JPS6216678B2 - - Google Patents

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JPS6216678B2
JPS6216678B2 JP7264479A JP7264479A JPS6216678B2 JP S6216678 B2 JPS6216678 B2 JP S6216678B2 JP 7264479 A JP7264479 A JP 7264479A JP 7264479 A JP7264479 A JP 7264479A JP S6216678 B2 JPS6216678 B2 JP S6216678B2
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JP
Japan
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balancer
liquid
annular case
rotating tank
annular
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JP7264479A
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Inventor
Hisao Tatsumi
Yoshiaki Kamei
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Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP7264479A priority Critical patent/JPS55166197A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は脱水用の回転槽が被脱水物のアンバラ
ンス分布によつて異常振動をすることを抑制する
ようにした脱水機の振動防止装置に関する。
先ず、従来におけるこの種の装置について説明
するに、第1図には脱水兼用洗濯機が脱水機の一
例として示されている。この第1図において、1
は外箱であつて、その内部にはタブ2が吊棒3に
よつて弾性的に吊持して設けられ、このタブ2内
には脱水用の回転槽4が回転自在に設けられ、そ
の内底部には撹拌翼5が設けられている。6は動
力伝達機構7を介して回転槽4及び撹拌翼5に回
転力を選択的に伝えるためのモータ、8は回転槽
4の上端開口部に設けられた所謂バランサであ
る。このバランサ8は脱水時における回転槽4の
高速回転時に、その内部の被脱水物のアンバラン
ス分布に起因して回転槽4を含むタブ2全体が異
常に振れ回る異常振動を抑制するためのものであ
る。従来のこのバランサ8は三種の方式に大別で
き、第一の方式は環状ケースにコンクリートを詰
め一体化したコンクリートバランサであり、第二
の方式は環状ケース内に液体を流動可能に封入し
た液体バランサであり、第三の方式は環状ケース
内に複数個の鋼球を移動自在に収容したボールバ
ランサである。これら各種のバランサは第2図に
示すような振動抑制特性を示すことはすでに知ら
れている。この第2図において、Aは回転槽4の
定常回転中におけるタブ2上端の振動振巾、Qは
回転槽4内でアンバランス分布している被脱物の
質量(以下アンバランス量と称する)、9はコン
クリートバランサの特性線、10は液体バランサ
の特性線、11はボールバランサの特性線であ
る。尚、第2図の特性は本発明者の実験により作
成したものであるから、A,Qには具体的数値が
示されている。上記の各特性線9,10,11の
比較から明らかなように、振動抑制効果としてボ
ールバランサが特に優れている。しかしながら、
ボールバランサの上記特性線11で示された優れ
た特性は回転槽4がたわまない金属製のものとし
たときに発揮されるもので、本発明者の実験によ
れば、回転槽4を生産性に優れたプラスチツク製
としこれにボールバランサを適用したときの振動
抑制特性は特性線12に示すようになり、性能が
液体バランサのものよりも劣つてしまうことが判
明した。その原因がプラスチツク製回転槽4のた
わみによるものであることも判明した。以下この
ことについて詳述する。第3図には回転槽4と、
これに設けたボールバランサ13とが平面図とし
て図解的に示され、第4図及び第5図には脱水軸
14を含んでプラスチツク製回転槽4が側面図と
して図解的に示されている。15はアンバランス
負荷(被脱水物)である。第3図及び第4図に示
すような被脱水物のアンバランス分布状態で回転
槽4が定常回転している場合において、鋼球16
には脱水軸14の中心(S1―S2線)を中心と
して生ずる遠心力f1と回転中心(P1―P2
線)を中心として生ずる遠心力f2とを同時に受
けるため、それらの合力の分力fbによつて、鋼球
16はアンバランス負荷15位置とは反対側の方
向へ移動する。この状態での振動発生力、つまり
励振力において、並進方向の力F及び回転モーメ
ントMは次式(イ),(ロ)によつて表わされる。
F=Fu−Fb ……(イ) M=Fu・Lu−Fb・Lb ……(ロ) この式から理解されるように、F及びMはボー
ルバランサ13によるFb,Fb・Lbによつて低減
され、振動振巾が抑制されるのである。尚、Fu
はアンバランス負荷15に作用する遠心力、Fb
は鋼球全体に作用する遠心力、Lu及びLbは重心
Gとアンバランス負荷の中心及び鋼球16群の中
心との各間の距離(第4図参照)である。以上に
おいて、すべての鋼球16が第3図のようにアン
バランス負荷15の反対側に位置したときに、第
2図中、R1で示すようにアンバランス吸収限界
点となり、これ以上アンバランス量が増すと振動
振巾も急激に増してくる。さて、回転槽4がプラ
スチツク製であると、第4図に示すようにたわみ
を生ずる。即ち、回転中心(P1―P2線)とボ
ールバランサ13の脱水方向回転中心S3とが一
致するまで鋼球が寄せ集まり、このときに、力
Fbによつて回転槽4は第4図中△aだけたわ
む。この結果、回転中心(P1―P2線)と脱水
軸中心(S1―S2線)とはたわみ量△a分のず
れを生じ、このずれ分が、本来、略零となるよう
な理想的なバランサ効果を悪化させる原因にな
り、振動抑制作用が第2図中、特性線12で示す
ように、たわみを生じない金属製のものよりも低
下してしまう。従つてアンバランス量が増えれ
ば、アンバランス負荷15と反対側に集まる鋼球
16の量も増え、たわみが一層助長され振動抑制
作用が低下する。このようなたわみを生ずるとき
でも第2図にR2で示す如く、アンバランス吸収
限界点は存在するが、プラスチツク製回転槽4の
場合は、アンバランス限界点R2を超えるように
アンバランス量が増しても、すべての鋼球16が
限界点R2にてすでに完全に寄せ集まつているた
め力Fbの増加はなく、従つてたわみ△aは一定
となる。そして限界点R2以上のアンバランス量
によつて生ずる振動振巾はその位相が前記たわみ
量△aとは180度異にするため、アンバランス量
の増加につれて第4図に示すS2がP2に近づい
て行き、ついには振動振巾が零(第2図中R3
点)となりそしてその後はS2とP2との位置関
係が第5図に示すように逆転し、振動抑制作用は
第2図の特性線12中、R3点以降で示すよう
に、再び振動が増加してくる。
以上の説明から理解されるように、ボールバラ
ンサは振動抑制性能において最も優れているにも
かかわらず、回転槽をプラスチツク製にすると、
そのたわみによつて振動振巾はアンバランス吸収
限界点R2から振巾零まで低下するも、その低下
が急激であるため、アンバランス量の少しの増加
で再び増大してしまい、ボールバランサとしての
優れた性能が消失されてしまう。これに対して鋼
球の数を増加してアンバランス吸収限界点をアン
バランス量の多い方にずらしてやると、最大振動
振巾が増大してしまうと云う新たな欠点を誘発し
てしまう。
本発明は上記の事情に鑑みなされたものであ
り、その目的は所謂ボールバランサ部と液体バラ
ンサ部とを併有せしめることによつて回転槽をプ
ラスチツク製とした場合でも定常回転時における
振動を効果的に抑制でき且つ広範囲にわたるアン
バランス量の変化に対して振動振巾の変化範囲を
狭くなし得る他、ボールバランサ部の変形による
ボールバランサ効果の低下を防止でき且つボール
バランサ部が分解性破壊に到ることを未然に防止
できる脱水機の振動防止装置を提供することにあ
る。
以下本発明の第一実施例につき第6図乃至第9
図を参照して説明する。20は第1図に示すもの
と同様のタブ21内に回転自在に配設された洗い
兼脱水用の回転槽であり、これはプラスチツクに
よつて一体成形して成るものである。この回転槽
20の上端開放口の内周部にバランサ22を該回
転槽20と同心状に取着している。このバランサ
22について詳述するに、23はプラスチツク製
の環状をなした本体ケースで、この本体ケース2
3には上面開放形の第一の環状ケース部24とこ
の第一の環状ケース部24の内側に位置する上面
開放形の第二の環状ケース部25とを夫々一体に
形成している。この場合において、26は両環状
ケース部24及び25内を相互に区分するための
隔壁に相当している。また、第二の環状ケース部
25に対して第一の環状ケース部24は深い形状
にされ、且つ該第一の環状ケース部24内には後
述する液体の流動性をある程度抑制するための邪
魔板部27を、第7図にも示すように、径方向に
わたるようにしてその円周方向に複数個間欠的に
形成している。この場合において、それらの邪魔
板部27の一部には第一の環状ケース部24内に
おける第二の環状ケース部25と隣接する側の内
側面、換言すれば前記隔壁26の第一の環状ケー
ス部24側の内側面から突出する如き形態をなす
ように、リブ28を該隔壁26と一体をなして形
成している。29は前記第一及び第二の環状ケー
ス部24,25の各上面開放部分を夫々閉鎖する
蓋部分29a,29bが互に一体化して有する単
一の蓋であり、これは第一の環状ケース部24内
に流動自在に液体30を第6図中二点鎖線で示す
液位31に達する量収容し、且つ第二の環状ケー
ス部25内に複数の球体例えば鋼球32を移動自
在に収容した後に塞ぎ設け、最終的に、第一の環
状ケース部24内に一体に突設したボス部33と
ねじ34とによつて固定化している。この場合に
おいて、蓋29の下面に形成した環状溝群35
(一部のみに符号を付した)を各環状ケース部2
4,25の開放部端縁に密嵌せしめている。そし
てこの実施例では特に、液体30を第一の環状ケ
ース部24内から第二の環状ケース部25内に自
然流入させ、これを遠心力によつて第一の環状ケ
ース部24内に戻す液体通過用の小孔36を前記
隔壁26にその円周方向に間欠的に並ぶように複
数個形成している。特に各小孔36の形成位置
を、回転槽20の停止状態での液位31よりも下
方となる高さに定めている。尚、隔壁26の第二
の環状ケース部25内に位置する面は図面上表わ
されていないが鋼球32を遠心力によつて第6図
中二点鎖線位置まで上昇させるためにわずか外方
に傾斜した形状をなしている。37は蓋29の下
面に設けられて鋼球32の上昇量を一定に規制す
るための環状の突条部である。
次に上記構成の作用について説明するに、回転
槽20が定常回転状態にあるとき、第二の環状ケ
ース部25内に収容された鋼球32はボールバラ
ンサとして作用し、そして、第一の環状ケース部
24内に収容された液体30はアンバランス吸収
限界点以上では液体バランサとして作用する。以
下、このことを第8図及び第9図を用いて詳述す
る。ここで第8図は第4図と同一の方法で作用を
説明するためのものであるから、この第8図には
第4図及び第6図と同一部分には同一符号を付し
た。第9図には第2図と同様の方法で作成した本
発明のバランサ22による振動抑制特性が示され
ている。この第9図において、T1―T2―T3
―T4線はバランサ22による特性線、T1―T
2―T5―T6線はボールバランサ部のみによる
特性線、点線38は液体バランサ部のみによる特
性線である。今、回転槽20の定常回転中を考え
るに、このときの振動を発生させる励振力におい
て、並進方向の力F及び回転モーメントMは、第
9図にT2で示したアンバランス吸収限界点以下
にあるとき次式(ハ),(ニ)で表わされ、アンバランス
吸収限界点以上にあるとき次式(ホ),(ヘ)で表わされ
る。
F=Fu−Fb ……(ハ) M=Fu・Lu−Fb・Lb ……(ニ) F=Fu−Fb−Fw ……(ホ) M=Fu・Lu−Fb・Lb−Fw・Lw ……(ヘ) この式において、Fwは液体30に作用する遠
心力、Lwは重心Gと液体30の最も集まつた部
分の中心との間の距離である。上述の式から理解
されるように、アンバランス吸収限界点以下では
特性線T1―T2間で示す特性の振動抑制作用が
主として鋼球32によつて発揮され、そしてアン
バランス吸収限界点以上では液体30による所謂
液体バランサ効果が発揮されて特性線T2―T3
―T4間で示す特性の振動抑制作用がもたらされ
る。そしてこの場合でもバランサ22はその一部
が鋼球32によつてボールバランサ部をなしてい
るからT3で図示する如く、回転槽20のたわみ
により第2図で述べたと同様の振動振巾略零の状
態が存在する。そして、特性線T2―T3間で示
すように、このバランサ22によれば液体バラン
サ効果によつてアンバランス量Qの増加に伴う振
動振巾Aの減少度合が第2図中、R2―R3間で
示した従来に比して極めてゆるやかになり、この
ことはプラスチツク製回転槽20のたわみ性を効
果的に利用したことにほかならず、全体として見
たとき、広範囲にわたるアンバランス量Qの変化
に対してタブ21の上端の振動振巾A範囲を狭い
ものにし得ることを意味するものである。以上の
ように、このバランサ22によれば、鋼球32に
よる回転槽20のたわみを伴うアンバランス吸収
限界点以下では鋼球32によるボールバランサ効
果によつて振動が抑制され、上記吸収限界点以上
では回転槽20のたわみ増加に伴うボールバラン
サ効果である振動振巾減少度合が液体バランサ効
果によつてゆるやかにされると云う作用がもたら
され、結果としてアンバランス量が広範囲に変化
してもその振動振巾を常に狭小に抑制することが
できるものである。また、第2図の説明ではアン
バランス量(略0.7Kg)にてアンバランス吸収限
界点に達する場合を例にしているが、本発明の一
実施例である第9図のように、上記よりも少ない
アンバランス量(略0.45Kg)にてアンバランス吸
収限界点に達するように設定すると云うようにそ
のアンバランス吸収限界点の設定によりプラスチ
ツク製回転槽20のたわみによる振動振巾の最大
値をより一層小さくするように設定することも可
能になる。
また、上述の具体的構成によれば、液体30を
収容する第一の環状ケース部24の内側に鋼球3
2収容用の第二の環状ケース部25を設け、鋼球
32に作用する遠心力による第二の環状ケース部
25の外方への変形を第一の環状ケース部24に
よつて補強する如くなしているので、第二の環状
ケース部25の劣化に伴う変形によつて鋼球32
の移動性が阻害されてボールバランサ効果が低下
されたり、また鋼球32に作用する大きな遠心力
によつて第二の環状ケース部25が分解性破壊に
一気に到つてしまつたりすることを第一の環状ケ
ース部24によつて阻止でき、従つて分解性破壊
に到るにしても一定の時間がかかり、この間に本
体ケース23の変形やその亀裂状態と鋼球32と
の相互作用で生ずる異常騒音によつて破損現象を
確認することができ、分解性破壊を未然に防止で
きる。更に、第一には、回転槽20がその回転初
期にアンバランス負荷によつて振れ回り振動した
とき、液体30がそのアンバランス量を増大させ
る方向に自在に移動してしまうことを極力避ける
ための邪魔板部27にリブ28を設け、このリブ
28によつて隔壁26を補強していること、第二
には、各環状ケース部24,25の上面開放部分
を、夫々を閉鎖するための蓋部分29a,29b
を一体化した単一の蓋29によつて閉鎖する構造
になして本体ケース23の剛体性を図つているこ
と、の理由により本体ケース23全体の強度を向
上させているので、上述の如き変形や、分解性破
壊をより一層効果的に防止でできると共に薄肉構
造にすることも可能になり使用材料を節減し得
る。
本考案による上記第一実施例によれば更に次の
ような効果も得られる。
一般にボールバランサは、定常回転時に振動吸
収作用を発揮すべく、鋼球32は移動自在となつ
ているため、回転槽20が起動開始されても鋼球
32はその良好すぎる移動性が原因して回転槽2
0と一体に回転する状態に到るのに長時間かか
り、換言すれば鋼球32の回転運動立上り時間が
長くなり、ボールバランサ効果を発揮するのに時
間遅れを生ずる。このことを上記実施例では次の
ようにして防止している。即ち、回転槽20の停
止状態では第一の環状ケース部24内の液体30
の一部が隔壁26に設けた小孔36を介して第二
の環状ケース部25内に流入した状態にあり、こ
の状態で回転槽20を回転開始させた場合、第二
の環状ケース部25内に流入されている液体30
は鋼球32の良好すぎる移動性を妨げる抵抗とし
て作用するため、鋼球32の回転運動立上り時間
が短縮される。そして、回転槽20の回転速度が
ある程度増すと、第二の環状ケース部25内の液
体30は遠心力によつて徐々に小孔36から第一
の環状ケース部24内に戻され、ボールバランサ
効果を期待する定常回転速度付近に達すると、鋼
球32は液体30による抵抗を受けなくなつて良
好なる移動性を回復し、通常通りのボールバラン
サ効果を発揮するようになる。このようにして回
転槽20の起動後ボールバランサ効果が発揮され
るまでの時間を短縮し得るものである。
次に第二実施例について、第6図と同一部分に
同一符号を付して示す第10図及び第11図によ
り説明する。この第10図には第一実施例のバラ
ンサ22に代るバランサ39を半径方向に断面し
た状態で示し、また第11図は第10図中XI―XI
線部分で円周方向に沿い断面した状態を示してい
る。これらの図から理解されるように、この第二
実施例のものは隔壁26における鋼球32の移動
面(第11図中交差状斜線帯にて図示)40を避
けた下方部位と上方部位とに夫々小孔41,42
を複数個ずつ形成し、且つ上方に位置する小孔4
2の開口面積を下方に位置する小孔41のそれよ
りも大に定め、且つ液体30の第一の環状ケース
部24内への封入量を二点鎖線43で示す如く、
小孔41及び42間の略中間に液面をもつように
定めてなるものである。この第二実施例のものも
前記第一実施例と同様に作用するが、特に第二の
環状ケース部25内に流入している液体30は回
転槽20の回転初期、遠心力が小さいことにより
その液面が二点鎖線44で示す如くすり鉢状を呈
するため、主として下方の小孔41から第一の環
状ケース部24内に徐々に流出されてこの間鋼球
32の移動に抵抗を与え、そして定常回転付近に
達すると、液体30は二点鎖線45で示す如く大
きな遠心力によつて隔壁26の立上り面と略平行
な状態になるため、上下の小孔41,42から迅
速に流出されるようになり、鋼球32は良好な移
動性を速かに回復する。従つて鋼球32は回転槽
20の回転初期に十分なる回転運動が与えられ定
常回転時に速やかに良好なる移動性を回復すると
云う作用、換言すれば鋼球32に対する抵抗付与
及びその除去作用が第一実施例の場合よりも確実
に行なわれる。そればかりでなく、この第二実施
例では下方の小孔41を小なる開口面積に定め、
上方の小孔42を大なる開口面積に定めているか
ら液体30の第一の環状ケース部24内への流出
量は回転槽20の回転初期と定常回転との間で大
きな差が与えられ、従つて鋼球32に対する抵抗
付与とその除去作用がより一層確実化されるもの
である。その上、両小孔41,42を鋼球32の
移動面40を避けた下方及び上方に設けることと
しているので、定常回転時における鋼球32の移
動性が小孔41,42によつて阻害されることを
防止できる。
次に第10図と同一部分に同一符号を付して示
す第12図により第三実施例について説明する
に、この第三実施例のものは、第一の環状ケース
部24に液体30として、高比重で低粘度の第一
の液(例えば塩水)30aと低比重で高粘度の第
二の液(例えば油)30bとを収容し、且つ上方
の小孔42よりも小なる開口面積をもつ下方の小
孔41の内周下縁41aを第一の液30aの二点
鎖線をもつて示した液位46と同等以上の高さに
定め、以て回転槽20の停止状態では低比重高粘
度の第二の液30bを第二の環状ケース部25内
に自然流入させるようにしたものである。従つて
この第三実施例によれば、回転槽20の回転初
期、鋼球32には高粘度液である第二の液30b
によつて、より一層高い抵抗が与えられ、従つて
鋼球32の回転運動立上り時間をより一層短縮し
得るようになるものである。特に第二の環状ケー
ス部25内に流入される第二の液30bはこの実
施例の場合、油としているので、鋼球32の発錆
及び摩擦騒音を防止することができる。また、こ
のように、液体30として用いる第一、第二の液
30a,30bを小孔36が一段にしか存在しな
い第6図に示す構造のバランサ22における第一
の環状ケース部24に収容して、高粘度液である
第二の液30bを小孔36を介して第二の環状ケ
ース部25内に自然流入させるようにしてもよい
ことは勿論である。
本発明は以上述べたように、プラスチツク製回
転槽にこれと同心状に、液体を流動自在に収容し
た第一の環状ケース部と球体を移動自在に収容し
た第二の環状ケース部とを設け、前記第二の環状
ケース部を前記第一の環状ケース部の内側に位置
させ且つ、前記両ケース部の上面開放部分を閉鎖
する蓋部分を互いに一体化された単一の蓋とする
と共に両ケース部間の隔壁に液体通過用小孔を設
けたことを特徴とするものであり、これにより、
回転槽が定常回転中に球体によるたわみを伴つた
振動を被脱水物のアンバランス分布による振動と
共に発生する場合においても、その振動振巾をア
ンバランス量の広範囲にわたる変化に対して常に
狭小となるように抑制できる他、第二の環状ケー
ス部の変形によるボールバランサ効果の低下を防
止でき且つ該第二の環状ケース部が分解性破壊に
到つてしまうことを未然に防止できると共にバラ
ンサ効果が発揮されるまでの時間即ちバランサ効
果の立上り時間を短縮し得る脱水機の振動防止装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は従来例を説明するためのも
のであつて、その第1図は脱水兼用洗濯機の原理
的縦断側面図、第2図はボールバランサ等による
振動抑制に関する特性図、第3図は作用説明のた
めに回転槽を図解的に示す平面図、第4図及び第
5図は同じく夫々異なつた状態で図解的に示す側
面図であり、第6図乃至第9図は本発明の一実施
例に関するもので、その第6図は回転槽のバラン
サ装着部の縦断側面図、第7図はバランサを蓋を
除去して示す切欠平面図、第8図は作用を説明す
るための図解的側面図、第9図は振動抑制の特性
図、第10図は第二実施例を示すバランサの半径
方向拡大縦断面図、第11図は第10図のXI―XI
線部分の周方向に沿う切欠縦断側面図、第12図
は第三実施例を示す第10図相当の図である。 図中、20は回転槽、23は本体ケース、24
は第一の環状ケース部、25は第二の環状ケース
部、26は隔壁、28はリブ、29は蓋、29
a,29bは蓋部分、30は液体、30a,30
bは第一及び第二の液、32は鋼球(球体)、3
6は小孔、40は移動面、41は下方の小孔、4
2は上方の小孔、41aは内周下縁である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 プラスチツク製回転槽にこれと同心状に装着
    され上面が開放された第一の環状ケース部及びこ
    の第一の環状ケース部の内側に上面が開放された
    第二の環状ケース部を夫々形成すると共に両ケー
    ス部間の隔壁に液体通過用の小孔を形成してなる
    本体ケースと、前記第一の環状ケース部に液体を
    流動自在に収容すると共に第二の環状ケース部に
    球体を移動自在に収容した状態で、前記両ケース
    部の上面開放部分を閉鎖する蓋部分を互に一体化
    してなる単一の蓋とから成る脱水機の振動防止装
    置。
JP7264479A 1979-06-09 1979-06-09 Device for preventing vibration of hydroextractor Granted JPS55166197A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7264479A JPS55166197A (en) 1979-06-09 1979-06-09 Device for preventing vibration of hydroextractor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7264479A JPS55166197A (en) 1979-06-09 1979-06-09 Device for preventing vibration of hydroextractor

Publications (2)

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JPS55166197A JPS55166197A (en) 1980-12-25
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