JPS62177209A - 殺菌性再生セルロ−ス繊維 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は殺菌性再生セルロース繊維に関する。

更に詳しくは′優れた殺菌性と吸湿性を有する繊維材料
に関するものである。

〔従来の技術〕

銅の微生物に対する殺菌力については既によく知られて
いる。例えば、銅線を編み込んだソックス、硫酸銅水溶
液を水槽内の水に添加して緑藻の生産を阻止しうる方法
がある。

しかし、銅線、銅板等の金属銅は湿潤下にて人体に猛毒
な緑青を発生する。又、硫酸銅、硝酸銅、ギ酸銅、サリ
チル酸銅等の水溶液を用いる場合、これらの水溶性銅塩
は人体に対して有毒物であるため、使用においてかなり
の制約をうける。

上記の欠点に鑑み、人体に無害で、かつ長期間殺菌性が
失われない殺菌性繊維の型造方法について鋭意研究の結
果、水に不溶の銅化合物を繊維に吸着させる方法は、特
開昭５４−１６０９００号公報に開示されているが、こ
れらの方法にて再生セルロース繊維に酸化銅あるいは水
酸化銅を吸着させたものは再生セルロース繊維表面に銅
化合物が分布し、摩耗等により銅化合物が剥離する欠点
がある。又、特開昭５６−１６９８０８号公報、特公昭
５７−５６５８１号公報に開示されている方法では、繊
維表面に硫化銅が分布し、前述の方法と同様、摩耗等に
より銅化合物が剥離する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明者らは、銅化合物が繊維表面から剥離する事なく
、かつ又、長期間殺菌性を持続させる方法について検討
した結果、水に不溶な銅化合物を繊維内部に含有する事
により、上述の欠点を充分満足し得る事を見出し、本発
明を完成するに到った。

即ち、本発明の目的は、水に不溶の銅化合物を剥離、脱
落しにくい様に糸断面内部にまで含有しており、しかも
安定でかつ優れた殺菌性と長期間殺菌性を接続する殺菌
性再生セルロース繊維を堤供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち、本発明は水酸化銅、酸化銅及び硫化銅の中から選
ばれた銅化合物のすくなくとも１種又はそれ以上を糸断
面内部に含有する事を特徴とする殺菌性再生セルロース
繊維である。

本発明における銅化合物を糸断面内部に含有するとは、
一つの分布状態は、糸断面方向において、銅化合物を半
径の９０％以内にほぼ一様に分布させ含有させる。他の
一つの分布状態は、糸断面方向において、半径の２０％
以上９０％以内に、リンリング状に銅化合物を分布させ
含有させる。

銅化合物の糸断面方向の分布は、以下の方法によって制
御できる。

銅アンモニアセルロース溶液を紡糸し、温水等で凝固さ
せる。績糸は銅とセルロースの配位化合物を含有した糸
（以下、前糸と称する）である。

前糸の表面を酸で再生し、銅とセルロースとの配位化合
物を糸半径方向の９０％以内に分布させる。

上述の方法により得られた前糸は、水酸化銅を含有する
再生セルロース繊維である。又、酸化銅の場合は、該前
糸を熱湯中に浸漬する事により得る事が出来る。又必要
に応じて過酸化水素水溶液中で処理する事も可能である
。

硫化銅を含有する再生セルロース繊維は、前糸の表面を
酸で再生し、銅とセルロースとの配位化合物を糸半径方
向の９０％以内に分布させた前糸を硫化剤として硫化ナ
トリウムを含む溶液で処理すると硫化銅を半径方向の９
０％以内にほぼ一様に分布させることができる。更に、
前述の前糸表面を酸で再生した前糸を硫化剤として硫化
カリウムを含む溶液で処理すると硫化銅を半径方向の２
０％以上９０％以内に、リング状に分布させることがで
きる。

本発明の再生セルロース繊維に含有される銅化合物の含
有率は自由にコントロールできるが、長期間安定した殺
菌性を得るには、セルロース１ｇ当りに酸化銅換算２０
０■以上含有する事が必要である。

これは、該銅化合物を含有する再生セルロース繊維を水
に浸漬しても殆んど脱離しないが、殺菌性を有するに足
る銅化合物の量は水中で、ごく微量の酸化銅換算０．Ｉ
ＰＰＭ以上であれば充分であり、該繊維から２０℃の水
中への溶出量は０．１〜０．２ＰＰＭである。又、セル
ロース１ｇ当りに酸化銅換算２００ｍｇ以上含有してい
ると、２０℃の水中に１ケ月浸漬した後の溶出量は０．
１〜０．２ＰＰＭあり、充分な殺菌性を有している。

本発明による殺菌性再生セルロース繊維は白痛菌に属す
るトリコフィトン　メンタグロフイテイ（Ｔｒｉｃｈｏ
ｐｈｙｔｏｎ　ｍｅｎｔａｇｒｏｐｈｙｔｅｅ、　　Ｉ
ＦＯ５４６６）＋　）リコフイトン　ラブラム（Ｔｒｉ
ｃｈｏｐｈｙｔｏｎ　ｒｕｂｒｕｍ、　ＩＦＯ５４６７
）　、アスペルギルス　フラパス（＾ｓｐｅｒｇｉｌ　
１ｕｓｆｌａｖｕｓ、　ＩＦＯ６３４３Ｌ　アスペルギ
ルス　ニゲル（Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ　ｎｉｇｅｒ、
ＩＦＯ６３４１）＋　ペニシリウムシトリラム（Ｐｅｎ
ｉｃｉｌｌｉｕｍ　ｃｉｔｒｉｕｍ、ＩＰｏ　６３５２
）＋フザリウム　リ−１−（Ｆｕｓａｌｉｕｍ　１ｉｎ
ｉ、ＩＰｏ　４４６Ｂ）。

リゾフス　ニグリカンス（Ｒｈｉｚｏｐｕｓ　ｎｉｇｒ
ｉｃａｎｓ、ＩＰｏ　５７８１）、タラトスボリウム　
レジニー（Ｃ１ａｄｏｓｐｏｒ−ｆｕｎ　ｒｅｓｉｎａ
ｅ、ＩＦｏ　８５８Ｂ）、シュウトモナス　（Ｐｓｅｕ
ｄ−ｏｍｏｎａｓ）菌、黄色ブドウ状球菌、大腸菌に対
して強い殺菌作用を示すが、特にこれらの菌に限定する
ものではない。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。

実施例１ 公知の方法で調整したセルロース濃度１０重量％、アン
モニア濃度７重量％、銅濃度３．６重量％の組成を有す
る銅アンモニアセルロース溶液を直径０．５ｍｍの孔を
４５個有する紡口より紡糸し、濾斗内で流下緊張させな
がら充分な凝固を行なわせ、銅とセルロースとの配位化
合物のマルチフィラメントとした。この様にして得られ
た前糸を１．４重量％の硫酸浴に瞬間的に通す事により
表面を再生し、銅とセルロースの配位化合物を糸断面方
向の９０％以内に含有した糸を得た。次に績糸を水洗、
乾燥し、再生セルロース繊維内部に水酸化銅を含有する
殺菌性再生セルロース繊維を得た。

なお銅の分布はＸ線マイクロアナライザーにより分布強
度を測定した。

この繊維は、黄色ブドウ状球菌（スタフイロコカズ・ア
ウレウス）に対する苗減少率はシェイクフラスコ法にて
９５％であり、優れた殺菌性を示している。績糸に含有
する銅量はセルロース１ｇ当たり、酸化銅換算２３０ｍ
ｇであった。

実施例２ 実施例１と同様にして得られた水酸化銅を含有する再生
セルロース繊維を８０℃の熱水中を通過させ、繊維内部
に含有する水酸化銅を酸化銅に変化させ、再生セルロー
ス繊維内部に酸化銅を糸断面方向の９０％以内に含有し
た殺菌性再生セルロース繊維を得た。

この繊維は、黄色ブドウ状球菌に対する苗減少率は、シ
ェイクフラスコ法にて９０％であり、殺菌性に優れてい
る。又、績糸の含有する銅量はセルロース１ｇ当たり酸
化銅換算２０８ｍｇであった。

実施例３ 実施例１と同様にして得られた水酸化銅を含有する再生
セルロース繊維を硫化カリウム濃度５重量％温度５０℃
の水溶液に２０分間浸漬し、その後、水洗乾燥して硫化
銅を繊維内部に含有する殺菌性再生セルロース繊維を得
た。

該繊維は糸断面方向において、半径の２０％以上、９０
％以内に硫化銅がリング状に分布している。

この繊維は、黄色ブドウ状球菌に対する苗減少率は、シ
ェイクフラスコ法にて９８％であり、優れた殺菌性を示
している。績糸に含有するｗ４量はセルロース１ｇ当り
酸化銅換算２１０ｍｇであった。

実施例４ 実施例１〜３で得られた該殺菌性再生セルロース繊維を
２０℃の水中に１ケ月浸漬しその後、脱水、乾燥した各
繊維の黄色ブドウ状球菌に対する苗減少率は、シェイク
フラスコ法で、水酸化銅含有再生セルロース繊維が８９
重量％、酸化銅含有再生セルロース繊維が８５重量％、
硫化銅含有再生セルロース繊維が９２重量％であり、何
れも長期間借れた殺菌性を示している。

〔発明の効果〕

本発明による殺菌性再生セルロース繊維は、優れた殺菌
性を有し、かつ又、繊維内部に銅化合物が分布している
ため、吸湿性及び吸水性に優れた再生セルロース繊維と
の相乗効果により、長期間借れた殺菌性を有するもので
ある。

本発明による殺菌性再生セルロース繊維は、紡績、製織
、製編が可能であり、又用途に応じて、各種繊維素材と
の混用も可能である。更に又、不織布あるいはパルプと
混抄し、て抄紙したり、フィルム化する事も可能である
。

即ち、本発明による繊維の衣料分野あるいは資材分野へ
の展開はきわめて有利であり、用途も広範囲に適用でき
る０例えば、衣料分野においては、シーツ、オムツ、ソ
ックスなど、資材分野においては、排水、汚水利用の濾
材、あるいは微生物による腐食防止等である。

特許出願人　　旭化成工業株式会社 手続補正Ｄ（自発） 昭和６２年４月　２日

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）水酸化銅、酸化銅及び硫化銅の中から選ばれた銅
   化合物の少なくとも１種又はそれ以上を糸断面内部に含
   有する事を特徴とする殺菌性再生セルロース繊維
2. （２）銅含有量がセルロース１ｇ当たりに酸化銅換算２
   ００ｍｇ以上である事を特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の殺菌性再生セルロース繊維