JPS6216310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフイルム、例えばポリプロピレンフイ
ルム、スチールフイルム、紙、アルミホイル等の
シート状素材を所望長さに切断するための装置に
関するもので、その目的とするところはフイルム
を確実に繰り出し、且つ整然と切断し得るととも
に、装置全体の重心を低くして安定性が良く、し
かもコンパクトにまとまつたフイルム切断装置を
提供するにある。

以下、本考案のフイルム切断装置の一実施例を
図面を参照しながら説明する。第１図及び第２図
に於て、１はフレームであつて、その一側は大き
く切欠かれており、下方部に形成された軸受部１
ａに向つて連続開口している。軸受部１ａにはロ
ール支持軸２が掛けられ、フイルムロール３を回
転自在に架設するようになつている。

フレーム１の上方部には第４図に示すように軸
受板４が一体的に形成又は別体として構成され固
設されている。軸受板４には切欠溝４ａが形成さ
れ、ここに上下２固の繰り出しロール５，５の軸
５ａが嵌入されるようにし、この軸５ａの周囲に
はゴム材５ｂ等の弾性体が被設され、相互に転接
するようになつている。上方の繰り出しロール５
の軸５ａの一端には回転ハンドル６が取付けら
れ、繰り出しロール５を第３図矢印Ａで示すよう
に回転させるようになつている。

７は押え板であつて、軸受板４の切欠溝４ａと
同様な切欠溝７ａが形成されている（第４図Ａ参
照）。

第４図Ｂから明らかなように、上記の様に形成
した押え板７を前記軸受板４の側面に接設し、２
つの切欠溝４ａ，７ａを相互に向合せて重ねて形
成した長溝内に繰り出しロール５の軸５ａして位
置決めし、繰り出しロール５，５の転接状態を維
持するようになつている。押え板７は、その両側
の長孔７ｂを通して止ビス８を軸受板４の螺孔４
ｂに螺合することにより軸受板４に取付けられ
る。

左右の軸受板４には案内カバー９を上から架設
し、これにキヤリア１０が摺動自在に跨架されて
いる（第１及び第３図参照）。キヤリア１０の後
端部は案内カバー９の後端縁を抱き込むように折
り曲げられていて、キヤリア１０が案内カバー９
から外れないようになつている。キヤリア１０の
前面には左右両面に刃を有する切断刃１１がビス
等の取付具により取付けられている。１０ａは把
手である。

繰り出しロール５の送出し口付近にはこれに沿
つて受板１２が配設されている。この受板１２は
水平受面１２ａと傾斜面１２ｂとから構成されて
いる。繰り出しロール５の下部及び前面下半方に
は断面Ｌ字形の枠体１３が配設されている。

前記受板１２の基部には段部１２ｃが形成さ
れ、上記枠体１３の垂直面との間に垂直案内溝１
４が形成され、切断刃１１の先端部が挿入される
ようになつている。

また、第１図及び第５図から明らかなように、
下方の繰り出しロール５の中央部のゴム材５ｂは
取り除かれ、軸５ａが直接露出していて、前記枠
体１３の水平面に固設された支持板１５にて回転
自由に直接支持されるようになつている。従つ
て、長尺の繰り出しロール５の中央部が垂れ下つ
てロール５全体がわん曲し、その結果繰り出され
るフイルムＦが歪んだり皺が寄つて送り出される
心配がない。

１６は案内ロールである（第２図参照）。

本実施例のフイルム切断装置は以上のように構
成されているので、フイルムロール３のロール支
持軸２をフレーム１の軸受部１ａにセツトし、こ
のフイルムロール３からフイルムＦの先端縁部を
引出し、案内ロール１６に掛けて、後方から繰り
出しロール５，５間に挟め込み、準備を完了す
る。

次に、回転ハンドル６を第３図矢印Ａ方向に回
転されると、フイルムＦは繰り出しロール５から
前方の受板１２の水平面１２ａ上に送り出されて
来る。フイルムＦが所望長さに送り出されたとこ
ろで回転ハンドル６を停止させる。

次に、把手１０ａを握り、キヤリア１０を案内
カバー９の一端側から他端側に移動させ、フイル
ムＦを切断する。尚、この切断時に受板１２上の
フイルムＦを軽く押えておくと、一層効果的に切
断出来る。

本考案は以上のように、フイルムロールを装置
の下方に架設するようにしたので、装置全体の重
心が低くなつて安定し、また押え板にて上側の繰
り出しロールが跳ね上つたりするのを防止してい
るので、フイルムを両ロール間に確実に挟み付
け、正確に送り出すことが出来、且つ、切断時に
もフイルムを確実に挟持しているので切断むらが
なく整然と切断出来る効果がある。

また、本願に於ては特に繰り出しロールの軸受
部には歯車等の複雑な機構を設けず、繰り出しロ
ールの摩擦によつて被切断フイルムを挟持駆動切
断するもので、またその軸受部には簡単な機構か
らなる繰り出し両ロールの圧接力の調節装置が設
けられているので被切断フイルムの厚さや、性質
の応じて適当な圧接力が選定調節出来て、切断効
率をあげ得るとともに繰り出しロールの摩耗度に
応じた調節もできるものであり、また、繰り出し
ロール直上の状の案内カバー９には、前端に刃
体１１を取り付けたキヤリアー１０がその上面及
び両側に摺動自在に跨架され、且つ、キヤリアー
１０の後端は、案内カバー９を抱き込むように折
り曲げられているので、切断刃の機能を十分に発
揮でき、また刃体の跳ね上り等による切断効率の
低下を防止するし、本器全体をコンパクト化し得
て、狭い店舗等への設置にも好適な切断器を提供
し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すフイルム切断
装置の正面図、第２図はその側面図、第３図は第
１図−線に沿つた拡大断面図、第４図は要部
の説明図、第５図は第１図−線に沿つた拡大
断面図である。 １……フレーム、１ａ……軸受部、２……ロー
ル支持軸、３……フイルムロール、４……軸受
板、４ａ……軸受板の切欠溝、５，５……繰り出
しロール、７……押え板、７ａ……押え板の切欠
溝、７ｂ……長孔、８……ビス穴、８′……ビ
ス、９……カバー、１０……キヤリア、１１……
切断刃。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロール状に巻かれたフイルムを回転自在に支持
   する軸受部をフレーム１の下方部に設け、フレー
   ムの上方部には一対の繰り出しロール５，５を転
   接状態を維持し得るように配設し、その軸受部に
   はフレームと一体または別体に軸受板４を設け、
   ここに上下の繰り出しロールの回転軸を嵌入し、
   その外側に軸受板の切欠溝４ａと同形の切欠溝７
   ａを設け、且つその両側に長孔７ｂを設けた押え
   板７を軸受板４のビス穴にビス８をもつて上下調
   節自在に固定するようにし、繰り出しロール直上
   の状の案内カバー９には、前端に刃体１１を取
   り付けたキヤリアー１０がその上面及び両側に摺
   動自在に跨架され、且つ、キヤリアー１０の後端
   は、案内カバー９を抱き込むように折り曲げら
   れ、この繰り出しロールのフイルム送り出し側に
   沿つて移動し乍らフイルムを切断するようにした
   フイルム切断装置。