JPS6218100B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は従来のAMモノラル放送受信機に対し
両立性を有するAMステレオ放送受信機における
パイロツト信号検出装置に関するものである。一
般にAMモノラル放送受信機に対して両立性を持
つたAMステレオ放送受信機を実現するため、ひ
とつは２チヤンネル音声信号の和信号を振幅変調
し、差信号を位相変調または周波数変調する方
式、他に互いに90゜の位相差を持つ２つの搬送波
にそれぞれ和信号、差信号を振幅変調して合成す
る方式などが提案されているが、変調がモレラル
かステレオであるかを示すパイロツト信号の周波
数は通常極めて低く設定されている。すなわち、
AM放送では信号の変調周波数50Hz〜7.5KHzの
範囲外にパイロツト信号周波数を設定しなければ
ならないが、受信機の再生周波数特性の問題より
7.5KHz以上に設定するのは困難である。そこで
通常パイロツト信号周波数は50Hz以下、具体的に
は５〜15Hz程度に選ばれる。このような超低周波
の検出において帯域フイルタと検波器、フエイ
ズ・ロツクド・ループ回路などの手法を用いる
と、少なくとも10波以上の入力正弦波が必要なた
め、例えば５Hzであれば、200ms×10＝2s、つま
り、最低２秒後に初めて検出可能となる。現在の
FMステレオ放送におけるステレオパイロツトラ
ンプが極めて敏速に応答するのに比べ、応答時間
が数秒かかるというのは選局時の操作性を著しく
低下させる問題を有している。

本発明はそのような超低周波信号の周期時間を
検出することによつて検出時間を飛躍的に向上さ
せようとするものである。

以下、本発明について実施例の図面と共に説明
する。第１図は単一搬送波に対して和信号を振幅
変調、差信号を位相変調してなる被変調波に対応
する受信機のブロツク図である。ただし、ここで
パイロツト信号は位相変調されているものとす
る。図中、１はフロントエンド部、２は中間周波
部、３は振幅検波器、４は位相検波器、５はマト
リクス回路、６はパイロツト信号検出器、７はス
テレオインデイケータである。和信号、差信号は
それぞれ振幅検波器３、位相検波器４で検波され
た後にマトリクス回路５で加算、減算されてＬ出
力、Ｒ出力を得る。一方、位相検波器４の検波出
力信号中のパイロツト信号はパイロツト信号検出
器６で検出され、この検出信号によつてマトリク
ス回路５を制御するとともにインデイケータ７を
点滅させる。

第２図は本発明によるパイロツト信号検出器６
の構成を示すブロツク図である。図中、８は入力
信号としての位相検波出力をパルス波形に変換す
る波形変換器、９は入力パルス信号の周期に応じ
た電圧を発生する周期・電圧変換器、１０は変換
器９の出力電圧が所定の電圧範囲内か否かの検出
信号ａと、該範囲以上か否かの検出信号ｂとを得
る電圧比較器、１１は信号ａを波形変換器８の出
力パルス信号で読み込むラツチ回路、１２はラツ
チ回路１１の出力信号を信号ｂによつて制御する
ゲート回路である。第３図は周期・電圧変換器９
の具体構成例である。図中、１３は入力パルス信
号の立上りで動作する単安定マルチバイブレー
タ。ただし、この単安定マルチバイブレータ１３
の出力パルス幅は入力信号の周期に比べ十分短く
設定しておく。１４はマルチバイブレータ１３の
出力パルスで動作し、抵抗１５によつてコンデン
サ１６に充電された電圧を短時間で放電させるト
ランジスタである。第３図の構成の周期・電圧変
換器を用い、ラツチ回路１１がパルスの立上りで
信号の読み込みを行なうものとすれば、第２図、
第３図の各部における電圧波形は第４図のように
なる。ここで、T₁，T₃，T₂であり、T₃が本来の
パイロツト信号の周期である。まず周期がT₁の
場合にはコンデンサ１６の充電電圧のピーク値が
所定電圧範囲に達しないため、検出信号ａは
“０”レベルのままで、従つてタイミングt₁でラ
ツチ回路１１に“０”が読み込まれる。次に周期
がT₂の場合にはラツチ回路１１への読み込みタ
イミングt₂において充電電圧が所定範囲を越え、
検出信号ａは“０”となるため、やはりラツチ回
路１１の出力は“０”のままである。周期がT₃
の場合にのみタイミングt₃において信号ａが
“１”となり、ラツチ回路１１の出力が“１”に
変わり保持される。図で明らかなように入力信号
周期が本来のパイロツト信号の周期であれば、一
波のみで確実に動作する。次にここで入力パイロ
ツト信号が停止すると、単安定マルチバイブレー
タ１３の出力が停止し、コンデンサ１６を放電し
なくなる。このため充電電圧はほぼ電源電圧まで
上昇し保持され、検出信号ａは“０”となる。し
かし、ラツチ回路１１は信号読込みのクロツク入
力を失うので、その出力は“１”に保持されたま
まとなつてしまう。ところが、この信号ｂは
“１”となり、ゲート１２によつてその出力を
“０”とすることができる。

第５図は、第４図に示したような検出信号ａ，
ｂを得る比較器１０の構成例である。図中、１７
は設定範囲上限と入力電圧を比較する電圧コンパ
レータ、１８は同じく下限と比較する電圧コンパ
レータ、１９はNOR回路である。またラツチ回
路としてリセツト動作が可能なもの１１′を使用
すれば、第６図のようにゲート回路１２を省いて
パイロツト信号検出器６を構成することができ
る。

ところで、パルス波形を得るための波形変換器
８は通常ヒステリシスを有する電圧比較回路（シ
ユミツト・トリガ回路）によつて構成されるが、
AMステレオ放送の方式によつてはパイロツト信
号周波数の帯域フイルタを前置しなくても、上記
シユミツト・トリガ回路におけるヒステリシス幅
を適当に設定するだけで、パルス信号への変換が
可能となる。差信号を位相変調するMagnavox社
提案の方式においては、差信号の最大変調が1rad
であるのに対し、パイロツト信号は3radの一定変
調となつており、第７図に示すようにパイロツト
信号振幅の1/3のヒステリシスをかけることによ
り、フイルタがなくともパイロツト信号をパルス
信号に変換することができる。

以上のように本発明はAMステレオ放送に用い
られる超低周波のパイロツト信号の検出に周期検
出を用いることにより極めて敏速な動作を可能に
したものであり、またパルス波形に変換後は直流
信号として処理されるので（第２図の各ブロツク
間に結合コンデンサを必要としないので）IC化
にも適している。

【図面の簡単な説明】

第１図はAMステレオ受信機のブロツク図、第
２図は本発明によるパイロツト信号検出器の一実
施例を示すブロツク図、第３図は同検出器におけ
る周期・電圧変換器の具体構成例を示すブロツク
図、第４図は同パイロツト信号検出器の各部の電
圧波形を示す図、第５図は同検出器における電圧
比較器の構成例を示すブロツク図、第６図は本発
明のパイロツト信号検出器の他の実施例を示すブ
ロツク図、第７図はヒステリシス効果の説明図で
ある。 ６…パイロツト信号検出器、８…波形変換器、
９…同期・電圧変換器、１０…電圧比較器、１１
…ラツチ回路、１２…ゲート回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 変調信号が多重信号であることを示すパイロ
   ツト信号をパルス信号に変換する手段と、該波形
   変換手段からのパルス信号を用いて放電を制御す
   る充電手段と、該充電手段からの充電電圧が所定
   の電圧範囲内にあるか否かの第１の検出信号と該
   所定の電圧範囲の上限以上にあるか否かの第２の
   検出信号とを得る電圧比較手段と、該電圧比較手
   段からの第１の検出信号を上記パルス信号によつ
   て読み込むラツチ手段と、該ラツチ手段の出力信
   号を上記電圧比較手段からの第２の検出信号によ
   つて禁止する手段を備えたことを特徴とするパイ
   ロツト信号検出装置。 ２ 電圧比較手段からの第２の検出信号によつて
   ラツチ手段の出力信号を禁止する手段は、上記ラ
   ツチ手段にリセツト手段として内包したことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のパイロツト
   信号検出装置。 ３ 波形変換手段は、ヒステリシスを持つ電圧比
   較回路によつて構成したことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項又は第２項記載のパイロツト信号
   検出装置。