JPS6217013Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建物清掃機のルーフカーを建物に
おける窓列の中間部分以外等の任意の位置に位置
割り出しを行わせる建物清掃機の位置割り出し装
置の改良に関するものである。

高層ビルデイングの外壁面を清掃する建物清掃
機は一般に、第１図に示すように構成されてい
る。すなわち、建物１の屋上床面２の外周部に設
けた欄干（パラペツト）３に沿つて敷設したレー
ル４上を走行するルーフカー５と、このルーフカ
ー５からシーブ６を介して引き出される１対のワ
イヤロープ７の垂下端に連結された清掃ユニツト
または作業床などの昇降体８とを備え、前記建物
１の外壁面にはその窓列９に対応してガイドレー
ル１０を取り付け、これらのガイドレール１０に
前記昇降体８を案内させながらルーフカー５に設
けた巻上機（図示せず）によりワイヤーロープ７
を巻き取りまたは繰り出すことで昇降動作させ、
窓列９の窓ガラスあるいは壁面の清掃あるいはメ
ンテナンスを行なわせるようになつている。

そして、従来、この種の建物清掃機では、建物
の屋上の欄干３に沿いレール４上を走行するルー
フカー５を各窓列９に対し自動的に位置割り出し
する場合は、第２図に示すように、レール４の内
側の各窓列９に対応した位置に被検出体１１を取
り付けかつルーフカー５には前記被検出体１１の
上方に位置するように、リミツトスイツチ１２を
取り付け、このリミツトスイツチ１２の検出アー
ムが被検出体１１上に位置した時、これと接触し
て検知し、これによりルーフカー５を停止させて
昇降体８を窓列９の中央に位置割り出しするよう
にしていた。

しかし、前述のような検出手段にあつては、窓
列９と、対応する被検出体１２とが離れているた
めに、ルーフカー５は正確に停止してもレール４
とルーフカー５の車輪とのがたつきなどでルーフ
カー５の車体が建物１の屋上縁部と平行になら
ず、ルーフカー５の先端に吊持した昇降体８の位
置がずれるなど、位置割り出し調整が困難であつ
たり、時間がかかるなどの欠点があつた。

また、このような問題を解決するものとして
は、例えば特開昭50−94723号等に示されるよう
に、建物の側壁に設けられているマリオンを検出
することによつて、ルーフカーの走行位置決めを
行うものが提案されている。

しかしながら、このように構成された建物清掃
機の位置割り出し装置においては、マリオンのピ
ツチが建物の位置によつて異なる場合には、マリ
オン間の中間部分にルーフカーを位置決めするこ
とが出来ず、これを可能とするためには、マリオ
ンの各ピツチ毎にこのマリオンを検出する検出器
を選択しなければならない。また、マリオンを検
出してルーフカーの位置決めを行う場合には、マ
リオンがあれば昇降を必要としない部分（例え
ば、窓拭き作業時には窓の無い部分）においても
ルーフカーに対する位置決めがなされてしまうこ
とになる等の問題点を有している。

この考案は、前述した従来の建物清掃機の位置
割り出し装置における係る問題点を解消するため
になされたもので、任意の位置にのみ容易に位置
決めすることが出来る建物清掃機の位置割り出し
装置を提供することを目的とするものである。

以下、第３図および第４図によつてこの考案の
一実施例を説明する。これらの図中第１図および
第２図と同一符号は同一部分を示し、１３は投光
部１３ａおよび受光部１３ｂを有する反射式光電
装置、１４は光電装置１３が欄干（パラペツト）
３の上面を照射して反射するように光電装置１３
をルーフカー５に取り付ける支持部、１３ｃは光
電装置１３の光線軌跡、１５は欄干３の上面で、
ルーフカー５が窓列９の中央で停止した時に光電
装置１３による光線の光軸と対向した位置に貼り
着けられた黒色ゴムなどからなる非反射面を有す
る被検出体を示す。なお、前述した以外の構成お
よび建物清掃機の基本動作は第１図、第２図に示
す従来例のものと同様であるから説明を省略す
る。

前述のように構成されたものの動作について説
明すると、ルーフカー５は、光電装置１３が欄干
３の上面を検知している間は、欄干３に沿つてレ
ール４上を走行し、所定の窓列９の中央に来る
と、光電装置１３が被検出体１５によつて欄干３
を検知しなくなるので、光電装置１３により停止
指令が与えられてルーフカー５が停止する。この
ため、昇降体８の停止位置は窓列９に近い欄干３
上で決定されることにより、レール４とルーフカ
ー５の車輪とのずれなどによる誤差が生じない。
また被検出体１５の大まかな位置はガイドレール
１０などを基準にして決められるので、調整作業
が容易となり大幅な作業時間の短縮が行なえる。
さらに、被検出体１５を誤つた位置に設置しても
貼り直すだけの簡単な作業で修正を行なうことが
でき、被検出体１５はゴムなどの安価な材料を使
用できるので、調整のための総合コストが下げら
れる。また、この場合には、非検出体１５を張り
付けた部分に、ルーフカーを任意にかつ容易に位
置決めすることが出来ることから、昇降作業を必
要とする部分のみにこの非検出体を配置すること
によつて、従来のマリオンを位置決め用に検出す
る場合のように、マリオンがあれば昇降作業を必
要としない部分にも停止して位置決めされること
が防止される。さらに、マリオン間の距離が異な
つていても、非検出体をマリオン間の中間位置に
配置するのみで、マリオン間の中間位置に昇降体
を位置決めすることが容易に行える。

なお、前述の実施例では、被検出体１５を非反
射面からなるものとしたが、欄干３の面上がコン
クリートなどの非反射面を有する場合には、被検
出体１５を反射面からなる材料で構成しても同様
な作用が得られることは明白である。さらに、被
検出体１５を欄干３の水平な上面に設置した例を
示したが、これは欄干３の垂直な壁面を使用して
も同様な作用が得られる。またこの考案は、被検
出体１５と反射式光電装置１３を複数個で構成す
れば前述した実施例の作用の他に組み合せによる
各種の窓列条件を設定する作用を得ることができ
る。

以上説明したとおり、この考案は、建物の欄干
（パラペツト）に沿つて走行するルーフカーに反
射式光電装置を設け、欄干面上に被検出体を設け
てルーフカーを停止させ、窓列位置の割り出しを
させるものであるから、これによつてルーフカー
の停止位置の誤差を小さくでき、その調整作業を
短縮し、安価で能率のよい建物清掃機の位置割り
出し装置を提供することができる。また、非検出
体の配置部分が位置決め部分となることから、例
えばガイドレールの間隔が位置によつて異なつて
いても、この非検出体をガイドレール間の中間部
分に配置するのみで、ガイドレールの間隔に関係
無く、常に例えば窓列の中間に昇降体を配置する
ことが容易になる。また、ガイドレール間であつ
たとしても、窓が無い部分等のように、昇降作業
を必要としない部分に対しては、非検出体の配置
を禁止することにより、該部分での無駄な位置決
め動作の実行を禁止して、自動的に次の指定位置
まで移行させることが出来、これに伴つて作業の
効率化が図れることになる等の種々優れた効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は建物清掃機の概略を示す正面図、第２
図は従来例の建物清掃機の位置割り出し装置を示
す側面図、第３図はこの考案の一実施例による建
物清掃機の位置割り出し装置を示す要部拡大側面
図、第４図は第３図の平面図である。 １……建物、２……屋上床面、３……欄干、５
……ルーフカー、７……ワイヤーロープ、８……
昇降体、１０……ガイドレール、１３……反射式
光電装置、１５……被検出体。なお、図中、同一
部分または相当部分は同一符号により示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物の屋上の欄干３に沿つて走行するルーフカ
   ー５にワイヤーロープ７によつて昇降体８を吊持
   した建物清掃機において、前記ルーフカー５に設
   けられて欄干３面を検知する反射式光学装置１３
   と、この反射式光学装置１３の光軸上に配置して
   前記欄干３面の所定位置に設けた非反射面または
   反射面からなる非検出体１５とを備え、前記ルー
   フカー５は前記非検出体１５を検出するとその移
   動を停止して位置決めを行うことを特徴とする建
   物清掃機の位置割り出し装置。