JPS62174236A - 長尺物用プラズマ処理機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、布帛、フィルム等のシート状物や、糸条物の
ような連続性長尺物ををプラズマ処理するための装置に
関するものである。

〔従来技術およびその問題点〕

従来、繊維製品の洗濯による再汚染（黒ずみ）の防止加
工（以後ＳＲ加工と略）は、疎水性の合成繊維の場合に
強く求められている。これまでの方法は、親水性の樹脂
を繊維表面に付与することにより疎水性繊維の表面を親
水化し、ＳＲ性を付与する方法が行なわれている。しか
し、かかる樹脂加工による方法は、着用時の洗濯などに
対する耐久性に乏しい。また、繊維表面に付着した樹脂
に染着した染料が移行する移行昇華性を促進するため、
染色堅牢度を低下させる。

また、使用する親水性樹脂がおおむねポリエチレングリ
コール系樹脂、またはこれの誘導体であるため、処理さ
れた布帛の風合いは、ワックス惑が強いものとなる等の
多くの欠点を有しており、このような欠点がなく、しか
も安価に工業的規模で、繊維布帛、特に合成繊維布帛に
ＳＲ性を付与できる技術の開発が望まれていた。

このような問題を解決する方法として、最近繊維表面に
樹脂加工に代って、プラズマ処理することにより、繊維
表面を直接親水化し、木綿と同等以上の優れたＳＲ性を
付与することができることが判ってきた。

しかしながら、シート状物及び繊維等の連続体を連続的
に処理し得るプラズマ処理装置に関し種々の問題が発生
し、その改良のため多数の提案がある。これを大別する
と、シート状物等を大気中から繰出し、連続シール機構
を有する減圧された処理室に導入した後、再度大気中で
巻取るタイプと、シート状物等の繰出し、巻取りをすべ
て一つの減圧された容器中で行なう、ハツチ連続タイプ
とに分けられる。

前者の連続シール機構を有するタイプは、減圧処理室を
小形化できること、また減圧状態を解除することなく水
準の切換が行なえ、作業性が良いことなどの利点はある
が、繊維布帛などの高含気性シート状物の処理に際して
は、シートに含まれる空気などの揮発性物質が、シール
部分だけでは充分に除去できず、処理速度が大きくなっ
た場合のシール性に問題がある。

また、後者のバッチ連続タイプの処理機では、シート状
物等の繰出手段、巻取手段を減圧処理容器内に内蔵する
ため減圧容器の容積が大きくなり、目的とする減圧度に
到達するまでの時間が過大となり処理効率が低下すると
いう問題を有する。

また、プラズマを発生させる電極部分についても、接地
されたロール状陰極と、棒状陽極の組合せ、いずれも棒
状をした陰極と陽極の組合せ、略同−の面積を持つ平板
状の陰極と陽極の組合せ、および接地された平板状陰極
と棒状電極の組合せなど多数が提案されている。しかし
、実際の生産機として使用する場合には、電極及びその
周辺に堆積するプラズマ重合による汚れが大きな問題と
なる。これは、被処理物から揮発する低沸点有機化合物
や、処理ガスとして導入する重合性ガスなどが、プラズ
マ状態で重合し析出し堆積するもので、これを放置して
お（と、この堆積物で電極表面が覆われて絶縁被膜を形
成し、安定した放電が行なえなくなるという問題を生起
する。

〔発明の目的〕

本発明の目的は上記した従来におけるプラズマ処理装置
の欠点を改良し、高速処理においても減圧度が変化せず
、安定した条件下で加工できるバッチ連続式の特徴を生
かしつつ減圧処理容器の容積を極少にし、しかもプラズ
マの発生効率が高く、しかも清掃の容易な電極構造を有
する長尺物用プラズマ処理機を提供することにある。

〔発明の構成〕

本発明は上記した目的を達成するため次の構成を有する
ものである。即ち、減圧処理容器と、この減圧処理容器
内に収容された被処理物の繰出手段、巻取手段およびプ
ラズマ照射手段とを有するプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ照射手段が、陽極とこの陽極を挟むように
配置された複数の平板状の陰極から構成され、かつこの
平板状陰極の少なくとも一方が開閉可能である長尺物用
プラズマ処理機を特徴とするものである。

本発明は上記構成によりプラズマ処理機の構造をコンパ
クト化し、生産効率や作業能率を向上せしめる他、実際
の生産に際して、プラズマ処理時に発生する揮発性、重
合酸ガスの重合による電極汚染の清掃を容易に行なうこ
とができるようにする。

本発明に使用される長尺被処理物としては、織物、編物
、不織布、ウェッブ等の布帛状物、フィルム、箔、紙等
のシート状物、或いはこれ等の複合物、又は布帛やシー
ト状物に樹脂等をコーティングしたもの、更には紡績糸
やフィラメント糸の如き糸条物等が適用できる。

以下、本発明の一実施例を図面により説明する。

第１図は本発明にかかるプラズマ処理機の断面図、第２
図はその平面図であり、また第３図は本発明におけるプ
ラズマ照射手段の電極構成を示すものである。

第１．２図において、１は減圧処理容器で、その両端に
可動扉１２．１３が容器の一部を構成している。８およ
び９は長尺被処理物の経路であり、経路８は被処理物の
片面のみを処理する場合を示し、経路９は両面を処理す
る場合を示す。

減圧処理容器１は排気管１４を介して減圧ポンプ１０に
接続され、１０−　’Ｔｏｒｒ程度の減圧に保持され、
この減圧下で長尺被処理物２３を低温プラズマ処理する
ようになっている。

被処理物２３の繰出手段１９を構成する回転軸４に繰出
用ロール２として巻上げられ、その状態で経路８または
９を経て巻取手段２０を構成する回転軸５に巻取られ、
巻取ロール３の状態で完結する。これらの被処理物２３
の搬送は駆動用モータ１１により回転軸４および／また
は５を駆動することによって行なわれる。長尺被処理物
２３の搬送手段２１はガイドバー、ガイドローラー等に
より構成されており、適宜の伝動系を介してモーター１
１により駆動される。

プラズマ照射手段２２は、互いに対向配置されたそれぞ
れ２枚の板状の陰極６．６；６°、６゛の間に複数本の
棒状の陽極７，７゛を配置して、それぞれ単位の電極を
構成している。本発明はこの構成の電極を少くとも２単
位以上組合せて使用することが好ましく、これによって
被処理物２３の片面及び両面処理が可能となる。

このような電極を採用することによって、放電による低
温プラズマを効率良く利用することができ、しかも電極
が占める容積を最少限に減少することを可能にする。更
にこのような電極を採用することにより、はじめて一つ
の減圧処理容器内で被処理物の両面を１度に処理し得る
ような電極の配置が可能になる。

ここで、さらに放電効率を高めるためには、互いに対向
配置された板状の陰極６，６゛の表面積（陽極に相対す
る面の総面積）は棒状の陽極７．７”の表面積の総和よ
り大きくする必要があり、好ましくは１．５倍以上、さ
らに好ましくは２．５倍以上とすることがよい。

しかし、このようなコンパクトな電極構造を採用した場
合には、前記した通り、プラズマ中で重合性のガスが重
合して堆積し、それによって電極表面が汚れるため清掃
が必要である。本発明では第３図に示すように、２枚の
陰極６゜６又は６″、６”のいずれか一方がドア式に開
閉するようになっており、この構成により容易に陽極７
，７゛および陰極６，６゛の表面を清掃することができ
る。

〔発明の効果〕

本発明の装置により、高含気性のシート状物、たとえば
、織編物、不織布、トウ、繊維、コーテイング物、多孔
質フィルムなどを処理する場合に、特に処理速度の変化
による減圧処理室の真空度の変化もなく、バッチ式処理
機の特徴姿維持しつつプラズマ処理を行なうことができ
る。

しかも、プラズマの発生効率が高く、清掃の容易な電極
構造が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明処理機の断面図、第２図はその平面図、
第３図は、第１図のプラズマ照射手段部分の拡大斜視図
である。 ｌ・・・減圧処理容器、２・・・繰出ロール、３・・・
巻取ロール、４．５・・・回転軸、６，６゛　・・・板
状の陰極、７．７′　・・・棒状の陽極、８・・・（片
面処理用）パス、９・・・（両面処理用）パス、１９・
・・繰出手段、２０・・・巻取手段、２１・・・搬送手
段、２２・・・プラズマ照射手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 減圧処理容器と、この減圧処理容器内に収容された被処
   理物の繰出手段、巻取手段およびプラズマ照射手段とを
   有するプラズマ処理装置であって、前記プラズマ照射手
   段が、陽極とこの陽極を挟むように配置された複数の平
   板状の陰極から構成され、かつこの平板状陰極の少なく
   とも一方が開閉可能であることを特徴とする長尺物用プ
   ラズマ処理機。