシートまたは合成樹脂
シート１を剥離し、目地枠ｃを脱離することによ
り、ガラス繊維入りセメントの板状体ｂの表面に
数多のタイルｄを規則正しく確実に固着し、裏面
を平滑面としたタイルパネルの製品が完成され
る。

本発明は上記の方法により一般住宅の壁面に使
用できる小寸法で軽量のタイルパネルを製造する
ことができ、一般住宅でのタイルパネルの取付場
所は主として水の使用される所が多く、そのため
に防水シートを貼付ける防水処置を行わねばなら
ないが本発明の方法により製造したタイルパネル
は製造時に施す合成ゴムシートまたは合成樹脂シ
ートを剥離したあとのタイルパネル裏面が平滑で
あるからその平滑面に第９図に示すように粘着剤
６、防水シート７を施工して下地ｅに重合し、隣
接するタイル状板体ｄ，ｄの隙間には目地材を充
填し、上記のピン５を抜取つたあとの通孔には釘
８を通して下地ｅに打込みその頭に目地材を施工
する。

従来のタイルを裏返しとして目地枠内に並べた
上からガラス繊維入りセメントスラリーを流し込
んだり、吹きつけてガラス繊維入りモルタルによ
るタイルパネルを製造する方法においては、ガラ
ス繊維入りセメントスラリーが目地枠とタイルの
間からタイルの表面に進入してタイルの表面が汚
損し製品が悪くなる欠点があるが、本発明はガラ
ス繊維入りセメントの板状体上の目地枠にタイル
を裏返としないで載置し、その上から振動装置を
設けた「こて」で押圧してタイルをその厚さの中
間部までガラス繊維入りセメントの板状体に埋込
んだからタイルの表面がガラス繊維入りセメント
により汚損されるおそれなく、製品の裏面が完全
なる平滑面となるから製品を下地に取付けるとき
の防水設備を簡単に施工できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は目地枠の平面図、第２図は目地枠を形
成するスペーサーの斜面図、第３図は他の目地枠
の一部斜面図、第４図は目地枠にピンを通す孔を
穿つた状態の説明図、第５図はピンの正面図、第
６図は型枠上に合成ゴムシートまたは合成樹脂シ
ートを敷いてその上にガラス繊維入りセメントの
板状体を成形し、その上に目地枠を配置してタイ
ルを置きタイルを押圧してその厚さの中間部まで
を上記板状体に埋込んだ状態の断面図、第７図は
製品の断面図、第８図は同上製品の一部斜面図、
第９図は製品に防水装置を施して下地に固定する
状態の説明図 ａ……型枠、１……合成ゴムシート、合成樹脂
シート、ｂ……ガラス繊維入りセメントの板状
体、ｃ……目地枠、２……画壁、３……スペーサ
ー、４……孔、５……ピン、ｄ……タイル、ｅ…
…下地、６……粘着剤、７……防水シート、８…
…釘。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 製品の大きさの平板とそれに合う枠とを組合
   わせた型枠内に合成ゴムシートまたは合成樹脂シ
   ートを敷き、その上にセメント、セメント用骨
   材、ガラス繊維を混合した混合物を均等に散布
   し、その上に散水して湿潤状態となした後、この
   湿潤状態の混合物を振動しつつ圧展して薄葉体上
   にさらにセメント、セメント用骨材、ガラス繊維
   を混合した混合物を散布し、散水し、振動しつつ
   圧展する工程を繰返してガラス繊維入りセメント
   の板状体を成形し、その上面にはタイルの形状に
   合う数多の画壁を連続して設けた目地枠を載置し
   てその画壁内にタイルを置きその上から振動装置
   を設けた「こて」によつり振動を加えながら押圧
   してタイルをその厚さの中間部まで上記ガラス繊
   維入りセメントの板状体に埋め込むことを特徴と
   するガラス繊維入りセメントによるタイルパネル
   の製造方法。