JPS6216472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、クレーンあるいはシヨベル等の旋
回可能な上部旋回体と該旋回体を載置した移動機
構を有する下部走行体との上、下係脱装置に関す
るものである。

従来、上部旋回体と下部走行体とによつてなる
大型のクレーンあるいはシヨベル等においては重
量規制等のため、移動中は上部旋回体を下部走行
体から外し、現場において上部旋回体を下部走行
体上に取付けることが行なわれる。このような組
付けは上部旋回体を下部走行体に対し回転自在に
支持するボールレースを数十本のボルトによつて
下部走行体に固定していた。しかし、このボルト
を一本一本手作業によつて締めるのは極めて面到
な作業であつた。

この考案は、以上のような欠点を改善するため
になされたもので、上部旋回体と下部走行体をき
わめて容易かつ確実に係脱することが可能なクレ
ーンあるいはシヨベル等の上、下係脱装置を提供
することを目的とする。

以下、図に示す実施例に基づき考案を詳細に説
明する。

第１図において１は駆動車輪等の移動機構を有
するトラツク等の下部走行体、２は該下部走行体
上に旋回可能に載置された上部旋回体である。３
は下部走行体１の上面にて上部旋回体を回転可能
に支持するための下部走行体側座体、４は該下部
走行体側座体３に嵌合可能な上部旋回体側座体で
ある。

前記下部走行体側座体３は外側ボールレース３
１内側ボールレース３２、ボールベアリング３３
によつて構成されている。外側ボールレース３１
は環状の部材であつて外周に歯車３４が形成され
ており、ボルト等によつて下部走行体１上に固定
されている。内側ボールレース３２も外側ボール
レース３１と同じく環状の部材であつて、ボール
ベアリング３３を介して外側ボールレース３１に
対し回転可能に取付けられている。すなわち、内
側ボールレース３２の外周あるいは外側ボールレ
ース３１の内周のいずれか一方に円周方向溝３５
が設けられ、互にボールベアリング３３を嵌合し
て内側ボールレース３２が回転可能に取付けられ
ている。また内側ボールレース３２の内周側面に
は、後に述べるスライダによつて、係止部材が係
合、離脱する球面状凹部３６が適宜位置に形成し
てある。

前記上部旋回体側座体４は保持体４１、スライ
ダ４２、シリンダ４３、係止部材４４によつて構
成されている。保持体４１は下部走行体側座体３
の内側ボールレース３２の内径と同サイズの外径
を有する環状の部材であつて、上部旋回体２下面
に固定されている。この保持体４１には半径方向
に貫通する複数個の貫通孔４６を設け、該孔４６
内にて移動可能であつて外周方向へ出没可能に球
面状嵌合部を有する係止部材４４が嵌入してい
る。係止部材４４は様々な形状が考えられるが、
第１図〜第５図に示す実施例では球状の部材を使
用する。

保持体４４内周にはスライダ４２を上、下動可
能に沿設する。すなわち、スライダ４２も同じく
環状の部材であつて上部旋回体２にピン止めした
シリンダ４３を介して連結し、該シリンダ４３に
よつて上、下動可能にされている。スライダ４２
の外周下部には凹部４５が形成されている。

次に、この考案にかかる上、下係脱装置による
上部旋回体２と下部走行体１との係脱作業につき
説明する。

まず、上部旋回体側座体３のスライダ４２をシ
リンダ４３によつて上方に引上げ凹部４５が保持
体４１の孔４６と対応する高さに位置せしめる
（第３図）。従つて、係止部材４４は凹部４５およ
び保持体４１の貫通孔４６とにより、収納可能と
なり、仮りに保持体４１外周から突出していて
も、物体に接触すれば孔４６内に押し込まれ保持
体４１内に収納されることとなる。

次に、保持体４１と内側ボールレース３２とを
芯合せし、保持体４１をボールレース３２内に落
し込むようにして互に嵌合して、上部旋回体２を
下部走行体１に載置する（第４図）。

次に、シリンダ４３を伸張してスライダ４２を
降下せしめ、球面状凹部４５を孔４６より下方に
移動すると係止部材４４は貫通孔４６に沿つて内
側ボールレース３２側に移動し、該レース３２の
球面状凹部３６に嵌合し、係止部材４４を介し、
上部旋回体側座体４と下部走行体側座体３とが互
に固定され、組付を完了する（第５図）。球面状
の嵌合部を有する係止部材４４は、多少中心がズ
レていても球面状の凹部３６に自己調芯を行いな
がら嵌合するため、組付が容易に行える。

また、上部旋回体２と下部走行体１との分離
は、前記組付２とは逆に、スライダ４２を上昇さ
せ、貫通孔４６と球面状凹部４５とを一致させ図
示しない昇降装置により上部旋回体２を上昇させ
ると、係止部材４４は貫通孔４６内をスライダ４
２側に摺動し、孔４６内に収納され、上部旋回体
２と下部走行体１とは互に分離される。

なお、上部旋回体２の旋回は上部旋回体２側に
装着した原動機によつて回転するピニオン（図示
せず）を外側ボールレース３１外周の歯車３４に
噛合せしめて行なう。

この考案は以上の構成を有するが、さらに様々
な実施例を考えることが可能である。

例えば、第６図に示すごとく係止部材４４を円
筒ローラーによつて構成することも可能である
し、保持体４１およびスライダ４２を環状のもの
とせず、保持体４１を上部旋回体２下面に断面弧
状のものを複数個固定してもよいし、スライダ４
２も同じく、断面弧状のものを保持体４１内周面
に沿設してもよい。このときスライダ４２は係止
部材４４を外周方向へ押し出すための反力を得る
ため保持体４１に摺動自在に支持するガイド手段
等が必要となる。またスライダ４２に形成する球
面状凹部４５は溝状のものであつてよく、その位
置は下部だけでなく、上部等適宜選択可能であ
る。

この考案は以上のような構成を有するため、上
部旋回体を下部走行体上に載置した後、シリンダ
を作動するだけで容易に上部旋回体と下部走行体
とを互に固定することが可能である。

また球面状嵌合部を有する係止部材を球面状凹
部に係合するため多少両者の中心がズレても自己
調芯を行いながら嵌合するから、組付作業が容易
となる。

また係止部材は保持体内に内包し、スライダを
上下動させて係止部材を進退させて内側ボールレ
ースの球面状凹部は係合又は離脱させることがで
きるという構成であるため、構造が簡単で故障の
発生が少なくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図は上部旋回体側座体と下部走行体側座体の固
定状態の横断面図、第３図から第５図は上部旋回
体側座体と下部走行体側座体の嵌合順序要部縦断
面図、第６図は他の実施例の要部縦断面図であ
る。 １……下部走行体、２……上部旋回体、３……
下部走行体側座体、４……上部旋回体側座体、３
１……外側ボールレース、３２……内側ボールレ
ース、３３……ボールベアリング、３４……歯
車、３５……溝、３６……球面状凹部、４１……
保持体、４２……スライダ、４３……シリンダ、
４４……係止部材、４５……球面状凹部、４６…
…孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 旋回可能な上部旋回体と、移動機構を有する下
   部走行体とによつてなるクレーン等において、 上部旋回体下面には環状であつて外周側面から
   出没可能な球面状嵌合部を有する係止部材を適宜
   位置に内包した保持体を固定し、この保持体の内
   側に、シリンダによつて上下可能であつてかつ外
   周側面に凹部を有するスライダを沿設して上部旋
   回体側座体を構成し、 下部走行体上には、内周側面の適宜位置に球面
   状凹部を有するとともに回転可能な環状の内側ボ
   ールレースと、この内側ボールレースを内嵌した
   外側ボールレースとにより下部走行体側座体を構
   成し、 前記上部旋回体側座体を下部走行体側座体内に
   嵌合し、スライダを上下動させて係止部材を外周
   方向に進退させて内側ボールレースの凹部に係合
   又は離脱させることを特徴とするクレーン等の
   上、下係脱装置。